アイテム番号: SCP-XXXX-JP
オブジェクトクラス: Euclid Neutralized
特別収容プロトコル: SCP-XXXX-JPはその特性上、完全な収容は不可能です。インシデントXXXX-JP以降、現在までSCP-XXXX-JPは確認されていません。市役所及び学校に潜伏する財団エージェントは、書類と実在する人数の差異がないか定期的に調査、記録してください。SCP-XXXX-JP-1が確認された場合は対象宅に映像記録装置を設置し、消失するまで観察してください。消失後は警察官に偽装した財団エージェントによって適切なカバーストーリーを適用後、関連人物に記憶処理を施してください。
説明: SCP-XXXX-JPは日本国内において一定期間、子供のいない家庭(以下は対象と呼称)で発生する異常現象です。SCP-XXXX-JP-1と呼称する異常存在が関連人物への記憶改変の後に対象の子供として出現します。
SCP-XXXX-JP-1は10代前半の日本人女性です。体格や思考は同世代の日本人女性と大差ありません。異常な物理的耐性を持ち、外傷を与えることは可能ですが死亡することはありません。身体からは過去に負傷したとみられる、自然治癒した痣や僅かな切創痕が計54ヶ所発見されています。
SCP-XXXX-JP-1は対象の家庭において一般的な子供と同じように生活を送り、付近の公立学校に通学します。オブジェクトの影響を受けた対象はSCP-XXXX-JP-1を自身の子供のように接します。
SCP-XXXX-JP-1は出現してから一定期間の後に消失します。対象は概ねひどく動揺し、近所での捜索や警察に通報するなどの処置をとります。精神疾患の発症や自殺をした例もありますが、オブジェクト消失後の影響は異常性ではないと実験で結論付けられています。
事象1 - 日付20██/██/██
対象: ██ ██氏(32歳 男性) █氏(29歳 女性)
状況: 対象は不妊治療を継続していた中SCP-XXXX-JPの影響を受けた。SCP-XXXX-JP-1のことをとても可愛がっていた。
SCP-XXXX-JP-1消失後: 警察、近隣住民による捜索を依頼。█氏はSCP-XXXX-JP-1消失から半年後に鬱病を発症。
事象16 - 日付20██/██/██
対象: ███ █氏(25歳 男性) ██氏(21歳 男性)
状況: SCP-XXXX-JPが同性婚内で発生した初めての例。対象はSCP-XXXX-JP-1を養子だと周囲に話していた。
SCP-XXXX-JP-1消失後: 警察の他に地元のテレビ局へ捜索の旨を放送するように依頼。現在までに対象の精神状態に顕著な悪影響は見られない。
事象17 - 日付 20██/██/██
対象: ██ ██氏(43歳 男性) █氏(44歳 女性)
状況: 対象は201█年に13歳の長女を交通事故で亡くしている。SCP-XXXX-JP-1に愛着をもって接している。
SCP-XXXX-JP-1消失後: 警察に捜索を依頼するも1ヶ月後に打ち切りさせる。消失から1ヶ月半後に対象は車内で練炭を燃やして無理心中。
事象34 - 日付 20██/██/██
対象: █ ██氏(57歳 男性)
状況: 配偶者がいない対象に出現した初めての例。対象は人生において結婚したことがなく、トラックの長距離ドライバーとして生計を立てていた。SCP-XXXX-JP-1出現後は営業職に転職して家にいる時間を増やし、週末にはSCP-XXXX-JP-1と公園や行楽地で過ごしていた。
SCP-XXXX-JP-1消失後: 警察に通報し、対象も週末に捜索をしていた。生活や体調に影響はみられなかった。
補遺 インシデントXXXX-JP: 事象██でSCP-XXXX-JP-1が消失したのを最後にSCP-XXXX-JPが確認されていません。事象の様子や部屋に設置した映像記録などからSCP-XXXX-JPは異常性を喪失したとの結論に至り、オブジェクトクラスをNeutralizedに変更されました。
事象██ - 日付 20██/██/██
対象: ██ ██氏(42歳 男性) █氏(39歳 女性)
状況: 夫の██氏は3年前に当時3歳の息子を虐待死させた容疑で逮捕され1年6ヶ月の実刑判決を受けていたが、出現したSCP-XXXX-JP-1に対しても妻である█氏と共に虐待行為を行っていた。以下はSCP-XXXX-JP-1が出現してから██年█ヶ月後に消失するまで行った虐待行為の抜粋である。
- 首を絞める
- 外出時にベランダへ閉め出す
- 食事を与えない
- 筆記用具を破棄する。
- 玄関で13時間に及ぶ正座を強要
- [編集済]
- お湯を張った浴槽に頭部を無理矢理沈める
最終的に包丁で胸部を刺した後に身体を解体し、衣装ケースに詰めてクローゼットへ遺棄して対象は逃亡した。
SCP-XXXX-JP-1消失後: 警察に偽装した財団エージェントが対象に事情聴取したところ、犯行は認めたが反省の色はなかった。一時的に収容サイトにて保護後、クラスC記憶処理を施した。
SCP-XXXX-JP-1が遺棄されたクローゼットの壁からSCP-XXXX-JP-1のDNAと一致する血液で書かれた文章が発見されました。以下はその書き写しです。
わたしは愛されたかった ただそれだけなのに
いつになれば幸せはみつかるの わたしはどこ
アイテム番号: SCP-XXXX-JP
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル:
説明: SCP-XXXX-JPは中国西北部で感染が確認された未知のウイルスです。感染力が非常に強く、空気、飛沫、食物、血液、███、接触感染が確認されています。症状はインフルエンザに酷似しており一般的なインフルエンザ検査キットに反応した事例もあるため、発見が遅れたと考えられています。SCP-XXXX-JPはメチルアルコールと██████を1:1で配合したもので殺菌可能です。どちらも毒性が強いため、SCP-XXXX-JP-aに投与すると死亡します。
異常性はSCP-XXXX-JP感染者(以下SCP-XXXX-JP-aと呼称)の末期患者を視認することで発生します。視認した人間(以下SCP-XXXX-JP-bと呼称)はSCP-XXXX-JP-aに対して一切の関心を失います。映像機器を介しての視認も対象です。いかなる記憶処理も効果が無く、SCP-XXXX-JP-aが死亡するまで続きます。以下は集落で発見されたSCP-XXXX-JP-aへの実験記録です。
実験記録1 - 日付20██/05/21
対象: SCP-XXXX-JP
実施方法: 発症後48時間以内のSCP-XXXX-JP-a-1、‐2、‐3を視認しないように抗インフルエンザ薬を投与する。
結果: 全員症状に変化なし。
追記:
感染力は極めて弱いが致死率100%のウイルス。症状はインフルエンザに似る。末期に陥ると患者(αと呼称)を視認している人全員がαに対して無関心になる精神汚染が発生する。効果はαが死亡するまで続く。
アイテム番号: SCP-XXXX-JP
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル:
説明: 「走行すると1000mに1回の確率で転倒するアスファルト」というAnomalousアイテムが使用された道路に発生した女児型の人型霊体。転倒した人(βと呼称)が車両に轢かれるまで脚を空間に固定する。βを認識している人間全てはβに対して無関心になる精神汚染が発生する。
アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: SCP-XXX-JP-1の電気配線を切断し、カメラレンズを破壊した上で保管エリア-81██の電波を遮断した保管庫に収容してください。SCP-XXX-JP-3及び異常性を視認した人物は、事情聴取の後に記憶処理を施します。
世界中の動画投稿サイトを常に監視し、投稿されたSCP-XXX-JP-2はアカウントを含め全ての動画を削除及び凍結してください。監視カメラ映像等を収集し放映するテレビ番組は、財団フロント企業による検閲をクリアした映像のみ放映を許可します。SCP-XXXX-JP-2の再生は収容違反が発生する為、禁じられています。
説明: SCP-XXX-JPは撮影機器に感染する情報災害です。以下はSCP-XXX-JPに関する呼称と説明です。
呼称 |
説明 |
SCP-XXX-JP-1 |
SCP-XXX-JPに感染した撮影機器です。他機器との接続、SCP-XXX-JP-2の再生又は保存により伝染します。録画状態のSCP-XXX-JP-1に映り込む全てのSCP-XXX-JP-3は負傷が免れない際、物理的に有り得ない現象又は偶然によって無傷で生還します。 |
SCP-XXX-JP-2 |
SCP-XXX-JP-1によって撮影された映像または写真です。人間の顔や車両のナンバーにモザイク処理が施され、映像全体が僅かに不鮮明に編集されます。なお、SCP-XXXX-JP-2を再生している画面を間接的に撮影することで非異常性のコピーを作成することが可能です。 |
SCP-XXX-JP-3 |
SCP-XXX-JP-1に映りこんだ生物です。異常性の範囲内に存在する間、いかなる損傷も受けずに生還します。 |
以下は財団が回収した監視カメラ映像のSCP-XXX-JP-2の抜粋です。
事象1 - 日付20██/██/██
対象: SCP-XXX-JP-3-a(30代女性)、SCP-XXX-JP-3-b(20代女性)
加害者: SCP-XXX-JP-3-c(20代男性)
設置場所: コンビニの入り口。店内は視認できない。
状況: SCP-XXX-JP-3-cはコンビニ強盗を行うため徒歩で店舗に侵入する。店員であるSCP-XXX-JP-3-aは抵抗した際に、SCP-XXX-JP-3-cが所持していた出刃包丁で腕を切る軽傷を負った。その後SCP-XXX-JP-3-cは現金を奪った後逃走を図るが、客であるSCP-XXX-JP-3-bが追いかける。
結果: SCP-XXX-JP-3-cはSCP-XXX-JP-3-bに切りかかるが[編集済]。両者共に無傷。
事象2 - 日付20██/██/██
対象: SCP-XXX-JP-3-d(70代男性)
加害者: なし。
設置場所: 東京メトロ███線████駅2番ホーム。ホーム全体が視認可能。
状況: 泥酔したSCP-XXX-JP-3-dが線路に落下し失神。20秒後に電車がホームに進入する。
結果: 突如線路が湾曲し電車は脱線、停止する。同ホームで怪我人はいないがダイヤの乱れにより周辺の交通機関が麻痺した。カバーストーリー「点検不良」を流布し、2日後に██線の運転が再開した。
事象3 - 日付20██/██/██
対象: SCP-XXX-JP-3-e(20代女性)、SCP-XXX-JP-3-f(20代男性)。
加害者: SCP-XXX-JP-3-g(40代男性)
設置場所: 民家の駐車場。画面右側の車線より、SCP-XXX-JP-3-gの運転する乗用車が奥から走行してくるのが視認出来る。
状況: 住宅街の見通しの良い片側一車線で、SCP-XXX-JP-3-gは乗用車に乗り飲酒運転をしている。その後運転操作を誤り、反対車線の歩道を歩いているSCP-XXX-JP-3-e、SCP-XXX-JP-3-fへ突っ込む。
結果: 乗用車は歩道に乗り上げた衝撃で空き家に突っ込み停止。SCP-XXX-JP-3-eは衝突の直前にSCP-XXX-JP-3-fによって、SCP-XXX-JP-1の死角である車道まで押し出される。その後、乗用車の反対車線を走行していたトラックに衝突し死亡する。SCP-XXX-JP-3-fとSCP-XXX-JP-3-gに怪我はない。
追記: この事象を撮影したSCP-XXXX-JP-2が動画投稿サイトに流出した。当該動画は投稿されて28分後にアカウントごと削除したが、███回再生されていたため[編集済]を用いて視聴した端末を特定後、全てに遠隔操作で再起不能処理を施した。
事象4 - 日付20██/██/██
対象: SCP-XXXX-JP-3-h(10代女性)、SCP-XXXX-JP-3-i(30代女性)、SCP-XXXX-JP-3-j(60代女性)、SCP-XXXX-JP-3-k(30代男性)
加害者: SCP-XXXX-JP-3-l(80代男性)
設置場所: 東京都██区にある片側3車線のスクランブル交差点付近の交番。交差点のほとんどを視認できる。
状況: SCP-XXXX-JP-3-lは画面左側から軽自動車で交差点を直進している。その後、信号待ちの歩行者群へ暴走し次々にはね飛ばした。ブレーキを踏んだ形跡はなく、原因はSCP-XXXX-JP-3-lの居眠りだった。
結果: SCP-XXXX-JP-3-lとSCP-XXXX-JP-3-k以外は異常性の範囲外にいた為、死亡した。
補遺 - 日付 2018/07/08: アメリカの五大湖付近で「怪我人なしの交通事故が多発している」という異常現象が財団本部に報告されました。原因を調べたところ、NASAに所属している財団エージェントにより、7日前にアメリカ合衆国が打ち上げた気象観測衛星██████████がSCP-XXXX-JPに感染していることが確認されました。感染経路は不明ですが、██████████及び開発に関わった電子機器を全て処分し、新規品と交換しました。██████████によって録画された映像は非異常性のコピーを作成した後に処分しました。この事象が原因とみられる事故は█████件、損傷した車両は█████台です。怪我人は確認されていません。
アイテム番号: SCP-XXXX-JP
オブジェクトクラス: Safe
特別収容プロトコル: SCP-XXXX-JPをフロント企業名義の電波塔及び携帯電話基地局に偽装した収容施設で囲ってください。収容施設内に液体を持ち込む際は担当責任者に許可を取る必要があります。SCP-XXXX-JP-a、SCP-XXXX-JP-1の発生、または収容違反が確認された際は速やかに終了した後、カバーストーリー「デング熱」を流布し確保場所から半径3km以内に殺虫剤を散布してください。
説明: SCP-XXXX-JPは埼玉県秩父市[編集済]に位置する面積約10m2の竹林です。高さは平均15mで全てモウソウチク(学名: Phyllostachys heterocycla f. pubescens)で構成されています。物理的耐性は一般のモウソウチクと同等ですが、破壊されてから約10日で完全に再生します。SCP-XXXX-JPは同所にて「集落の人達がおかしくなっている」という警察への通報を傍受した財団が集落近隣でオブジェクトを発見、収容しました。
SCP-XXXX-JP内に100ml以上の液体が存在することで異常性が発生します。条件を満たした場合SCP-XXXX-JP-aが60秒に1匹、SCP-XXXX-JP内の上空30cmに出現します。出現地点に遮蔽物がある場合、それを避けるように出現します。
