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アイテム番号: SCP-XXXX-JP

オブジェクトクラス: Safe

特別収容プロトコル: SCP-XXXX-JPは、気温・湿度の管理された倉庫に、緩衝材で梱包して保管してください。外見上は、ありふれた電子基板であるため、倉庫清掃などの作業時に作業員が誤って搬出あるいは破棄しないよう、適切かつ明確なラベリング及び注意書きを行ってください。

説明: SCP-XXXX-JPは、音声送受信機に接続されていなければ、いかなる異常性及び危険性もみられない電子基板です。当オブジェクトは、1995年に発生した■■■■社■■■便の航空機墜落事故の事故調査時に発見されました。事故機のFDR(Flight Data Recorder)を再生し、音声データを活字化した航空事故調査委員会による財団への通報により、オブジェクトの存在が発覚しました。
SCP-XXXX-JPの外見は、寸法100mm×220mmの電子基板です。このオブジェクトは、当該電子基板が接続された音声送受信装置を使用する人間の聴覚を通して、人間の脳の言語野に音声認識における錯誤を生じさせ、会話によるコミュニケーションを阻害することが、脳波測定を含む一連の実験により明らかになっています。また音声認識の錯覚であるため、異常性の影響を受けた当事者たちは異常を自覚することができず、成立しない会話を成立していると思い込んだまま継続します。一方、聴覚を介さなければ当該オブジェクトの異常性の影響を受けないことも明らかになっています。また当該オブジェクトによる被験者の後遺症は確認されていません。
事故調査委員会は、FDRの音声データを聴取した際は異常に気づくことはできませんでした。しかし彼らは、音声記録を活字化し、読み返した時に事故機のコックピット内外の交話が異常な状態、すなわちコミュニケーションが全くの不成立状態となっていたことに気づきました。事故機のICS(Inter Communication System:機内交話装置)は管制塔との通信にも使用されていたため、コックピット内の異常に気づくことができる者は、墜落直前までいませんでした。
その後の事故調査において、財団がICSユニットを収容し、分解調査を行い、当該電子基板がオブジェクトであると特定されました。電子基板以外の部品については■■■■社に返却されています。
事故調査委員会の最終報告書によれば、■■■便の墜落事故の直接的原因は、■■■■山脈への機体下部の接触であるものの、間接的要因として当該オブジェクトの異常性が挙げられると結論づけられています。同じロットの電子基板を調査した結果、他の電子基板に異常性は確認されませんでした。現在、この規格の電子基板は生産を中止され、就役中の航空機のICSについては同等品と交換されています。

補遺: 航空事故調査報告書摘要
■■■■社■■■便は旅客輸送のためアメリカの■■■■山脈上をオートパイロット機能を使用してフライト中でした。フライト中に日没を迎えたため、副操縦士は航法灯のスイッチを操作しましたが、右翼端灯が点灯しませんでした。副操縦士は原因探究のためフライト・ハンドブックを取り出しました。その際、副操縦士が誤って操縦桿に触れたため、オートパイロット機能が解除されました。しかし機長は管制塔との交話を試みていたためオートパイロット機能の不時解除に気づきませんでした。■■■便は高度を緩やかに低下させましたが、夜間のためクルーは気づきませんでした。不時解除から2分2秒経過後、計器類を確認した副操縦士が機長に対し高度低下の注意喚起(対地高度3400ft)を行ったことがコックピット内の映像記録から判明しています。また音声によるRVSM警報(高度逸脱警報)及び低高度降下警報はことごとく無視されました。ICSに接続されたシステム類はすべてSCP-XXXX-JPの影響下にあったためと考えられています。その直後、管制官もレーダー画面上で高度の大幅な低下(対地高度2600ft)を確認し、警告を発しました。このことは警告を肉声で聞いていた他の管制官が証言しています。しかし、注意喚起・警告を誤認した機長らは有効な対処を行いませんでした。また高度の低下速度が増し、対地高度が1470ftの時点で副操縦士はモニター画面上の警報表示「LOW ALT」及びオートパイロット機能が解除されていることに気づき、高度を保つためとっさの操縦を試みました。しかしながら、副操縦士は機体を水平に戻すことができませんでした。山脈頂部と機体下部が接触し、バランスを崩した機体は山脈斜面に衝突、墜落しました。オートパイロットの不時解除から墜落まで2分42秒、また副操縦士が異常に気づいてから墜落までわずか40秒でした。当該事故における生存者は確認されていません。



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