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ベテラン著者はよく批評で、「この記事のどこが面白いのか、説明できますか?」と聞きます。ではそのベテラン著者の作品はどこがどう面白いのでしょうか。というわけで、実際に解説いただきます。
追記について
- 基本的に誰でも追記・編集できます。
- 対象記事は「評価が+100以上の"scp","goi-format","tale"タグのいずれかと"jp"タグが付いた記事」とします。
- 以下のテンプレートに則って追記をお願いします。既に他の方の解説がある場合はその下に追記してください。
- SCPは番号順に、GoIFとtaleは執筆者のユーザーアカウント名順(ABC先頭、数字はZの後とする)に並ぶようお願いします。
- ネタバレ上等です。見る側はネタバレ覚悟でご覧ください。
テンプレート
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**[(記事のURL) SCP-XXX-JP - (メタタイトル)]** by [[*user (原著者のアカウント名)]]
**こんな記事:**
**面白さの理由:**
**初心者向け度:**
by [[*user (解説者のアカウント名)]]
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**[(記事のURL) (GoIフォーマット又はTaleのタイトル)]** by [[*user (原著者のアカウント名)]]
**こんな記事:**
**面白さの理由:**
**初心者向け度:**
by [[*user (解説者のアカウント名)]]
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こんな記事: (記事がどんな内容か、2文以内で要約して説明してください。既に他の人による解説があれば省略してOKです。)
面白さの理由: (「この記事はどこがどう面白いのか」「読者に面白いと思ってもらうためにどんな工夫をしているか」などを説明してください。できれば記事の魅力に留まらず、その魅力を引き出すために著者が何をしたかなどが説明できるとgoodです。)
初心者向け度: (初心者の執筆にどれくらい参考になりそうか、%や★★★★☆などを使って表してください。この項目は任意なので分からなければ書かなくてOKです。)
シリーズJP-I
SCP-017-JP - ローカルルール by izhaya
こんな記事: ジャンケンに追加される異常な手「ナー」。それを見た人は一瞬でナーを理解し通常のジャンケンで使えるようになる。しかしジャンケンにおけるナーのルールを考えると、二人だけでジャンケンした場合にゲーム性が崩壊してしまう。実際に2人だけでジャンケンをする実験をしてみるとこれまで見つかっていなかった異常性が明らかになる。
面白さの理由: これは持論ですが、面白さとは『新しくて理解できる』ことだと思っています。「ナー」の追加ゲームルールとしての設定は、SCPとか関係なく面白いです。これは、「ジャンケンという良く知っているものの改変なので、理解しやすいが初めて見る」ものなので、『新しくて理解できる』にすんなり当てはまっています。絶妙なしょうもなさやちょっとやってみたくなる等の副次的な面白さもありますが、極論ナーが出てきた時点で読者はもうすでに面白がってくれているはずなので、後は記事の失点を防ぎつつ綺麗にまとめれば+50は固いと思っていました。+100を超える為にはもう一山あった方が良いので、次に何が起こるかワクワクさせては予想外の展開へ、ワクワクさせては予想外の展開へを繰り返し(シュールなジャンケンの実験→予想外の異常性、その異常性の実験「賞品はどこに行くのか」→予想外の場所、その場所に対してどうするのか→予想外の決定と予想外の追加報告)、読者の期待を高めてから『すべてを説明しないオチ』を用意しました。これまでの面白さと記事への期待感から、読者はオチをしっかり深読みしてくれるので、最後もやはり『直接書かれて無いけど何が起こったか解る』という『新しくて理解できる』面白さでシメています。
初心者向け度: ★★☆☆☆ ナーの設定が50%、後半の構成力50%の記事だと思っています。ナーの設定はアイデア勝負なのであまり参考にならないでしょう。また、前半はギャグ、後半は「コズミックホラーと思わせてのシュール感動」なので記事が一本調子ではありません。参考にするなら、「失点の防ぎ方」だと思います。予想外の展開は多いですが、無理やり感のある展開やクドい展開にはなっていないと思います。話の展開は異常性にある程度任せて、財団の対応は粛々と現実的に、と意識しています。書きたいもの(この記事の場合はオチ)がある場合は、どうすれば最終的にそこに結びつくのかを考えて、その3歩手前ぐらいから記事を構成しています。どういうことが起きれば財団は最終的に書きたい行動をしてくれるだろう?を後ろから考えていくと、失点の少ない記事になると思います。
by izhaya
SCP-246-JP - 削り削られ by aisurakuto
こんな記事: 仮定のヒットポイントゲージを削るスクレーパー。発見事例ではオブジェクトを使用して殺人を行った少年へのインタビューが展開されるが……。
面白さの理由: ポップな異常性、そこに仕組んだハッタリ、それを通すための重厚な心理的描写。異常性を前提として解釈し、その前提を活用して話は進んでいきます。最大の落としどころはハッタリ一点ですが、いかにそれを受け入れさせるかに終始しています。
初心者向け度: ★★★☆☆ この記事の構造を成立させるには「どうしてキャラクターはそこまでしたか?」が必要です。そのため、ストーリーに重点を置いた描き方が身に着いている必要があります。一見不合理に思える行動でも動機が伴っていれば、人間はどこまででも行けるものだと読者は納得してくれます。そこでハッタリを出力できれば、事が明らかになった瞬間に皮肉が重なって最大火力になります。
by aisurakuto
SCP-307-JP - 余命四ヶ月、あるいは永遠に by izhaya
こんな記事: 触れた瞬間を基点として、触れた人間を数カ月ごとにループさせて触れた瞬間に戻してしまうCD。触れなければ異常性は発生しないためSafeとされていたが、とある事件が起きThaumielに修正される。
面白さの理由: こ面新理(これは持論ですが面白さとは「新しくて理解できる」ことだと思っていますの略)の視点で見ると、涼宮ハルヒのエンドレスエイト等無限ループに巻き込まれる作品は多くあり、また設定が難解であるため、この異常性ははっきり言って「面白く無い」ものです。ですが、この記事は感動モノの鉄板構成である「自己犠牲で世界を守る」要素を後半に備えています。ですので、異常性が面白く無いというデメリットを上手くカバーして後半部分さえ読ませれば絶対に面白いはずです。
前半はLINE記録と添付の不気味な画像がこの記事の本体です。複雑でありきたりな異常性ですが、画像一発で「あまり見たことの無い、しかし想像可能な不気味さ」を表現でき、新しく・理解できるという面白さを出すことが出来ます。これで読者を引き込み、中盤戦である「財団がどうやって時間のループに気付くのか」を読ませます。これも今までありそうでなかったシチュエーションですが、理解できるように丁寧に描写しているので、新しく・理解できるという面白さを満たしています。異常性は面白く無くても、前半、中盤と面白さのクオリティが落ちないので、読者を長い記事の後半まで脱落させずに持ってくることが出来ます。この後半さえ読ませれば勝ちです。
最後は雰囲気をガラリと変えて、これまでのSF・ホラー要素から一転して博士をただただカッコよく書き続けます。全中盤のホラーとの落差が大きく、ホラー部分で怖くなった読者程それを乗り越えた博士の勇気を実感出来るため、感動させることが出来ます。また、「その使い方があったのか~!」と思わせられれば、「使い方が解っている(理解しやすい)がその発想は無かった(新しい)」となり勝ちです(こ面新理)。要するに、異常性の普通さ、面白く無さを画像や構成等でカバーし、全体として面白くしています。
初心者向け度: ★☆☆☆☆ まずは異常性という素材が面白い事を目指した方が良いと思います。面白くない異常性で記事を書くと、この記事のように様々なテクニックで面白さを補ったりする必要が出てきます。逆に言えば「異常性は面白く無いがこれを使えば面白い話が語れる」という状況になった時はこれらのテクニックが使えるかもしれません。異常性の説明はし過ぎずに、解りやすいフックで話に引き込み、書きたい場所まで読者が脱落しないようにする、というこの記事のやり方は、上記の対処法の一つだと思います。
by izhaya
SCP-413-JP - 13階段 by hannyahara
こんな記事: 段を数えながら登ると13段になる12段の階段。実は階段が13段になるように数の数え方が変質してしまう。14段以上の階段だと存在しないはずの数が出てきてしまい…
面白さの理由:誰もが知っている"魔の13階段"をアレンジしたものであり、ちょっとした数学の話を出してSCPらしさを演出しています。終始まで理性的かつ論理的な実験手順で進行しますが、それらの積み重ねから最後のオチで視覚的な気持ち悪さを読者に想像させることでカタルシスを生んでいます。このあたりの緩急の付け方が面白さの一因となっていると思います。
初心者向け度: ★★★★★ 私(hannyahara)の処女作であり、JPとしてはそこそこ古めの記事ではありますが、実験記録だけでも面白さを出すことができる良い例だと考えています。今ではこのシンプルさを出すのはなかなか難しいとは思いますが、SCP記事としての構成を守りながら"オチ"というものを出すための参考になるかと思います。
by hannyahara
SCP-588-JP - 超次元壁尻~俺たちの宇宙に突き出すカルキストのケツ~ by stengan774
こんな記事: 財団に追われ、異次元ポータルに逃げこもうとして壁尻状態になったネオサーキック・カルトの構成員。こちら側からは下半身しか見えないので、実験によって上半身の状態を確かめようとすると……?
