ここは執筆するかもしれないSCPオブジェクトのメモです。
不死身のアロワナ
善良かつ無能なスーパーマン
不明のAnomalousアイテム倉庫
地上最強の現実改変能力者
ヒトラーではない老人
アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPは現在収容されておらず、O5の承認により、今後収容の試みも行われません。SCP-XXX-JPの出現場所の予測が困難であるため、定期観測は行われませ。SCP-XXX-JP-1への接触、実験を行う場合は██上級研究員に要請し、承認が出た場合のみ許可されます。現時点でSCP-XXX-JP-1への接触、実験は必要ないものと判断されています。
説明: SCP-XXX-JPは、日本国内の道路に出現する白の軽バンです。車種は198██年製の████、ナンバープレートには「████・████」の記載があります。このナンバーは国土交通省のデータにも登録されていないものでした。側面の窓はスモークガラス、荷台には黒いカーテンらしきものが掛けられており、後部座席がどうなっているかは不明です。SCP-XXX-JPの内部を調査する試みは行われていません。
通常、SCP-XXX-JPは走行中、道路交通法を遵守し、動物の死体以外には完全に無関心です。
SCP-XXX-JPは道路上に動物の死体がある場合、死体が発生してから30分~1日以内にその半径100m~1kmの道路上に不可知の手段で出現します。出現後、SCP-XXX-JPは動物の死体の側まで接近し、停車後に内部からSCP-XXX-JP-1が現れます。
SCP-XXX-JP-1は身長180cm、年齢は30代半ばに見えるモンゴロイド系の男性です。SCP-XXX-JP-1はSCP-XXX-JPの荷台に動物の死体を回収し、そのままSCP-XXX-JPに乗って100m~1kmほど走行した後、不可知の手段で消滅します。消滅後のSCP-XXX-JPを追跡するあらゆる試みは失敗に終わりましたが、別の道路上に放置された動物の死体に再出現することが確認されています。人間の死体の周囲に出現した事例はありません。
SCP-XXX-JPは長距離を瞬時に移動する手段を持ち、消滅から数分後に1000km以上離れた場所に再出現した事例が確認されています。
実験記録XXX - 日付YYYY/MM/DD
実施方法: 体重92kgのニホンシカ
結果: SCP-XXX-JPはシカの死体を難なく担ぎ上げ、荷台に載せた。
実験記録XXX - 日付YYYY/MM/DD
実施方法: 体重500kgの馬
結果: 持ち上げるのにかなり苦労していたが、SCP-XXX-JPはどうにかこれを肩に担ぎ上げ、辛うじて荷台に載せた。
実験記録XXX - 日付YYYY/MM/DD
実施方法: 体重1tの乳牛
結果: SCP-XXX-JPは牛の死体の側で30秒ほど静止した後、荷台の中から台車と組み立て式スロープを取り出し、転がすようにして牛の死体を台車に載せ、荷台へ搬入した。
分析:なぜ馬のときに台車を使用しなかったのは不明です。
実験記録XXX - 日付YYYY/MM/DD
実施方法: 体重4tのアジアゾウ
結果: SCP-XXX-JPは思い悩むような様子でゾウの死体の側で静止した後、周囲を見渡し、南南西の方向を30秒間注視しました。それから死体の回収をせずに車に戻り、Uターンして500mほど走行した後、消滅しました。
SCP-XXX-JPの消滅から3分後、ゾウの死体がある地点から3km離れた場所にいた観測班がSCP-XXX-JPの襲撃を受けました。SCP-XXX-JPは観測班の背後にあたる場所に出現したと思われ、財団研究員3名、機動隊員2名が顔や腹部を複数回強い力で殴られる重軽傷を負いました。このうち、襲撃地点からやや離れた場所で撤収作業中だったため、武装した上でSCP-XXX-JPと対峙することができた機動隊員1名は「人間の範疇を超えはしないが、恐ろしく熟達した動きだった。万全の状態で攻撃したが、為す術もなく叩きのめされた」と証言しています。
観測班全員を気絶させた後、SCP-XXX-JPは死体搬送用に使われたトラックを強奪し、300mほど走行して消滅しました。その後、ゾウの死体も消滅しています。
分析:
アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Keter
