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『過去にしてはならぬ』

オブジェクトクラス Euclid

説明
SCP-XXX-JPは8.9と乱雑に書かれた文字をタイトルとする中身は一切が白紙の全20ページで構成された一冊の本です。SCP-XXX-JPは毎年日本の標準時子午線による時間軸、█月█日の█時15分に日本の██市内のどこかに出現します。SCP-XXX-JPが出現した場合誰もSCP-XXX-JPに触らせないようにしてください。SCP-XXX-JPに触れた場合1███年█月█日█時2分までにSCP-XXX-JPが出現する範囲に生きていた人間(以降SCP-XXX-JP-1とする)の記憶をSCP-XXX-JPに触れた人間(以降SCP-XXX-JP-2とする)に追体験させます。SCP-XXX-JP-2がSCP-XXX-JP-1の記憶を追体験する間、SCP-XXX-JP-2はSCP-XXX-JP-1のその時の思考、境遇、感情等をやや過剰な程に受けとります。SCP-XXX-JP-2がSCP-XXX-JP-1の記憶を追体験している間、SCP-XXX-JP-2はSCP-XXX-JPに触れた状態で制止し、その際SCP-XXX-JPとSCP-XXX-JP-2は如何なる物理的影響も受けません。SCP-XXX-JP-2は約1分~28時間の時間制止し続け、SCP-XXX-JPがその場から消失することで制止状態から復帰します。制止状態から復帰したSCP-XXX-JP-2は混乱、あるいは号泣し始めます。制止した時間が長い程号泣する確率は高いようです。号泣したSCP-XXX-JP-2はある程度感情の高ぶりが落ち着き、泣き止むと今度は近くにいる人物に支離滅裂な言葉で自らのSCP-XXX-JP-1の記憶の追体験を説明しようとします。しかしそれらは大抵曖昧な表現を使った理解しにくい物です。しかしSCP-XXX-JP-2の証言について一致しているのは『とにかく酷い』ということです。何がどう酷いのかは人それぞれですが大抵日常生活では有り得ないような体験をしたと語ります。SCP-XXX-JPは出現してから誰かが触れるまでの間に切る、破る、又は焼くなどといった物理的攻撃を加えるか█月█日中に誰も触れなかった場合消失し、その年に現れることはありませんが、次の年の█月█日の█時15分に以前に出現した時と何の変化もなく出現します。※絶対にSCP-XXX-JPが19██年█月█日から現在まで生きている人間に接触されることはないようにして下さい。SCP-XXX-JP-2はレベルA記憶処理をした後(倫理委員会の判断によっては記憶処理をせず)解放されます。以下、解放する前のSCP-XXX-JP-2のインタビュー記録です。

インタビュー記録-01

日時20██年█月█日

インタビュアー:野田博士
対象:坂田(仮名)

以下はSCP-XXX-JP-2がSCP-XXX-JPによる三時
間の制止状態から復帰した直後に保護し、広島
市内のSCP財団の支部へと同意の上連行、イン
タビューした際の記録です。坂田(仮名)は21歳
の男性です。尚、SCP-XXX-JP-2 が制止してい
る間人だかりが出来てしまっためSCP-XXX-
JP-2を除くその場にいた全員に記憶処理を施し
ました。

[録音開始]

野田博士:ではインタビューを始めさせても
らうよ、君がついさっき体験したことについて
話してくれるかな?

坂田:勿論だ博士、あれは話さなければいけ
ない、伝えなければいけないんだ。

野田博士:何を見たのかね?

坂田:地獄だ

野田博士:あの世だったのかね?

坂田:違う、あれは確かにこの世だった、だ
が地獄だった、地面が燃え、黒い雨が降り、人
々は死人のように徘徊し……博士、あんたも知っ
ているだろう?学校で習ったはずだ。あんただ
って写真や絵なら見たことがあるはずだ。見た
ことが無いわけが無い。

野田博士:それは小さな子供のことか
ね?

坂田:その通りだ博士、ピカッと光ったんだ
それからはあっという間だった、全てが消し飛
び、燃えて……[嗚咽する音]……あれは地獄だ。

野田博士:それをもっと具体的に話してくれ
ないかい?

坂田:あぁ、わかってる、俺も昔は簡単だと
思ってたよ、あの人たちがあぁやって話すのは
でも無理だ、俺には出来ねぇ、やろうと思えば
あの記憶が甦る、思い出したくない……。だが伝
なければいけないんだ……。博士、わかるだろ
う?