面白さの理由: いわゆるフック(初見時でのインパクト、続きを読みたいと思わせるとっかかり)を重視して書いた記事です。半ケツの画像と「SCP-588-JPは(中略)超次元的に固定された、中年男性の下半身です」でまず奇妙な状況を提示し、そこからなぜそうなったのかについて説明をつづけることで読者の「そうはならんやろ」に対する回答と間抜けなバックストーリーを付与しています。
さらにこの記事ではもう一捻り(二捻り)して衝撃的なオチを付け加えることで、フックから尻すぼみにならないように記事全体のバランスを取りました。序盤のフックを中盤で理由付けし、同時に中盤に伏線を仕込んで終盤につなげるという形で、短い中で二転三転しつつも全体に一貫した勢いをつけられたのが良かったかなと思います。
初心者向け度: ★★★☆☆
by stengan774
SCP-710-JP - タイムマシンリボルバー by yanyan1
こんな記事: 弾丸を未来・過去・現在に飛ばす事の出来るS&Wの2.5インチリボルバー。博士のオフィスで発生した「未来からの」射撃事案をきっかけにKeterクラスに認定されかつ「収容不可能」となる。
面白さの理由: オブジェクト自体の異常性は至ってシンプルかつあくまでただの「道具」でしかないにも関わらず、それによって引き起こされた現象から波及する影響がこの記事の根幹であると思います。また、各実験記録や確認されている事案記録などにも記事のオチに繋がる伏線を張っているので、読者の「なるほど」という感情を引き起こさせる作りもしています。所謂、「アイテム系」のSCP記事においての面白さとはその強力な道具に「使われている」人間を描くことが最大の魅力なのではないでしょうか。
初心者向け度: ★★★☆☆ 考察が捗る記事なので、ちょっと読み慣れてきた人向けかも
by yanyan1
SCP-937-JP - 叫喚覚 by izhaya
こんな記事: 聴いた人は他の五感に連動する共感覚を得る音声。ただしその連動は快を不快に、不快を快に変換してしまう。結果として暴露した人は無惨な死に方をする。どのように死んでいくのか、彼らの感覚はどのように狂ってしまったのか。財団は暴露末期のDクラスにインタビューを行う。
面白さの理由: こ面新理(これは持論ですが面白さとは「新しくて理解できる」ことだと思っていますの略)。そういう意味で、五感(皆が理解しやすいもの)がお互いに最悪の連動をしてしまう(新しい方向性だが理解しやすい恐怖)という異常性の設定はそもそも面白いと思います。失敗記事は「新しいが理解できない」か「理解できるがありきたり」の2パターンが多いので、記事や設定の「新しさ」の獲得に成功した場合は徹底的に理解しやすさを追求するべきです。その為に記事の前半は短めの文章と解りやすい図表で徹底的に「何が起きているかを理解しやすくする」事に努めています。
ここまでで何が起きているかを理解した読者は、「新しくて理解できる」に既に触れたので記事を面白がっています。その為、後半の長いインタビューをワクワクして読もうとしてくれます。後は失点を防ぎつつ(記事の整合性を失わずに)、最大限の山場を作れば完成です。この記事は胸糞の悪くなるホラーなので、ここで最大限に嫌な気持ちになってもらえれば勝ちです。既に前半で記事の面白さは達成しています。最終的な評価は『面白さ×インパクト』になるので、山場の内容が予測可能でも、読者の想像以上のインパクトさえあれば問題ありません。
初心者向け度: ★★★★★
人の心を動かす場合、感動>笑い>恐怖 の順に大変だと思います。この記事はホラーなので超簡単に人の心を動かすことができ、『面白さ×インパクト』のうちインパクトは手軽に手に入ります。なので後は面白さがあれば問題ありません。設定などの「新しさ」さえあれば、徹底的な解りやすさ(読者目線のサービス意識)で「理解できる」が達成できるので、面白くなります(こ面新理)。ホラー記事の鉄板の構成だと思います。解りやすく、しかし考えもしなかった怖い事が起きる。読者に何が起きてるのか理解させたら、後は徹底的に怖がらせれば勝ちです。
by izhaya
SCP-977-JP - もちつきうさぎと逸話たち by yzkrt
こんな記事: 月の模様にもなっているうさぎたち。しかし実は裏では苛烈な産業競争が行われているのであった!