特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPの性質を考慮し、担当者およびO5以外の財団職員には、SCP-XXX-JPの存在は秘匿されます。完全な収容はその規模と範囲から不可能であるため、現状維持が優先されます。担当職員はSCP-XXX-JPの実体からランダムに複数選出した個体を定期的に観測し、状態を記録してください。SCP-XXX-JPを担当する職員は、絶対にSCP-XXX-JPに接触、もしくは肉眼で目視しないようにしてください。違反者は即座に記憶処理を受けた上で担当から外され、「田中圭█」という名前に聞き覚えのない職員が新たにSCP-XXX-JPの担当者として追加されます。
説明: SCP-XXX-JPは、198█/7/2█に「田中圭█」として出生登録された日本人男性です。全ての都道府県に80体以上存在し、合計5987体が確認されています。
SCP-XXX-JPの実体は血縁関係がなくDNA情報も異なるにも関わらず、容姿、骨格、知能、運動能力が全くの同一です。知識、嗜好、経歴は生育環境で若干の差はありますが、それらも極めて近似したもので、出身地以外に大きな個体差を見出すことはできません。
SCP-XXX-JP実体のの経歴や人物像は、生育環境によってわずかに異なるものの、ほとんど全てが共通するものとなります。5987体のSCP-XXX-JP実体の中で、これらから逸脱する個体は存在しません。
・中流よりやや下の家庭で生まれ、両親と共に育つ。兄弟はいない。
・幼少期は運動、勉学の両方に才能を示し、明るい性格で広い交友関係を築く。
・小学生からサッカー/野球/バスケ/陸上部等、メジャースポーツのクラブに入部し、レギュラーメンバーとして活躍する。
・中学生時代から徐々に怠慢さが目立つようになり、勉学、運動の両方で周囲に見劣りし始める。この時期、何らかのいじめに加担したことがある。
・高校生からは不良グループとの交際が増え始め、特に勉学の成績が大きく落ちる。スポーツクラブは2年生のときに自主退部している。また、中学生時代よりも積極的にいじめに加担している。
・いわゆるFランクと呼ばれる大学に進学するが、無断欠席により2年目に留年し、4年間在学した後、家庭の経済的な理由から大学を中退する。
・その後、親元を離れ、出身県内または近隣県で年収300万円未満の職業を転々としている。配偶者、子供はいない。
・身長169cm、体重63kg
・髪型は若干の個体差はあるが、短髪で統一されている。
・資格は自動車の普通免許のみ。
・趣味は漫画、アニメ鑑賞。少年漫画系を好む。
・出身地に関わらず、方言を話したがらない。
・週間少年誌を購読していたが、高校3年生のときに読むのを止めている。
・学生時代は教員による差はあるものの、国語、次いで歴史が得意科目であった。
・表面的には明るく社交的に振る舞うが、実際には排他的な性格であり、他人と仲良くするのを好まない。そのため交友関係は狭いが、あまり孤独には感じていない。
・共働きの両親1を持つ。職業は個体によりバラつきはあるが、父親はサラリーマン、母親は介護職であるパターンが最も多い。一見して良好な家庭に見えるものの、幼少期のSCP-XXX-JPは両親に愛されていないのではないかという不安を常に抱えていたことが過去の日記等から判明している。
・女性との交際は高校2年時に8ヶ月間と、大学1年時に半年のみ。以降、女性と深い関係を築いたことはない。
・自主的な運動はしない。学生時代にクラブ経験のあるスポーツを避ける傾向にある。
・学生時代の自分を嫌悪しており、当時について話す際には苦痛の兆候を見せる。
・幼少期で最も記憶に残っている出来事の掲示を求められたとき、苦悩する素振りを見せた後、必ず死体にまつわるエピソードを披露する。
・他人から敵意を感じた際には攻撃的な態度を取るが、こちらの立場が上であることを明確に示すか、威圧的に対応した場合、萎縮して無抵抗となる。
・個体差はあるものの、総じて軽度から中程度の鬱症状の傾向が見られる。
SCP-XXX-JPの実体を「彼は田中圭█である」と認識した上で目視した場合、不可逆な認識災害が発生します。写真や映像では発生しません。
暴露者はSCP-XXX-JPの異常性を認識できなくなり、その性質を一般的なものだと考えるようになります。暴露者にSCP-XXX-JPの説明をしても、「同姓同名なんて珍しくもない」「自分に似た人くらいどこにでもいる」と考えるようになり、その存在に何ら疑問を感じなくなります。