SCP-XXXX-JP-aはヒトスジシマカ(学名: Aedes albopictus)と姿が酷似した昆虫です。ヒトスジシマカと異なり翅は4枚で体長約2mmと小型です。メスのみが存在し、単独で繁殖します。一般的な殺虫剤や物理的干渉で終了が可能です。SCP-XXXX-JP-aの繁殖は以下の通り進行します。
初期 1日~3日: SCP-XXXX-JP-aは吸血時に唾液と共に直径約0.003mmの受精卵(SCP-XXXX-JP-bと呼称)を約100個、血液内に放出します。刺された部位は直径約15mmに腫れと炎症が発生し、やや強い痒みを伴います。稀に原因不明かつ治療不可能な症状が発生し死亡します。
1つでもSCP-XXXX-JP-bが脳に到達することで中期に移行しますが、成功率は約10%以下とされています。
中期 3日~20日: SCP-XXXX-JP-bが脳に寄生後、孵化して幼虫(SCP-XXXX-JP-cと呼称)となります。寄生された人物(SCP-XXXX-JP-1と呼称)に自覚症状はなく、「川へ行きたい」という欲求が徐々に増加します。
終期 20日~30日: この時点でSCP-XXXX-JP-1は、本人の意思では制御できないほどに「川へ行きたい」という欲求が増幅し、結果的に流れの少ない河川に移動します。この行動は周囲の人間によって阻止可能ですがSCP-XXXX-JP-1は激しく抵抗します。
河川に到着したSCP-XXXX-JP-1は水着等に着替えた後、肩が浸かる程度まで入水します。時々顔を水中に沈め、SCP-XXXX-JP-1の口腔からSCP-XXXX-JP-c、及び非異常性の生物群(SCP-XXXX-JP-2群と呼称)を10~20匹吐き出します。SCP-XXXX-JP-2群は口腔内から突如発生するかのように見えます。その後、SCP-XXXX-JP-cは24時間以内にSCP-XXXX-JP-aへと変態し繁殖が完了します。なお、吐き出す行為が正午までに完了することは留意すべきです。稀にSCP-XXXX-JP-1が死亡する事象が確認されていますが、非異常性の溺死とみられます。
以下は実験によって確認されたSCP-XXXX-JP-2群のリストです。
・ミンミンゼミ(学名: Hyalessa maculaticollis)
・アブラゼミ(学名: Graptopsaltria nigrofuscata)
・カブトムシ(学名: Allomyrina dichotoma)
・ノコギリクワガタ(学名: Prosopocoilus inclinatus)
・シオカラトンボの幼虫(学名: Orthetrum albistylum speciosum)
・アメンボ(学名: Gerridae)
SCP-XXXX-JP-1は繁殖終了直後から頭部が橙色に発光します。観測した人物の多くは夕日のようであると表現します。必ず繁殖完了後の18時に消失しますが、消失するまでの間は息継ぎを除いて常にヒグラシ(学名: Tanna japonensis)に似た「カナカナカナ」という擬音を発しています。身体のみ消失する為、GPSを用いた追跡実験は全て失敗しています。
アイテム番号: SCP-1831-JP
オブジェクトクラス: Safe
特別収容プロトコル: SCP-1831-JPをフロント企業名義の電波塔及び携帯電話基地局に偽装した収容施設で囲ってください。収容施設内に液体を持ち込む際は担当責任者に許可を取る必要があります。SCP-1831-JP-a、SCP-1831-JP-1の発生、または収容違反が確認された際は速やかに終了した後、カバーストーリー「デング熱」を流布し確保場所から半径3km以内に殺虫剤を散布してください。
説明: SCP-1831-JPは埼玉県秩父市[編集済]に位置する面積約10m2の竹林です。高さは平均15mで全てモウソウチク(学名: Phyllostachys heterocycla f. pubescens)で構成されています。物理的耐性は一般のモウソウチクと同等ですが、破壊されてから約10日で完全に再生します。SCP-1831-JPは同所にて「集落の人達がおかしくなっている」という警察への通報を傍受した財団が集落近隣でオブジェクトを発見、収容しました。
SCP-1831-JP内に100ml以上の液体が存在することで異常性が発生します。条件を満たした場合SCP-1831-JP-aが60秒に1匹、SCP-1831-JP内の上空30cmに出現します。出現地点に遮蔽物がある場合、それを避けるように出現します。
SCP-1831-JP-aはヒトスジシマカ(学名: Aedes albopictus)と姿が酷似した昆虫です。ヒトスジシマカと異なり翅は4枚で体長約2mmと小型です。メスのみが存在し、単独で繁殖します。一般的な殺虫剤や物理的干渉で終了が可能です。SCP-1831-JP-aの繁殖は以下の通り進行します。
初期 1日~3日: SCP-1831-JP-aは吸血時に唾液と共に直径約0.003mmの受精卵(SCP-1831-JP-bと呼称)を約100個、血液内に放出します。刺された部位は直径約15mmに腫れと炎症が発生し、やや強い痒みを伴います。稀に原因不明かつ治療不可能な症状が発生し死亡します。1つでもSCP-1831-JP-bが脳に到達することで中期に移行しますが、成功率は約10%以下とされています。
中期 3日~20日: SCP-1831-JP-bが脳に寄生後、孵化して幼虫(SCP-1831-JP-cと呼称)となります。寄生された人物(SCP-1831-JP-1と呼称)に自覚症状はなく、「川へ行きたい」という欲求が徐々に増加します。
終期 20日~30日: この時点でSCP-1831-JP-1は、本人の意思では制御できないほどに「川へ行きたい」という欲求が増幅し、結果的に流れの少ない河川に移動します。この行動は周囲の人間によって阻止可能ですがSCP-1831-JP-1は激しく抵抗します。
河川に到着したSCP-1831-JP-1は水着等に着替えた後、肩が浸かる程度まで入水します。時々顔を水中に沈め、SCP-1831-JP-1の口腔からSCP-1831-JP-c、及び非異常性の生物群(SCP-1831-JP-2群と呼称)を10~20匹吐き出します。SCP-1831-JP-2群は口腔内から突如発生するかのように見えます。その後、SCP-1831-JP-cは24時間以内にSCP-1831-JP-aへと変態します。なお、上記の行為は例外なく正午までに完了します。稀にSCP-1831-JP-1が死亡する事象が確認されていますが、非異常性の溺死とみられます。
以下は実験によって確認されたSCP-1831-JP-2群のリストです。
・ミンミンゼミ(学名: Hyalessa maculaticollis)
・アブラゼミ(学名: Graptopsaltria nigrofuscata)
・カブトムシ(学名: Allomyrina dichotoma)
・ノコギリクワガタ(学名: Prosopocoilus inclinatus)
・シオカラトンボの幼虫(学名: Orthetrum albistylum speciosum)
・アメンボ(学名: Gerridae)
