SCP-XXX-JP 迷子の迷子のおきつねさん、貴方のお家はどこですか

タイトル 迷子の迷子のおきつねさん、貴方のお家はどこですか
アイテム番号 SCP-xxx-JP
オブジェクトクラス Safe
特別収容プロトコル
 ・SCP-xxx-JPは従順かつ安定した情緒、及び能力を発揮しているため、低危険度人型オブジェクト収容セルに収容されています。対象は他者との会話や開放的な空間で食事をすることで、対象の精神と能力の維持と安定化に良い影響を与えます。なので、女性職員の同伴のもと、セル外に出てサイト内の食堂及びカフェテリアを利用することが特別に許可されています。一般職員との会話は自由ですが、他のオブジェクトと接触させることは例え害がない事が確認されていても推奨はされません。また、セル外に出す場合の形態は完全な人間の状態、もしくは狐耳と尻尾だけを出した形態に限られます。本体の姿に戻ることはセル内、もしくは定期的な健康診断のみに限られます。また、SCP-XXX-JPに接触する際の基本的な事項をまだ把握していない職員は、速やかにその事項を把握し、間に合わない場合はSCP-XXX-JPが行動できる範囲外の階に退避するか、差し障りのない程度の挨拶をしてすれ違ってください。

SCP-xxx-JPと似た能力を持つ個体を新たに発見した場合は、それをSCP-xxx-JP-aとした上で、接触する際は地元警察官を装い、「クラスAの権限を持った保安協会の職員」と名乗った上で、移送に協力するよう求めてください。もし拒否した場合は、この世界での能力の露呈を防止する為、麻酔薬を使用して強制的にサイト-210に移送してください。その際、SCP-xxx-JP-aは原則としてEuclidに指定し、敵意が無く、友好的で良き友人と呼べる段階になるまで、SCP-xxx-JPと同じSafeに指定されることはありません。Euclidの場合の特別収容プロトコルを新たに策定する場合は、オブザーバーとしてSCP-xxx-JPを参加させることが望ましいです。
また、SCP-XXX-JP-aが■■■化した場合は、機動部隊 狐-01と航空部隊 麒麟-02を当該座標に可及的速やかに派遣し、重火器を用いてSCP-XXX-JP-aを排除し、カバーストーリー「過激派テロ組織の襲撃と鎮圧」を流布してメディア等に■■■に纏わる話題が出てないか常時監視し、必要あれば適当な記憶処理を実施してください。
説明
 ・SCP-xxx-JPは、オリジナルの身長162 cm体重■■㎏の平均的な体型の成人女性の姿を模した、平均的な体型の雌のホンドギツネです。一般的なホンドギツネと何ら変わらない状態がSCP-xxx-JPの基本的な本体となりますが、対象は自身の人に化けるという異常性の根幹には、人間社会に適応する為に未確認機関「関西狐保安協会」によって人へと化ける能力を幼少期に付与されたことにあると証言しています。対象は人間に化けるようになってから18年の時、高等教育を満了した後、■■県警の募集に応募し、警察学校で所定の訓練を受け、卒業しました。その後、巡査として■■県■■市の警察署に配属される際、未確認機関「関西狐保安協会」の保安要員として同類の化け狐の能力露呈防止、■■■の防止、排除、事後処理という職務を自ら進んで志願しました。2019年07月10日、警察官としての職務を遂行している最中に、■■県■■市■■町の大型商業施設内において、■■■に遭遇し、携帯していた銃器で応戦するも全身を激しく打ち、気を失った後、同じく2019年07月10日■■県■■市■■町の大型商業施設内の非常階段で意識を取り戻した際に、携帯電話で同市内の警察署に意味不明な供述をした事に加えて銃器を所持し、警察官の服装と装備をしていながらデータベースに該当するデータが無い事で、派遣された警察官らに取り押さえられました。その後、■■署内で別件を調査していた財団のエージェント・■■が、意味不明な事象と自分の所属らしき事を言いながら連行される対象の姿を目撃し、尾行すると署内の留置所で対象がそれまで露わにしなかった狐耳を頭から、尻尾を尾部に出していた事から対象の異常性が発覚し、財団はその日の内に対象の身元を引き取り、関係した者に軽度の記憶処理を掛けた上で、カバーストーリー「同人イベントの帰りに酔っぱらった住所不定のコスプレ女騒動」を流布しました。

