SCP下書き「安心のベンガルトラ」

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タイガー

SCP-XXX-JP

アイテム番号: SCP-XXX-JP

オブジェクトクラス: Euclid Neutralized

特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPは死亡し、無力化したと考えられています。調査のため、SCP-XXX-JPの遺体は保存され低脅威度物品保管ロッカーに保管されます。SCP-XXX-JPの死亡が原因と思われる異常現象が確認された場合は、組織されている調査・収容チームにより記憶処理やカバーストーリーの流布などが行われます。

説明: SCP-XXX-JPはベンガルトラ(Panthera tigris)の白変種のように見える、生物的実体です。睡眠・食事・排泄を行う様子は確認されていません。人間を発見すると、積極的に接近し、会話を行おうとします。世界中のあらゆる言語で会話する能力を有しており、高い知能を示しています。声質は1/fゆらぎ1の特徴を有しています。またSCP-XXX-JPと直接会話すると、軽い酩酊状態になる事が判明しています。会話が終了すると、会話した人物または周囲に異常な現象が発生します。ただし、録音した音声を聴取した場合は、異常現象は発生しません。

以下は、SCP-XXX-JPにより引き起こされた異常現象の記録です。

記録-XXX-1 日付20██/08/11

対象: エージェント・██

備考: 当映像はSCP-XXX-JPを発見した、エージェント・██が所持していたビデオカメラによって撮影された。

<再生開始>

[ビデオカメラが地面に置かれる。画面にはエージェント・██とSCP-XXX-JPが写っている]

エージェント・██: オブジェクトと思われる対象に接近…。酒に酔った時に近い状態になっている。何らかの影響を受けている模様。

SCP-XXX-JP: 大丈夫かい。…もしかして、私の調査が仕事なのかな。

エージェント・██: …対象は喋れるようです。対話を試みます。

[ビデオカメラが地面に置かれる。画面にはエージェント・██とSCP-XXX-JPが写っている]

エージェント・██: …その通りです、私は人語を話す虎の調査に来ました。なぜ、言葉を話す事が出来るんですか?

SCP-XXX-JP: 話をすることで、警戒を少しでも解いてほしいからかな。私は安心を与える存在。貴方に安心を与えたい。

エージェント・██: 安心、ですか。それはどのようにして与えるのでしょうか?

SCP-XXX-JP: 心の奥底に眠る願望に、身を委ねる手助けをするだけだよ。…実際にやってみせようか。

[エージェント・██の肉体がオオワシ(Haliaeetus pelagicus)の形状に急速に変化する]

SCP-XXX-JP: これで貴方は、人間社会での柵から解放された。不安を感じる事はもう無いだろう。

[オオワシ(Haliaeetus pelagicus)となったエージェント・██が飛び立つ]

<再生終了>

終了報告書: エージェント・██は追跡・捕獲され、SCP-XXX-JP-1として収容されています。知能は示しておらず、異常性も確認されていません。

記録-XXX-2 日付20██/08/15

対象: ██研究員。事前に酩酊状態に対する抵抗訓練を受けている。

備考: SCP-XXX-JPを収容後に行われた、正確な異常性を確認するための実験です。

<再生開始>

██研究員: はじめまして、SCP-XXX-JP。私は██と言います。色々と質問して大丈夫でしょうか。

SCP-XXX-JP: どう呼んでくれて大丈夫だし、何でも質問してくれて良いよ。それで貴方が安心するなら。

██研究員: ありがとうございます。…まず、貴方は安心を与えると称して現実改変を行いますが、どこまでの事が可能なのでしょうか?

SCP-XXX-JP: 現実改変…面白い言い方だね。それで、質問の答えだけど…私は人間にしか安心を与えられない。それも、別の姿に変えてあげる程度。もしかしたら、人間以外にも出来るかもしれないけど、興味が無いんだ。

██研究員: 何故、興味が無いんですか?

SCP-XXX-JP: 人間だけなんだよ。常に不安に支配され、安心を渇望して生きている動物は。私は自分の身を持って知っているんだ。

██研究員: では別の姿にもなれるということですか?

SCP-XXX-JP: まぁね、変える気は全く無いけど。そういえば…質問の途中だったよね、ごめんごめん。あとは環境を変えてあげる事も出来るよ。

██研究員: …環境ですか。具体的には、どういうものでしょうか。

SCP-XXX-JP: 難しく考える必要は無いよ。人それぞれ、一番安心できる環境があるはずなんだ。それは、学校だったり、職場だったり、自然のなかだったり、貴方の場合は……布団の中だったり。それを再現するだけさ。

██研究員: なるほど…、分かりました。ありがとうございました。今回のインタビューはここまでにしたいと思います。

SCP-XXX-JP: 分かった、お休み。

[██研究員はその場で意識を失い倒れる。同時に足元に布団が出現した。]