SCP-1831-JP-1は繁殖終了後、上空に障害物のない場所まで移動し、息継ぎを除いて常にヒグラシ(学名: Tanna japonensis)に似た「カナカナカナ」という擬音を発します。SCP-XXXX-JP-1によって日没が確認されると、SCP-XXXX-JP-1の頭部は爆発音と共に上空へ射出されます。なお、上昇中は「ピュー」という擬音を発します。上空300mまで上昇後、様々な色の火花を散らしながら爆発します。
アイテム番号: SCP-1347-JP
オブジェクトクラス: Safe
特別収容プロトコル: カバーストーリー「解体工事」を適用してオブジェクト全体を遮蔽物で囲ってください。工事関係者を装った警備員を配置し、監視カメラなどで敷地内を監視します。一般人による校内への侵入が発生した場合はクラスA記憶処理を施した後、解放してください。
医師免許を持つDクラス職員を必要最低限の人数で内部に投入し、SCP-1347-JP-1群に医療処置を施してください。なお、投入するDクラス職員全てに首輪型の遠隔式電気ショック装置を装備させます。SCP-1347-JP-1群に対する脅威となり得る行為が認められた場合は即座に終了してください。SCP-1347-JPを用いた実験は現在凍結されています。
説明: SCP-1347-JPは██県立███高等学校の旧校舎に位置する体育館です。SCP-1347-JP内部は少なくとも10km×10kmの異常空間であり、外部からの侵入は容易ですが内部からの脱出は不可視の障壁により不可能です。オブジェクト全体が異常な耐久性を持ち、内外共に破壊は不可能です。
SCP-1347-JPは不明な原理により、Windows10を使用したコンピュータのような機能があります。また、オブジェクトの入口付近にはHDMI端子、PS/2端子、USB端子が複数設置されており、これらにケーブルを接続することでディスプレイ、キーボード、マウスのみが入出力できると確認されました。財団が初めて起動した際、オブジェクトから出力されたディスプレイにはExcel、Word、PowerPointのみが表示されていました。SCP-1347-JPを起動する際は不明な熱源により内部温度が上昇します。外部冷却装置により軽減は可能ですが、熱源の完全な排除には至っていません。
SCP-1347-JP内部に侵入した人物をSCP-1347-JP-1群と呼称します。現在一般人、Dクラス職員含め███人が確認されています。SCP-1347-JP-1群の耐久性は人間と同程度ですが食事や睡眠、排泄などの生理現象を起こしません。熱に対する異常な耐性により、熱によって死亡せず苦痛のみ感じ取ります。SCP-1347-JP-1群が着用する衣類、装飾品も同様の熱耐性を持ちます。なお、全体の66%にあたる██人が何かしらの疾患を抱えています。一部はストレスによって暴徒化しており、脱出のために内部から破壊を試みています。
SCP-1347-JPが財団の収容下に置かれた際、オブジェクトの入口に以下の内容が書かれた貼り紙を発見しました。SCP-1347-JPの製作者によって書かれたと考えられていますが、文章作成ソフトによって書かれており特定は不可能です。
名門、███高の若き頭脳を詰め込んだパソコンを作りました。(僅かに異物あり〼)
ご自由にお使いください。
実験記録1 - 日付20██/05/21
対象: SCP-1347-JP
実施方法: SCP-1347-JP内部に遠隔操作が可能な無人探査機、リードに繋いだニホンザル(学名: Macaca fuscata)を投入する。
結果: 異常性は発生せず、無事脱出した。
考察: 人間以外の動物や物質は異常性の範囲外と考えられる。―冨永博士
追記: 後の実験により、生きている人間以外の動物、物質は影響を受けないと結論付けられました。
実験記録45 - 日付20██/06/14
対象: SCP-1347-JP
実施方法: Wordを用いてSCP-1347-JP-1群とコミュニケーションを図る。
結果: 「応答してください」と打ったところ「助けて」、「ここから出して」、「家に帰りたい」、「殺してくれ」、「暑い」といった文章が大量に出現。内部温度は9℃上昇。
考察: 出力結果にもある程度SCP-1347-JP-1群の感情があるが、意思疎通は困難だろう。―冨永博士
実験記録46 - 日付20██/06/25
対象: SCP-1347-JP
実施方法: Excelを用いてそれぞれ100問の四則演算を入力し、出力されるまでの時間を計測する。
結果: 足し算85秒、引き算86秒、掛け算82秒、割り算98秒。内部温度は15℃上昇。内部温度が予想以上に上昇した為、外部冷却装置を急遽使用した。
補足: 正常な判断が可能なSCP-1347-JP-1群に実験記録6と同じ問題を解かせたところ、平均時間は64秒だった。
考察: コンピュータとしては著しく遅い。人間との比較は確証が持てない為、実験を続ける。―冨永博士
実験記録82 - 日付20██/06/27
対象: SCP-1347-JP
実施方法: 過去に大学で数理系を専攻し卒業したDクラス職員20名(D-5020〜D-5039)をSCP-1347-JP内部に投入し、実験記録6と同じ実験を問題は変更して行う。なお、外部冷却装置を前もって使用している。
付記: 上記のDクラス職員に実験記録6と同じ問題を解かせたところ、平均時間は71秒だった。
結果: 足し算84秒、引き算86秒、掛け算77秒、割り算97秒。内部温度は19℃上昇。
考察: 人数を増やせば性能は僅かに上がるが効率は良くないようだ。内部温度もさらに上昇している。―冨永博士
上記の実験から、SCP-1347-JPの計算性能は実験により市販されている一般的なノートパソコンや人間と比較して、著しく低水準であると結論づけられました。
実験記録296 - 日付20██/03/22
対象: SCP-1347-JP
実施方法: SCP-1347-JPを用いてゲーム「マインスイーパ」をプレイする。ゲームソフトは市販品からコピーしたデータをUSB端子経由で入力した。
結果: 4×4マスまでプレイ可能だった。内部温度は20℃上昇。
考察: 挙動は非異常性のものと同一でした。難しかったです。―冨永博士
実験記録355 - 日付20██/10/02
対象: SCP-1347-JP
実施方法: Dクラス職員にSCP-1347-JP内部の電球を交換を指示する。電球はオブジェクト内と同製品と考えられる物を外部から支給した。
結果: 交換不可能だった。オブジェクト同様、破壊も不可能だった。
考察: 実験の効率を考え、これ以降の考察欄を排除する。―冨永博士
実験記録498 - 日付20██/07/28
対象: SCP-1347-JP
実施方法: SCP-1347-JPの内外で食事を摂る。実験にはDクラス職員を用いる。
結果: 「どちらも味は変わらなかった。」と証言した。
実験記録608 - 日付20██/12/21
対象: SCP-1347-JP
実施方法: SCP-1347-JPを用いてゲーム「ドラゴンクエストⅢ」をプレイする。ゲームソフトは、市販品からコピーしたデータをUSB端子経由で入力した。
結果: ゲーム起動後、5時間後にオープニング画面に移行した。プレイすることはできなかった。内部温度は最大57℃まで上昇した。
実験記録705 - 日付20██/05/25
対象: SCP-1347-JP
実施方法: SCP-1347-JP-1群にSCP-████-JPを使用させる。
