幸せな世界の、不幸な殺し屋のお話(9/29 改稿)

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私が生まれた時から、この世界は既に“幸せ”だった。実の親も、親戚も友達も優しい近所の大人たちだって、みんなみんなニコニコと笑って、とても幸せだ、なんて幸福なんだろうと常々言っていた。幸せであること。それが世界の常識で、不変の真理で、“普通”であるんだと、幼い私は理解した。だから私も幸せであろうと努力したけれど、結局それは長くは続かなかった。私には幸せになる資格が無かった。


年々日差しが強くなっている気がする。焼き付くような日差し、とはよく言うが、これほど暑いと跡が付くどころか焼き尽くされて灰にされてしまいそうだ。
外に出る前に確認した気温は38度だったが、照り返しも多いから体感はもう少し暑いだろう。まだ昼前だというのに、荷物を車に運び込んで乗り込むだけでまるで走ったかのように汗が噴き出す。
車の中もこの熱気が籠っているんだろうなと少し憂鬱を感じたが、どうしようもない。早くエンジンをかけて空気を入れ替えてクーラーを利かせなければ。車に乗り込み、ムッとする空気に吐き気を覚えながら、鍵を回してエンジンをかけた。

窓を開けて走り出すと大分風が心地いい。それでも窓を開けていると暑さが入ってきてしまうので、窓を閉めクーラーを入れた。

信号で止まる。止まらなくても誰も気にしないだろうけど、止まる。このクソ暑い中、通学や出勤のために外を歩いている人たちはみんな幸せそうだ。
もし私が車を急発進させて多くの人を引き殺しても彼らは気にしない。変わらずニコニコと笑うだけだ。一回気晴らしにやってみようかとも思ったけれど、ガソリン代の無駄になるだけだから止めた。
目的地にはまだ遠い。信号が青になったのを見て、再び走り出す。


小学生4年生の時、家で飼っていたペットの犬が死んでしまった。ジョンという名前の可愛らしい柴犬。
ジョンは老衰だったから、寿命を全うしたんだとどこかほっとしたような気持ちもあったけれど、幸せに囲まれた世界での辛さを彼と分かち合っていた私には別の感情の方が大きかった。
けれど、私はその気持ちを何と表現するのかを知らなかった。これは幸せではないなと幼いながらに察した私は、それを悟らせないように包み隠して、いつも通りお面のような笑顔を顔に張り付けた。

幸せなのが当たり前だと分かっていても、自分はみんなのように幸せにはなりきれない。おかしいのは自分の方だと無理やりみんなのように振る舞っていたが、心はいつも軋んでいた。
いつか私もみんなのような普通の人間に、幸せになれるだろうと努力をし続けたけれど、自分を押し殺して幸せを演じる私が本当に幸せになれる日なんて一向に来なかった。

そんなある日のことだった。ジョンを失った感情をまだ癒し切れていなかった私は、学校の休み時間に、人気のないグラウンドの端で一人その感情を爆発させた。この感情も何故瞳から水が流れてくるのかも分からない。それでもその感情に身を任せて、けれど決して誰かに気づかれることの無い様に、声を出さずに一人地面を濡らしていた。

「ねぇ、何してるの?」
そう声を掛けられた時、私は心臓が張り裂けそうになった。しまった。感情に身を任せるあまり、人に見られていたことに気づくことが出来なかった。

幸せでないところを見られた。どうしよう。私が幸せじゃないってバレてしまったら、どうなるんだろう。どうやって切り抜けよう。どうやって誤魔化そう。

モヤモヤした気持ちと対処法と色々なものが頭の中でごちゃごちゃと混ざりあって、私は何も反応できずに声を掛けてきた子を見つめるだけだった。その子はこちらに近づいてくると、私の顔を見て、
「もしかして、泣いてたの?」
と少し嬉しそうな声色で問いかけてきた。