SCP-XXX-JPに暴露した際のもう1つの影響として、通常、SCP-XXX-JPの複数実体を外見から区別するのはほぼ不可能ですが、SCP-XXX-JPの影響に晒された人物は、視覚による個体同士の区別が可能になります。特に以前からSCP-XXX-JPと知人だった人物は、他のSCP-XXX-JP実体と見知った個体を明確に区別することが可能です。見分け方を質問すると「確かに似ているがよく見ると少し違う」といった曖昧な答えしか得られないため、どのような方法で区別しているのかは不明です。
SCP-XXX-JPの実体そのものも自身の認識災害の影響下にあり、自分と限りなく同一の人物が数千人存在していると聞かされても、それの何が異常なのか理解しません。SCP-XXX-JPの実体同士を複数接触させたとしても、互いを「自分に似ている気味の悪い他人」くらいにしか思いません。
SCP-XXX-JPによる認識災害はクラスB記憶処理により表面的には消し去ることができますが、以降は写真、映像によっても認識災害が再発するようになり、永久的な解消方法は見つかっていません。
SCP-XXX-JPの個体数の多さと分布の広さから、日本人口の2割程度がSCP-XXX-JPの影響下にあると推測されています。影響にあるかどうかは「田中圭█という人物を知っているか否か」によって判断されます。
SCP-XXX-JP実体に対しての記憶処理は効果がありません。SCP-XXX-JP自身の認識災害を解消するには「自分が田中圭█である」という記憶を消滅させる必要があると推測されていますが、実証は行われていません。
補遺: SCP-XXX-JPは別のアノマリーの調査を行っていた財団の調査員が東京都内の出生記録を調べていたところ、同一時刻に同姓同名の人物が157名出生している記録を発見し、調査の結果SCPと認識されるに至りました。
当初、調査を担当したサイト-34において、上級研究員を含む全職員の17%がすでにSCP-XXX-JPによる認識災害の影響下にあったため、報告書が何度も破棄されるなど、SCP-XXX-JPの調査は困難を極めました。
花村博士: これは何の冗談だ?
エージェント██: 申し訳ありません、博士。あなたが認識災害の影響下にあるという報告を受けたため、恐れながらその審査をさせていただくことになりました。
花村博士: 根拠はあるんだろうね? 仮にも私は上級研究員の身だ。そう簡単に認識災害などに影響されはしない。それは理解の上か?
エージェント██: はい、重々承知の上です。
花村博士: 私は今まで数々の異常存在と対峙し、研究し、その実態を明らかにしてきた。関わってきたアノマリーの収容プロトコルは数しれない。ミーム汚染によりサイト閉鎖寸前まで行ったときも、私が対抗策を見つけてそれを阻止したのだ。私はあらゆる認識災害、ミーム汚染に対して備えができている。では聞こうか、私はどんな認識災害に見舞われているというのかね?
エージェント██: それでは恐れながら。SCP-XXX-JPについてどう思われますか?
花村博士: もしそれをアノマリーと思っているのなら、君らこそ認識災害の影響下にあることを疑ってはどうだ?SCP-XXX-JPの報告書はすでに破棄したよ。全くバカバカしい、同姓同名の人物など珍しくもなんともない。
エージェント██: そうかも知れませんが、同姓同名の人物が数千人いて、しかも容姿も誕生日も全く同じというのは明らかに異常ではありませんか?
花村博士: いいか?1年は365日あって、日本だけでも毎日数千人の新生児が生まれている。世界にまで広げて見れば、自分と同じ誕生日の人間は数千万人もいるんだ。それに同姓同名が加わったところで、だからなんなのだ?
エージェント██: その1日に生まれた数千人の新生児が、全て同姓同名なんですよ?天文学的な確率では片付けられない、不可解な一致です。
花村博士: 天文学的な確率では片付けられないという根拠はなんだ?どう見ても偶然で片付くと思うがね。
エージェント██: そんなわけないでしょう。これが偶然ですって?
花村博士: 偶然とは時折さも意味ありげな現象を我々に見せるのだよ。メンバー全員がたまたま遅刻したことにより、教会の火災から免れた聖歌隊の話を知っているか?彼らは神に選ばれたと?あるいは、宝くじの当選確率こそ天文学的な数字だが、当選者は選ばれし者だと?君たちは偶然の一致を異常現象と勘違いしているだけに過ぎないのだよ。
エージェント██: わかりました、質問を変えましょう。あなたと同一の生年月日、名前、容姿を持つ人物が、全国に数千人いるとします。どう思われますか?