面白さの理由: インパクトのある異常性と、そこから続くユーモアな展開。
初心者向け度: ★★★★★ キャッチ―な異常性を一本通して記事を展開する。というシンプルな構造なのでかなり参考にしやすいと思います。記事のオチや展開も重要ですが、読者が一番気にしている異常性が魅力的な物になっているかまず確認してみましょう。
by yzkrt
シリーズJP-II
SCP-1019-JP - ██県 ███市 ██町2丁目へ-9 by yanyan1
こんな記事: とある県にある一般住宅で起こる異常現象。それらすべてが家屋内で生じる「隙間」に起因し、住人の精神をむしばんでいく。ただの異常現象に留まらず、現実改変、タイムループ、3体の異常実体など盛り沢山のホラー記事
面白さの理由: 一般家屋内に生じる「隙間」という、読者の身近に存在するものを利用した「親近感のある恐怖」を中心にした演出を心がけました。ホラー記事を書く上で意識したいのは読者がそれを想像した際にどう感じるか、いかに「恐怖を想像しやすいか」を心掛けるとより怖い記事が書けるようになる気がします。また、オブジェクトの説明部分で発生する現象を敢えて専門用語の多い「論理的な文章」で説明した後に実験記録や映像記録といった「急激に来るビジュアル化」を持たせることでより読者の恐怖体験を煽る事が出来るのではないでしょか。
初心者向け度: ★★★☆☆ Jホラーが好きな人は気に入ると思う。ホラーが苦手な人は頑張って。
by yanyan1
SCP-1033-JP - ヴァーチュアル・ラビット by furabbit
こんな記事: 近くの人間にとってのウサギ像に合わせて変化するウサギです。ある新任研究員による変化の際に大規模な収容違反を引き起こしました。
面白さの理由: バニーまで射程圏に含めた変異パターンの広さ、死亡案件で一瞬不安にさせておいてからのドタバタ収容違反、からのほのぼのオチ。映像ログもすんなり情景が浮かぶような丁寧な作りこみで「文字にするとこんな感じなんだ…」って思ってしまう。シンプルなアイデアを技量と細部の完成度でハイレベルに仕上げた記事。
初心者向け度: ★★★★☆ 異常性がシンプルなので描写の完成度やクリニカルな記述の手本になりそう。
by ShinoguN
SCP-1065-JP - 無間の部屋 by Mitan
こんな記事: 扉の先に同様の部屋が無限に存在するアパートの一室です。
面白さの理由: 簡素な異常性のオブジェクトではありますが、探査記録で少しずつ前進し、少しずつ不穏な発見がされていくという展開がダンジョン攻略のようなワクワク感を生みました。室内の血痕、行方不明者、Dクラスの言動等、それぞれの要素がオブジェクトの何なのかが明言されていない事が怪奇性や不気味さに繋がったのだと思います。
初心者向け度: ★★★★☆ インパクトのある画像やワクワクさせる探査記録等、読者を飽きさせずに最後まで食いつかせ続ける手段の参考になるかもしれません。
by Mitan
SCP-1083-JP - 地対空弾道おばあさん迎撃おじいさん by k-cal
こんな記事: 弾道ミサイルのごとく発射される高齢女性。それを迎え撃つために、迎撃システムから高齢男性が発射される。
面白さの理由: SCPで大切なのは、やはり「新奇性」と「インパクト」であり、この記事の面白さの中心はこの二つです。
インパクトは画像とタイトルで確保しています。
新奇性は上の概要にあるような異常性です。ただ「人が飛ぶ」とせず、「パトリオットミサイル」という具体的な存在まで落とし込んだことがミソです。より具体的にすればするほど、被りは避けられます(その要素を活かす義務は生じますが)。
情報の出し方については、適度に読者を置いていくようにしています。こういったトンデモ異常性はゆったり語るのではなく、読者が若干置き去りにされるくらいのテンポで進んだ方が良いと思います。ただし、ふざけず大真面目に語る必要はあります。
オチは新奇性を狙っているというより、今までややトンデモに寄りすぎた雰囲気をまとめる役割を果たしています。
初心者向け度: ★★★★★ 構成よりも新奇性に力が入っている例です。創作を始めたばかりの方が、いきなり新奇性のある物語・構成を作ることは難しいでしょう。だからこそ、誰も書いていないような「異常」で勝負してほしいと思います。あなたの書く異常なオブジェクトそのものが新しければ、オチはある程度使い古されたものでも問題ありません。
by k-cal
SCP-1146-JP - くだん・バンシーの不謹慎漫才ショー by aisurakuto
こんな記事: 予言する怪異が漫才を行い、凶事を漫才に載せて伝える。後半ではどうして漫才を繰り広げていたかが語られ、「娯楽」というテーマが語られる。
面白さの理由: 予言と漫才という組み合わせのギャップとその構造自体のブラックジョーク、そこからさらに展開されるアイロニー。
初心者向け度: ★★★☆☆ 人型であるメリットは目的を持たせられることだと思います。何か自身の能力を用いて活動している場合、オブジェクトは何かの目的を持っているかもしれません。愉快に見える行動でもそれをしているのは何か理由があるからで、紐付けして当人らの哲学へと展開できれば深いキャラクターとなります。読者はキャラクターのデザインや喋り方だけでなく行動原理にも興味を持っており、ここを刺すことができれば心に残るストーリーとなります。
by aisurakuto
SCP-1235-JP - プライス・デス by Okaka_Onigiri
こんな記事: 死因を売買するフリマサイト。利用者は所持している死因以外では死亡しなくなる。
面白さの理由: オチに据えた「不死者の苦しみ」は、かなり使い古されたテーマだと思います。それでも評価を得られた理由は、まずそのテーマを実験記録やインタビューである程度しっかり書いたこと、そして、異常性を発展させた内容を盛り込んだことだと思います。後遺症や脳死について、死を複数持った状態で死亡すると余分な死が失われる点などですね。また、補遺2に2段オチを用意できたのも大きかったと思います。
初心者向け度: ★★★★★ かなりシンプルな記事構成だと思います。異常性の発展のさせ方や、実験記録で展開を作る点などで参考になるかもしれません。
by Okaka_Onigiri
SCP-1249-JP - 人々 by Fennecist
こんな記事: 周りにいる人の名前を取り込みながら「人」の字を増殖させる図あるいは漢字。名前を取り込まれた人は消滅してしまう。
面白さの理由: 訓読みのある日本だからこその異常性と、オブジェクトそのもの見た目のキャッチーさが主な理由だと思います。また、収容状態の見た目の危うさも面白さに貢献しています。特筆してアイデアが強力な記事です。
初心者向け度: ★★☆☆☆ アイデアありきの記事であるため、同じような異常性で書くのはどうしても二番煎じになってしまうように思います。漢字のオブジェクト自体これより前にSCP-096-JP - 誤字があるので、差別化も難しそうです。何かやるのであれば読みや意味ではなく、aisuraktoさんがSCP-1440-JPの項で言っているように形状から考えるのがよさそうです。最後の収容担当のメモ書きはこの記事の強度があって成立しているので、真似しないほうがいいです。
by Fennecist
SCP-1259-JP - 地獄の沙汰も金次第 by O-92_Mallet
こんな記事: 大きく2部構成となる記事で、前半は「電柱のような見た目をして、通行人から金(紙幣や硬貨)を巻き上げて食べる植物オブジェクト」に関する一般的な報告書です。対する後半はこのオブジェクトの由来となる、「突如として起きた全世界的異常により人々が金を食べるようになった未来」が出てきます。
面白さの理由: K-クラスシナリオによって滅んだ世界を描いた記事はJP支部では昔から頻用されていますが、本作ではもう一歩進めて「K-クラスシナリオが財団の手によって解決された後の世界」を舞台にしています。未来の情報を取り扱うことの危険さを理由として、報告書後半の秘匿性と特殊オブジェクトクラス(Uncontained)の正当性を持たせています。またこの記事で採用されているHyper Text Changer構文は、今となってはお馴染みですが2017年当時では最先端の技術構文であり、目新しさがあったことも当時の高評価の理由の一つでしょう。
初心者向け度: ★★★★☆ これは私(O-92_Mallet)が初めてサイト上に残した記事であり、また私の記事では珍しく他記事との明確なクロスリンクを殆ど持たない作品です。読む側としても書く側としても、SCPデビュー時期の皆様の参考の一助となれば幸いです。
by O-92_Mallet
SCP-1440-JP - と by aisurakuto
こんな記事: 成長し繁殖する文字の「と」。
面白さの理由: 「と」が繁殖する様子の視覚的イメージの提示。
初心者向け度: ★★★★☆ ビジュアルから異常性を考えてみるのもまた一興。モノの持つ意味を捨てて、形状からストーリーをデザインしてみてください。
by aisurakuto
SCP-1473-JP - 深層の海景 by Fennecist
こんな記事: 山中にあるプレハブ小屋。山の中なのにすぐ近くで溺死体が発見され、スマホには不気味な会話履歴が……
面白さの理由: 相反する要素が無理のない範囲で現れる点が1つ目の魅力だと思います。「山の中なのに窓からは海景が見える」「山なのに溺死する」「閉ざされた密室で襲われたのに、遺体は小屋の外で発見された」あたりの要素が該当します。これらの要素によって、読者に考察をできるだけの想像の余地を与えています。考察させるという点では、最後の発言だけ句点を律儀につけてるのも上手いと思います。2つ目の魅力は異常性の一部である"景色"が被害者の感情で変化するというシンプルさです。この感情ならこういう景色になるだろうなと読者に想像させることができます(降雪のみ確認されていないのもミソです)。最大の魅力である補遺において、終盤では被害者の感情の悪化を異常性そのものが後押ししてしまい、入れ子のように異常性が良くない方向へと進行してしまいます。この絶望感がいいですね。LINE風味のログのリアリティも魅力です。
初心者向け度: ★★★★★ 棍棒コンの参加作品であり、ディスカッションの通り「「クリーピー」で「誰かの初めてのSCP」になり得て、「クリニカルトーン」で「クラシック」で「SCPのアイデアが主役」な記事を自分なりに探求」した記事なので、色々な面において参考にできると思います。特にストーリー構成やこぎれいな記事の見た目のリファレンスとしてはよく使えると思います。
by Fennecist
SCP-1571-JP - 悲痛の訪問者 by Pagema157
こんな記事: 深夜、家屋の玄関扉前に現れる謎の存在。ノックをしながら、扉を開けることを要求してくる。その行動はだんだんエスカレートしていき……。
面白さの理由: 煽るだけ恐怖を煽って、最後に「しょうもな!」と笑わせることを意識した記事です。終盤以外はホラー展開で固め、最後にホラー的印象を一変させるオチを持ってくることで落差を出しています。また落差だけでなく納得感も感じてもらえるよう、序盤の記述とオチの関連性には注意しました。この落差と納得感が、記事の面白さだと思います。
初心者向け度: ★★★★☆ 読者に与える印象を記事中に変化させてみるのも、評価を得る一つの手段かもしれません。
by Pagema157
SCP-1598-JP -『ほら、いつものアレやれよ。』 by yzkrt
こんな記事: 自殺の風景が何度もループする異常性。財団は調査を行うが、気が付かないうちに……?