野田博士:……貴方の言語機能が低下している
という報告はありません。坂田さん、なんとか
言い表してください。お願いします。

坂田:[24秒程の沈黙]そうだな……あんたもあ
れを触ればわかるだろうよ……言い表せないんだ
言い表せていいはずが無いんだ。

野田博士:我々はそれの能力を理解し、危険
ならば速急に保護する必要があります。もしそ
れが人類にとって危険な物であるなら尚更……
坂田:あれは危険じゃない、危険じゃない……
残さなきゃいけいない。

野田博士:はっきりと教えて下さい、貴方は
何を見たんですか?

坂田:[数秒の沈黙]地獄だ。

[録音終了]

これ以上坂田から有益な情報を得ることは不可能と判断されインタビューを中断しました。

インタビュー記録02

日時 20██年█月█日

インタビュアー:野田博士
赤井(仮名):

インタビュー記録01の際と制止時間が10分
であることを除いて同じ経緯で保護、インタ
ビューをしたものとなります。赤井(仮名)は
23歳の女性です。

[録音開始]

野田博士:ではインタビューを始めさせて一

赤井:あの子は!あの子は無事ですか!?

野田博士:赤井さん、落ち着いて下さい。も
うその質問はしないと約束したはずです。

赤井:でもあの子は……あんなに小さかったの
に……あんな一瞬で……[嗚咽する音]

野田博士:[数秒の沈黙]わかりました、赤井
さん、その事について詳しく話して下さい。

赤井:はい……あの子は……三輪車に乗ってい
ました……。お気に入りの物だったのでしょう。
ニコニコと笑いながら、本当に楽しそうに三輪
車を漕いでいました。私は……その子の母親だっ
たのだと思います、その人の中に入ってて……三
輪車に乗りながら無邪気な顔をこちらに向ける
あの子に対して「危ないよ」と声をかけていま
した。そして……10分程たった頃でしょうか……
私は洗濯物を干す為に家の裏へ回って物干し竿
を手に持ったんです、その瞬間、後ろからほん
の一瞬熱を持った風が吹いて……家が壊れる音を
聞いたのが最後でした。あの子は……あの子はま
だあんな年で[嗚咽する音]

野田博士:……わかりました。赤井さん、その
子の消息を出来る限り探してみましょう。

赤井:お願いします。

野田博士:ではインタビューを終わります。

[録音終了]

これ以上赤井から有益な情報は得られないと判断されインタビューは中止されました。

インタビュー記録03

日時 20██年█月█日

インタビュアー:野田博士
対象:佐藤(仮名)

佐藤(仮名)は193█年1月5日に広島市に移住し
、20██年10月13日まで広島市に定住していた
初老の女性です。20██年10月13日に死亡した
と確認されています。

[録音開始]

野田博士:では佐藤さん。貴方が見たものを
教えてくれますか?

佐藤:はい……。あれは……あの時と同じ空……
あの時と同じ暑さ……あの時と同じ音……あぁ、
空襲警報の音です……。そう、それで私は怖くな
って……。

野田博士:ん?え?[困惑する声]机が消えて…
…いや、それより、何故屋外に?どうなって……

[空襲警報の音]

野田博士:これは……まさか19██年█月
█日なのか?

佐藤:私は……そう、防空壕に入りました。

[何か重い物が開く音]

野田博士:佐藤さん?あの部屋の床には扉は
無かったはず……。空間の移動?タイムトラベル
か?何にしろこのままでは……。

佐藤:まだ幼かった私は[佐藤の声が幼くな
る]ずっと防空壕に籠っていました。出るのが怖
くて……。爆弾で死んでしまうんじゃないかと…
…ただ怖くて……。そのまま何十分もそこにいま
した。

野田博士:一気に日が傾いて……佐藤さん!こ
こを開けて下さい!佐藤さん![防空壕の扉を叩く]

佐藤:あぁ……あの日も誰かが防空壕の扉を叩
いていました……。でも私は怖かったんです……
[声が戻る]あぁ、名も知らぬ人よ……ごめんなさ
い……私は……私は悪くない。

野田博士:佐藤さん!ここを開けて下さい!

