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特別収容プロトコル
SCP-3000-JPの管理は財団と内部政府によって行われます。SCP-3000-JP内部には計15個の財団サイトと120箇所の監視中継ポイントが配置され、定期的に財団エージェントによるSCP-3000-JP内部の巡回と監視を行います。SCP-3000-JP内部にて発生した異常は機動部隊イオタ-11("美術館主")によって鎮圧/隠蔽されます。SCP-3000-JPの維持のため、内部政府に関する財政供給などの援助を行います。
説明
SCP-3000-JPは2023/08/22以降のパリの領域内に対する指定です。SCP-3000-JPは"アート・パリ"と呼称されており、内部には独立した政府などの維持要素が存在しています。SCP-3000-JPの異常性は後述する3つのものが確認されています。
第一の異常性は、空間が余剰次元となっているものです。この影響により、SCP-3000-JP指定前の領域面積を大幅に超過する領域面積となっています。SCP-3000-JP内部の領域は拡大を続けており、本報告書執筆時点で███,███Km3を超えています。領域拡大と同時にSCP-3000-JP内部では由来不明の土などの物体の出現が確認されています。現在まで出現する物体の起源は判明していません。
第二の異常性は、SCP-3000-JP内部の現実性が不定期に変動するものです。これは0.7Hmから1.9Hmまでの変動が確認されています。このため、ごくまれに低現実性に由来する現実酔いが発生しています。現在まで事例は確認されていないものの、前例があることから低現実性に呼応した集団意識による大規模現実改変が発生する可能性を孕んでいます。現在、SCP-3000-JP内部に電柱に偽装したスクラントン現実錨を配置する計画が進行中です。
第三の異常性は、SCP-3000-JP内部がフィクション融合1していることです。このため、内部には不定期に異常存在が出現しています。該当異常存在(以下、SCP-3000-JP-Aに分類)は基本的に人類にとって敵対的であり、時折SCP-3000-JP外部に移動しようとする様子が確認されています。SCP-3000-JP外部にSCP-3000-JP-Aが移動した場合、完全なFK-クラス: "フィクションの侵攻"シナリオが発生すると推測されています。
SCP-3000-JPは後述する、イベント・アーティション(補遺3000-JP.1参照)によって発生しました。
補遺3000-JP.1
イベント・アーティション概要
イベント・アーティションは2023/08/18から2023/08/22にかけて、パリ市内で発生した大規模現実性崩落災害に対する指定です。イベント・アーティションはGoI-008("Are We Cool Yet?")構成員であるハーロック・アクソン(現在、PoI-008-11に指定済)によって引き起こされました。PoI-008-11に関する情報は補遺3000-JP.2を参照してください。イベント・アーティションは財団及びパリ政府によって対処が行われ、2023/08/22の未明に終息宣言が出されました。
補遺3000-JP.2
PoIファイル > PoI-008-11
以下の記録はPoI-008-11のPoIファイルの一部抜粋です。以下に添付されたファイル内容はイベント・アーティション以前のものであることに留意してください。
PoIファイル: PoI-008-11
本名: ハーロック・アクソン(Harlock Axon)
年齢・性別: 37歳、男性
別名: N/A
関連要注意団体: GoI-008(Are We Cool Yet?)