面白さの理由: 異常性と綿密に絡んだフォーマットスクリュー。メタ視点の読者を作品内に引き込んだギミック。
初心者向け度: ★☆☆☆☆ フォーマットスクリューは面白くなりやすいという印象があるが、ここまで徹底しないと中々評価は得られない。もしフォーマットスクリューを記事に組み込むことを検討しているのであれば、どのような見た目のインパクトがあるか?と同時にどうしてフォーマットスクリューさせなければいけないのか?を考えるといいかも。
by yzkrt
SCP-1654-JP - 全米も泣いたし俺も泣いた by Hasuma_S
こんな記事: 映像媒体に記録すると、映像が同日にアメリカで発生した事柄に置換されるタマネギ。元々の所有者はこれを撮影してて何かを作ろうとしていたが……。
面白さの理由: インタビュー記録の1文で全て落とすために、丁寧に伏線を敷いていったことが面白さに繋がったと思う。全ての要素に意味があるように構成を考えた。
初心者向け度: ★★★★☆ ネタがややブラックだが、構成自体は参考にできると思う。
by Hasuma_S
SCP-1699-JP - 去り行く者たちへの卒業証書 by Jiraku_Mogana
こんな記事: リタイアを考えている人間にエンドロールを見せそのまま幸せな夢の世界へ引きずり込むオブジェクト。引退する創作者に向けたファンとしての願望と、それを受けた創作者の再起の物語。
面白さの理由: 創作者とそのファンによって紡がれる人間ドラマ。自分の冀求を含めた個人的な感情をこれでもかと叩きつけたため、共感が得られたのかも。特に創作をやったことがある人には刺さるという声が多かったです。
基本的に読者がVoteするのは読み終わった直後が一番多いと思います。そのためオチ、読後感が良好であると興奮冷めやらぬままUVに手を伸ばすと思います。反対にモヤモヤした終わり方や気にかかる点が残ったままだとちょっと考える時間が生まれてしまうので、もしかすると冷静になってNVに寄ることがあるかもしれません。この記事はヨルクが再起し物語が続いていく‥‥という爽やかな読後感になっているためすっきりUVを押しやすくなっている‥‥かも。
初心者向け度: ★★★☆☆ オブジェクトは舞台背景でしかなく、PoIのストーリーで成り立っている記事です。「SCPオブジェクトの記事が書きたい!」という方には向いてないかもしれませんが、エモい記事が書きたいという方には参考になるかも。ただし手記やインタビューは執筆経験が浅い初心者が使うとリアリティの欠如やクサさが出てしまいがちなので注意。
by Jiraku_Mogana
SCP-1780-JP - 穴の空いた穴 by O-92_Mallet
こんな記事: JP支部最高評価であるSCP-280-JPを主軸としたクロスリンク記事。別のとあるオブジェクトに用いられていた収容房に備え付けられていた時空間異常制御装置(XACTS)が、意図せずして過去改変の痕跡を刻む証拠となりました。要注意団体「犀賀派」の活動や行動理念の掘り下げをサブテーマとしています。
面白さの理由: これは2017年の夏季コンテスト「クロスコンテスト'17 The Crossroads Demon」で優勝を頂いた記事です。扱いを誤ればたちどころに全世界を呑み込む著名なオブジェクト「縮小する時空間異常」の中に、実は入れ子になった宇宙がもう一つ存在するというインパクトのある外付け設定でアタックをかけました。構成で注意した点は、多数の登場オブジェクトや要注意団体に優劣をつけないこと、明確な捨て役を作らないことだったと思います。
初心者向け度: ★★☆☆☆ クロスリンク先の各オブジェクトを深く理解しておかないと難しいので、あまり初心者向けではない。2017年当時では新奇性があったが、現代だとこの規模のクロスリンク記事は他にもそれなりにあるかも。
by O-92_Mallet
SCP-1948-JP 真秀場の空 by Waver
こんな記事: 自殺現場に出現する、人間の姿をした何か。死期の近い人間にのみ認識できる。
面白さの理由: いわゆる雰囲気系記事です。ストーリーが無いぶん描写は淡泊にならざるを得ないので、オブジェクトに対する読者の印象を意識して書きました。さんざん不気味な印象を煽り、オチ付近でそれをひっくり返す感じです。報告書を偽のものと真のものに分け、段階的に情報を開示したのも、オチに向けて不気味さを盛り上げるためです。最後にオブジェクトの目的と心情(らしきもの)を明かすことで、印象を一変させています。その落差に加え、最後の画像がトドメになる感じでしょうか。
初心者向け度: ★★☆☆☆ 雰囲気以上のものは無いので、この記事そのものはあまり参考にならないでしょうが、構成や描写の工夫、画像の使い方は応用できると思います。あと、読者の印象を裏切ることを構成の軸に据えるのも有効かもしれません。
by Waver
シリーズJP-III
SCP-2000-JP - 伝書使 by WagnasCousin&
FeS_ryuukatetu&
furabbit
こんな記事: SCP-3519の後に機械仕掛けの神を電子犬が起動して人類が復活します。
面白さの理由: 上記説明"だけ"を見てどう思いましたか?要約は間違っていないはずですが、元となる作品の良さを台無しにしているとは思わなかったでしょうか。一度試して頂ければ分かると思いますが、未読の方にこの話の概要を伝えようとすると、驚くほど陳腐な説明になるはずです。何故そうなるのか、それはこの作品の構成が影響しています。
まず、この話の面白さは結論ではなくその過程で起こったヒューマン?ドラマ部分にあります。人の心情は語りすぎるとわざとらしくなるので、ギミックを含め見せ方を工夫して読者に想像させるよう描いています。アノマリーは何でもありなのでどんな展開も作れますが、何でもありな分ご都合主義になりがちです。そうならないように伏線をパズルのように組み上げ、展開に説得力を持たせています。欠けてはいけない情報を文章に限らず色んな方法で詰め込んでる以上、文章でまとめるのが難しいのは当たり前ですね。例を挙げるなら2000-JPのナンバリングの意味が判明する場面がありますが、そこだけ切り抜いてしまうとただの言葉遊びでしかありません。そこにドラマが生まれる理由は、研究員と2000-JPの積み上げてきた出来事が伏線として繋がっており、彼らの想いが希望のある未来として第四の壁を超え読者に託されるからです。
初心者向け度: ★★☆☆☆ 記事自体を参考にするのはお勧めしません。ただ、上で挙げた説得力の出し方など作中の意図を解析するのは何かしらの役に立つのではと思います。
by WagnasCousin
SCP-2045-JP - 【悲報】暴龍ゲンジ、叩かれて死亡 by Gokipo
こんな記事: なんか顰蹙を買うことをやるとむちゃくちゃ動くペースメーカー。最初に植え込まれた人間はまさかの迷惑系TouTuberでした。
面白さの理由: 観念的な説明や登場人物のセリフをできるだけ避け、読者の脳内で勝手に想像してもらえるように構成したところと、最後に仕込まれた特大皮肉の「フリ」と「オチ」が決まっていたところ。
初心者向け度: ★★★★★ セリフがつい臭くなってしまう人には、こういう例もあることを知っておいてほしいですね。
by Gokipo
SCP-2144-JP - やぁ!そこの君。君だよ君。そこでこのページをぼうっと眺めてる君。ちょっとしたことなんだけど、このリンクをクリックしてくれないかな。 by Mitan
こんな記事: 殉職した財団エージェント、クリストファー=コックスを自称する電子生命体が話しかけてきます。
面白さの理由: 合間合間に挿入されるコラージュのようなコックスの画像、絶妙にウザい言動や煽りでギャグ的な印象としつつ中盤ではシリアスな展開に、そして終盤では大どんでん返しというジェットコースターのような展開としたこと、記事の中の存在が語りかけてくるという体感型の形に仕上げた事が面白さに繋がったと思います。
