案1
クレジット
タイトル: SCP-XXXX- 氷漬けの憶い出
著者:
Yukko
アイテム番号: SCP-XXXX-jp
オブジェクトクラス: safe
特別収容プロトコル: SCP-XXXX-JPは、部分毎に分解した状態で異常物品収容ロッカーに保管して下さい。箱部を除くSCP-XXXX-jpを構成していた部品群は技術部門により保管されています部品群の技術の解析は終了しました。現在部品群は同収容ロッカーに保管されております。情報が必要な際は技術部門にお問い合わせ下さい。
実験の際にSCP-XXXX-JPが予期せぬ行動をとった場合、SCP-XXXX-JPの地面との接触をSCP-XXXX-JPを持ち上げる等して妨害してください。SCP-XXXX-JPを持ち上げる際は最大限注意した上で持ち上げてください。万が一脱走、実験の際に視認した場合、必要であればAクラス以上の強度の記憶処理を行います。
説明: SCP-XXXX-jpは四輪タイヤの付いたダイヤモンド製の箱です。大きさはミニ四駆程度で、箱、タイヤ共に防火、耐圧加工、箱に対しては更に表面にフッ素加工が施されています。SCP-XXXX-jpはSCP-XXXX-jp内部に内蔵された、いずれもこれまでにない型のペルチェ素子、ソーラーパネル、リチウムイオン電池によって半永久的に走行する事が可能です。これらタイヤを含む部品群は取り外しが可能であり、各部品には確認される異常性がありませんでした。ですが、これらの制作に用いられている技術の特殊性から、技術部門での技術の有効利用を試みています。
発見当時、SCP-XXXX-jpの箱内部は真空状態で保たれていました。箱内部には、一通の英語で書かれた情報媒体、及び日記に近い物であると推測される冊子、厚さ数ミリの小瓶型の鉄板に内包されたウラン238 (U-238)を40%程度含有する石があり、これら三つには確認される異常性がありませんでした。SCP-XXXX-jpは日記の内容とウラン238 (U-238)の状態から、少なからず█████████年以上前の物だと予測されます。
SCP-XXXX-jpは、日本所有領土の新函館区に於いて走行中の所、その場に居合わせたエージェントが「不安にさせる精神影響を引き起こす箱」として確保する事により収容されました。
SCP-XXXX-jpは、複数回の実験と脱走記録により、その異常性が明らかとなっています。詳しくはインシデント記録と実験記録を参照して下さい。
補遺1: SCP-XXXX-jpが確保され、輸送されるまでの間、SCP-XXXX-jpを囲むことによって走行不可能な状態にしました。ですが、特殊な走行法でそれを回避し、脱走するというインシデントが発生しました。これについては、タイヤ部を接地させないことにより未然に防ぐ事が可能だという事が判明しています。
補遺2: SCP-XXXX-jpを使用した実験記録です。当実験記録はその中でもより結果が顕著に現れた物を抜粋しています。現在も実験による使用は可能ですが、実際に走行させるのは危険性を鑑み、禁止されています。
実験記録003
対象: 5人のDクラス職員(D-7584、D-8759、D-5947、D-8635、D-7592)
実施方法: SCP-XXXX-jpを視認させ、その時点での精神状況についてアンケートを取る。尚、正確な結果を得る為、各Dクラス職員にはSCP-XXXX-jpについての情報を開示していない。
結果: D-7584、D-5947、D-8635は「不安」、「近づきたくない」、「何かが怖い」等、似通った返答をしました。が、D-8759は「見ていると辛くなる」、D-7592は「触ってあげない方が良い気がする」と少し意味合いが違う返答をしました。
分析: これらの結果から、SCP-XXXX-jpは恐怖ではなく、近づくことに対する不快感を発生させていると予測されます。
実験記録006
対象: D-9034
実施方法: SCP-XXXX-jpに触れさせ、その反応を観察し、その時点での精神状況についてアンケートを取る。同様に、D-9034にはSCP-XXXX-jpについての情報を開示していない。
結果: D-9034はSCP-XXXX-jpを視認している間、常に嫌悪を示す表情をしていました。D-9034は恐る恐るながら、SCP-XXXX-jpに接触する事ができました。この時について、D-9034は、「最初は怖かったが、触れた時から罪悪感の方が強くなった」と返答しました。
分析: SCP-XXXX-jpは、SCP-XXXX-jpに近づく・触ることを自意識的に忌諱させていると予測されています。
補遺3: SCP-XXXX-jp内部に保存されていた情報媒体の内容です。内容は翻訳されています。
O5評議会決定事項
プロトコル・ロストパラダイス
プロトコル概要
当プロトコルは、何らかの終末的事象により回避不能なK-クラスシナリオが発生した際に、SCIPS"ノア"をはじめとする複数のSCIPS及び、財団製星間航行機を用いて選出された人間を宇宙空間に退避させる事を目的としたものである。
また、SCIPS"ノア"発射の弊害である世界各国の大規模気象変動や日本国の崩壊等については、終末的事象時に既に発生しているものとして考えた上でのプロトコルである。SCIPS"ノア"をはじめとするSCIPSには、以下の条件を満たした人物のみが一般乗組員として選出される。