監視理由: 監視対象団体であるAre We Cool Yet?構成員であり、頻繁に自身の保持するアノマリー2を用いた異常芸術活動を行っているため。
行動様式: 異常芸術部門・芸術部門・索敵部門内にて情報共有を行い、現在の活動内容の把握を行う。活動内容に合わせた異常芸術痕跡の隠蔽と、痕跡状態などの情報を基にした追跡活動を行う。パリ地域内に存在する警察特事課との協力および連絡を行い、明確な対抗手段の制定を行う。
優先度: Alpha
ステータス: PoI-008-11は現在パリ市内にてGoI-008構成員として活動している。
背景情報: PoI-008-11は1986年にフランス内にて異常芸術の名家として知られるアクソン一家に誕生しました。幼少期から少年期にかけての人柄の評価としては「芸術肌」「目立ちたがり屋」「熱中しやすい性格」などと評価されていたことが判明しています。
PoI-008-11は少年期に自身の芸術センスを活かして異常・非異常問わず複数の芸術コンクールで入賞する、金賞を獲得するなどの評価を得ていました。高校卒業後、芸術大学に入学。他国への留学を介して芸術の持つ多様な側面に触れていました。芸術大学卒業後、PoI-008-11はGoI-008構成員から誘われる形でAre We Cool Yet?に入団しました。入団後、PoI-008-11は異常芸術への理解を深めることに専念していたことが回収された手記より判明しています。
GoI-008への入団から時間が経過するにつれ、PoI-008-11の性格は粗暴なものに変化していきました。GoI-008構成員への尋問の結果、性格の変動はストレスに由来する非異常性のものであることが明らかになっています。このストレスの原因はスランプだったのではないか、という見解が索敵部門・異常芸術部門から提出されていますが不確定要素を多分に含むものであると判断されています。
GoI-008への入団からおよそ3年の沈黙期間を経て、PoI-008-11が再度活動を開始、継続していることが明らかとなっています。現在、更なる内容の調査が進行中です。
補遺3000-JP.3
イベント・アーティションに関連する音声データ
AWCY?構成員とハーロックの会話。アート・パリについて話したり、近年のアナーティストやアナートについて語る。美術史の偉人などの作品などを織り交ぜる。
補遺3000-JP.4
PoI-008-1の手記
ハーロックの日記。近年のスランプ、所持するアノマリー、美術史について、アート・パリの構想などに触れる。大体6~8ページあればよさそう。
補遺3000-JP.5
イベント・アーティション タイムライン
以下に添付された資料はイベント・アーティション発生直後の様子をタイムライン形式で記録したものです。イベント・アーティションのタイムラインの全容はこちらを閲覧してください。
イベント・アーティション タイムライン
[抜粋開始]
<0:00.13> イベント・アーティション発生。エッフェル塔に存在するPoI-008-11が保持する詳細未確認の筆型アーティファクトを使用する様子が記録されている。筆型アーティファクト使用後、空間を侵食・再構築する形で空間異常が展開される。
<0:02.15> 空間異常が高速で拡大を開始する。展開された空間異常内に存在していた人や動物に異常はみられていない。記録装置に付属しているカント計数機は1.75Hmを記録している。パリ市内に存在する建造物の壁部に複数の絵画が出現する様子が記録されている。
<0:12.07> 空間異常がパリ市内全域を包む。パリ市内は一部アクセスポイントを除いて外界と隔絶されている。隔絶された空間内が余剰次元へと変化し、拘束で拡大と再構築を開始する。拡大・再構築に伴い、存在しないはずの領域や建造物、人や動物が出現する。
<0:23.34> 余剰次元の拡大に伴う再構築は継続している。この時点で構築された領域は████km3である。市街地をはじめとした隔絶された空間内の各地に既存の芸術作品を模した彫像やオブジェが出現する。人々は目に見えて混乱している。