初心者向け度: ★☆☆☆☆ フォーマットスクリューであり、lol的でもあり中途半端では大ハズレしかねないと思います。やるならでっかく、ド派手にやって見るのも手かもしれません。
by Mitan
SCP-2188-JP - 手八丁口八丁 by stengan774
こんな記事: 目にもとまらぬ早業で手を動かすことが可能な男性。彼がその能力を活かす場所として選んだのは"つまみ食い"だった。
面白さの理由: 落語の小話的なシンプルさが特徴の短い記事です。異常性をしょうもないことに使っていた男がしょうもない最後を迎える過程を、報告書というフォーマットに落とし込むことで淡々と語らせています。
初心者向け度: ★★★☆☆
by stengan774
SCP-2198-JP - コロコロ星 by CAT EYES
こんな記事: スペースデブリや天体との衝突及び付着を繰り返すことで肥大化を続けている天体。
面白さの理由: 天体と糞虫という規模のギャップ、そして糞虫が天体全体を覆い尽くしている絵面の気持ち悪さを打ち出しました。メタタイトルや前半で伏線を張って、オチまで読んだあとに読み返すとその伏線に気付くような構成にすることも意識した反面、インタビュー記録などを排除してなるべくシンプルな記事にしています。
初心者向け度: ★★★☆☆ ギャップオチにしたり、伏線を張る際は参考になるかもしれません。しかし、虫をオチに持ってくる構成は結構やられているので工夫する必要はありそうです。
by CAT EYES
SCP-2233-JP - 可能な限り多くの人が偲んだ彼 by Sansyo-do-Zansyo
こんな記事: ある男の「歩みえた人生」全てが「実際に歩んだ人生」と等価になり、結果として彼は可能な限り多くの人に偲ばれた。
面白さの理由: 高評価されている短い記事はインパクトあるオチを重視したものが多いです。この記事のオチはあんまり分かりやすくありませんが、構成面ではオチを強く意識し書きました。前半では、牟田氏の生涯が置かれた異常な状況について、出来る限り情報密度を上げるため箇条書きを用いて奇妙さを強く押し出しています。そしてラストに1つだけ語るエピソードでとびきり奇妙な絵面を示すとともに、この異常性が持つ意味合い(記事のテーマ)を伝えようとしています。ただ実際のところ、この記事が(+50とかで留まらず)ここまで伸びた要因は説明一文目のフックの強さに集約されている気もします。「短い記事で強いフレーズを使えるとめちゃ強い」ということでしょうか。
初心者向け度: ★★☆☆☆ 一発ネタ系が多く参考にしにくいものが多い短め記事の中では、比較的再現性のある面白味な気がします。ただ勿論、短い記事はその分語れることが少ないので難しいですね。
by Sansyo-do-Zansyo
SCP-2288-JP - 拝啓、秋めく書棚の狭間より by stengan774
こんな記事: 中に置いていた書籍に、いつのまにか数枚の木の葉が差し込まれている山小屋。小屋の持ち主はこの現象を"秋の妖精"によるものだと言うが……。
面白さの理由: まず記事の主題として「"秋の妖精"は実在するのかしないのか」という疑問を提示し、情報が明かされていくにつれ読者がしていた予想をオチで裏切るというシンプルな構成です。オチの効果を高めるため、やりすぎに感じるくらいに財団の行動を対比させました。財団における科学万能主義のアンチテーゼ的なテーマも良かったのかなと思います。
初心者向け度: ★★★★☆
by stengan774
SCP-2627-JP - 島(ごと)流し by FattyAcid、
Imerimo、
yzkrt
こんな記事: 佐渡ヶ島が漂流する記事。
面白さの理由: 面白さにもいろいろありますが、これは"Interesting"、「興味深さ」のそれですね。これも笑いや悲しみと同様、読者に与える感情としては十分な力を持ちます。それを成り立たせるために必要なものは何か。情報量です。
初心者向け度: ★★★☆☆ カノンや要注意団体は、気をつけて扱わないと振り回されますから、そこは真似するのは難しいでしょう。それに気をつけて、試しに情報量で物語を膨らませてみてはいかがですか?
by Imerimo
SCP-2788-JP - n人目の死んだおばあちゃん by Tsukiyomizuku
こんな記事: 「祖母が急逝しまして……」という嘘を真にするマンホール。
面白さの理由: ラストで一気に意味がわかる構図とブラックユーモアが主要な理由と思われます。アイデア自体はあるあるの具現化でしかありませんが、そのアイデアをオチの段落で「読者に察してもらう」ことによって落差を演出しました。特に重要であった伏線の張り方、オチの書き方については、いくつかの批評と擦り合わせつつ丁度良い塩梅を探りました。
また記事自体の簡潔さも副次的な理由かもしれません。無理に短くする必要は全くありませんが、少なくとも面白さに寄与しない文章やわかりづらい表現は可能な限り削った方が無難だと思います。展開のキレや途中離脱防止の観点から、読者に余計な負担をかけることは望ましくありません。
初心者向け度: ★★★☆☆ アイデアそのものの再現性はイマイチですが、短くまとめて綺麗にオチをつけるスタイルで書く場合は上記の内容が参考になるかもしれません。
by Tsukiyomizuku
SCP-2910-JP - 魔法少女はマンハッタンの紅き闇を飛ぶ by O-92_Mallet
こんな記事: 1998年カノンにおける大長編合作「マンハッタン・クライシス」の本編作品の一つ。1998年にヴェールが剥がされた世界における2001年のマンハッタン次元崩落テロ事件の渦中を描く、若き少女たちに仮初の魔力を与える魔法動物たちの活劇です。多数の要注意団体・要注意人物が複雑に交錯し、その中でも「黒の女王」「犀賀派」が主体となります。
面白さの理由: やっていることが概ねアニメ映画なので、とにかく映像記録のビジュアル面での描写を作り込みました。魔法少女という極めてクリシェ性の高い題材を用いるにあたり、これがSCP財団における1つの作品として成就できるよう工夫が必要でした。今回はオブジェクト特性は敢えてテンプレから外さず、オブジェクトの存在がどのように財団世界(特殊なカノン上の世界)で受け入れられ、どのような世界変化を齎すか考えることに重点を置いています。なおマンハッタン・クライシスの主要著者陣でグループを組み、互いの作品の批評や調整が迅速に可能な体制を作ってありました。
初心者向け度: ★★★☆☆ 読む時は、先にSCP-2911-JP(著: islandsmaster)を履修しておいてください。
by O-92_Mallet
SCP-2973-JP - 史上最強の能力を持つ者 by Okaka_Onigiri
こんな記事: 強力な現実改変能力を持つ男性です。その能力は非常に限定的な状況下でのみ発揮されます。
面白さの理由: 専門用語のオンパレードで雰囲気を作って一文でオトす!これぞアイデア勝負の醍醐味でしょう。
初心者向け度: ★★★★★ 記事の捻り方のお手本ですね。
by ShinoguN
SCP-2975-JP - 「だって深夜に起きていると何か食べたくなるじゃん」 by EianSakashiba
こんな記事: 日本全国で夜更かしをしている人の所に夜食が出てくる現象です。
面白さの理由: Keterオブジェクトという危険な第一印象から美味しそうなメニューと顔文字入りのメモ、そしてオチでギャップを狙った結果、それが上手く作用したようです。
初心者向け度: ★★☆☆☆ 正直執筆の際にはあまり参考にできないと思います。特別収容プロトコルと説明を短めにして複数のメモの内容、そしてオチは画像頼りなのでSCP報告書としてはお粗末な部分に入るのかな…と思っています。逆にそういった「画像でオチをつける」という作品を書きたいときには参考にできるかも…?
