私の罪(ワルコン参加予定Tale)

現在このページの批評は中断しています。

rating: 0+x
blank.png

BH-0”デッドグリーンハウスシナリオ”の発生からどれくらい経ったろう。
私は混乱する世界の中、SCP-2000を探し求めてアメリカ大陸へたどり着いた。
世界がこうなってしまう直前に開示された情報が、私を突き動かした。
「SCP-2000にには人類の文明を再構築する能力がある」
ここまでの道程は想像を絶するほど苦しかったが、それでもたどり着けた。
後もう少しの我慢だ、私が「人類」の文明を再生させなければならない。
なんとも面倒なことだが、私が財団最後の生き残りなのだから仕方ない。
それに――それこそが彼女の最後の希望であるがゆえなら尚更だ。

長い道程の果てに、イエローストーン国立公園にたどり着き、SCP-2000を発見した。
2000を厳重に防衛している機構は正常に作動している。これなら中も大丈夫だろう。
あるいはただのハリボテで、中身は腐っているのかもしれないが。
何れにせよ再起動準備を行うこととする。せいぜいうまくいくことを信じよう。

結果から言おう。SCP-2000の再起動は失敗した――いや、不完全な形で成功した。
あのフェアダムトなブライト/ザーションヒト科複製機が全ての現況だった。
いきなり2千万体もの不完全なヒト化クローンと異常生物を吐き出してきたのだ。
本来なら1日10万人の正常なヒト化クローンを生み出すはずが、この有様だ。
しかしこいつらの始末は私には不可能だ。BZHRも私の知識では修復不可だ。
彼女と私の遺志/意思は潰えたかに思えた。

産めよ、増やせよ、地に満てよ。
1年もしないうちに地球は70億の異常ヒト科クローンと異常生物で覆い尽くされた。
そしてようやくBZHRが停止した。自らの役割を終えた、と言わんばかりに。
こちらからすればいい迷惑だが、彼らは私を創造主と崇めている。
いい加減うんざりしているが見捨てはしない。彼らの手で世界を再興すると決めた。
それが彼女の遺志を、曲がりなりにも継ぐことになると信じたい。

まず財団ありき。
70億の人間もどきの集団は、解き放たれたアノマリーの危機に晒されている。
ならば私は、彼らをアノマリーから守る義務がある。
ゆえに、私は創造主としての権能を用い、人間もどきの中から優れた集団を集めた。
彼らに対し、財団の叡智と権能を与え、アノマリーに対処することが目的だ。
確保・収容・保護。

財団の設立はうまくいった。
人間もどきの中には知能も高く財団の叡智を私以上に使いこなせる個体が多数いた。
O5評議会、作戦部門、研究部門、内部監察部門。
かつての財団と同じ機構が、より効率よく、人間もどきに運営されている。
異なるのは倫理委員会がないこと。倫理より生存が優先される環境だから仕方ない。
人間もどきの頂点に立って文明を再生しようとしている私の倫理もないも同然だが。
――彼女は本当にそれを望んでいたのか?

そして私は成功した。
人類文明は人間もどきたちにより継承され、アノマリーの大半は再収容できた。
最終的に、私はアンニュイ・プロトコルを発動する。
現在の人類が、過去の人類と異なること。現在の文明が、過去の文明と異なること。
それら全てを糊塗し、人類社会の連続性を守るため。
酷い茶番だが、財団の体裁を繕うためにはやむを得ない。
「私の」財団が収容しているアノマリーの中には旧人類もふくまれているのだ。
彼らが現世界において異物である以上、やむを得ない処置だと理解してもらいたい。
確保・収容・支配。変質してしまった理想だが、現状を守るために必要だ。

だが――。彼女はそれを是としないだろう。
新世界の神となってもなお、私は彼女を取り戻せなかった。
結局は彼女の望みにも応えられなかった。
いるのはただの、人間もどきに囲まれた創造主気取りのゴミ山の主だけだ。
だが、それを、私だけは決して忘れはしない。
それが私の罪に対する、唯一無二の罰であるからこそ。
O5-1:大和・フォン・ビスマルクここに記す。


ERROR

The winston1984's portal does not exist.


エラー: winston1984のportalページが存在しません。利用ガイドを参照し、portalページを作成してください。


利用ガイド

  1. portal:4330160 ( 20 Aug 2018 03:25 )
layoutsupporter.png
Unless otherwise stated, the content of this page is licensed under Creative Commons Attribution-ShareAlike 3.0 License