<0:33.18> 隔絶された空間内にて複数の異常存在が確認される。確認された異常存在の例として、一般に"ドラゴン"と呼ばれる実体、悪魔実体、現実改変実体が挙げられる。出現した異常存在群は付近に存在する人々に対して様々な手段で攻撃を行う。
<0:47.42> 異常実体群に対して人々が応戦する。しかしながら改変能力をはじめとした特異性によって応戦は成果を出していない。財団内ではGOCとの共同対策室が設立され、議論を行っている。
[抜粋終了]
補遺3000-JP.6
GOC協定締結
以下の記録はGOCとの共同対策室内で行われた議論内容の一部抜粋です。記録の全容は別紙"合同議事録.3000-JP"を参照してください。
議論記録 3000-JP
話者:
- ラムジー・クームズ(財団サイト-11職員/博士/対策室財団代表)
- ニュートン・フライ(財団サイト-11職員/研究員)
- エイモス・ロブ(GOC物理部門評価班/対策室GOC代表)
- ルーベン・バー(GOC物理部門評価班)
[記録開始]
複数名の対策室職員が大型の丸テーブルを囲むようにして座っている。丸テーブルの正面に存在するスクリーンにはイベント・アーティションの状況を記録した映像が映されている。
ラムジー: さて、皆さん。この忙しい中お集まりくださりありがとうございます。共同異常対策室、財団代表のラムジー・クームズです。以後お見知りおきを。
エイモス: 俺は共同異常対策室、GOC代表のエイモス・ロブだ。ラムジー、御託はいいから早く本題に入れ。一刻を争う事態だからな。
ラムジー: 分かってますって。早速本題に入りますが、皆さんにお集まりいただいたのは他でもありません。このクソみたいな惨劇を終わらせるためです。モニターの映像を見ればわかると思いますが、パリ全域はポップな地獄と化しています。現実性は不安定、内部は異常次元、湧き続けるアノマリー……兎にも角にも地獄です。
エイモス: そこでだ、俺達は協定を締結することにした。協定内容は要約すると「異常次元内に存在する人々の警護」だ。次元の中では今も多くの無辜なる人々がアノマリーによって殺されている。それを防ぐのが今回の俺達の仕事だ。
ラムジー: 注意してほしい点として、今回次元の解体や破壊は行わない、ってものがある。ニュートンくん、理由について紹介してくれ。
ニュートン: 分かりました。次元の解体を行わない理由は大きく分けて二つあります。一つ目は大きな現実性ゆらぎが発生するかもしれないことです。今の領域内の現実性は最小0.7Hm、最大1.9Hmを記録しています。これが平常現実性レベルである1Hmに戻ったとしたら、それ相当の反動が発生するでしょう。それによる二次的被害が出てしまったら守った意味がなくなりますからね。
ニュートン: 第二に、余剰空間内に存在している人々の安全性が保障できないからです。元のパリ市内の領域に滞在している人々は安全ですが、そこから派生した異常空間に存在する人々は安全性が確保できてません。過去の例を提示して話すと、異常空間の破壊とともに滞在していた人物が消失した、というのがあるためですね。あとはバックラッシュの発生も懸念すべき、というのもありますが。
ラムジー: ありがとうニュートンくん。さて、市民の警護以外にも私達にはもう一つ使命がある。それは──
ルーベン: 元凶となった人物の確保、ですね。情報について教えてもらえますか?
ラムジー: 話が早いね。元凶となったのはハーロック・アクソンという人物だ。彼は異常芸術家集団であるAre We Cool Yet?に所属しているアナーティストで、異常物品を保持している。異常物品の詳細は不明だが、私達財団の見立てだと、概念とかそういったものを具現化することができるのではないかと考えている。
エイモス: もし仮に見立て通りだったらどうするんだ?財団は異常を保護するからどうにもできないじゃないか。
ラムジー: 今は確保とか言ってられないからな。保持している異常物品は破壊しても大丈夫だ。私達が守るのは異常ではなく人々だからな。
エイモス: ……とまあ、色々言ったが、話の核心は「武力行使で市民を守って、元凶を捕まえる」ってことだ。協定内容もおおよそそんな感じだな。