by EianSakashiba
sanks269=solvexの提言 - 物語緩衝層 by sanks269 &
solvex
こんな記事: 貴方が『SCP-2995-JP』のページを開くと、そこには何故か001提言ハブのパクリが。どうも記事が無断編集されたようで、著者のsolvexと荒らしのsanks269が言い争っている。ただ、sanks269が言うには、この行為には財団世界を巻き込む秘密が絡んでいるそうで…。第四の壁を反復横跳びする、ドの付くメタフィクション記事。
面白さの理由:
この記事は、100%が「メタフィクション」と呼ばれるジャンルで構成されています。数あるメタ記事の中でも、この記事のメタ度(どの程度直接的に現実世界を描写するか)は突出しているのが特徴です。
この記事の魅力の要は、ほぼ現実がそのまま描写されている生々しいメタ描写のインパクト、及びそのインパクトを力づくで納得させ(ようとす)る武装した理論とストーリーラインだと思います。また、メタ記事共通の魅力として「今この記事を読んでいる自分も、記事で描かれる事件に組み込まれている」という臨場感も備えています。
総合して、「ぶっ飛んだメタ描写を構成と理論でぶん殴って飲み込まさせる」記事と言えます。読者に優しくない題材と言えますが、その分インパクトも十分ですし、ここまで読者フレンドリー(にしようと)工夫していったことで、好評価頂ける記事になれたのではないかと思います。 by sanks269
内輪ネタの気持ち悪さを緩和したことでストーリーに内容に注目してもらいやすくしました。具体的にはなるべく自分たちを良くは見せないように、おかしいのとバカなのにして翻弄されるようにしました。 by solvex
初心者向け度: ☆☆☆☆☆
はっきり言って、初心者の方ほど、このタイプの記事を書くことはオススメしません。しかし「著者と読者」という創作文芸サイトSCP財団に普遍の構造を利用するため、常にある程度魅力的に映る(また憧れを抱かれがちな)題材であることも確かです。もし貴方がメタをやりたいのであれば、このくらいインパクトを持たせ、かつ読者フレンドリーを心がけるべきである、チャレンジングで奥深いジャンルであることを心してください。 by sanks269
そのまま参考に出来るところはほとんど無いです。ただ何かやるなら気は使いつつこれくらい徹底的にやった方がいいです、その方が自分も満足出来るので。あと記事内に自分を出す(そんな時あるかって話ですが、緩衝層を使えばあります。)なら自分のことはあんまり良く書かない方がいいです。自分のことは無遠慮に使える素材ぐらいに思いましょう。 by solvex
シリーズJP-IV
SCP-3000-JP - 常世の国 by gokiso
こんな記事: 女の子と待ち合わせをしていた大学生がいつの間にか自分以外の人間が日本から全員いなくなっていることに気づき、生き残った4人の財団職員とともに事件解決を目指すお話。
面白さの理由: ハリウッド映画の脚本術に忠実に従うことで、「お話」としての面白さを最大限に高めました。関連する本を探して勉強することは一つの手だと思います。
初心者向け度: ★★★☆☆
発生した出来事を比喩によってわかりやすく言い換えたり、画像を用いてどういうことが起こっているかを視覚的に提示したりすることによって、徹底的に内容を平易なものにするという操作は結構重要かもしれません(考察の余地を必要とするならば不適です)。
上記の「SCP-2000-JP - 伝書使」の説明において、WagnasCousinさんは「人の心情は語りすぎるとわざとらしくなるので、ギミックを含め見せ方を工夫して読者に想像させるよう描いています。アノマリーは何でもありなのでどんな展開も作れますが、何でもありな分ご都合主義になりがちです。」とおっしゃっていますが、これに対して「人の心情をわざとらしく語り、ギミックを用いずそのまんま読者に提示し、ご都合主義を恐れずに描いた作品」がまさに本作品です。つまり、
WagnasCousinさんたちがSCP-2000-JPを執筆する際に恐れていた地雷原を大手を振って闊歩した、SCP-2000-JPの対極に位置する書き方をしているのが本作品であり、この事実は多くのNV及びDVの要因につながっていると考えております。一方で、本作品がコンテストで優勝するほどの評価を得たこともまた事実です。このことは、「わざとらしい人物描写」「SCP報告書っぽくない(Tale的な)表現」「ストーリー進行を優先するためのご都合主義的展開」などの低評価が、「お話としての面白さ」という高評価によって容易に覆される可能性を示唆しています。「お話を語ることを優先した結果、『SCP報告書っぽくない』と思われてNV・DVにつながる」という事実と、「『お話としての面白さ』を第一に考えているサイトメンバーは思ったよりも大勢存在する」という事実、この2つの事実に関してはSCP報告書の執筆において十分理解する必要があり、これらをどうバランスを取って考えるかが重要だと思います。
なんにせよ、「SCP報告書っぽくなくね?」という読者からの指摘をどこまで回避することができるか、という努力は注力の対象になるべきだと思います。もちろんフォーマットスクリューを採用するならば話は別です。その場合はここの方々の意見を参考にしてみてください。
by gokiso
001-JP提言
O-92の提言 - 認可 by O-92_Mallet
こんな記事: 財団の指定書式で書かれたオブジェクト報告書そのものが書かれた対象に異常性を与え、書かれなかった対象から異常性を吸い上げて消し去る、という原理に関する提言。しかしこの記事はSCP-001-JPスロットであり、真偽性は誰にもわからず、この状態そのものが当オブジェクトの収容体制かつ活用方法となっています。
面白さの理由: 取り扱う事項をなるべく一般化・広範化することで、比較的短めに成形した001提言です。世界を滅ぼしも救いもする異常存在たちとの付き合い方を模索し続けなければならない財団にとって、このオブジェクト(原理)はこの世の異常全ての解明の果てにある目標としてのThaumielであり、そしてそれが手に入る時は財団という組織の終わりを意味します。端的なネバーエンディングストーリーの一つの表現方法となることを目指しました。
初心者向け度: ★★★★☆ 「財団世界の原理」をテーマとした提言の中では、一種のセオリーとなる記事だと考えています。
by O-92_Mallet
Okaka_Onigiriの提言II - 隔絶 by Okaka_Onigiri
こんな記事: 異常存在が無力化すると、それが今まで違反してきた保存則の埋め合わせが周囲で発生するという法則。この法則や異常存在を管理するため、財団とGOCが1つのプロジェクトを決行する。
面白さの理由: 一般社会から異常存在を遠ざけるという、財団の目的を極限まで推し進めることをテーマにしていました。そのテーマを貫けたのが、評価を得られた1つ目の理由だと思います。2つ目の理由は、やりたいことの規模に対して説得力が足りていたことだと思います。
初心者向け度: ★☆☆☆☆ 初めから提言や規模の大きい記事を書くのは、あまりおすすめできません。
規模が大きい場合はこのくらい書いた方が良いという点や、提言らしさが詰まっている点などは、いざ書こうと思った時に参考になるかもしれません。
by Okaka_Onigiri
その他のSCP-JP
SCP-001-JP-J - ぜんいん、しゅうごーう。 by snoj
こんな記事: SCP報告書の構成要素が自我を持ちました。自分たちでオリジナルの報告書を書こうとしているようです。