彼女は浦部朱里という名前の眼鏡をかけた可愛らしい子だった。最初は警戒していた私にも優しく語りかけてくれて、いろいろな事を教えてくれた。

ジョンが死んでから自分の中にあった感情は悲しみという名前であること。
瞳から出る水は涙と言って、悲しい時に出るものだということ。
元々はこういった感情があるのが普通だったけれど、20年以上前に急にみんな幸せしか感じられなくなってしまったということ。

そのほかにもいろいろな事を朱里ちゃんは教えてくれて、「私もあなたと同じ。」と嬉しそうに言って、また明日、ここで会おうと約束してくれた。
その日から毎日、私は朱里ちゃんに知識をもらって安心を得ていた。朱里ちゃんの家は両親ともに感情があるままで、みんなが幸せになる前の世界を知っていたから、朱里ちゃんもそういった知識があったらしい。

今考えると、二人の集まりは宗教に近いものだったのだろう。私は救いを朱里ちゃんに求めて、朱里ちゃんは私に安心を与えてくれた。幼い私は、自分は特別な存在で、主人公、ヒーローなんだと思うようにすらなっていた。いや、思わされていたのかもしれない。けれど、そうした思いに縋らなければ、不幸せには耐えられなかったのも事実だ。

知識を得ると、これまで羨ましいと感じてやまなかった幸せな皆が途端に陳腐で、とても気持ちの悪いものに感じられるようになった。
何が幸せだ。進歩もなけりゃ、抑揚もない。凪のような生活なんてつまらないに決まっている。今まで真面目に通っていた学校は行かなくなった。行かなくても特に何か言われることは無いのだ、行く意味なんかない。
本当は家からも出たかったけれど、それは出来なかった。自分とは違う幸せな彼らでも、親は親だ。急にじゃあさよなら、なんてことは出来なかった。私は家で今まで以上に心をすり減らしながら、今までのように幸せを演じ、出来るだけの時間を朱里ちゃんと過ごしていた。


町を抜け目的の場所で車を止める。町はずれにある山。山を登るのに荷物はかなり重たいので、台車に乗せる。台車を押しながら山の中を登っていくのはかなりの重労働だが、これ以上の方法が無いので仕方ない。
山は木が生い茂っているおかげで街中に比べれば大分涼しい。それでも台車を押して山を登ると汗が出てくる。少し座って休憩していると、近くから物音がした。
普段から薄暗い森に人がいることは滅多にないはずで、動物か何かの音だと思ったのだが、今日はどうやら特別な日だったようだ。木に吊るされた縄を見ながら、苦しそうな顔をして悩んでいる男の人。跳ねさせた髪やラフだけどお洒落な服を見るに学生くらいだろうか。どうやら彼は、私と同じ幸せになれない人のようだ。

「どうしたの?ってまぁ、その状況でやることは一つしかないか。」

私が声を掛けると、彼は驚いて振り返った。どうやら笑っていない私の顔を見て同類だと判断したらしく、興奮気味でこんにちは、と返してくれた。

「俺初めてです、自分と同じ人に会えたの。」

彼もこの世界を頑張って生き続けてきたのだろう。だが私のように秘密を分かち合える仲間がいなかった分、追い込まれていた。木に吊った麻縄で自分の命を絶とうとする程度には。

「死のうと思ったんです。でも、実際目の前まで来ると怖くなっちゃって。誰も俺のことを気にしないから、俺はおかしいから死んだ方がいいって思ってても、出来なくて。……情けないっすね。」

彼はよく耐えた方なのかもしれない。一人で気が狂いそうなほど幸せな世界を生き続けてきたのだから。同時に、少し羨ましくもあった。いつでも自分の人生を終わらせることが出来るという自由があることが。

「取り合えず、私の秘密基地においで。死にたいなら死ねばいいけど、出来ないんでしょ?」

彼は頷いて、トコトコと私の後ろに付いてきた。私だけ重い荷物を運ぶのも癪だったので、ここからは彼に運ぶのを手伝わせた。


小学校を卒業し、中学校の生活もそろそろ終わろうかというある日だった。朱里ちゃんが泣きながらいつもの場所にやってきたのは。どうしたのかと問いかけても、朱里ちゃんは同じ言葉を繰り返すばかりだった。