ラムジー: ということで、協定締結に異論がある人は挙手してくれ。一分まって挙手がなかった場合、全員同意したとみなす。
一分が経過しても挙手者は見られない
ラムジー: 異論なしとして協定を締結する。
ラムジー・クームズとエイモス・ロブが書面にサインする。
[抜粋終了]
当議論の結果、異常領域の平定および領域内の人々の警護を目的とした協定である"オール・オーバー協定"を財団、GOC間で締結するに至りました。
補遺3000-JP.7
未解明事象記録 戦闘ログ
"オール・オーバー協定"締結から2時間後、異常領域郊外に多数の異常実体の出現を確認しました。これをうけ、共同異常対策室より合同排撃部隊Δ-2781("オルタナティブ・スペース")の構成員4名が派遣されました。派遣された構成員はアザレ、マゼンタ、リラ、オーキッドでした。以下に添付された記録は戦闘ログ記録の抜粋です。
戦闘ログ 3000-JP
[記録開始]
アザレ: 到着した。遠方にアノマリー数体。予定通り攻撃を開始する。
アザレのボディカメラは遠方に存在する竜型実体と悪魔実体を映している。竜型実体は睡眠状態にあることが確認できる。
Δ-2781が移動を開始する。
アザレ: 一応個人防御システムの出力上げとけ。異常領域の中では何が起こってもおかしくないからな。
マゼンタ: 了解した。出力を70%から85%に上昇させる。
マゼンタが防御システムの出力を上昇させる旨の指示を行う。指示をうけ、Δ-2781隊員が防御システムの出力を上昇させる。
リラ: とはいってもさ、相手は未知の異常だ。司令通り何かあったら撤退を──
オーキッド: どうした、リラ。
リラの足が止まる。10m先にはクラスIII相当の悪魔実体が存在している。
リラ: [視線の先を指さして]10m先に悪魔実体を確認──
悪魔実体がリラに対して飛び掛かる。携帯していたブレード状装備を取り出しを防御するも、5m後方に吹き飛ばされる。
オーキッド: [舌打ち]クッソ、早速お出ましかよ! おいリラ、大丈夫か!
リラ: 大丈夫、ギリギリ防御が間に合った。さて──アザレ、どうする?撤退するか?
アザレ: するわけないだろ、排撃するぞ。
リラ: 了解。
リラがブレード状装備を振るう。悪魔実体の右腕が切断され、少量の出血が確認される。直後、悪魔実体が改変能力を行使する。改変能力により、切断された右腕が再生する。
リラ: [舌打ち]
マゼンタ: クソが、再生もできんのかよ。
アザレ: 落ち着け。……分かってるな?再生するなら一撃で頭をつぶすか再生できなくなるまで攻撃するんだ。
マゼンタ: 分かってるって。マニュアル通り、だろ?
アザレ: そうだ。
マゼンタが悪魔実体の頭部を蹴り込む。悪魔実体はのけぞるが効果があるようには見えない。直後、アザレがトンファー型の装備を用いて悪魔実体の頭部を二回殴打する。
マゼンタ: やっぱ奇跡論出力しないと効果ないか。とはいえ使ったら放熱時間があるからな。ここで使うのは避けたいんだが。
オーキッド: なら使うな。竜型実体に使ってくれ。
マゼンタ: 分かってるって。こいつに隙晒したら死ぬだろ。
アザレ: 話してる暇あったら頭殴れ!
マゼンタ: すまない、今やる──
悪魔実体が改変能力を行使する。直後、リラの肉体にレベルIV現実性ホールが出現する。現実性ホールはリラの身体を吸収する形で拡大していく。現実性ホールの出現からおよそ15秒後、多量の血液を残してリラがロストする。
マゼンタ: [罵倒]クッソ、リラがやられた!
アザレ: 急げ!急がないと死ぬぞ!
オーキッド: 分かってるって!
オーキッドが悪魔実体の頭部を数発殴打する。殴打の際、悪魔実体の頭部からは微細なEVE放出が確認される。マゼンタが呪術効果の付与された散弾銃を使用する。発射された銃弾の大半が頭部に命中する。悪魔実体は苦しむ様子を見せる。
オーキッド: アザレ、あとは頼んだ──
悪魔実体が改変能力を再度行使する。オーキッドの身体は改変作用によって粉砕される。地面に多量の血液が散乱する。
アザレ: [舌打ち]またやられたか!