 インタビュー記録01 2019年07月11日09時30分
 対象  SCP-xxx-JP
 インタビュアー 神渕研究主任
 インタビュー環境
 ・インタビューはサイト-210の低危険度人型オブジェクト中規模収容セル内にて対面で実施。防護措置として自動小銃を携行したセキュリティチーム-蛇01をセル内に配置し、神渕研究主任と対象の間には防弾ガラスとスピーカー及びマイクを設置。
 録音開始
神渕研究主任「おはようございますSCP-XXX-JP、よく眠れましたか?」
対象「はい、未だに少し混乱していますが、よく眠れました。」
神渕「それは良かった、ではこれよりインタビューに入らせて頂きます。まずは貴方のお名前と年齢、出自と所属を答えてください」
対象「名前は■■■■です、年齢は20歳、■■県■■市の生まれです。」
神渕「ありがとうございます、こちらの都合上、あなたのことはこれからもSCP-xxx-JPと呼称させていただきますので、予めご了承ください。」
対象「分かりました」
神渕「それでは本題に入りますが、SCP-XXX-JPは自身の異常性について認知していますか?」
対象「はい、認知しています」
神渕「それでは、その異常性を説明してください」
対象「私の異常性は、ホンドギツネでありながら人間と同じ姿、内蔵、DNAを持った存在になることだと思います。」
神渕「よろしい、ではその異常性はいつから発生しているんですか?」
対象「生まれてすぐの時、保安協会によって安定的に人に化けるよう指導されたと聞いています。母も同じように人に化けていたので遺伝的なものもあると思います」
神渕「貴方以外にも人に化ける事の出来るホンドギツネがいるという事ですね」
対象「そうです、保安協会の統計では全国で数万匹いると言われています」
(数秒ほど沈黙)
神渕「分かりました、では次に、貴方が先程から仰ている保安協会というのはどういう組織なのですか?」
対象「保安協会は全国各地に設置されている、化け狐による化け狐の為の協会です。全国の地方自治体から企業、国の機関に在籍する化け狐と人間によって構成され、化け狐の化け術の隠匿、安全指導、協会が推薦する企業への就職の斡旋、□□□の排除、それに伴う隠蔽等を行っています。私が所属しているのは、関西狐保安協会の保安部です。主に警察官や警備会社に努めている化け狐と普通の人間で構成されています。」
神渕「その協会は公にされている組織なんですか?」
対象「いえ、公にはされていません。政府や各省庁が存在を認知していますが、多分知っているのは一部だと思います。」
神渕「そうですか、分かりました。インタビューはこれで一旦終了にしたいと思います。午後からは身体検査を行いますので、後ほど提供される衣服に着替えてお待ちください。昼食はそれ以降に届けます。」
対象「分かりました」
インタビュー終了
インタビュー報告
神渕研究主任

・非常に大人しく、それでいて聞かれた事には赤裸々に話している上に、公にされていない自身の組織についても話している。かなり興味深い組織の内容を聞かされたが、それが事実である事の証拠は今のところ無いので、午後から始まる身体検査と持ち物の検査で、事の信憑性を図ろうと思う。一応、この組織について、財団は調査するべきであると具申する。