「お父さん、お母さん……」

その言葉ですべてを察した。きっと、幸せになってしまったんだろう。

何がきっかけかは分からないけれど、“幸せになってしまった”という事実は変えられない。もう二度と、彼らはこちらに戻ってくることは出来ないのだ。
その日から朱里ちゃんは段々と衰弱していった。私とは違ってずっと家族で過ごせていたのだ、急にそれが崩れて、親だったものが幸福の入れ物になってしまったら私だって参っただろう。でも、私がいる。家族がいなくなっても私がいるんだ、支えてあげなくちゃ。でも、これは一方通行の愛だった。

卒業の日、といっても学校なんてほぼ行っていなかったし、私たち以外はずっと幸せな学生生活を続けるのだろうけれど、それでも私たちにとってはそれなりに感慨深くはあった。何とかここまでまともでいられたという区切りの日だったから。そんな素晴らしい日に、私は朱里ちゃんから一つのお願いをされた。

「ねぇ、私を殺してくれない?」


目的地にたどり着いた。山の中腹にある広場は、昔は山林公園として使われていた場所なのだろう、いくらかの遊具と小屋がある。今は私以外誰も来ることは無いから、遊具たちは寂しいだろうけど。

「ここって……」

「私の秘密基地。荷物、運んでくれてありがとね。中にどうぞ。特にもてなせるもんも無いけど、お茶くらいならあるよ。」

「ありがとうございます。あの、お姉さんここで何してるんですか?こんな山の中で一人……」

「山の中で一人自殺しようとしてた奴に聞かれるとはね。まぁ、隠すようなことでもないからいいけど、聞きたい?」

「……差し支えなければ。」

「そっか。」

そう言って私は運んできた袋を開ける。

「え」

中身を見た彼は絶句した。それもそうか。自分が運んできた荷物が死体だなんて、思いもしないだろうな。

「……これって本物、ですか。」

「うん。ちゃんとした人の死体だよ。私が責任を持って殺した人の死体。ちょっと、後ずさりしないで。っていう方がおかしいか。安心して。快楽殺人者じゃないから。」

「じゃあ、なんなんすか……。」

「……安楽死、って知ってる?尊厳死とも言うけど。」

彼は首を横に振った。

「そっか、知らないか。昔ね、世界が私たちみたいな人間ばっかりだった時、安楽死って概念があったの。生物的にはまだ生きているけど、本人が死にたかったり、もう体はダメになっていたりする人に対して安らかな死を与える、それが安楽死。私がやってることはそれに近いかな。」

「……死にたい人を殺してるってことですか。」

「うん。この世界で、私たちのような幸せ以外の感情を持った人間ってどれくらいいると思う?」

「とりあえず、めっちゃ少ないってことは分かります。」

「そうだね。私も正確な数は知らない。でも、驚くほどに少ない。世界に散らばった彼らが仲間を見つけられず、孤独に耐えかねて、死を選ぶくらいにはね。」

少しニヤつきながら彼の目を見る。彼は目をそらした。

「そう、君みたいな人は珍しくない  まぁ、全人類の比率から見ると珍しいけれど  私たちみたいな、幸福に取り残された可哀相な人たちの中ではね。だから私が本人の代わりに殺してあげてるんだよ。痛みと苦しみのないようにね。」

広場は木陰が少ないから、日差しがさんさんと降り注ぐ。私だってやりたくてやってるわけじゃないんだよ、と言いたいのを押し殺してお茶を飲む。

「それにさ、私たちだって人間なんだ。死ぬ時くらいさ、自分が望んだときに、同じような人間と触れ合いながら死にたいでしょ?」

こくんと彼は頷いた。

「皆、そうなんすね。気持ちはめちゃめちゃ分かります。ずっと一人で、みんなの真似をしてニコニコ笑って自分を偽るなんて出来ないっすよね。死にたくなりますよ。でも、自分で自分の命を捨てるってなったら怖くて……。」