アザレが装備の奇跡論出力を増幅させる。出力増幅率が90%を記録した瞬間、アザレが悪魔実体に対して走り出す。悪魔実体にアザレが接近した直後、悪魔実体の頭部に向かってトンファー型装備を振るう。装備が悪魔実体の頭部を貫通する。直後、悪魔実体の死亡が確認される。
[抜粋終了]
当排撃作戦の結果、2名のΔ-2781構成員のロストおよび出現した異常実体群の排撃が確認されました。作戦参加者であるΔ-2781構成員の生存者(アザレ、マゼンタ)に対する精神鑑定の結果、軽度のPTSDが確認されています。Δ-2781構成員に対するカウンセリングが継続されています。
補遺3000-JP.8
財団襲撃記録 GoI-008
2023/08/19 AM 4:00、GoI-008構成員数名による共同異常対策室の支部への襲撃が発生しました。襲撃時、GoI-008構成員はSCP-████に指定される異常な増殖メカニズムを保持した異常芸術を使用したことが確認されています。使用された異常芸術の除染は現在も進行中です。当事案により、以下の被害が記録されました。
被害内容 | 被害詳細 |
---|---|
死亡 | 3名 |
重症 | 12名 |
軽傷 | 15名 |
その他被害 | 対策室支部全壊。異常芸術による市街の汚染 |
事案発生から15分後、襲撃者であるGoI-008構成員は確保されました。現在、襲撃参加者であるGoI-008構成員はPoIに指定されたうえでサイト-10に拘留されています。以下の記録は拘留されたGoI-008構成員(PoI-008-17に指定)に対する尋問記録の抜粋です。
尋問記録 3000-JP
付記: 虚偽の発言の判別のため、心理測定器を用いています。
[記録開始]
尋問官: 君にいくつか質問がある。答えてくれるかい?
PoI-008-17: 答えないと言ったら?
尋問官: 答えないのは自由だが、想像を絶するほどの精神的苦痛を味わうことになるぞ?
PoI-008-17: なるほどね。どう転んでも答えないといけないわけか。……苦痛をちらつかせるのが今のアンタらのやりかたのなのか?
尋問官: 黙ってろ。……じゃあ質問一つ目だ。君はどこであの異常芸術のメカニズムを知った?
PoI-008-17: 覚えてねえよ。確か異常芸術を学び始めた頃に芸術誌に載ってたやつだった気がするな。……マジで覚えてねえんだよ。
心理測定器は反応していない。
尋問官: じゃあ次の質問だ。どこでサイト-10──君たちが襲撃した施設のことを知った?隠蔽しているので普通であれば知ることはできないはずだが──。
PoI-008-17: 知る手段ってのがあるんだよ。知ってるだろ?裏コミュニティとかそういったところ。今回はそこから知った感じだな。
心理測定器は反応していない。
尋問官: なるほど。じゃあ次の質問だ。何故襲撃をした?
PoI-008-17: 決まってんだろ。アートを壊されて喜ぶアーティストがいると思うか?少なくとも俺達は違うな。アイツの作った最高傑作を壊されるわけにはいかないんだよ。
尋問官: アイツ、とは。
PoI-008-17: 知ってんだろ。ハーロックだよ。
心理測定器は反応していない。
[抜粋終了]
当聴取記録から、GoI-008内の敵対勢力が財団及びGOCに対する襲撃を行う可能性が示唆されました。これを受け、襲撃対策・早期鎮静を木鉄器としたプロトコルが共同異常対策室内で制定されました。制定された内容については補遺3000-JP.9を閲覧してください。
補遺3000-JP.9
プロトコル・ロータスイーター
PROTOCOL・LOTUSEATER
前記
当プロトコルは共同異常対策室内での協議を経て制定されたものです。
概要
共同異常対策室の存在するサイト-11をはじめとしたフランス内の財団サイト、GOC支所の警護・異常存在の無力化を目的として合同警護部隊の編成・配置を行います。配置される警護部隊の構成メンバーは財団およびGOCメンバーによる選出議論を経たうえで編成されます。また、副目標として、PoI-008-11の捕縛およびイベント・アーティションの早期鎮静が挙げられます。PoI-008-11の痕跡追跡のため、財団の保持する人工衛星"イコン"による異常領域内のスキャンを行います。イベント・アーティションの終了後、当プロトコルは凍結されます。