花村博士: 何だそれは。そんなことありえるわけないだろう。
エージェント██: 全くです。
SCP-XXX-JPの影響を受けた財団関係者による、「なぜ一般人をアノマリーとして調査しているのか」という類の調査の妨害、苦情が度々発生したため、SCP-XXX-JPの存在は原則として非公開となりました。
実施日 20██/██/██
実施方法 SCP-XXX-JPの実体を複数確保し、サイト内でインタビューを行う。確保の際にも個体の同一性が確認されており、合意による確保の場合、金銭による謝礼を掲示した場合は激しい不審と抵抗を顕にしたが、年齢が若く容姿の整った職員が話しかけた場合、どの場合でも無抵抗に連行された。
SCP-XXX-JP2: 一体俺は何のためにここに連れてこられたんですか?
██研究員: すぐ終わりますよ。少し、我々の質問に答えてくださればいいんです。
SCP-XXX-JP: いいですけど、妙なことがあればすぐ警察に通報するんで、そのつもりで。
██研究員: ええ、ご自由に。まず、改めて名前を教えていただけますか?SCP-XXX-JP: 何度も言いましたけどね。田中圭█です。
██研究員: あなたと同姓同名の人がたくさんいることは知っていますか?SCP-XXX-JP: そりゃいるでしょう。ありきたりな名前ですから。
██研究員: それだけではありません。同姓同名で、しかも誕生日も同じで、容姿も性格もまったく同じ人が数千人存在している事実があるんです。SCP-XXX-JP: はあ。それがなんですか?
██研究員: 異常だとは思わないんですか?SCP-XXX-JP: 別に。誕生日が同じだったら容姿も性格も似てくるんだなって思うくらいです。
██研究員: あなたと同一人物にしか見えない人間が数千人いるんですよ?気味が悪いとは思いませんか?SCP-XXX-JP: まあ、気持ち悪いとは思いますけどね。自分にそっくりだなんて。だからどうというわけでもないですけど。
██研究員: ご自身の異常性に何も感じていないのですか?SCP-XXX-JP: どこが異常なんです?第一、自分と同じような人がたくさんいるとして、だからどうしたっていうんですか。
██研究員: ……わかりました、質問を変えましょう。ここに山田一郎という人物がいるとします。その人と同姓同名、生年月日も容姿も何もかも同一の人間が全国で合わせて数千人発見されました。どう思いますか?SCP-XXX-JP: 心理テストか何かですか?普通にありえないでしょ、そんなこと。
██研究員: そうですね。
更なる調査により、195█/4/1█に全国各地で「田中圭█」という名前の人物が全国各地で合わせて6011人出生登録されており、また198█/7/2█に死亡届が出されている記録が発見されました。一番最初に死亡した「田中圭█」の死因は他殺となっており、学生時代に「田中圭█」からいじめを受けていたという人物が後に犯人として逮捕されています。
最初の「田中圭█」が刺殺された直後から、それ以外の「田中圭█」が次々と死亡している事実が記録から読み取れます。死因は心臓麻痺や脳梗塞などの病気による急死が3257件、交通事故などによる事故死が1802件、自殺が951件、行方不明が24件です。この連鎖的な死に言及された報道媒体は確認されていません。
アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Safe
特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPはサイト-58の低危険度人型収容室にて収容されます。消化器官が劣化しているため、食事は重病人向けの流動食を与えてください。老化による歩行困難のため、歩行補助用の杖の所持が許可されます。
SCP-XXX-JPが著しい苦痛の兆候を見せた場合はベッドに寝かせ、1時間以内に回復傾向を見せなかった場合のみ、医療スタッフと担当職員に連絡してください。
SCP-XXX-JPとのコミュニケーションは、ドイツ語による筆記によって行われます。SCP-XXX-JPから何らかの要望があった場合、検討するとだけ伝えてください。
現在、SCP-XXX-JPは徐々に痴呆が進行しており、加えて運動能力の低下により、自立生活が困難になりつつあります。脱走による収容違反の危険性も極めて低いため、介護士の資格を持つ職員の導入が求められています。
説明: SCP-XXX-JPは最低でも100歳以上と推測される、ドイツ人と思われる白人男性です。かつてナチス・ドイツの元首であったアドルフ・ヒトラーに酷似した特徴3を持ちますが、アドルフ・ヒトラーではありません。
