SCP-XXX-JP スクリーン7
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シネマスクリーン7

SCP-XXX-JP内部の画像

アイテム番号:SCP-XXX-JP

オブジェクトクラス: Safe Euclid

特別収容プロトコル: 「███シネマ」と付近の土地は現在、サイト‐81██の管轄に置かれています。偶発的侵入を防ぐため、「███シネマ」には立ち入り禁止措置を取り、常に男性の警備員を二人以上配置してください。また〈スクリーン7〉の扉には鍵を掛け、鍵はサイト‐81██の司令室で保管してください。

説明: SCP-XXX-JPは██県██市にある映画館「███シネマ」の2階にある7番目の劇場〈スクリーン7〉に発生する空間異常です。内部は奥行き約9m、幅約5m、座席数131の劇場になっており、構造は「███シネマ」内の他の劇場と同一のものです。男女一組以外の組み合わせでは通常の劇場へ入ることができますが、男女一組の組み合わせで入った場合のみ、対象はSCP-XXX-JPに転送されます。また、転送された時点ではSCP-XXX-JP内の対象と交信は可能です。

SCP-XXX-JPは██県██市の███社に勤める社員からの「映画館に行った同僚が帰ってきていない」という通報により発見されました。該当の劇場内部及び入り口付近の監視カメラの映像を確認したところ、該当の男女一組が入場する様子は確認できましたが、退場する様子は確認されませんでした。通報した社員、及び男女の関係者にはクラスB記憶処理が施されました。

SCP-XXX-JPへ入ると対象は「映画を見るべきだ」という観念に取りつかれ、何よりも座席に着いて映画を見ることを優先します。座席に着くと、対象はおよそ60分にわたる「男女が出口を求めてSCP-XXX-JPに酷似した空間を延々と彷徨う」映像を見せられます。上記の映像を見ている最中、対象は恐怖を感じるシーンに対して笑い声を上げるなどの異常な行動を取ります。映像を見終えた時点で対象の「映画を見るべきだ」という観念は消失し、外部との一切の交信が不可能になります。

またSCP-XXX-JPの扉は対象の入場と同時に閉じられ、「███シネマ」の通路とは異なる空間へ接続されます。上記の空間は「███シネマ」内の他の劇場、及びSCP-XXX-JPに酷似していますが、やや老朽化しています。扉を開く度に老朽化が進行することが確認されています。また老朽化がある程度進行したSCP-XXX-JP内では、SCP-XXX-JP-Aの存在が確認されました。

SCP-XXX-JP-AはSCP-XXX-JPに存在する未知の生命体です。外見は黒い霧状のもので構成された人型であると推測されています。20██/██/██現在、SCP-XXX-JP-Aの明確な正体は判明していません。SCP-XXX-JP-Aは内部に入った対象の映像を一定時間撮影し続け、その後対象を細長く黒い棒状の物で殴り、気絶させます。目的は不明です。

補遺: 内部調査の際の音声は音声記録XXX-JP-1に記録されています。また、音声記録XXX-JP-1内でていま対象が視聴したスクリーンの映像は映像記録XXX-JP-1に文書化されています。

音声記録XXX-JP-1 日付20██/██/██

対象: Dクラス職員の男女二名。男性は25歳で筋肉質。やや反抗的な面が見られるが、███博士により探索に問題ないと判断された。以降D‐624と表記する。女性は40歳で、平均よりやや小柄で痩せている。精神面に特に問題はない。以降D‐1107と表記する。

実施方法: D-1107に十分な充電が成された無線通信可能の小型ビデオカメラを持たせ、SCP-XXX-JP内部の撮影を指示する。また両名ともにマイクヘッドホンを装着し、司令室の増田研究員の質問にはすべて返答するように指示した。

[記録開始]

増田研究員: では、D‐624から中に入ってください。
D‐624: あいよ……行くぞ。
増田研究員: 何か異常はありますか?
D-624: ……いや、何もねぇな。
増田研究員: ではD-1107も入ってください。
D-1107: は、はい。……分かりました。
増田研究員: 異常はありますか?
D-1107: そんなことより、映画を見ないと。
増田研究員: は?
D-624: そうだ。映画を見ないとな。

対象の両名は口々に「映画を見ないと」と呟き続け、約1分間、有益な回答を得られなかった。さらに1分後、場内にブザーが鳴った。

D-624: いよいよだ。
増田研究員: 両名、現状退出することは可能か確認してください。
D-624: ふざけんな。映画見逃すじゃねぇか。
D-1107: そうですよ。映画が始まってしまいます。
増田研究員: どのような映画が始まるのですか?
D-624: 最高に面白いやつだ。
D-1107: とても面白い映画ですよ。

メモ:映画についての明確なストーリーを聞き出すことはできませんでしたが、対象は共に映画が「とても面白い」ものであると確信しているようでした。 ―増田研究員

映像を見ている最中、対象両名は不定期に小さな笑い声を上げている。時間経過に伴い、対象両名の笑い声は小さく短いものから大きく持続的なものに変化していく。

増田研究員: なぜ笑っているのですか?
D-624: なぜ? [笑い声] 面白いからだよ!
Ⅾ-1107: 今までの [笑い声] どのコメディより [大きな笑い声] 面白いわ!
増田研究員: 面白いと感じる点はどこですか?
D-624: あの女優の反応だな! いちいち大げさで[笑い声]
Ⅾ-1107: 女性もいいですけど、男性の方もいいですね。あぁ![笑い声]それはずるいわ![大きな笑い声]

57分経過後、対象両名が一際大きく笑い声を上げる。

増田研究員: 両名、どうしました?
D-624: [大きな笑い声]
D-1107: [引きつるような笑い声]

対象は笑っている間、増田研究員の呼びかけに応答しなかった。およそ2分後呼びかけに反応が見られた。

増田研究員: 両名、退場してください。
D-624: ま[こらえきれないような笑い声]待てよ。もう少しだ。
D-1107: ええ……[小さな笑い声]
増田研究員: 却下します。両名は即座に退場を、
D-624: [けたたましい笑い声]
D-1107: [けたたましい笑い声]

[記録終了]

メモ: 追加調査は推奨しません。 ―増田研究員

また、以下はD‐1107を用いて撮影させた映像を文書化したものです。映像記録XXX-JP-1の閲覧にはSCP-XXX-JP担当職員3名以上の許可を得てください。

補遺2: 内部調査より3か月後の20██年██月██日、サイト‐81██の内部で「黒い霧で構成された人型の生物」が目撃されました。また増田研究員とその妻の姿が同時期より行方不明になっています。上記の結果を受け、財団はSCP-XXX-JPのオブジェクトクラスをEuclidに認定しました。現在SCP-XXX-JP-Aの正体解明が急がれていますが、SCP-XXX-JPの特性上、進行状況は芳しくありません。


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