[ … ]
プロトコル実行後、2件の襲撃の防止、34件の異常存在の無力化に成功しています。しかし、依然としてPoI-008-11の特定には至っていません。実行から15時間後、特定に成功。追跡試行が行われました。追跡試行タイムラインは補遺3000-JP.10を閲覧してください。
補遺3000-JP.10
包囲作戦ログ 3000-JP-2
プロトコル・ロータスイーター実行から15時間後、PoI-008-11の特定に成功しました。特定当時、PoI-008-11は異常領域の外れに存在する小型倉庫内に滞在していました。これを受け、共同異常対策室ではPoI-008-11の包囲作戦が実行されました。以下のログは包囲作戦の記録をタイムライン形式で記録したものです。
包囲作戦ログ
[記録開始]
<0:00.11> 包囲作戦参加部隊がPoI-008-11の滞在する倉庫を包囲する。作戦リーダーであるラムジー・クームズが突入命令を出す。包囲作戦参加部隊が複数の進入口から倉庫に突入する。PoI-008-11は驚愕の表情を見せながら「何故ここに維持機関が」と発言する。
<0:01.14> 共同部隊がPoI-008-11を拘束しようと接近する。直後、PoI-008-11が保持した筆型アーティファクトで床面に紋様を描写する。紋様は奇跡論的効果を発生させるものであり、その影響からか合同部隊メンバーは動くことが出来ない。PoI-008-11は未知の手段で拳銃を生成した後、出口付近に存在する合同部隊を射殺する。
<0:03.26> PoI-008-11が捕縛作戦用のバイクに乗車し、逃走を開始する。逃走開始から1分後、紋様の奇跡論的効果が喪失する。行動可能になった合同部隊メンバーは倉庫付近に配置された作戦用車両に乗り、PoI-008-11の追跡を開始する。
<0:04.32> 指令室から作戦参加メンバーに対してPoI-008-11の位置情報を転送する。作戦参加メンバーがPoI-008-11の現在地へと移動を開始する。移動開始から15分後、作戦参加メンバーの乗車し車両群がPoI-008-11の後方11m地点に到達する。
<0:07.12> PoI-008-11が筆型アーティファクトを用いて何かを描写する。直後、描写した箇所から巨大な触手が出現する。触手は作戦参加メンバーの乗車している車両のフロントガラスに突き刺さる。作戦参加メンバーは触手を回避する形で車両を操縦する。
<0:08.46> 拘束を目的として作戦参加メンバーがPoI-008-11に対し5発発砲する。発射された銃弾のうち1発がPoI-008-11の右腕に命中する。PoI-008-11は数秒動きを止めるも逃走を再開する。確保が困難であると判断した合同部隊が財団に対して再度の発砲許可を要請する。要請は受理される。
<0:09.53> 再度作戦参加メンバーがPoI-008-11に対して7発発砲する。発射された銃弾のうち3発がPoI-008-11の胸部、右脚、肩部に命中する。PoI-008-11が搭乗していたバイクから転げ落ちる。地面には血だまりが出来ている。
<0:10.27> 作戦参加メンバーがPoI-008-11に向かって走り出す。PoI-008-11は筆型アーティファクトと自身の血痕を用いて奇跡論的効果の付与された紋様を描写する。描写された紋様の効果により、PoI-008-11の直下にクラスIV"テレポーテーション"ワームホール3が出現する。PoI-008-11はクラスIV"テレポーテーション"ワームホールに進入し、姿を消す。
[記録終了]
当作戦の結果、PoI-008-11に致命傷を与えることに成功したものの、逃避される結果に終わりました。直後、PoI-008-11の捜索指令がフランス内の財団サイトに通達されました。
補遺3000-JP.11
監視カメラ映像記録
以下の映像はPoI-008-11の逃亡後、異常領域の南部に存在する集落内の路地にて記録された監視カメラ映像の抜粋です。映像記録全容は添付資料"PoI-008-11関連映像"を参照してください。
監視カメラ映像抜粋
[記録開始]
PoI-008-11は右脚を引き摺りながら路地を歩いている。胸部、脚部より出血が確認されている。
PoI-008-11: [荒い呼吸]クソ……維持機関共のせいで……クソッ……