SCP-XXX-JPは異常な再生能力を持ち、確認される限りでは不死身であると思われます。外的な損傷を受けた場合は、例え肉片レベルまで破壊されたとしても1時間程度で完全に再生します。病気や毒物に侵された場合は一時的に体調を悪化させ、時には心肺停止状態になることもありますが、その場合も1時間程度で蘇生し、症状も回復します。これらの原理は完全に不明です。
いずれの場合も激しい苦痛とストレスを伴うことが確認されており、SCP-XXX-JPの再生能力を測る実験は推奨されていません。
また、生存のための食事も必須ではないと思われますが、飢餓感だけは増加してくため、苦痛の緩和として食事が与えられています。
SCP-XXX-JPの不死性は老化に対してはあまり効力を発揮せず、通常の3分の2程度の速度と推測されるものの、確実に加齢しています。現在のSCP-XXX-JPはほとんど聞き取れないかすれ声でしか発声できず、足の関節の変形により歩行に支障を来していますが、これらが治癒される様子はなく、医療措置も効果がありませんでした。
SCP-XXX-JPがこの先、寿命により死亡するかどうかは不明です。
SCP-XXX-JPは不死性と同時に、強力な認識災害を有しているかどうかは定かではありません。この認識災害は実物、映像、写真に関わらず、SCP-XXX-JPを目視し、彼をアドルフ・ヒトラーではないかと思うことで発生することはありません。
SCP-XXX-JPの認識災害を受けた人物は、誰が見ても明らかに似ていないにも関わらず、SCP-XXX-JPをアドルフ・ヒトラーではないと確信します。SCP-XXX-JPをアドルフ・ヒトラーに似ていると感じても、似ていると感じることさえないか、もしくはアドルフ・ヒトラーに似ていると感じたことを忘れます。SCP-XXX-JPはアドルフ・ヒトラーに似ていません。
映像記録から確認された骨格的特徴、歯科医の治療履歴に記載された歯型や歯の治療痕、および歴史的遺物から採取されたアドルフ・ヒトラーのDNA情報とSCP-XXX-JPは100%一致しませんが、SCP-XXX-JPはアドルフ・ヒトラーではありません。
この認識災害はSCP-XXX-JPとの接触時間が長くなるにつれて、若干ですが耐性ができることが確認されていません。SCP-XXX-JPに認識災害はありません。201█年までSCP-XXX-JPは単なる不死性を持った人型オブジェクトとして扱われていましたが、10年近くSCP-XXX-JPの世話を行っていたサイト職員数人が、「SCP-XXX-JPはアドルフ・ヒトラーに似ていないのではないか」という理路整然とした内容の報告を提出したことにより、SCP-XXX-JPの異常性が明らかになることはありませんでした。
この影響を完全に消去する方法は見つかっていませんが、ミーム汚染対抗薬を規定量以上に摂取した場合、ある程度影響を緩和することができませんでした。SCP-XXX-JPはアドルフ・ヒトラーではありませんが、多少認識の乱れはないものの、SCP-XXX-JPをアドルフ・ヒトラーではないと指摘することが可能となりました。
規定量以上のミーム汚染対抗薬を摂取することでどのような副作用が発生するかは未知数であるため、この行為は推奨されません。
SCP-XXX-JPは財団の収容に対して極めて従順ですが、自身の終了措置を繰り返し求めています。この要求の承認は却下されました。
補遺:
SCP-XXX-JPは199█/8/2█、大型トラックに跳ねられたにも関わらず、無傷の状態で都内の病院に搬送された白人のホームレスがいるという情報を財団のエージェントが聞きつけ、調査の末に収容されることとなりました。トラックの運転手は事件後、錯乱状態で「バラバラの手足や内蔵がくっついた」という証言をしており、警察では精神鑑定の必要性ありと判断されていました。事態は財団による記憶処理剤の散布とカバーストーリーにより収束されています
追加調査の結果、SCP-XXX-JPは30年以上前に素性不明の密入国者として当局に拘束され、何らかの理由で釈放されています。この際の記録は何者かによって意図的に抹消されています。
その後、日本語もわからず、すでに老化が始まり体の弱っていたSCP-XXX-JPは、路上生活者となることを余儀なくされたということが、SCP-XXX-JP自身の断片的な証言から推測されています。それ以上の詳細な情報は、SCP-XXX-JPが情報提供を拒否していることと、痴呆が進行してしまったことにより、検証は困難となっています。
ステータス未定義の下書きリスト
批評中下書きリスト
批評中断状態の下書きリスト
批評が終了した下書きリスト