[数秒の沈黙]

野田博士:くそ![紙の擦れる音][続いて何か
を書く音が数秒続く]これで……

[空襲警報解除の音]

野田博士:[嘆息]そろそろか……

[数十秒後に轟音]

機動部隊隊員T:っ!対象と黒焦げの[削除済み]
が出現、対象の保護と[削除済み]の回収を行います。

田中博士:[通信機からの声]OK、速やかに
行ってくれ、気をつけてくれよ。

機動部隊隊員T:わかりました。……録音機がまだ
作動しているようですが止めます。よろしいでしょ
うか?

田中博士:[通信機からの声]構わない。

[録音終了]

補意01

監視カメラの映像から野田博士と対象の姿が消
えた為、機動部隊隊員Tがインタビュー部屋に
突入したところ、部屋からは録音機とインタ
ビューの記録用紙、机と二つの椅子以外が消え
ていました。その数分後黒焦げの人の[削除済
み]と泣き崩れる対象が出現しました。対象へ
と幾度か呼びかけましたが対象は一切返事をし
ませんでした。[削除済み]の側には一枚の紙
[SCP-XXX-JP-文書01を参照]と野田博士の物と
思われるボールペンが置いてあり、筆跡から野
田博士が書き記した物と思われます。[削除済
み]からのみ非常に多量の放射性物質が検出され
ました。DNA鑑定の結果[削除済み]は野田博士
と判明しました。録音機を調べた所、上記のイ
ンタビュー記録が検出されました。録音されて
いた空襲警報空襲警報解除の音声は
どちらも日本の戦時中に使われたものと一致し
ました。

その後佐藤はAクラス記憶処理をした後解放しました。

SCP-XXX-JP-文書01
以下野田博士が書いたと思われる文書です。

SCP-XXX-JPのオブジェクトクラスのKeterへの
格上げを要請する。野田博士。

補意02

これを受けO5評議会の数人を含めた審議の後
SCP-XXX-JPのオブジェクトクラスの格上げは
却下されました。その後、マジックハンドやラ
イターなどでの破ることによるオブジェクトの
破壊や焼却によるオブジェクトの破壊により、
次の年までの無効化を実現することが可能であ
ると判明したため(以下[実験記録01~05]を参
照)です。インタビュー記録03の対象が
SCPであるという懸念もありましたが、その後
の監視、インタビューにより、対象に特異性は
無いと判断されました。その後、対象と同じ境
遇でSCP-XXX-JPに暴露した人物が居ないか調
査しましたが、今現在他には居ないとされまし
た。その後SCP-XXX-JPに対象と同じ境遇の人
物が暴露しないよう、毎年█月█日には交代で
最低300人のエージェントが観光客に扮しSCP-
XXX-JPの出現範囲内を巡回します。エージェ
ントはSCP-XXX-JPを見つけ次第SCP-XXX-JP
に直接触れること無く破壊、又は焼却してく
ださい。

[実験記録01]

実験内容
Dクラスエージェント-3627895に手袋を着用さ
せ、SCP-XXX-JPに接触させました。尚、Dクラ
スエージェント-3627895にはSCP-XXX-JPの特
異性については一切の説明をしていません。

実験結果
他の暴露者と同じようにSCP-XXX-JPに触れた
ままの状態で静止し、3秒後にSCP-XXX-JPが消
失すると同時に静止状態から復帰しました。D
クラスエージェント-3627895は実験後のインタ
ビューで『一瞬目の前が真っ白になった。』と
証言しました。

わかったこと
手袋では防げない。

[実験記録02]

実験内容
前回と同様のDクラスエージェント、エージェ
ント-3627895に長さ30cmの木の枝を持たせ、
SCP-XXX-JPをつつかせました。前回と同様Dク
ラスエージェント-3627895にはSCP-XXX-JPの
特異性について一切の説明をしていません。

実験結果
Dクラスエージェント3627895は静止せず、
SCP-XXX-JPはその特異性を発揮しませんでし
た。一度暴露した者に対しSCP-XXX-JPがその
特異性を発揮しない可能性があったので実験の
後、Dクラスエージェント-3927895にSCP-XXX-
JPに素手で接触させました。するとDクラス
エージェント-3627895は[実験記録01]と同様に
3秒間静止し、SCP-XXX-JPが消失することで静
止から復帰しました。Dクラスエージェント-39
27895は実験後のインタビューで『一年前と同
じように目の前が一瞬真っ白になった。』と証
言しました。また、『何で俺は棒で紙切れをつ
つかせられたんだ?』とも証言しました。