面白さの理由: 報告書というお硬いフォーマットをぶち壊す、トイ・ストーリーのようなドタバタ展開が斬新で受けたのではないかと思います。また、至る所に隠し要素を配置してあるので、それらを見つける楽しさも評価に寄与しているのではないかと考えています。
初心者向け度: ★★☆☆☆ アバンギャルドな構成なので参考にしにくいと思われますが、ギミックは応用が効きそうなものばかりなので、叩き台にしてみてください。
by snoj
GoIフォーマット-JP
アンブローズ・世界の終わり by stengan774
こんな記事: "一人残されたあなたのために、最上級の席をご用意させて頂きました。世界終焉の特等席で、人類文明最後のフルコースをどうぞ。"
面白さの理由: とにかく記事全体に纏う雰囲気を大事にしました。コース料理とともに粛々と宇宙の終焉が進んでいっていることを読者に実感させ、AIウェイターとともに物悲しくもあたたかな終わりに没入していけるように工夫を凝らしています。クロスリンク先を終わりのテーマで統一したのもテクニックの一つです。
初心者向け度: ★★★☆☆
by stengan774
鼓動の時計 by Dr_Knotty
こんな記事: 黒の女王のGoIF記事。"近くにいる者の心臓と秒針が同期する時計"(要するに、飯落の提言)のカタログを作る四人。しかし、そのやり取りには少しばかり不自然なところが出てきて……
面白さの理由: 大まかに二つ述べます。この記事の中核には"実は会話が成立していない"という大きなギミックが据えられています。事前にある程度違和感を抱かせてからこのギミックを回収したのが一つ目の理由、そして二つ目の理由は"ギミックありきでは終わらなかった"事です。ギミックが明かされたあとのパートで消化試合にならないように起伏を入れながらテーマである"夜"を描いたのがポイントであったと考えています。
初心者向け度: ★★★☆☆ ギミック開示をオチに持ってこないストーリーの作り方や一人語りで起伏を作るやり方としては参考に出来る面もあると思います。またこの形のギミックはまだ使える部分もあるかと思います。ただ、黒の女王でもう一度こういう事をするのはあんまりお勧めしません。
by Dr_Knotty
Tale-JP
NECO’S キッチン ~SCP財団ロゴのステーキ~ by Jiraku_Mogana
こんな記事: 博士と助手が野生の財団ロゴを捕まえ、焼いてステーキにするテレビ番組。最後にはリリー提言が発生する。
面白さの理由: 財団ロゴを食材として扱う突飛な発想。そこから発展させた財団ロゴの習性や調理方法など奇抜な要素が盛りだくさんです。さらに画像をふんだんに使う構成も目新しく、とにかくフックがバカ強い。小ネタもバンバン入れて飽きさせず、最後まで振り切ったシュールな世界観を貫いたとこも良点だと思います。ギャグにふるなら日寄らず全力で真面目にボケろ、の成功例ではないでしょうか。(私はあれでも頑張った方なんですが) チープな画像加工も割と味として受けてたみたいですね。
初心者向け度: ★☆☆☆☆ 初心者が参考にしちゃダメなタイプだと思います。まずは普通のTaleを書いてください。強いて参考にできることを挙げるとすれば着想元が外部コンテンツなので、SCP内部だけではなく外部の面白コンテンツにも触れて参考にしようということでしょうか。
by Jiraku_Mogana
【要閲覧】俺のジェンガにスクラントン現実錨ぶっ差した奴ちょっと来い by Jiraku_Mogana
こんな記事: ジェンガにスクラントン現実錨をぶっ差した奴が怒られる話。‥‥‥‥と言うのはまあ冗談として、財団における噂話やジョークの扱いについて語っていく。
面白さの理由: 圧倒的なタイトルのインパクト。特にコンテストにおいていかに読みたくなるタイトルかどうかは馬鹿にできないもの。
ただ勿論"出オチ"だけだと評価されないので、タイトルの面白さには及ばないものの、きちんと中身を作って防御力を高めています。違和感が出ないような舞台背景設定、耳に残るフレーズ、なるほどと思うような仮説の提示、LoLざいだんになりすぎない程度の言葉選び、軽い二段落ち‥‥少しでもタイトルに負けないように工夫を凝らしました。DVされる隙を作らず中の文章をNV程度まで持っていくことが出来れば、あとはタイトルの面白さでUVまで持っていけるだろう、そう考えて設計した記事となります。
初心者向け度: ★★☆☆☆
出オチに頼ってしまう恐れがあるためあまり初心者向きではないものの、初手フックの強さの理解には繋がると思います。また防御力を高めるという手法については初心者は第一に意識して欲しいところですね。
by Jiraku_Mogana
まずしいざいだん by kskhorn&
yzkrt
こんな記事: ハチャメチャド貧乏になったことで収容に支障をきたすことになった財団を描くカノン、まずしいざいだん関連作品。2021年エイプリルフール投稿。
面白さの理由: 読者に息をつかせないほど詰め込んだネタ要素を、丁寧かつ真面目にシリアス感のある文体で徹底させたギャップ感。
初心者向け度: ★★☆☆☆ これを直接参考にして書くべきではないが、ジョーク的作品であれば最低限ここまで徹底する覚悟を持って書くほうが良い。またエイプリルフール投稿という投稿時期も高評価の一因であり、季節もの・イベントものはタイミングを図らなければいけないという例でもある。
by kskhorn&
yzkrt
視怪啓雲 by k-cal &
Hasuma_S
こんな記事: シリーズカノン「共異廻歴」、その導入的な記事。短いので内容は割愛。まだの方は是非お読みください。
面白さの理由: 面白さの基礎として、Taleのキホンを徹底しています。
まず、複数シーンに分けること。短いtaleですが、冒頭を除いて「◇◇◇」で区切られた3シーンでできています。これにより、物語の進行をはっきりさせています。
次に描写をすること。「説明」よりも登場人物の目を通した「描写」に力を入れています。これによって、情景を生々しく想像してもらえますし、登場人物の心情表現や緊張感の操作も行っています。特に第一シーンは「説明」を極力省いています。「説明」のし過ぎは臨場感を損ないますし、機械的なイメージを与え、なによりつまらないものです。説明は少々後手に回るくらいの方がフックになってくれます。
最後に、予想をしてもらうフェイズと、その予想を超えるフェイズを作ること。ここが最も面白さに寄与します。二択を迫られるシーンで強制的に読者に「この先」を想像させます。その後のシーンで答えが示されますが、それは読者の予想からは外れたものになるでしょう。大切なのは、しっかり予想をしてもらう段階を踏んだうえで予想を超えることです。予想を超えるために必要な証拠や材料(ここでは森の外の話)は伏線としてあらかじめ仕込んでおくことが必須です。困ったら「主人公が選択肢を示されて悩むシーン」と「主人公がその選択肢を超えた選択をする」シーンを入れておくのが王道です。
細かい点では、文章のリズム感には気を配っています。読んでいて心地よい文章を目指しました。比喩や形容については、使い古されすぎていると感じた表現を避けています。
初心者向け度: ★★★☆☆ 二人称視点にしてもオチにしても、ややトリッキーなことをやっていますので、その点については参考になりません。上に挙げたような部分は参考にしていただけると思います。
by k-cal &
Hasuma_S
名前の無いファイル by v vetman
こんな記事: 世界終焉シナリオ発生後の世界を生きたサイト管理官と、その友人たちの旅の記録。
