SCP案:あなたのための処刑人
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アイテム番号: SCP-XXX-JP

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPは生物サイト-8102の標準的な小型動物収容房に収容されます。収容房は設置された監視カメラによって24時間体制で監視を行い、SCP-XXX-JPが脱走を試みる、または何らかの異常な行動を行った場合、早急なSCP-XXX-JP-Aへの健康診断及び尋問によって原因を特定し対処して下さい。

SCP-XXX-JP-Aは同サイトの人型生物収容室に収容されます。収容室内は軟性の素材で内壁と床を覆い、設置される家具も危険の無いよう配慮がなされます。SCP-XXX-JP-Aには標準の低危険度人型オブジェクト収容手順に加えて1週間に1度のカウンセリングが実施されます。

SCP-XXX-JPを扱う実験はセキュリティクリアランスレベル4以上の職員2名の許可が必要です。実験後はSCP-XXX-JP-AにクラスA記憶処理を行ってください。

説明: SCP-XXX-JPは大部分が金属で構成された身長50cmの生命体です。SCP-XXX-JPは10cmの厚さを持った20cm×20cmの正方形の鉄製の胴体にクモ目の特徴を有する鉄製の脚が4対生じており、この脚を用いて最大時速60kmで駆動する事が可能です。また、脚の先端には極小の穴が生じており、ここから後述の薬物を分泌します。胴体の上部にはギロチン台のミニチュアが強固に接着されており、一般的なギロチン以上の鋭さを有する刃の部分を除き非異常性の木材で構成されています。胴体の下部には円形の開口部が存在し、ここから後述の消費行動を行いますが、SCP-XXX-JPの活動の維持に摂食の必要は無い事が判明しています。SCP-XXX-JPは眼に相当する器官が存在しないにも関わらず視覚を有しており、後述のSCP-XXX-JP-Aの顔とそうでない職員の顔を識別する事が可能です。SCP-XXX-JPの胴体と脚を構成している鉄は非破壊検査において異常性を示しませんが、現在まで酸化などの劣化の兆候を見せていません。

SCP-XXX-JPはSCP-XXX-JP-Aから特定の人物(以降、被験者と記述)の顔写真を提示1され、かつ被験者がSCP-XXX-JPの半径4km以内に生きた状態で存在する場合に活性化し、被験者を目指し移動を開始します。この際、SCP-XXX-JPは被験者との距離が4km以内を保っている限り被験者の位置を正確に把握し自身の通る事の出来る最短のルートを使用します。被験者との距離が4kmを超える状態が30分続いた場合、SCP-XXX-JPは被験者の追跡を断念しSCP-XXX-JP-Aの下に帰還します。

SCP-XXX-JPが被験者の下に辿り着いた場合の行動は常に以下の通りになります。

1. SCP-XXX-JPが被験者の無作為な部位に脚を突き刺し、薬物を注入する。その直後に被験者はその体を10秒かけて1/10の大きさに縮小させる。被験者は急激な縮小を原因とする通常予測される影響を示さないものの、四肢が麻痺し行動が不能になる。

2. SCP-XXX-JPは脚を用い、縮小した被験者を上部のギロチンに固定する。その後、被験者を固定した状態を保ったままSCP-XXX-JPはSCP-XXX-JP-Aの下へ帰還を開始する。

3. SCP-XXX-JP-Aの下まで帰還したのち、SCP-XXX-JPはSCP-XXX-JP-Aの対面でギロチンを作動させ、被験者の頭部を切断する。

4. SCP-XXX-JPは切断された被験者の頭部に脚を突き刺し薬物を注入する。被験者の縮小に用いた物とは異なり、この薬物は有機物の腐敗を恒久的に防ぐ作用がある物と推測されている。

5. SCP-XXX-JPは被験者の体を胴体下部の開口部に脚で押し込むようにして消費2したのち、被験者の頭部を脚で持ち上げ、SCP-XXX-JP-Aに差し出し、手渡そうとする。SCP-XXX-JP-Aが被験者の頭部に触れずに離れた場合、被験者の頭部も同様の過程で消費する。この過程の完了をもってSCP-XXX-JPは通常の状態に戻る。

SCP-XXX-JPが被験者に用いる2種類の薬物は、被験者へ脚を突き刺した際にSCP-XXX-JPの脚内部に瞬時に出現するため、平常時のSCP-XXX-JPから薬物を採取する事は不可能です。採取された薬物は検査の結果、いずれも未知の物質で構成されていました。

SCP-XXX-JP-Aは戸籍上は███と記録されている199█年生まれの男性です。SCP-XXX-JP-Aからは一切の異常性が確認できないものの、当該人物への危害によるSCP-XXX-JPの活性化を懸念し財団に保護、雇用されています。SCP-XXX-JPは収容当初からSCP-XXX-JP-Aに対し従順な姿勢を保ち続けており、その他の人物の命令を受け付けません。この原因として、後述の発見経緯においてSCP-XXX-JP-AはSCP-XXX-JPの起動に立ち会っていた唯一の人物である事が関係していると推測されています。

SCP-XXX-JPは上述した活性化条件が満たされない限り財団職員に対しても従順ですが、SCP-XXX-JP-Aに何らかの危険が及んだ場合、距離が大きく離れている場合でもSCP-XXX-JP-Aの下への移動を試み、その過程で障害となる人物や動物に薬物を使用した攻撃を行う場合があります。過去の事例においてはSCP-XXX-JP-Aがインフルエンザに罹患してから完治するまでの間、SCP-XXX-JPは収容房の扉に絶え間なく攻撃を加え続けました。SCP-XXX-JPがSCP-XXX-JP-Aの危険を察知できる最大距離は不明です。