わかったこと
手袋を付けても手で触れてしまうとその異常性
が発現してしまう。一度暴露した者ものもう一
度触れればSCP-XXX-JPの特異性の影響を受け
る。

[実験記録03]

実験内容
前回と同様のDクラスエージェント、エージェ
ント-3624895に二対のマジックハンドを持た
せ、それらを使いSCP-XXX-JPを破らせる。前
回同様Dクラスエージェント-3627895にはSCP-
XXX-JPの特異性については一切の説明をしてい
ません。

実験結果
Dクラスエージェント-3627895は制止せず、ま
た、Dクラスエージェント-3627895の操作した
マジックハンドにより、簡単に破ることが出来
その後すぐさま消滅。その年の内に██市内で
SCP-XXX-JPが確認されることはありませんで
した。

わかったこと
SCP-XXX-JPの耐久はSCP-XXX-JP-2が接触して
いない場合、市販の画用紙程の耐久性も見せな
いと予想される。また、SCP-XXX-JPが破られ
た際には無力化され、その後、その年の内には
確認されない。

[実験記録04]

実験内容
前回と同様のDクラスエージェント、エージェ
ント-3627895にライターを持たせ、SCP-XXX-
JPに触れないようにしながらSCP-XXX-JPを焼
却させました。

実験結果
SCP-XXX-JPは何の抵抗も見せず簡単に燃え、
消滅。その年の内に██市内に出現することは
ありませんでした。

わかったこと
焼却でもSCP-XXX-JPを無力化出来る。また、
その場合もその年の内にはSCP-XXX-JPは確認
されない。

[実験記録05]

実験内容
この実験の主任である██博士の「一度暴露し
た対象にしか破壊出来ないのではないか?」と
いう問いに対する答えのために、Dクラスエー
ジェント-3627895との接点、共通点の全く無
い、無作為に選び出されたDクラスエージェン
ト数人による二対のマジックハンド、ライター
を用いて破壊、焼却の試み、内一人にはSCP-
XXX-JPに対し、市販の飲料水をかけた後、
SCP-XXX-JPに触れさせる。という実験を実施
しました。SCP-XXX-JPのその特異性により実
験の完了には数年を要しました。

実験結果
一人を除くいずれのDクラスエージェントも
SCP-XXX-JPの破壊に成功しました。水をかけ
た後、SCP-XXX-JPに接触したところ、その実
験に参加していたDクラスエージェントはSCP-
XXX-JPに触れた状態で制止、50秒後に復帰。
他のSCP-XXX-JP-2と同様の反応を示しました。

わかったこと
SCP-XXX-JPに暴露していなくても破壊は可能
つまり財団のDクラス以上のエージェントにも
破壊は可能だということ。又、水をかけただけ
では無力化出来ない。どうやらSCP-XXX-JPの
元の形を二つに破るなどして大きく変えなくて
はいけないらしい。水でふやけた位ではダメら
しい。

[実験記録06]
実験内容
実験 の主任██博士によって二対のマジックハ
ンドを使い、SCP-XXX-JPの中身と外観の調査
が行われた。

実験結果
SCP-XXX-JPが出現する時にいつも表になって
いる面には今まで通り8月9日と乱雑に書かれて
おり、中身はまるで新品の紙のように全て白
紙、全20ページで構成されていた。裏には同じ
く乱雑な文字で文が書かれていた。[SCP-XXX-
JP-文書02参照]

わかったこと
このSCP-XXX-JPの何者かの大きな思念が集
まって出来た物のようだ。

[SCP-XXX-JP-文書02]
以下SCP-XXX-JPが出現する際にいつも裏になっている部分に書かれていた文章です。

過去にしてはならぬ。この出来事を伝えなく
てはならぬ。文字では足りぬ、絵では足りぬ、
映像では足りぬ、言葉でもまだ足りぬ、体験
こそが伝え得る。だからこそ伝える。私は伝え
続ける。二度とこの世に地獄を作ってはなら
ぬ。過去にしてはならぬ。この話を、過去の事
だと言わせてはならぬ。伝えろ。伝えろ。伝え
ろ。伝えつづけるのだ。過去にしてはならぬ。



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