「で、君はどうするの?」

「へっ?」

「君も死にたかったんでしょ?絶好の機会だよ。目の前に出来る限り痛みも苦しみもなく殺してくれる救世主がいるんだから。しかも、美人のおまけつき。最後までこんな美人に看取られて死ねるなんてこれ以上ないほど幸せだよ?」

あれ、思ったより反応が悪い。飛びついてくるのかと思っていたのに。

「俺は……」

彼はそこまで言って言い淀んだ。まだ、自分の意志を決めかねているのだ。生きたいか、死にたいか、まだその狭間にいるんだろう。私はいつもこういう時、一つの問いを投げかける。

「……生きてれば、取り返しはつく。けど、死んだらもう終わり。死体になったらただの物質で、二度と帰っては来れない。それでも君は死にたい?」

「……俺は、まだ死にたくないっす。世界に自分と同じ人がいるんだって分かったし。」

「そっか。そんな君に嬉しいニュースだよ。世の中には私たちみたいな不幸な人間が集まって、世界を元に戻そうとしてる集団がいる。そこに行けば、君はまともな仲間たちと、まともな生活を送れるよ。」

「世界を元に戻す……。」

どうしても話が大きくなってしまうから、最初はみんなこんな反応になってしまう。もちろん、喜んで参加する人もいるけれど。

「そんな難しく考えなくてもいいよ。取り合えず、仲間と一緒に  

「あの、お姉さんはそこにいるんすか?」

え、と声が漏れる。全く予想だにしなかった質問だった。

「なんでそんなこと聞くのか分からないけど……残念ながらそこにはいないね。私はこうして殺す前に意志を確認して、生きる意志があるならそこに紹介してるだけ。私は彼らみたいに頑張れないからね。」

自分で言いながら笑ってしまう。あの頃は自分を英雄だと信じて疑わなかったのに。


最初はもちろん断った。それ以前に、発言の意味が分からなかった。私に人を、ましてや家族以上の存在を手にかける事なんてできない。それに、朱里ちゃんを失ったら、自分はどうしたらいいんだ。
また仮面を張り付けて、お遊戯会をこなす日々に戻る?
それとも、全てを捨てて一人で生きる?
きっと出来ないことは無い。今までもそうやって生きてきたんだから。でも、そんな生活はもうしたくなかった。

何度も止めた。
「きっと生きていたらいいことがある」
「二人とも死ぬことなんて望んでない」
「私を置いていかないで」
そんな言葉は彼女には届かなかった。

「私は死にたいの。そうしないともう耐えられない、救われたいんだ……。」

彼女は本気なんだ、と感じた時、私は彼女の願いを受け入れることにした。
どうせ私がとどめ続けても、彼女は行ってしまうんだ。それなら私も彼女も悔いなく終わりを迎えられるようにしたほうがいい。そうやって自分を無理やり納得させた。

決行の日。なんで私にそんなお願いをしたのか、と聞いた。朱里ちゃんは少し笑いながら、あなたには幸せになってほしくないもの、と答えてくれた。
きっとこれは本心で、朱里ちゃんの最後のやさしさなのだろう。なら、それに答えなくては。

「うん。私、絶対に幸せになんかならないよ。今までありがとう、朱里ちゃん。」

私に刺されて事切れるその瞬間まで、朱里ちゃんはずっと笑っていた。
そこからの記憶はあまりはっきりしない。朱里ちゃんを刺した時のグニョっとした感触と、冷たくなった彼女を山に埋めたこと、それ以外は思い出せない、思い出したくもない。

この時、私は悟った。あぁ、私は世界を変える事なんかできない。唯一の友達を、親友の考え方すら変えられなかったんだ。

それからいつしか、私はこの汚れた仕事を始めていた。きっと世の中には同じように死にたい人がいるだろうし、実際何人か見たこともある。正常な幸せに適応できない人たちを救うためだ、どうせなら私が殺してあげた方が良いと思った。一人手にかけたんだ、何人だろうと変わらない。