補遺-1
 ・人間の姿を模しているときは外見から内蔵、血液やDNAに至るまで普通の人間と変わらないことが、身体検査により判明しました。また、完全な人間の姿から、狐特有の形状をした耳が頭部の頂上付近に、尻尾も尾部に後付けをしたアニメ的な姿、全身に狐の毛が生えた人間と狐のハーフといった姿まで、SCP-xxx-JPの意思によって自由に変化することが可能であることが、対象自らが披露しました。耳と尻尾を出した状態が一番ストレスを感じないことから、形状によって掛かる負荷が違うことも確認されています。
また、何故人に化ける事が出来るのかは特定することが困難である事が分かり、現在も尚、対象のDNAの変化や常駐している菌の変化なども視野に入れて研究が続けられています。
補遺-2
関西狐保安協会と呼ばれる組織は、財団が持つ全ての諜報網を駆使しても拠点やデータ、更には介入されたと思われる痕跡を特定することができず、SCP-xxx-JPが所持していたスマートフォンの解析データから、オフラインマップデータや、プライベートの画像、動画、端末に保存されたブラウザのスクリーンショット等から、対象が認知している世界と、こちらの世界の大半の要素や流通している物については合致しているが、一部に大きな差異があることが判明しました。その差異には、こちらの世界には無い企業の飲食店内の画像及び映像、こちらの世界では数十年前に廃線となった■■市の市営モノレールの最新型と見られる車両の稼働シーンを映した映像、オフラインマップからは、■■県に皇居が存在し、■■都が制限区域に指定されているなど、こちらの世界とは大から小まで違う事が確認されました。
SCP-xxx-JPは別の世界線から、この世界に何らかの事象で転移されてきたのではないか、という仮説を神渕研究主任が提唱していますが、今のところ確定した事はありません。
インタビュー記録02 2019年07月14日15時47分
対象  SCP-xxx-JP
インタビュアー 神渕研究主任
インタビュー環境 前回と同じ。
神渕「それではインタビューを開始します、検査から1日経ちましたが、気分はどうですか?」
対象「良くも悪くもありません」
神渕「そうですか、それでは質問していきます。SCP-xxx-JPは何故、■■市のデパート■■で気を失っていたんですか?これまでの事の経緯を全て教えて下さい。」
対象「■■市の■■町周辺で、パトカーでパトロールした際、商業施設の売り場にて、故意に化け術を暴走させたと思われる事象が確認された、とデパート■■に務めている協会員からの通報が保安協会を通じて入った為、急遽その商業施設へと向かいました。現着すると、荒らされた売り場の奥に■■■が確認された為、署の銃器対策部隊と協会の保安部に応援を要請した後、相方と共に逃げ遅れた市民の誘導と■■■への小火器を用いた攻撃を始めました。数メートル規模の■■■を仕留めるには、保安部か銃器対策部隊が保有している鎮圧弾頭を用いなければ通常弾は効果が薄い事が最初から分かりきっていた事なので、数分ほど時間稼ぎが出来れば良しとしていました。しかし、想定外の場所と動きにくい環境だった為に、十分な間合いを取ることも出来ず凪払われて隅の壁に激突したと思います。この辺りはうろ覚えというより、きちんと認識出来なかったので、事実と異なると思いますが、目が覚めると周りの環境が明らかに違っていると確認できました。無線機が故障していたので、スマホで署に連絡しましたが何故か話が通じず、派遣された同じ署の警察官と思われる者に、取り押さえられ、後はそちらでも把握されている通りだと思います。」
神渕「思われる者、というのが引っかかりますが、何故そのように話すんですか?」
対象「見たことの無い人間だったからです、署の生活安全課に2年ほど在籍していたので、制服警官で応援とかに行けて、この時間帯に勤務している同僚の顔とかは、だいたい見たことがあるので薄っすらとですが、覚えているんです。しかしそのときに見た同僚の顔は、見たことの無い顔でした。」
神渕「それで、その同僚に事態を説明するとIDを確認されて、適合するデータが無いのと本物の銃器を持っていた事で逮捕されたと」
対象「その通りです、最初は何かの間違いと思いましたが、署に連行されてから環境の一変した様に恐怖を覚えました」
神渕「具体的に、どう感じたのか教えて下さい」
対象「すれ違った人、対応に来た人、自分のことをよく知っている筈の先輩、上司、それらの中でも保安協会に入っている人の名前を聞いても誰も、知らない、そんな人はいない、錯乱にしている、等と答えるばかりで、留置所に投げ込まれて全身を覆い尽くすような恐怖を感じました」
(数秒ほど沈黙)
神渕「それで、耳と尻尾を出したんですね。あまりにも混乱して化け術が段階的に解かれたと。」
対象「普段は意識しないと出さないんですが、その時は無意識に出していました。ほっておくと本来の姿まで解かれていったと思います。」
神渕「そうですか、では次の質問に入ります。貴方は一回目のインタビューで、公にされていない保安協会のことを赤裸々に話していましたが、おそらく守秘義務に反する事だと思いますが、何故そこまで話したのですか?」
対象「署に連行されてから、今まで居た世界とはまるで違う所にいると、ここに連れてこられてから最初に過ごした夜にそう整理がついたので、隠すことは無いと思ったからです。それと……。」
神渕「それと?」
対象「多分、ここは私が所属していた保安協会の使命と似たような使命を持った組織だろうと勝手に思ったからです。そういう事なら、話しても問題は無いだろうと思いました。」
神渕「分かりました、ありがとうございます。今日のインタビューはこれにてひとまず終わりにします。暫くはこの部屋で生活させていただきますのでご了承ください。」
対象「分かりました、それと、逆質問とかってしてもよろしいでしょうか?」
神渕「どうぞ、私に答えられる範囲であるなら」
対象「私が住んでいた世界は、どこにあるんでしょうか」
(10秒ほど沈黙)
神渕「私にもそれは分かりませんが、早く解明出来て帰れるように、努力します。」
インタビュー終了
補遺-3
何らかの異常性があると思われるデパート■■に財団が全館に調査を実施したところ、異常性は確認できませんでした。しかし、不特定のタイミングで発生する可能性もあり、今後デパート■■には常時監視態勢が敷かれます。
補遺-4
■■■については特定の方法で化け狐の化け術を暴走させない限り、■■■になる事は無いとSCP-XXX-JP証言しており、化け術の安定性とコントロール、想定される加害性の有無はSCP-XXX-JPの理解のもとで行われた研究により安全が認められた為、収容当時のオブジェクトクラスEuclidから現在のSafeに変更されています。しかし、精神や肉体は普通の人間と同等、もしくはそれ以下のデータが随所に見られることから、ストレスを過度に受けて衰弱させない為に特別収容プロトコルを変更し、サイト内での一般職員との接触を許可しました。これに伴い、サイト内に務める全職員に、SCP-XXX-JPに接する際の基本的な事項を配布し、トラブルを防止する取り組みを継続的に実施することを決定しました。
また、SCP-XXX-JPと同じ能力を持つ個体が出現し、■■■になろうとする危険分子であった場合に備え、SCP-XXX-JPが提示した、あちらの世界の保安協会が開発した鎮圧弾頭に入っているとされる、大まかな成分のデータを元に、財団の研究チームが同程度の威力を発揮する弾頭を現在開発しています。もし間に合わない事態となれば、炸薬等を搭載した重火器の弾で身を吹き飛ばせる物量作戦が適当であるとSCP-XXX-JPは証言しています。

執筆中



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