- 持病やDNAの欠陥等がない健康体である事。
- 知能指数検査によって一定水準以上のIQを有すると認められる事。
- 精神診断によって疾患や異常な思想等が認められず、長期の閉鎖空間内での生活に耐えうる精神性を有する事。
また、特殊乗組員として選出される人物は、以下の条件によって選出される。
- 財団勤務人物である事。
- 何らかの部門において複数博士号を取得している事。
- 精神診断によって疾患や異常な思想等を認められず、且つ財団基準の各テストにて一定以上のスコアを修めていること。
監督評議会代表文
本プロトコルは前述の通り、万が一終末的事象の収束が不可能になった際のみ発動するものである。これが示す事は、我らが守ってきた人類の過半数、ヴェールプロトコル、そして我らの最愛の故郷を捨てるという事である。
しかし、我らの役目は消えない。ヴェールプロトコル無き世界でも、我らは人類を異常、そして来る終焉から遠ざけるのである。
人類の為、正常性の為、我らは"創世記"を敢行する。
確保、収容、保護。
O5評議会一同
補遺4: SCP-XXXX-jp内部に保存されていた日記の内容です。ページ毎に分割されています。
9月25日
引き篭もり一日目。今日から毎日一回日記を書こうと思う。理由は時間感覚を出来る限り忘れない様にする為だ。時計だけだと味気ないしな。
さて、つい先程飛び立って行ったのを確認して我々は2000内部に退避した。理由はもちろん、この故郷を復活させる為だ。まぁ、2000自体は故障していて使い物にならないのだが。
我々の目的は一つ、隠された「手順CYA-009」を解明し、今回の敗北による犠牲者を利用した奇跡論的大規模現実改変を実行する為だ。その為に財団は世界中に2000に繋がるパイプラインを敷き、2000内部に新たに現実子集積装置を組み立てたのだ。
と大仰に此処まで書いたが、私はこれが成功するとは微塵も思っていないし、財団のお偉いさんも思っていないだろう。つまりは捨て駒だ。やれる所まではやってみるが、どう転んだとしてもこの星は使い物にならないだろう。
犠牲者が材料として使い物にならなくなる時間から予想されるタイムリミットは持って一週間。前々から解析されていた「手順CYA-009」はもう完全解明と言って良い所まで解明されている。
どうせ捨て駒なんだ。楽しくやろう。
案2 SCP-ちょっと-jp-j
アイテム番号: SCP-ちょっと-jp-j
オブジェクトクラス: ちょっとsafe
特別収容プロトコル: SCP-ちょっと-jp-jのちょっとした説明は、ちょっとした誤解をちょっとだけ招かないためにも、ちょっとした会話でちょっとだけ済ませる様にして下さい。SCP-ちょっと-jp-jについてちょっと書かれたちょっとした文章はちょっと適当にちょっと「ちょっと」を除外してちょっと読む様にして下さい。ちょっと。
ちょっと説明: SCP-ちょっと-jp-jは、ちょっと自身の事を記述という方法でちょっと説明しようとする際に、ちょっと「ちょっと」と書き足されるちょっとした現象です。これは記述者がちょっと「ちょっと」をちょっと書き足しているのでは無く、ちょっとこれをちょっと視認した時に、視覚的にちょっと「ちょっと」をちょっと認識しているのがちょっと判明しています。このちょっと書き足される「ちょっと」はちょっと文法的にちょっとあまり違和感がちょっとなく、ちょっと文法的にちょっと間違っていたとしてもちょっと許容できる範囲のちょっとした部分にちょっと書き足されます。ちょっと例外として、ちょっと「ちょっと」を書き足される際にちょっと「ちょっと」がちょっと変形し、「ちょっとした」や「ちょっとだけ」等になる事がちょっとしばしばあります。
SCP-ちょっと-jp-jが現在ちょっと干渉しているのは視覚だけで、ちょっとSCP-ちょっと-jp-jについてちょっと会話する際にはちょっとこの異常性がちょっと発生しません。
ちょっと現在、SCP-ちょっと-jp-jのちょっとした発生元はちょっと特定出来ていません。
ちょっと補遺1: SCP-ちょっと-jp-jに対する張山博士のちょっとした見解です
ちょっとこの記事ちょっと凄くちょっと読みにくいんだが、これを読んでちょっとマジでイライラするのと同時にちょっとこの記事をちょっと読んでちょっとわかった事がちょっとあるぞ。
ちょっと絶っっっ対にSCP-ちょっと-jp-jをちょっと作ったやつはちょっとこのザマをちょっと見てちょっと笑ってるぞ。ほら、ちょっと今俺がちょっと書いているやつだってこれをちょっと作ったちょっとウザい奴に…ってちょっとちょっとウザい奴じゃねぇよ。ちょっとマジでちょっとウザい奴…ああああああもう!!!ちょっとちょっとマジでちょっとちょっとウザい奴ってちょっと何なんd…ってマジてちょっとちょっとちょっとウザいんだよ!!!!!!!!!!!!ちょっと一回ちょっと黙れ!!!!ああああああああああああああああああああああああああああああああちょっとクソがあああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあああああぁぁああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!!