面白さの理由: 「生き残ったサイト管理官の個人端末に記録された旅の日記」がポツポツと続くフォーマットを駆使してエモ描写をもっとエモくしたのが評価に直結してくれたと思います。この他かなりズルい手段ではありますが、20,000文字の長文を読者に最後まで読ませるために、折り畳み構文をブチ込みまくってスクロールバーの長さを誤魔化したことも決め手になりました。あと無駄な比喩をできる限り削り落としてサイト管理官らしくもないポエティカルな文章にならないよう心掛けたことなど、工夫した点はたくさんあります。
でも一番意識したのは「財団を知らない人でもなんとなくノリで読めるように必要知識量を抑えた」ところだと思ってます。沼ってない方でも取っ付きやすい作品にすればそれだけ読者の母数が増えてくれるので。
初心者向け度: ★★★☆☆ 技術の転用はいくらでも効くと思っています。「この書き方真似できないかな」って思ったところはガンガン転用してみてください。特にログ形式で淡々と事実を陳述しながら進んでいく乾いた文章が好きなのでもっとこういうの増えてほしいな…
by v vetman
愛猫バニラ by aisurakuto
こんな記事: ペットで飼っていた猫が猫又になった。そこから始まる財団世界での普通の人の話。
面白さの理由: 一般人視点での異常の捉え方と、後半にあるギミックの利用。
初心者向け度: ★★★★☆ Taleは自由です。そのため、作者はTaleとして抽出する「視点」を選択できます。このTaleでは一般人に視点を設定し、彼らが異常をどう扱うか、そして彼らから財団はどう映るかという視点でストーリーを描いています。さらりと済まされる記憶処理にもこういう背景があり、主人公たる財団も脅威的存在だと解釈させる余白を視点の切り替えによって描写できるようにしています。
また、Taleは普通の小説ではありません。Web上で公開されるため、紙面では不可能な表現が試せます。画像、構文など、自由な発想で表現を作りにいきましょう。
by aisurakuto
紐を放した風船は by aisurakuto
こんな記事: 孤独に世界を守ってきたエージェント、そんな彼女の父親が天寿を全うした。葬儀へと赴いた彼女は半生を回想するが……。
面白さの理由: 主人公の人生がなぜ満たされていないかについての語りと、オブジェクトのイメージを覆す活用法。
初心者向け度: ★★★★★ 過去には「TaleはSCPの二次創作」と言われていた時代があったほど、既存SCPに関連する物語がたくさん書かれていました。元々のオブジェクトの面白さをストーリーに転用できればそのままTaleの面白さに繋がります。ただし、SCPの再説明になっては意味がないので、「こんな状況にこのSCPがいたら」というIFを組み立てましょう。
あとシンプルに、しっとりした感情描写は書き込めば書き込むほど評価に直結します。フックなどを盛り込むのが難しい、そもそも感情を書くのが難しいというのはあるでしょうが、国語の教科書に載っている純文学やこれまで読んできた小説などを思い出して自分なりの言葉にするだけである程度形になります。やってみましょう。
by aisurakuto
財団3分クッキング by G-ananas
こんな記事: 食品系オブジェクトで料理しようとする番組の映像記録。
面白さの理由: 既存のオブジェクトが大量に出演していて、それでいて複雑になっていない。全てのオブジェクトを知っていなくても理解できる。大量の小ネタ。大細かにはこの点だと思っています。このtale自体は既存の作品の天丼で一つ一つはそれほどでもないと思っていますが、読者を飽きさせずにひたすら量でゴリ押ししているのが評価されていると思っています。
初心者向け度: 単純に記事をどれだけ読んでいるかがこの記事のおもろしろさの中核を為していると思います。私はこのtaleを書くために食物タグのついた作品を全て読みました。なので記事を全く読んだことのない初心者がこれに似た作品を書くことは難しいでしょう。
by G-ananas
[データ削除済]への追悼 by Dr_Knotty
こんな記事: ある日、語り手は"かつていた、存在ごと抹消された同僚"の夢を見る。果たしてそれは本当にただの夢だったのだろうか?
面白さの理由: "夢オチ"で終えず、疑問を残しながらも朝のステッカーの情景で話を締めくくることでただの絶望感とは異なる読後感を残せたのかなと思っています。また、実は前半と後半で文体が変わっており、前半の方が淡々と動作のみを描写しています。(文体解析などにかけると途中から動詞の割合が落ちている)taleの文体が確立できて来たらこういうちょっとした構造の工夫に手を出してみるのも面白いんじゃないでしょうか。
初心者向け度: ★☆☆☆☆ 現在(2022年時点)においては、記憶処理という概念に関するtaleが結構あるので、この淡々と短い(3000字程度)文章で新規性を出すのはやや難しいかもしれません。やるのであればこの作品だけでなく、他の3000字級のtaleも同時に参考にした方がいいかと思います。
by Dr_Knotty
いけない事をしませんか? by Dr_Knotty
こんな記事: 忘れられた被造物のバディ物。ひっそり作られたオールドAIのコピー体SCP-079-2(通称"デリーテッド氏")と凍結されたプロジェクトの産物、強化ヒューマノイドの"オリンピア・フィフス"が手を組んで駆け回ります。
面白さの理由: 構成として(やや簡略化された)三幕構成を真面目にやっており、また、話の筋としてもわりかし王道のバディものを照れたり逃げたりせずに堂々とやった事。そして、「模倣改造武器の大剣を振り回してクソトカゲとやりあう強化人間の女の子」というロマンの塊だけど一歩間違えればメアリー・スーになりかねない存在について、強い描写を盛りすぎない事に注意していたのがいわゆる"鼻につく"という感想を回避出来た理由ではないかと思っています。
初心者向け度: ★★★★☆ 三幕構成というのはかなり汎用性が高い構成なので、そういう面では結構参考になると思います。ただ、率直に言えばこれを読むよりもこれの参考元であるズートピアを視聴した方が早いかもしれません。
by Dr_Knotty
角宇野記録官のどこにもない昨日 by Dr_Knotty
こんな記事: 記憶処理を頻繁に受けているせいで一部の記憶が欠落している財団職員の一日の休日。昨日はどこにもありません。
面白さの理由: タイトル・冒頭引用・本文・ギミック・ギミック展開後のすべてで「昨日はどこにもありません」をやっている事。また、人事taleとしてその人事を知らない人にも面白さが伝わるように最初に必要な情報を提示している事。
初心者向け度: ★★☆☆☆ 人事の日常を書くtaleとして、いくつかの情報の提示のやり方や起伏に満ちたわけではないプロット(このtaleを大まかに起承転結で分割すると本文の大半は"承"に相当しています)で感情の揺れや細かな緩急をつけるやり方は参考にできるかもしれません。ただ、このtaleの面白さは構文が非常に大きな割合を持っている事、そして今となってはこの構文で記憶処理の話をすると相当な既視感が出てしまう(2022年時点で3作ある)事は念頭に置いておいた方がいいでしょう。
by Dr_Knotty
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ジャンル
アクションSFオカルト/都市伝説感動系ギャグ/コミカルシリアスシュールダーク人間ドラマ/恋愛ホラー/サスペンスメタフィクション歴史任意
任意A任意B任意C- portal:2278897 (01 Jun 2018 10:07)
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