色んな人がいた。
朱里ちゃんのように家族がいなくなった人。
幸せを演じるのに疲れた人。
幸せしか感じなくなっていっているから人のまま死にたいという人。
もちろん直前になって生きる選択をする人もいるし、私の手を借りずに自ら死んでいく人もいた。

最初は辛かった。目の前で人が人でなくなるのだ。自分の手で。でも、いつしかそんな感情は消えて無になった。
そんなある日、私の前に『財団職員』と名乗る男がやってきた。


「なら、俺はそこには行かないっす。」

「あら、予想外の返事だね。もしかしてほんとに私に惚れちゃった?」

彼は少し顔を赤らめる。

「いや、違いますよ!なんていうか……自分と同じ人と一緒にいたいのはそうなんですけど、正直、世界がどうのこうのって俺にはどうでもよくて。生まれた時から周りはみんな幸せで、おかしいのは自分の方だって思ってた、いや、今でも思ってるんで……。」

「……君も、私と同じだね。」

私も、財団からの誘いが来た時、同じ理由で最初は断った。どれだけ憎くても、どれだけ苦しくても、どれだけ馴染めなくても、生まれた時からの世界を変えようとは思えなかった。おかしいのは世界だと思いたくても、思えなかったから。私の中で、異常なのは世界じゃなかった。私だった。

「それに、お姉さんは俺の命を救ってくれた人ですから。何か恩返しがしたいです。」

随分慕われてしまったようだ。別に、助けたわけでもないんだけど。ただ、放っておくのも悪いし、人手があれば助かるのも間違いない。

「じゃあ、私の仕事を手伝ってもらおうかな。女一人だと力仕事が大変でさ。条件は……絶対に幸せにならないこと。幸せになったら、私が直々に殺してあげる。君、名前は?」

なぎです。緒方薙おがたなぎ。」

「薙……いい名前だね。私は優希ゆうき。じゃあ、これからよろしくね、薙。早速仕事だよ。」

小屋の裏側にある墓地、といっても私が細々と作っている簡素なものだけど、そこに運んできた死体を埋めて、初めての共同作業は終わった。
薙はもう家族もいないし、家は少し遠いところらしいので、私の家に住まわせることにした。一人で住むには広い家だし、一人だろうが二人だろうが変わらない。薙は少し照れて断ってきたが、一々呼び寄せるのが面倒なので上司命令で押し通した。


彼からの提案は、財団なる組織に協力をしてほしいということだった。財団は私たちのような不幸な人が集まっていて、世界を幸せになる前に戻すため尽力しているとのことだった。まさに、“英雄”だ。
だから、私は素直にはいそうですか、頑張りますとは言えなかった。

断り続けて何度も協力を求められたから、私は交換条件を出した。

『私は財団に所属はしない。けれど、協力はする。私が生きたい、世界を救いたい人を紹介するから、あなたたちは死にたい人を紹介して?』

私だって感情があるんだ、生きようと一人で頑張っている不幸な人たちを見ながら何も思わないわけじゃなかった。だから、この条件を出した。
色々と議論はあったみたいだけれど、条件は認められた。そこから私の仕事は少し、ほんの少しだけ忙しくなった。

何故やりたくもない人殺しなんてしてるのか。希望のない世界で生きたくもないのに生きているのか。

全部全部朱里ちゃんのせいだ。

朱里ちゃんが死ぬことで彼女が救われたから。

朱里ちゃんを手にかけた自分が許せないから。

朱里ちゃんと幸せにならないって約束したから。

だから私は死ぬことが出来ない。死んだら幸せになってしまうから。他人に尽くして、いつか倒れるその日まで、私は不幸でいなくては。


私に仕事仲間が出来た次の日。今日もいつも通り顔を洗って鏡を見る。うん、今日も大丈夫、疲れた顔をしてる。
同じタイミングで薙も起きてきたようだ、寝ぼけ眼を擦りながら洗面台にやってきた。
今日から彼にも確認しないとな。いつどこで幸福になるのか、分からないから。
薙の顔を見て、声を掛ける。

「おはよう。今日も不幸かい?」

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