PoI-008-11は歩くことを続ける。時折咳き込む様子が記録されている。
PoI-008-11: 芸術作品は消えない……少なくとも、俺の芸術の火は、意志は消えない……
PoI-008-11が足を滑らせて転倒する。地面に血が滲みだす。
PoI-008-11: クソ──俺もここまでか……銃弾は心臓を貫通してるし、即興で簡易維持装置を作ったにしてはもった方かな……
PoI-008-11が懐から筆型アーティファクトを取り出す。筆型アーティファクトを使用し、地面にわかばを描写する様子が記録されている。
PoI-008-11: せめて、俺の創ったものだけでも──
映像が途絶する。
[抜粋終了]
当映像が記録されてから5時間後、PoI-008-11は死亡した状態で発見されました。また、同時に破壊・無力化された状態の筆型アーティファクトが回収されたことも確認されています。回収後行われた検死の結果、死因は失血死であることが判明しています。また、PoI-008-11の死後、異常領域の拡大が停止したことが確認されています。これを受け、イベント・アーティションは収束したと判断されました。
補遺3000-JP.12
イベント・アーティション 終了報告書
以下はイベント・アーティションの終了報告書です。
終了報告書
イベント・アーティションが発生した結果、███名の死者、████名の重傷者、████名の軽傷者(再構築によって出現した人物含む)の人的被害、再構築に伴う空間の拡張および複数種の存在の出現をはじめとした異常現象の多発が確認されました。発生から4日後の2023/08/22の未明、異常領域の拡大停止をうけ、イベント・アーティションは収束したと判断されました。現時点まで再構築された異常領域は崩壊の兆しを見せていません4。現在、異常領域の維持をはじめとした多数の問題に対しての対応が練られています。
補遺3000-JP.13
内部政府協定
イベント・アーティションの終息から1年が経過した2024/08/22に、SCP-3000-JP内部の管理問題の解決が確認されました。管理問題の解決策として、SCP-3000-JP内部に独立した政府組織を設立するといったものが挙げられます。注意点として、政府組織のメンバーはGOCおよび財団より派遣された人物であることが挙げられます。以下は協定内容の一部抜粋です。
アート・パリ協定
財団およびGOCは以下の内容に合意したことをここに記す。
1.アート・パリ(SCP-3000-JP)の管理はGOCと財団が役割を分担したうえで行う。
2. サイト-11、GOC支所-19をはじめとした各サイトの一部を保護領域として解放する。
・・・
・・・
・・・
150. アートパリ(SCP-3000-JP)の治安の維持に尽力する。
財団監督評議会 1号評議員
世界オカルト連合 事務総長
補遺3000-JP.14
内部政府と財団による共同声明
2024/08/22 PM13:30に、"アート・パリ協定"の締結をうけ、SCP-3000-JP内部政府と財団・GOCの共同声明を発表したことが確認されました。以下は声明内容の一部転写です。内容の全容は添付資料"声明文全容"を確認してください。
アート・パリ政府と財団の共同声明。SCP-2911-JPのオチが参考になりそう。
記事ここまで
SCP-3000-JPコンテストに参加します。
著者はteruteru_5とMatcha tiramisuです。
以下は希望するナンバースロットです。
第0希望: SCP-3000-JP
第1希望: SCP-3333-JP
第2希望: SCP-3999-JP
第3希望: SCP-3520-JP
第4希望: SCP-3321-JP
第5希望: SCP-3890-JP
ページコンソール
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シリーズ-JP所属
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- portal:7178014 (30 Dec 2020 05:31)
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