<再生終了>

終了報告書: ██研究員は深昏睡の状態となり、回復の兆しは現在も認められません。

記録-XXX-3 日付20██/08/30

対象: D-6745。事前に酩酊状態に対する抵抗訓練を受けている。インターカムを装備し、指示を受けてインタビューを行う。

備考: ██博士による指示のもと行われた、SCP-XXX-JPの異常性を調査する追加実験です。

<再生開始>

D-6745: 記録開始…、おお本当に酒飲んだ時みたいだ。

SCP-XXX-JP: やぁ、こんにちは。今度の話し相手は貴方かな。

D-6745: そうだ。あんたの事で、色々と知りたい事があるらしい。てめぇで直接、聞けばいいのにな。

SCP-XXX-JP: 彼らは、そうした方が安心なんだろうね。

D-6745: ん、……はいはい、了解。やれやれ、さっさとやれってさ。じゃ、始めさせてもらうぞ。聞きたい事は2つらしい。1つは何故、周囲の人間を酔っぱらいにさせるのか。もう1つは、どうやって特殊な能力を得たのか、という事らしい。

SCP-XXX-JP: そうだね、1つずつ答えよう。酔わせる理由は単純だよ。人間は、我を忘れていると安心できるんだ。酔えば、簡単に我を忘れられる。それに、酔っていた方が本音を話してくれやすいし。私も、昔はよく飲んでたよ。

D-6745: 虎が酒を飲むのか?

SCP-XXX-JP: これはもう1つの質問の答えにもなるんだけど…、僕は遠い昔、人間だったんだ。あの頃の私は、ひどく傲慢で自分の事しか考えてなかった。そのせいで、あれよあれよという間に、家族を失い、友を失い、何も無くなっていた。孤独なまま、死んでいく…と思ったとき、出会ったんだ。安心の化身に。

D-6745: 安心の化身?

SCP-XXX-JP: そうさ、あの御方さ。私は世間には疎いけど…今は誰でも名前くらいは知ってるんじゃないかな。 [数秒のノイズにより詳細不明] という名前なんだけど…。この力は、あの御方に頂いたものなんだ。

D-6745: マジかよ。…へぇ、本当にいるんだな。

SCP-XXX-JP: 質問は終わりかい?

D-6745: ……えーと、もう1つある。どういう基準で、変化させるものを決めてるのか。……変化って何だ?

SCP-XXX-JP: その事は、知らされてなかったんだね。こういう感じだよ。

[D-6745は5歳程度の姿まで変化した。同時に収容室の部屋から若い男女2名が乗った軽自動車が出現。D-6745は後部座席に乗車し、そのまま車ごと消失した。]

SCP-XXX-JP: 私には、心の形が見えるから、それに従ってるだけなんだけど…言っても伝わんないよねぇ。結局は、私が一方的な自己判断で行ってる事になるかも。

<再生終了>

終了報告書: 後の調査により、出現した若い男女はD-6745が5歳前後だった頃の両親と酷似していた事が分かっています。D-6745の両親は、D-6745が5歳の時に交通事故で死亡しています。

記録-XXX-4 日付20██/08/30

備考: 記録-XXX-3を記録してから数時間後、SCP-XXX-JPは苦痛を訴え始めた。獣医を含む医療チームが治療を試みたが、効果は無く翌日にSCP-XXX-JPは死亡・無力化した。

<再生開始>

SCP-XXX-JP: あ、ああああっ!頭が割れる…。誰か…助けてくれっ…。

[その後、SCP-XXX-JPは医療チームが到着するまでの約1時間、苦痛により叫び続けた。医療チームにより鎮静剤が投与された事で、会話が可能になった。]

██獣医師: SCP-XXX-JP、どうした?何があった?

SCP-XXX-JP: 私の安心が奪われる…。分かる…。怖い、何故今更、私の安心を奪おうとするのですか…。

██獣医師: 落ち着くんだ、SCP-XXX-JP。

SCP-XXX-JP: 明日、私は絶える…。私が何をしたと言うのですか…。私の安心が永遠に奪われる…。死ぬのは、怖い…。

[SCP-XXX-JPは職員に応答すること無く、2時間後に死亡した。]

<再生終了>

終了報告書: SCP-XXX-JPが死亡するのと同時に、影響を受けていたエージェント・██が人間の形態に戻りました。██研究員も意識を取り戻し、D-6745も消失地点の周囲に再出現しました。また、全国各地で動物園で飼育していた動物が人間の姿に変化するなど、SCP-XXX-JPの死亡が原因と思われる異常現象が発生しました。現在、大規模な調査・収容チームが編成され、対応中です。

補遺: 記録-XXX-4の映像を解析した結果、不明な人物の音声が記録されていました。

名を呼ばれた事で…思い出した。私が過去に気まぐれで安心を授けた者を…。だが、今の私にとってこの事実は、立場を危うくする事実になってしまっている…。この事実は、無かったことにしなければ、私の安心が脅かされる。この者には1つだけ教えていなかったな…。安心は、誰かの犠牲によって保たれる事を…。

秩序を重んじる者達よ。私は、君らの行いに敬意を抱いている。故にこの音声は警告として、あえて残す。…私を追跡するな。不可能だが、一応伝えておく。安心とは、神聖なものだ。無意味に奪うのは好まない。


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