発見ログ: SCP-XXX-JPは██県の██山中にて発生した「機械グモに追われる男性」の騒ぎを受け、現地に派遣された収容チームによりSCP-XXX-JP-Aと共に発見されました。発見当初、SCP-XXX-JP-Aは転倒が原因で負傷しており、SCP-XXX-JPは頑なにSCP-XXX-JP-Aの下を離れようとしませんでした。SCP-XXX-JPをSCP-XXX-JP-Aの下から引き離そうとした所、SCP-XXX-JPは収容チームの人員3名に脚を用いた攻撃を加え、内1名をSCP-XXX-JP-Aの前で殺害しました。収容チームへの攻撃の最中、SCP-XXX-JP-AはSCP-XXX-JPへ攻撃を止めるよう呼び掛けを行いましたがSCP-XXX-JPからの反応は無く3、収容チームによりSCP-XXX-JP-Aへ負傷の治療が行われた所SCP-XXX-JPは沈静化し、確保に至りました。目撃者全員には記憶処理が施され、適切なカバーストーリーが流布されました。以下に、収容当初に行われたインタビューより抜粋されたSCP-XXX-JP-Aによる発見経緯の陳述を記載します。

あの、先生は知っていると思うんですがあの機械と遭遇したのは登山中に立ち寄った壊れた小屋なんです、どうやってそこまで行ったのかよく覚えていなくて……恐らく道に迷ってしまったんだと思います、あまり山登りはしたことが無いので……。

その……山小屋って言うんですかね?その小屋自体はあまり派手に壊れていませんでした、ぐるっと小屋を一周してみたんですが中に人もいなかったんで興味本位で中に入いりました、中も埃だらで床もちょっと抜けて……中を少し見渡すと入り口から少し先のところに段ボールが一つだけ置いてあったんです、他には何もありませんでした。それでその段ボールに近づいて開けてみたんです、段ボールには「あなたのための処刑人」ってシールが貼ってありました……中を見てみるとあの機械が一つだけ入っていたんです。背中にギロチンみたいなものもついてて不思議に思って暫く眺めたあと、もう少しよく見ようとして両手で持とうとしましたそしたら突然動き出したんです!僕はびっくりして尻餅をついてしまいました……そしたらあの機械が段ボールから飛び出してきて私にすり寄ってきました、僕の周りをくるくると回っている姿はまるで子犬みたいでした。飼ったことはありませんが。

で、その様子を見ていたら突然後ろから大きな物音がしたんです、その音に驚いて振り向くと私より体の大きい男がいたんです。その男は機械を見ると僕を睨みつけて「そいつに触ったのか!」と大声をあげて僕の胸倉を掴みました、怖くて頭も真っ白になった時突然機械が男に向かって走り出したんです。男は私を突き放して小屋から飛び出しました……立て続けにいろんな事が起こって、私は座ったまま動くことができませんでした。

機械はすぐに戻ってきました、さっきの男の声が聞こえたので入り口や壁の空いたところから男を探したんですけど……見当たらなくて……それでき、機械の方を見たら……そ、その……男が……小さくなっていたんです!背中のギロチンに固定されてて!その男は僕の方を見ると「やめてくれ!こいつにやめろと言ってくれぇ!」って泣き叫んでて……!ぼ、僕はその様子を震えて見ているしかありませんでした……そ、そうしていたらギロチンの刃が落ちて……!お、男の首が取れて……!あ、あの機械は体を―。

【ここでSCP-XXX-JP-Aが嘔吐し5分ほど中断】

す、すみません……何とか落ち着きました、その後ですか?……あの機械は男の首を僕に渡そうとしてきました、受け取る事なんて絶対にできませんでしたし僕もこうなるんじゃないかって思って、小屋を飛び出して夢中で走りました、あれが追いかけて来たかどうかはわからなかったし、首を持っていたかどうかなんて考えたくもありませんでした……。夢中で走っている内に人に会って……その後は知っての通りです。あ、あの時僕が小屋に入らなければ!段ボールを開けなければよかったのに!

……お、覚えていることはこれで全部です……ご、ごめんなさい。

この陳述を受けて██山の調査が行われた結果、発見された廃屋には上記の供述に一致したテープの貼り付けられた段ボールが残っていました。また、廃屋の床には大量の血痕が付着しており、鑑定の結果、血痕は████氏の物である事が判明しています。██氏の自宅のパソコンの調査の結果、ブラウザから無効なURLへのアクセス履歴が確認されており、詳細な調査が進められています。

なお、発見当初にSCP-XXX-JPからの攻撃を受けて縮小した職員2名は、12時間が経過したのち四肢の麻痺から回復しました。しかし依然として身体は縮小したままであり、現在これらの職員の再雇用の是非が審議されています。

補遺: ここ最近、SCP-XXX-JP-AはSCP-XXX-JPを発見したことへの後悔、初期収容の際職員に被害をもたらした事への罪悪感、SCP-XXX-JPへの接触への著しい不快感を訴えており、また複数回の実験の為に幾度も被験者の頭部切断を目撃した事によるPTSDを患っています。後者のPTSDについてはSCP-XXX-JP-Aへの実験に関する記憶の消去により改善を見せていますが、前者の対応案であるSCP-XXX-JPの発見に関わる記憶の再構成は、SCP-XXX-JPに未知の反応を引き起こさせる可能性があるとの指摘により保留されています。

SCP-XXX-JPの最近の行動において、SCP-XXX-JP-Aの収容室の方角を向いたまま静止している事がしばしば確認されており、SCP-XXX-JP-Aへの精神的な負担に反応を示していると推測されています。SCP-XXX-JP-Aの精神状態の改善策についての審議が継続されています。


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