結果: [N/A] 死傷者はいなかった。
実験記録706 - 日付20██/05/25
対象: SCP-1347-JP
実施方法: SCP-1347-JPにSCP-682を投入する。
結果: サイト管理者の通達によって実験中止。
クソが。―冨永博士
なお、同日に冨永博士がKeterクラスオブジェクトとSCP-1347-JPのクラステストを47件申請しました。これらはサイト管理者によって全て却下されています。
実験記録796 - 日付20██/06/01
対象: SCP-1347-JP
実施方法: SCP-1347-JPを用いてゲーム「マインクラフト」をプレイする。なお事前に、最終学歴が大学院修了のDクラス職員を50名投入している。ゲームソフトは市販品をUSB端子経由で入力した。
結果: ゲームの開始に成功。操作するキャラクターを中心に5×5マスの地面のみ出力され、一切動くことが出来なかった。内部温度は121℃まで上昇。SCP-1347-JP-1群への影響を考え、実験終了後にDクラス職員を全員終了した。
実験記録843 - 日付20██/06/10
対象: SCP-1347-JP
実施方法: SCP-1347-JPに冨永博士を投入する。なお、この実験は冨永博士の志願によるものということを留意すべきである。
結果: 投入後、SCP-1347-JPを用いていくつかの計算処理をしたところ、投入前と比べて変化はなかった。これ以降の実験は冨永博士の部下である下赤研究員の指揮で行われている。
実験記録845 - 日付20██/06/11
対象: SCP-1347-JP
実施方法: SCP-1347-JPを用いてゲーム「PLAYERUNKNOWN'S BATTLEGROUNDS」をプレイする。なお事前に、最終学歴が大学院修了のDクラス職員を███名を投入している。ゲームソフトは市販品をUSB端子経由で入力した。
結果: 2分間のオンライン対戦をすることに成功。成績は100人中92位だった。内部温度は5██℃まで上昇した為、内部に設置していた設備が焼失した。
実験記録████ - 日付20██/09/10
対象: SCP-1347-JP
実施方法: SCP-1347-JPに下赤上級研究員を投入する。なお、この実験は下赤上級研究員の志願によるものということを留意すべきである。
結果: 投入後、SCP-1347-JPを用いていくつかの計算処理をしたところ、投入前と比べて変化はなかった。これ以降の実験は下赤上級研究員の部下である中條研究員の指揮で行われている。
SCP-1347-JPに何らかの入力機器を接続した状態で1度でも操作することで、SCP-1347-JPの干渉を促す精神汚染が確認されました。また、頻繁に使用することで結果的にSCP-1347-JP内部へ侵入することも判明しました。当該職員は実験を行うことで使用を正当化していたと考えられます。この精神汚染にはクラスAまたはBの記憶処理が有効です。内部に侵入した担当職員は終了、そのほか影響を受けている職員は記憶処理を施した後に担当を異動させました。
アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Safe
特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPはサイト-8123内の低危険性物体保管ユニットにまとめて収容し、いついかなる場合も別々にしないよう注意してください。実験には担当博士の許可が必要です。
説明: SCP-XXX-JPは2脚1組の木製の椅子です。外見は一般的な椅子ですが異常な物理的耐性を持ち、破壊は不可能です。お互いを10m以上離すと、どちらかが2mの距離で向かい合うように転移します。座った時、お互いが見えなくなるように不透明の障壁が設置された場合も転移します。
SCP-XXX-JPのどちらかに被験体(SCP-XXX-JP-1と呼称)が座ると異常性が発生します。SCP-XXX-JP-1が座るともう一方に「座った時に最も会いたい故人(SCP-XXX-JP-2と呼称)」が出現します。SCP-XXX-JP-2は会話が可能ですが物理的接触は不可能です。SCP-XXX-JP-2は生前の記憶を保っており、時間の経過またはSCP-XXX-JP-1が起立した場合に消失します。SCP-XXX-JPは一度使用すると20時間は異常性が消失しますが、その後再使用が可能となります。SCP-XXX-JP-2が生存していた場合、数年前に死亡していたように現実改変してから出現します。
実験記録 - 日付20██/██/██
被験体: D-4985(祖母が5年前に肺癌で死亡)
実施方法: D-4985に祖母の名前を口に出しながら着席させる。
目的: 意図的に指定した人物を出現させられるか。
結果: D-4985の祖母が出現した。D-4985と談笑し32分後に消失。
考察: 意思よりも意識のほうが優先されるようだ。―下赤博士
実験記録 - 日付20██/██/██
被験体: D-4985
実施方法: D-4985が知らない人物の氏名を口に出しながら着席させる。その後ジャンヌ・ダルクについて教えてから同じ手順で着席させる。
次に別のDランク職員D-5964の本名のみを教え、口に出しながら着席させる。D-4985はD-5964について本名以外の情報を知らないがD-5964には事前にD-4985の情報を伝えている。
目的: SCP-XXX-JP-2の存在を知らなかった場合どうなるのか。またSCP-XXX-JP-1だけ、SCP-XXX-JP-2だけが認識してる場合はどうか。
結果: 全て異常性が発生しなかった。
考察: 異常性が発生するのはお互いの事を認識していた場合のみのようだ。片想いでは出現させられないという事か。―下赤博士
実験記録 - 日付20██/██/██
被験体: D-4985(妻であるD-49417は現在生存している)
実施方法: D-4985にD-49417の本名を口に出しながら着席させる。D-49417は別室に待機させる。過去改変に備え、監視室にはスクラントン現実錨を設置する。
目的: 生存しているSCP-XXX-JP-2を出現させられるか。
結果: SCP-XXX-JPが過去改変を発生させ、SCP-XXX-JP-2が出現した。D-4985とSCP-XXX-JP-2は異変に気付いていない。またD-4985が座った瞬間、別室で待機していたD-49417が消失したのが確認された。
考察: 予想通り過去改変が発生した。SCP-XXX-JP-2の記憶も改変されるようで、財団に採用される前に死亡した事になっている為、任務中にD-4985と出会い、結婚したことは忘れられていた。
補遺: SCP-XXX-JPは██県にある空き家で、解体業者を装った財団エージェントが偶然発見しました。リビングには机を挟むようにして置かれたSCP-XXX-JPと、家主と思われる人物の日記が散乱していました。家主は消息を絶っており現在捜索中です。以下は家主と思われる人物の日記です。
日付20██/██/██
実家の蔵を整理したら妙に真新しい椅子が2つ見つかった。試しに座ってみたら何が起きたと思う?俺がこの世で一番好きだった███ちゃんが目の前に現れたんだよ!事故で亡くなって2年が経つけど握手会で会ったことは忘れてないみたい!どうも霧みたいで触れなかったし立った瞬間に消えちゃった。
黙って持ってきたけど別に怒られないよな?