案3 SCP-8900-jp-j-EX
下記は参照専用のアーカイブ情報です。
現在、SCP-8900-EXに対しての封じ込め手段は講じられていません。
アイテム番号: SCP-8900-jp-j-EX
オブジェクトクラス: Keter
特別収容プロトコル: その極端な封じ込めの難しさから、SCP-8900-jp-jはKeterに分類されました。実際の所、現時点では封じ込めることはできないでしょう。
SCP-8900-jに感染した人や物品は直ちに隔離され、瞬間焼却により処分されます。その結果生じた炎は感染の拡大を防ぐため、完全な暗闇の中で真空吸引により消火します。財団職員がSCP-8900-jp-jに感染した人や物品に接触することは、どのような状況であろうと許可されません。
補遺8900-1: 完全な暗闇は生物におけるSCP-8900-jp-jの症状拡散を防ぐことが発見されました。エージェント・ハーカーとミリアムは、この研究のため拘留され続けています。
説明: SCP-8900-jp-jは接触によって拡散する、ヒト(Homo sapiens)の思考ロジックと感情に影響を与える複雑な知覚現象です。この現象は最近開発された技術を用いて描写することができますが、この異常現象を描写することは現象の迅速な拡散を招くと思われるため、推奨されません。
SCP-8900-jp-jは現在未収容であり、理論的にも封じ込め不可能です。この現象は1900年代中期から後期に、特定のジャンルを描いた文学書籍の副産物として発生しましたが、その影響は文学書籍の内容のみに限定され、拡散することはありませんでした。注目すべきは、SCP-8900-jp-jの症状が特定の文学書籍に現れたのは、恋愛感情の描写技術の開発[編集済]と考えられるという点です。今日我々が知るSCP-8900-jp-jが出現したのは、おそらく1955年前後であり、█████株式会社の██技術の実験によってである可能性があります。
補遺8900-2:
諸君、我々は失敗した。SCP-8900-jp-jの影響はあまりにも広く拡散し、ありふれたものになってしまった。愛する人への感情は下品で不自然なものに変わり、我々の恋愛感情は等しく汚された。SCP-8900-jp-jは全ての思考回路に荒廃をもたらし、我々は覆い尽くされた。
正反対の影響を及ぼす「感染症」を作り出すという試みもまた失敗した。我々は被験者に対して自然な恋愛感情を復元させることに成功したが、この処置は被験者の口を利けなくしてしまうようだある意味成功だな。その上、今しがた使者がオフィスに到着し、我々の試みが収容違反を起こしたことを伝えてくれた。未来のエージェントはこれ自体をSCPオブジェクトとして扱わなくてはならないかもしれないな。
我々にはたった一つの選択肢が残されたのだ、諸君。私は財団の最終フェイルセーフ手段、アンニュイ・プロトコルを実行する。
適切な権限を持つ君達がこのメッセージを受領する頃には、財団は世界中の資源を動員し、保有する中で最も微細な効果を引き起こす記憶処理薬である化合物ENUI-5、その大量散布を終えていることだろう。世界中のこのような恐怖を味わうべきでない男女が、立ち止まり、困惑し、自らの生活に戻るだろう、この現象が常に存在していたと確信し、何を失ったかを決して知らないまま。ただ一つ、SCP-8900-jp-jの影響を受けていない書籍のみが真実を伝えていくことだろう。私は残念でならない、諸君。本当に残念だよ。
これはやり遂げられねばならない。
— O5-8.
確保、収容、保護。
あの、、机の上の手紙、あれ、何ですか?
ー██秘書
あぁ、そういえば君には彼氏さんがいるんだっけか。ならば君には分からないだろう。絶対にだ。
ーO5-8