沙の街


シャクシャクと沙を踏みしめる音が単調に続いたのち、暫くして遠巻きに街が見えてきた。

私がいつから沙漠を歩いていたのかすら知り得ぬが、そんな沙漠の真ん中に街まであるとなってはいよいよ訳が分からん。

目元を腕で擦ってみれば目を細めて漸く見えていた街が今や目の前だ、距離感まで曖昧になっているのだろうか。

かような出鱈目、恐らくは明晰夢という奴だろう、思えばこんな日照りの下でも汗の一滴も流れない。であれば気負う必要もあるまい。

せめて物書きの足しになれば良いか、そんな淡い期待を抱いた筆執りラヰタアが沙上の街に足を踏み入れた。

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