日付20██/██/██
最近日課が出来た。███ちゃんと世間話することだ。愚痴を話したり生前の話を聞いたり。多分だがあっちも好意はあるらしい(俺は別に浮かれてる訳じゃない)。あの世とこの世の超遠距離恋愛は30分持てばいい方だろう。毎日が楽しくなった。
そういえば来週妹が遊びに来るらしい。シスコンとしては最高だ。カレンダーにメモっておこう。
日付20██/██/██
今日は鬼上司に褒められまくった。同僚曰く、最近顔色が良くなってるらしい。███ちゃんと付き合ってからだろうか(勝手に付き合っていると思い込んでるだけだ)。今は人生が楽しいしなんでもいいや。明日は妹が来るけど椅子はどうしようか。物置なんてないし。
日付20██/██/██
なぜか妹を召喚してしまった。本当はあの子と映画を観る予定だったのに。死んでから何年経っただろうか(相変わらず可愛いなあ)。楽しく世間話をしつつも内心残念だった。まぁ録画してあるし明日一緒に観よう。というか俺なんでカレンダーにこんな事書いてるんだ?
日付20██/██/██
なぜか日記を見ると妹は生きてて昨日来るようだった。先週の俺は疲れてたのか?もしかしてこの椅子のせいか?そんなわけないか。
日付20██/ /
[空白]
日付20██/ /
[空白]
日付20██/██/██
償うにはこれしかない。
アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Safe
特別収容プロトコル: 回収されたSCP-XXX-JPは現在サイト-81██内の低脅威度物品収容ロッカー内に収容されています。世界中の財団支部に情報を共有し、全てのSCP-XXX-JPを回収してください。回収したSCP-XXX-JPは全て上記のロッカーに保管します。
説明: SCP-XXX-JPは19██年に大手製薬会社である[編集済]が開発した延命治療薬「███-█」です。しかし開発した記録がなく研究担当者は架空の人物だった為、他の人物が会社名を偽って開発、販売したと考えられています。製作者の所在は現在捜索中です。
SCP-XXX-JPは無色無臭の液体で1瓶に50ml入っています。瓶に異常性はありません。成分を分析したところ、未知の構成物質が含まれていて複製は失敗に終わりました。20██年までに世界20ヶ国以上で約1200万個を売り上げ、約900万人が使用したと言われています。カバーストーリー「世界規模の薬害」によって現在までに約160万個を回収しています。
SCP-XXX-JPの異常性は自力で生命活動が行えない人間(SCP-XXX-JP-1とする)が、点滴などで僅かでも体内に取り入れることで発生します。SCP-XXX-JP-1は「記憶で認知していて現在生存している家族の人数×1(年)」の間、病気の症状の進行、身体の老化が止まります。この異常性の効果中は合併症や発作も発生せず、一種の不死性が付与されます。SCP-XXX-JP-1はこの異常性の効果が切れてから30分以内に死亡します。
SCP-XXX-JPは財団フロント企業の病院内で「10年以上生き続ける末期ガン患者」という報告を聞いた財団が調査した結果、SCP-XXX-JP-1が██名発見されました。投与されていたSCP-XXX-JPは速やかに回収され、現在は通常の点滴にすり替えています。以下は病院に入院していたSCP-XXX-JP-1の一部です。
番号 |
説明 |
SCP-XXX-JP-1-a |
70代で末期の肺がん患者。財団が認知した最初の事案です。投与から4年後に死亡。身元調査の結果、妻と同居していた息子家族の人数及び親戚の人数は29人でした。不自然な年齢で死亡する為に上層部と協議の上、安楽死を実行しました。 |
SCP-XXX-JP-1-b |
80代で認知症と誤嚥性肺炎を患っています。投与から23分後に死亡。同居していたのは妻と娘家族の計4人でした。 |
SCP-XXX-JP-c |
30代で交通事故により生命維持装置の装着を余儀なくされています。投与から7年後に死亡。同居していたのは家族5人ですがペットとして犬が2匹いた事は留意すべきです。 |
補遺1: 下記はSCP-XXX-JP-1-aの生前に行ったインタビューです。
インタビューログXXX-JP-01 - 日付20██/██/██
対象: SCP-XXX-JP-1-a
インタビュアー: 下赤博士
付記: 不測の事態の為に医療班を待機させている。
<記録開始>
下赤博士: はじめまして██さん私は下赤と申します。博士とお呼びください。体調の方はいかがでしょうか?
SCP-XXX-JP-1-a: 点滴のおかげでなんとか元気です。
下赤博士: ██さん、実はその点滴に少し欠陥がありまして我々はそれを調査しているんです。昨年に投与されたそうですが何か身体に異変はありませんでしたか?
SCP-XXX-JP-1-a: 特に何も。もしかして命に関わる問題ですか?まあ先が短いので気にすることではありませんが。
下赤博士: そういうわけではありません。聞きにくい質問ではありますがお医者さんに余命は宣告されましたか?調査の為に必要な情報ですので教えて頂ければありがたいです。
SCP-XXX-JP-1-a: 全身に癌が転移しているから持って半年だそうです。聞いたのは一昨年なんですがね。[SCP-XXX-JP-1-aが激しく咳き込む]
下赤博士: 大丈夫ですか?医療班、処置を。[医療班が処置に当たりインタビューは20分中断される]
下赤博士: それではインタビューを再開します。ご家族は何人いらっしゃいますか?覚えている限りで結構です。
SCP-XXX-JP-1-a: 妻と息子家族と孫が6人と親戚が多分18…29人ですかね。ひ孫の為にももっと生きたかったですねえ。
下赤博士: 質問以上となります。本日は…(SCP-XXX-JP-1-aが下赤博士の腕に触れる)。
SCP-XXX-JP-1-a: ちょっと待ってくださいな。博士と2人だけで話をしたいのだが。
下赤博士: 分かりました、お願いします(財団職員は室外へ退出する)。それでどんな話でしょうか?
SCP-XXX-JP-1-a: あの点滴、魔法だか知りませんが寿命を勝手に延ばすんでしょう?
下赤博士: …はい。ではなぜ分かったのでしょうか。
SCP-XXX-JP-1-a: そりゃ患者ですし分かりますよ。口に付いてるのだって(SCP-XXX-JP-1-aはマスク型人工呼吸器を外し、口で喋る)とっくに意味ないって知ってましたよ。
下赤博士 そうでしたか。恐らく██さんは1██歳まで生きられます。しかし、がん患者でここまで生きるのは不自然です。…つまり…近いうちにも安楽死を実行する予定です。これは上層部との会議で決定した事項であり絶対です。
SCP-XXX-JP-1-a: 安楽死…悪くないですな。でもあと3年だけ待って頂きたい。
下赤博士: 3年ですか。何故でしょうか。
SCP-XXX-JP-1-a: 3年後。1番下のひ孫が小学校に入るんです。やんちゃなあの子のランドセル姿が見たくて見たくて。どうかお慈悲を。
下赤博士: 分かりました。上層部と掛け合ってみます。ですが私からも、あなたのインタビュー時の記憶を消去しようかと思います。よろしいですか?
SCP-XXX-JP-1-a: 消さなくたって天国の婆さんにしか喋りませんよ。冥土の土産ってやつですな。
<記録終了>
上層部との協議の結果、安楽死の実行を3年後とする事が決定、実行されました。なおSCP-XXX-JP-1-aの遺書にはこのような文章が記述されていました。
(手紙より一部抜粋)
ひ孫は将来、私の病気を治す薬を作ると躍起になっている。どうか見守って欲しい。今度は魔法ではなく本物の延命治療薬を、家族に寄り添いたい人の元へ。
アイテム番号: SCP-XXX-JP 私が霧中の右
腕肩
オブジェクトクラス: Safe
特別収容プロトコル:
説明:SCP-XXX-JPの外見は白い大理石製で人の右腕とみられる彫刻です。指先から肘まであり、肘から先は折れたように欠けています。右腕以外の行方は不明です。SCP-XXX-JPの外見は白い大理石製で人の右肩とみられる彫刻です。指先から肩まであり、肩から先は折れたように欠けています。右肩以外の行方は不明ですが、異常な物理的耐性により破壊は不可能です。以下の復元手順により全身の復元が可能になると考えられていますが、更なる異常性に備え、SCP-XXX-JPの復元実験は凍結されています。
SCP-XXXX-JP復元手順:
- 被験者(SCP-XXX-JP-1と呼称)が目を閉じた状態で手のひらを合わせるように繋ぐ、いわゆる「恋人繋ぎ」をする。
- SCP-XXX-JPを中心に半径20mに濃霧が発生。この状態になった場合、SCP-XXX-JPは空間に固定され、SCP-XXX-JP-1は発声以外のほとんどの行動が不可能となる。霧の外からSCP-XXX-JPやSCP-XXX-JP-1に接触を試みようとするも、SCP-XXX-JP-1を確認する事は出来ません。
- SCP-XXXX-JP-1はSCP-XXX-JPの感触が人間のものになると感じる。また、本来SCP-XXX-JPの顔があると思われる位置から「SCP-XXXX-JP-1がその時点で最も好意のある人間」からの声が聴こえる。この段階では支離滅裂な単語の呟き、SCP-XXXX-JP-1の名前の連呼が続く。
- SCP-XXXX-JPによる発声が好意を伝える告白、おおよそ一定の内容の恋愛相談、これからの人生についてなどSCP-XXXX-JP-1を意識した内容に移行します。これらはSCP-XXXX-JP-1による返答を無視して30分ほど継続します。
- SCP-XXXX-JPは30秒間の発声停止後、「私と一緒になりたい?」という質問をします。この質問は一定であり、これ以上の発声は行われません。
- 上記の質問に「はい」と答えた場合は被験体が消失、SCP-XXX-JPのみが再出現し濃霧が晴れます。この時SCP-XXX-JPが少し修復されているのは留意すべきです。「いいえ」と答えた場合は重度の精神障害を患った被験体と異常性発現前と同じ状態のSCP-XXX-JPが再出現します。
アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス:
特別収容プロトコル:
説明:SCP-XXX-JPは██府██市に位置するホテル「████」の1059号室です。SCP-XXX-JP-aと呼称する異常な物理的耐性を持つティーポットが常備されています。SCP-XXX-JP-aをSCP-XXX-JP外への持ち出すことは、瞬時に内部に設置されているテーブル上に転移する為失敗します。
人間が4人以上でSCP-XXX-JPに入室し(入室した人物をSCP-XXX-JP-1~4と呼称する)いずれかがSCP-XXX-JP-aに触れた時、中身は飲料で満たされます。飲料を摂取したSCP-XXX-JP-1群が、自身が作り上げたキャラクターの詳細、及びキャラクターが登場する文章(ここでは創作文と呼称する)を読み上げる事で異常性が発動します。創作文で登場したキャラクターは空き部屋となっている同ホテルの別室に出現し文章通りの行動を取ろうとします。出現時間は24時間で一定です。
SCP-XXX-JPは「魔法使いが空を飛んでいる」、「コスプレイヤーがホテルで暴れている」という警察への通報を傍受した財団が調査し発見に至りました。SCP-XXX-JPには特定の4人による利用が頻繁に確認されており、財団はその4人を確保しました。全員に聴取したところ、「異常性は認知していなかった。SCP-XXXX-JPはそれぞれ遠方に住む4人が創作活動で集まる際に使っていたお気に入りの部屋である。」という旨の返答をしました。その後クラスB記憶処理を施し解放しました。
アイテム番号: SCP-XXXX-JP
オブジェクトクラス: Safe
特別収容プロトコル: SCP-XXXX-JPはサイト-████の収容ロッカー内に保管されています。輸送の際は皮膚が触れないよう注意してください。SCP-XXXX-JP-1は発見次第、事情聴取と記憶処理を経て解放します。
説明: SCP-XXXX-JPはオーギュスト・ロダン作「考える人」の等身大レプリカであり、未知の金属によって構成されています。破壊不可能な耐久性と異常性を除いて同作品と同一です。
SCP-XXXX-JPの異常性は人間が触れた際に発生します。触れた人物(SCP-XXXX-JP-1と呼称)の周囲の人物はあらゆる物事に関する技術や集中力が向上し、作業速度と質が飛躍的に向上します。この際、オブジェクトの性質を認知していなくとも全員が「SCP-XXXX-JP-1は落ちぶれている」と評価します。さらにSCP-XXXX-JP-1も精神的苦痛を受けます。
SCP-XXXX-JP-1が複数人となった場合、最も新しくSCP-XXXX-JPに触れた人物がSCP-XXXX-JP-1となります。異常性の効果範囲はSCP-XXXX-JP-1が存在する建物内、もしくはSCP-XXXX-JP-1を視認可能な範囲です。
補遺: SCP-XXXX-JPが保管されているサイト-████にて、SCP-XXXX-JPの異常性を利用した試験的な業務効率化実験が承認されました。
実験記録 - 日付20██/03/27
被験体: D-1228
実施方法: D-1228をサイト-████の収容房に移動。SCP-XXXX-JPを接触させてから1年間生活させる。
目的: SCP-XXXX-JPの異常性を利用した試験的な業務効率化実験。
備考: D-1228には偽の情報を伝え、SCP-XXXX-JPの実験である事は伏せている。
収容房の窓は全て遮断、D-1228から要望のあった物は凶器になりえないと判断された物資のみ供給する。
結果: D-1228が自殺するまでの8ヶ月間、サイト██内での著しい業務効率化が認められた。自殺後、効率は例年通りとなった。
考察: D-1228の精神状態も想定以上に安定していた為、更に実験を継続。他サイトでの実験も検討。
アイテム番号: SCP-XXXX-JP
オブジェクトクラス: Safe
特別収容プロトコル:
説明: SCP-XXXX-JPは████に位置する19██年に閉店した大型ホームセンター████跡地です。1階に食品、日用雑貨、工具、木材、農具を販売しておりスーパーマーケットが存在します。2階ではアウトドア用品、家具、子供用品を販売しておりフードコートと事務所と従業員休憩所が存在します。全体的に劣化していますが異常な物理的耐性によって崩壊することはありません。SCP-XXXX-JPは閉店前まで異常性が確認されていなかったことが判明しています。SCP-XXXX-JPは、閉店する前の営業時間に基づいて内部照明が点灯、消灯します。
SCP-XXXX-JP内部にはSCP-XXXX-JP-a群と呼称する人型霊体が存在します。SCP-XXXX-JP-a群は過去に死亡した人物で構成され、観察記録により生前の記憶があると判明しています。身体は霧状であり、問いかけに応じず物理的干渉も不可能です。買い物と推測されるそれぞれ異なる行動を前記の営業時間を1周期として繰り返します。
SCP-XXXX-JP-aは不定期に新たな個体が1体ずつ出現します。これらはSCP-XXXX-JPに最も近い場所で死亡した人物が選ばれます。また、不定期にSCP-XXXX-JP-a群の既存個体が1体ずつ消失します。これらの個体に共通点はなく、消失した個体が再出現することはありません。
SCP-XXXX-JPでは毎月最終日に"セール"と呼ばれるイベントを行います。"セール"では全てのSCP-XXXX-JP-a群がSCP-XXXX-JP内に陳列されている商品も用いて、最後の1体になるまで殺戮行為を行います。このイベント時のみSCP-XXXX-JP-a群はあらゆる物質への物理的干渉が可能になります。最後まで生存していた個体は消失し、SCP-XXXX-JP外の駐車場にSCP-XXXX-JPで販売されていた商品1点が出現します。消失したSCP-XXXX-JP-aの行方や関連性は不明です。死亡したSCP-XXXX-JP-a群は24時間後に再出現しますが、これらは殺害される以前の記憶を保っていると考えられています。なおSCP-XXXX-JP-a群は"セール"によって現世に復活する、いわゆる死者蘇生が可能になると信じている事は留意すべきです。
イベント期間中、SCP-XXXX-JPへの入口は全て内部の視認が不可能な扉によって閉ざされます。内部に侵入した人物、武器となりうる物体や通信機器は未知の方法によっていずれかの扉前に転移します。これは勝敗に不平等が生じる為だと考えられています。この為内部の観察は、事前に店内に設置した録画機能のみを搭載した記録機器に限られます。以下は収容中に行われた"セール"の抜粋です。
番号 |
説明 |
事象XXXX-JP-1 |
参加者数178人。女性、子供、老人が優先的に殺害される。生存者による三つ巴を斧を持った40代男性が生き残る。SCP-XXXX-JP敷地内の駐車場に2Lの清涼飲料水が1本出現。 |
事象XXXX-JP-5 |
参加者数189人。数十人単位の"派閥"が複数形成される。若い男性で構成される派閥に所属し、鉄パイプを所持していた30代男性が生き残る。SCP-XXXX-JP敷地内の駐車場に作業着が1着出現。 |
事象XXXX-JP-42 |
参加者数181人。女性、子供、老人とそれらをを守る男性合計12人で構成される派閥が生き残る。唯一の子供であった小学生高学年と思われる女児1人を残し全員自殺。SCP-XXXX-JP敷地内の駐車場にたわし1個が出現。 |
補遺: 以下はSCP-XXXX-JP付近で終了したD-10055による"セール"観察記録です。なお、これまで██回、Dクラス職員が"セール"に参加しましたが、最後まで生存に成功した記録は以下のみです。
観察記録: 事象XXXX-JP-███ - 日付20██/██/██
対象: D-10055(元自衛官であり、大学では電気化学を専攻)
内容: D-10055に"セール"に参加させ、その様子を観察する。
目的: Dクラス職員によって"セール"生存時の様子を観察する。
付記: SCP-XXXX-JP内部を全てを映せるように記録機器を30台設置。D-10055は既に3回"セール"に参加済。本記録では166体のSCP-XXXX-JP-1群が参加。
<記録開始>
6/25 9:00: 内部照明が点灯。"セール"が開始されSCP-XXXX-JP-1群が各自行動し始める。D-10055は1階にて固形栄養補助食品と火掻き棒を入手。2階に向かう道中でSCP-XXXX-JP-1を2体殺害。
6/25 9:49: SCP-XXXX-JP-1を4体殺害するが左腕を負傷。従業員休憩所に立てこもり応急処置を行う。
6/25 10:15: SCP-XXXX-JP-1群の生存数が残り50人となる。
6/25 11:32: 平均6人で構成された派閥が4つ発生している。D-10055は従業員休憩所から脱出。
6/25 11:39: フードコートを根城とする男性4人、女児1人の派閥に遭遇し参加する。
6/25 17:55: SCP-XXXX-JP-1群の生存数が残り30人となる。フードコート出入口に椅子と机でバリケードを、フードコートへ続く通路全てに防犯ブザーを流用した警報装置を設置する。
6/25 22:00: 内部照明が消灯。記録機器が暗視モードに切り替わる。D-10055ら派閥は中華料理店内に隠れている。
6/25 23:23: 男性7人で構成された派閥が防犯ブザー式警報装置に引っ掛かり、慌てて逃走する。その後、居合わせた別の派閥によって全滅する
アイテム番号: SCP-XXXX-JP
オブジェクトクラス:
特別収容プロトコル:
説明:
実験記録:
インタビュー映像:
追記: