クレジット
タイトル: SCP-XXX-JP - 見失うな
著者:
ty2
作成年: 2022
アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: ██県███町を収容施設エリア-81E3とし、SCP-XXX-JPはこの町で収容してください。現在収容を完了しているSCP-XXX-JP及びSCP-XXX-JP-Cとはインタビューを通して、収容に対する理解と承諾を得ています。
エリア-81E3に建設したサイト-81E3にて、エリア-81E3全体の監視カメラの映像を24時間リアルタイムで監視します。なお、監視カメラは全ての道路に死角無く設置されます。SCP-XXX-JP及びSCP-XXX-JP-CにはGPS装置を装着させ、行動の把握を行います。また、住人の把握と監視カメラとの相違の確認をするために、90名以上のエージェントによって巡回を行ってください。住民名簿に無い人物を発見した場合は、セキュリティクリアランスレベル3以上の職員に連絡をし、エリア-81E3内での行動を常時監視してください。その他に、エリア-81E3の上空に次元感完全遮断装置を装備したステルスドローンを一定間隔で配置します。
エリア-81E3にある█神社には最低4名のエージェントを配置してください。また、カバーストーリー『改修工事』を適用し、境内への一般人の侵入を禁止します。SCP-XXX-JP-AとSCP-XXX-JP-Bは、境内に設置した低脅威度生物オブジェクト収容室に収容されています。SCP-XXX-JP-A及びBの様子に異変が生じた場合は、サイト管理官へ速やかに連絡してください。
SCP-XXX-JP-Cがエリア-81E3からの外出を申し出た場合は、サイト管理官及びセキュリティクリアランスレベル3以上の職員5名以上の承認を得た上で、エージェント同伴のもと許可されます。さらに要求に応じて、教育設備等が充実したサイト-81██の低脅威度標準人型オブジェクト収容施設への移送も可能です。なお、SCP-XXX-JPのエリア-81E3外への移動は禁止されています。
未収容のSXP-XXX-JPの発見、確保のためプロトコル『ホロウマスク錯視』が実施されています。
プロトコル『ホロウマスク錯視』: 財団保有の█機の人工衛星の超高倍率カメラ及びサーモグラフィカメラを用いて地上の監視を行います。この映像は監視部隊み-33("観の目")によって24時間リアルタイムでの監視が行われます。また、片方の目の水晶体と網膜に特別な手術を行い、映像機器を介さずにSCP-XXX-JPを確認できる機動部隊ゆ-11("機の目")を世界各地に配置し地上からの捜索を行います。
説明: SCP-XXX-JPは映像機器を通したリアルタイムモニタリングでのみ視認できる自称62歳の成人男性人型オブジェクトの総称です。姿は映像機器を通すことで確認できますが、声はマイクなどを通しても聞くことはできず、会話は筆談で行います。また、サーモグラフィ画像では極端に体温が低い人型で表される事がわかっています。SCP-XXX-JPが身に着けているものや手で取り扱っているものにも上記の異常性が付加されますが、取り扱いをやめると異常性は消失します。SCP-XXX-JPと物質との接触はSCP-XXX-JPの任意で行えると推測できます。
SCP-XXX-JP-Aは小型犬の形をした小規模の空間の歪みです。吠えるような動作をすることで、半径10m5km内の人間に対して頭痛を引き起こします。この効果はSCP-XXX-JP-Aとの距離が近くなるほど強力になり最悪の場合昏倒しますが、人体への後遺症等は一切確認されていません。
SCP-XXX-JP-Bは体長60cmのペルシャ猫と同様の特徴を持つ生物です。外見の特筆すべき点として、体毛の模様が唐草模様を成していることが挙げられます。SCP-XXX-JP-Bの異常性は、自身から半径7km以内の範囲に存在するSCP-XXX-JPの異常性を消失させるというものです。███町はSCP-XXX-JP-Bの効果範囲内に指定されています。
SCP-XXX-JP-Cは将来的にSCP-XXX-JPへと変化する人物の総称です。SCP-XXX-JP-CはDNA鑑定によりSCP-XXX-JPの子どもと認定された人物になります。SCP-XXX-JP-Cは親であるSCP-XXX-JPが死亡した後にSCP-XXX-JPに変化し、異常性を発揮します。今現在、SCP-XXX-JP-Cの異常性が、親であるSCP-XXX-JPの生存中に発現した事例はありません。
補遺1: 以下は財団が初めて確認したSCP-XXX-JP(以下、SCP-XXX-JP-1とする。)の発見記録です。
20██/09/05 SCP-XXX-JP-Aの探索調査中に、現場のフィールドエージェントと記録係との間に起こった認識の違いにより、SCP-XXX-JP-Aと共に発見されました。その後、SCP-XXX-JP-Aが吠えたことにより生じた強力な頭痛によりエージェントが昏倒、SCP-XXX-JP-1は走り去ったSCP-XXX-JP-Aを追いかけて消失しました。遠隔でのドローンによる追跡は失敗しています。その際、エージェントが放った弾丸がSCP-XXX-JP-1をすり抜ける様子が確認されました。
このことから、研究チームはSCP-XXX-JP-1の大まかな異常性を定義しました。同時に対策チームの強化を行い、初回発見場所周辺に対し、ドローンと監視カメラによる24時間モニタリングを実行しました。その結果、██県の██山の山腹にSCP-XXX-JP-1の生活拠点と思われる小屋を発見しました。その為、初回発見からおよそ1週間後に接触に成功し、収容に向けた交渉を開始しました。SCP-XXX-JP-1は財団に協力的であることから20██/09/30までの収容完了を目指しています。なお、SCP-XXX-JP-AはSCP-XXX-JP-1の収容に先駆けて、サイト-81██の低脅威度オブジェクト収容室での収容、保護に成功しています。
インタビュー記録-Ⅰ: 20██/09/17に交渉のちSCP-XXX-JP-1による収容の承諾、及びSCP-XXX-JP-Aの収容が成功しました。その際、小規模のインタビューを行いました。以下はそのインタビューの記録です。
対象: SCP-XXX-JP-1
インタビュアー: 音霧伊研究員
<記録開始>
[中略]
音霧伊研究員: では、財団施設内での生活を承認していただけるということでよろしいですね。
SCP-XXX-JP-1: 私の提示した条件も満たしてくれるのですかね。
音霧伊研究員: もちろんです。先ほども申しましたが、財団施設は監獄ではありませんから。出来る限りの支援は約束いたします。
音霧伊研究員: それではこれから少しインタビューを行います。まず、自身の異常性についての自覚はありますか。
SCP-XXX-JP-1: ええ。と言っても、私からは普通に見えるし聞こえるので、自覚したのは18の時くらいですかね。
音霧伊研究員: どういった経緯で自覚に至ったのか教えていただけますか。
SCP-XXX-JP-1: 恥ずかしながら、私は15になるまで山を下りたことがなかったのですよ。両親にも止められていましたから。でもほら、冒険したくなる年頃でしょう。
音霧伊研究員: そうですね。
SCP-XXX-JP-1: 興味が勝ってしまって両親に内緒で山を下りたんです。その時の衝撃ったら言葉にできないくらいでした。それからちょくちょく街を見に行くようになりました。それからまあ、町の風景にも慣れてきたた頃です。勇気を出して町の人に話しかけてみたんですが。
[数秒間沈黙]
SCP-XXX-JP-1: 誰も返事をしてくれない。それどころか私はそこにいないみたいだった。そこで初めて分かりましたね。
音霧伊研究員: それが18歳の時だったと。
SCO-XXX-JP-1: だと思いますね。今思えば両親の言いつけも理解できます。
音霧伊研究員: 差し支えなければご両親のこともお教えいただけますか。
SCP-XXX-JP-1: 優しい人達でしたよ。私は学校に行ってませんが、二人が熱心に教育してくれたおかげで不便は感じたことはありません。私が17の時に父が病死して、その後を追うようにして母も亡くなりましたけど感謝しかないですね。
音霧伊研究員: ご両親も同じ異常性を持っていたかどうかは分かりますか。
SCP-XXX-JP-1: それは分かりません。ですが、食事の時にしていた会話では今みたいに面倒なことは必要なかったですよ。
音霧伊研究員: そうですか。少し長くなってきましたがもう少しお付き合いください。3人だけで生活していたのですか。また、生活していたのはここの小屋で間違いないでしょうか。
SCP-XXX-JP-1: 3人だけで暮らしていました。食事は庭で育てていた野菜だけでも十分豪華でしたね。ですが、暮らしていたのはここではなく██山です。ここで暮らし始めたのは5,6年前からですね。
音霧伊研究員: それは何故。
SCP-XXX-JP-1: 先ほども言った初めて町を見た時の衝撃が、私の人生に大きな影響を与えましてね。あれ以来、私はまだ見たことのない場所に強いあこがれを抱くようになったのですよ。そして両親が亡くなったのを機に、あちこち旅することを決めたんです。恐らくこんな異常性がなくても、私は変わり者と言われていたかもしれませんね。それからいろいろあって、年も年だし腰を据えようと考え始めました。そして景色が気に入ったこの地に住み始めたんですよ。
音霧伊研究員: そのいろいろの部分を詳しくお話しいただけますか。
SCP-XXX-JP-1: うーん、申し訳ないですけど。あなたたちが悪い人達ではないのは分かってますが、会って間もない人に私の人生の隅から隅まで語りつくすのは、さすがに。
音霧伊研究員: そうですか。分かりました。時間をかけてお話しいただいたのでかまいませんよ。我々としてはインタビュアーに非常に協力的であるだけでもとても助かっていますので。では、本日のインタビューを終了します。SCP-XXX-JP-Aは責任をもって収容しますのでご安心ください。
SCP-XXX-JP-1: よろしくお願いします。
<記録終了>
終了報告書: SCP-XXX-JP-1から情報を引き出すためにある程度の信頼関係を結ぶことが必要と考えられます。引き続きインタビューを行ってください。
追記: インタビュー内にある██山の調査を行ったところ廃小屋が見つかりました。SCP-XXX-JP-1に確認を行ったところ、以前に住んでいた小屋であると判明しました。
<インシデント記録-α>
20██/09/20 02:00にSCP-XXX-JP-1が何者かに頭部を狙撃され、終了しました。この時、SCP-XXX-JP-1は収容室の準備及び収容下での条件の交渉中につき、自宅である███山の山中にある小屋にて待機していました。各部屋にはカメラを設置し、外には3名のエージェントが常駐していました。
映像監視職員から報告を受けエージェントが突入した際、SCP-XXX-JP-1を肉眼で視認できることが報告されました。その後エージェントによってSCP-XXX-JP-1の終了が確認されました。尚、エージェントが捜索を行いましたが壁や床に弾痕は発見できていません。映像を解析しても弾丸が確認されない点やSCP-XXX-JP-1を透過していない点から、狙撃に使われた弾丸はSCP-XXX-JPと同様の性質、もしくは同じ亜空間に存在していたものと推測できます。
この事案の結果、SCP-XXX-JP-1の異常性が消失しました。その為、オブジェクトクラスの変更が検討されます却下されました。終了個体はサイト-81██の冷凍保存室に保管されています。
追記: インシデント記録-αが発生する直前の、20██/09/19の23:57にSCP-XXX-JP-Aが収容違反を試み、大きく複数回吠える事案が発生していました。この事案は問題なく処理されましたが、この時SCP-XXX-JP-Aの異常性の範囲が推定で半径5kmまで拡大していたことが確認されました。その後、SCP-XXX-JP-Aの観察を強化し行いましたが、心なしか落ち込んでいる気がすると報告された以外に特に変化が確認されなかったため通常の収容に移行されました。
補遺2: インシデント記録-αを受け財団内で調査を行った結果、世界オカルト連合(以下、GOCと記述する。)からの諜報員を複数発見しました。その職員への取り調べを行った結果、SCP-XXX-JPの情報の漏洩や財団未確認のSCiPに関する情報が██ほど発覚しました。早急に新たに発覚したSCiPの調査、対策を立て収容に向かってください(現在█体のSCiPの収容に成功しています)。尚、諜報員であった職員の一部は、適切な処置を行い、GOCに潜入させることが決定されました。
補遺3: 20██/09/29 ████市の交番の20██/09/22勤務日誌データベースに、カメラにしか映らない透明人間を保護した、という記録があるのを発見しました。この記録を入力した警察官から証言を入手しました。以下はその警察官に実施したインタビューの記録です。
対象: 白沢 九津巡査
インタビュアー: エージェント鈴木
付記:インタビュアーのエージェントは超常現象を特集している雑誌の記者であると説明しています。
<記録開始>
エージェント鈴木: 白沢さん、今日はお時間いただきありがとうございます。今日は白沢さんが見たという透明人間についてお聞きしたいと思います。
白沢巡査: 透明人間というか、カメラには映ってたんですけどね。入り口に映ったんで見に行ったら誰もいなくて、戻ってきたら自分の後ろに映ってたんですよ。あれは、ホラーでしたね。
エージェント鈴木: その後どうなったのですか。
白沢巡査: 自分がパニックになってたら、彼が監視カメラにメモを近づけてきましてね。確か、見えてるのか聞いてきたんだっけ。自分が頷くとすごくびっくりしてましたよ。そっちが驚くのかと思ったんでよく覚えてます。
エージェント鈴木: そこから何かコミュニケーションをとったりしましたか。
白沢巡査: ええ、一週間くらい話し相手になってましたよ。ある時スマホのカメラ越しに見ることが出来るのに気づいてから、会話もスムーズになりましたし。何でもその子も急に透明になったらしくて、とても不安がっていました。病院を紹介しようにも、透明になってる人の治療なんてできないだろうし、自分にできることは話相手になることくらいだったので。
エージェント鈴木: その後、透明人間とは連絡を取っているのですか。
白沢巡査: それが、自分の家に帰ってみると言ったきり、姿を見せなくなったんです。気になって、帰ると言っていたアパートも見に行ったんですが引っ越した後でした。
エージェント鈴木: では、そのアパートの場所や透明人間について他に知っている情報はありますか。もちろん、記事にする際には個人情報は伏せますから。
白沢巡査: 知ってることは少ないですけどね。アパートの住所は[編集済み]です。今は他の人が住んでいるので、あまり迷惑かけないようにしてくださいね。名前は聞きそびれてしまったんですけど、歳は20代前半だと思います。大学に通っていたみたいなんで。
エージェント鈴木: では最後に、日誌にこのことを書いたのは何故ですか。冗談を書いたのではないかと疑われて、罰則を与えられそうになったと聞いていますが。
白沢巡査: それは、彼は困った末に交番に来たんですよ。もしかしたら、他の町の交番とかに行くかもしれないじゃないですか。そうなった時この報告があれば、何かの手助けになるかもしれないと考えた結果です。まあ、やっぱりこの技術が進んだ時代に警察官になろうと思ったのは、少しでも人の助けになることが出来ると思ったからですし、カメラ越しにしか見えないけど、話してると彼も市民の一人って思いましたから。
エージェント鈴木: そうでしたか、取材はこれで終わりになります。今日は貴重なお時間を割いていただきありがとうございました。
<記録終了>
終了報告書: 対象の白沢 九津巡査はテストの後、SCP-XXX-JP/セキュリティクリアランス1職員として財団で雇用しました。現在も交番で勤務しています。
アパートの過去の入居者リストを調べた結果、毛里 ██という人物が浮上しました。また、██大学の生徒にも同一人物が確認されました。この生徒は音信不通になっており現在退学扱いになっています。これらのことから毛里 ██という人物をSCP-XXX-JP-2に指定しました。その後の調査の結果、SCP-XXX-JP-2はSCP-XXX-JP-1の息子であると判明しました。また、GOCの潜入エージェントからの報告があり、SCP-XXX-JP-2の破壊計画が実行されていることも判明しました。
SCP-XXX-JP-2に必要なのは弾丸ではなく、確保だ。一刻も早く見つけ、そして見失うな。
補遺4: SCP-XXX-JP-2の出身地である██県の███町で調査を行ったところ、SCP-XXX-JP-2の異常性はSCP-XXX-JP-1が終了されたことにより発生したと推測されました。これは補遺3のインタビュー記録にある急に異常性が現れたと供述していた、という記録と一致します。SCP-XXX-JP-2の母親とみられる人物は7年前にSCP-XXX-JP-2のアパートに行った際、交通事故で亡くなっています。SCP-XXX-JP-1の自宅を捜索した結果、この町の特産品である[編集済み]が発見されたため、SCP-XXX-JP-1もこの地を訪れていたと判断されました。さらに、この町ではSCP-XXX-JP-1を見たことがあり、SCP-XXX-JP-1はSCP-XXX-JP-2の親である、という多数の証言を入手しました。証言をした人物の中に、SCP-XXX-JP-1が書いたものを持っている人物がいたため財団に保管してあったメモと筆跡を照合したところ一致しました。
SCP-XXX-JP-2の異常性発生の経緯とSCP-XXX-JP-1が町の人に見えていたことについて、興味深い内容が記された手記が神社から発見されました。この手記の持ち主は神社の前の神主である██ ███です。以下はその手記の抜粋です。
11/25
今日、父から聞いた話は到底信じられるものではなかった。私は普通の人間ではないらしい。他の人には姿は見えず壁や物をすり抜けることが出来るのだという。父は真剣だった。町の皆に私が見えるのは獅子のご加護だという。あの猫がそんなにすごいものだとは思えない。でも父は真剣だった。
11/26
父の話が頭から離れなかったので、試しに町から出てみた。すると駅でティッシュを貰えた。父に、からかったなと文句を言いに行ったら「お前はまだ普通だよ。わしが生きとるから。」なんて言って来たんだ。気になるから問い詰めたら、親の死んだあと子どもに遺伝するらしい。だからこんな時に言ったのか。明日はもっと聞いてみようと思う。嘘でも本当でもいつ最後になるかわからないんだ。
11/27
今日は結構詳しく話を聞いた。何でも私の祖先は昔、滅ぼされかけたらしい。そこで家にいる獅子と対になる狛犬に導かれて数人が生き延びた。そして獅子がこの町に結界を張り、町にいる間は普通の人として振舞うことが出来るようになった、という話だった。だから狛犬がいないんだと合点がいった。正直、この長年のモヤモヤが晴れたのが今日一番の収穫だと思う。けど、そうなるとこの話は冗談じゃなくなってくる。
11/28
まず母の死が変なことじゃなくて病気だったことにホッとしてる。父も84と寿命には早いかもしれないが、あれだけ注意されても酒を止めないのが悪かっただけだろうな。今日は他に父と同じ能力を持った人はいるのか聞いた。[編集済み]のとこのご夫婦と[編集済み]のおっさん、他にも数人いるらしかった。気にはなったが、話を聞きに行くのは父に止められた。
<中略>
12/19
葬儀があんなに大変だとは思わなかった。母の時は細かな手伝いだけだったから聞いてたより楽だなと思ってたんだな。酒臭い日が多かったのと足が短いこと以外は尊敬できる父親だった。それと[編集済み]のおっさんが神妙な顔で話をしてきた。だいたい父から聞いた話と同じだった。あれは冗談じゃないってことがはっきりした。
12/20
おっさんは止めとけと言ったけど、町に出てみた。駅でティッシュを貰えるか試そうと思ったら、人にぶつかりそうだったから避けようとした。避けきれずに肩がぶつかったと思った。でも、ぶつからなかった。すり抜けたんだ。周りはこのことを気にする様子がなかった。ものすごく気持ちが悪い。今でも肩が変な気がする。吐かなかったことを褒めたいけど、今思うと肩だけでよかったかもしれない。体全部がすり抜けてたら狂っていた気がする。
<中略>
04/08
今日は体調がいいから、久しぶりに書こうと思う。まあ寝たきりになっているから、窓からの景色以外は特に変わることはないが。一つ書くとしたら、猫が私の膝を定位置にしていることくらいかな。この猫の秘密を知ってから随分とたったものだ。結局、私は妻子を持つ気にはなれなかったが、それでも良い人生だったと思える。
この猫のことや神社の管理に関しては、町長の██氏に頼むことにした。彼になら神社を任しても問題ないだろう。
続きは父に会った時にでも話すことにしようか。もうすぐ会えるのだからその時を楽しみにしよう。
この手記で獅子と記載されている猫をSCP-XXX-JP-B、SCP-XXX-JPのまだ異常性が発現していない子どもをSCP-XXX-JP-Cと指定しました。
この調査の後、さらに███町の大規模調査を行いました。その結果、██体のSCP-XXX-JPと█体のSCP-XXX-JP-Cの存在が確認されました。この結果を受けて、町長である█ ██氏との話し合いを行い、確認されているSCP-XXX-JPの理解を得た後、現在の特別収容プロトコルが制定されました。また、町外に住んでいたSCP-XXX-JP-Cについても特定が完了しています。
以下はセキュリティクリアランスレベル4以上の職員のみ閲覧できます。
職員コードが認識されました。あなたの閲覧権限に応じた情報を開示します。
補遺5: GOC潜入エージェントを介して、SCP-XXX-JPに関してGOC側から財団に接触がありました。これを受け、O5評議会の承認を得た後にGOCとのやり取りを開始しました。以下は情報交換の承諾を伝えた後に行ったメールでのやり取りの抜粋です。なお、やり取りに使用された全ての伝達機器は、財団のデータベースから切り離された端末を使用しています。
現在収容しているしているSCP-XXX-JPは意思とは関係なく異常性を付与された者だ。
GOCの行いはとても直線的である。だが、確保、収容、保護だ。
どんなに複雑でも途方が無くとも我々の示した道から逃げてはならない。我々を見失うな。
補遺6: 20██/08/14現在、把握しているGOCによる昨年の年間のSCP-XXX-JP終了個体数は████体、過去10年間の終了個体数の平均の100分の1程度まで減少に成功しています。また、現在財団が収容しているSCP-XXX-JPは8████体です。SCP-XXX-JP-Cも含めると収容数は██████体になります。これはエリア-81E3の収容管理上限に迫る個体数であるため、収容サイトの増築が検討されています。この場合、SCP-XXX-JP-Bの異常性を利用しない収容基準を満たす必要があるため、収容難易度が高まることが予想されます。
補遺7: GOC職員との情報交換の中で、SCP-XXX-JP-AとSCP-XXX-JP-Bの出自について新たな情報が得られました。なお、補遺1にあるSCP-XXX-JP-Aの探索調査は蒐集院の資料を基に行われていました。以下は、GOC職員との通話記録の抜粋です。
<インシデント記録-β>
プロトコル『グリンダドロップ』のステップ2施行時にSCP-XXX-JP-0が大規模な電磁パルスを発生させました。その後、SCP-XXX-JP-0上空の空間に割れ目を観測しました。このインシデントはGOCの破壊活動によって一旦は終了されています。しかし、その後の調査でSCP-XXX-JP-0によるSCP-XXX-JP発生のイベントが非常に活発になったことが報告されています。
以下はインシデント発生後にGOC職員から送られてきたメールです。
対策チームの報告によると、SCP-XXX-JP-0のSCP-XXX-JP発生イベントに要する時間が短縮されていること、新たに発生したSCP-XXX-JPは新たにSCP-XXX-JPを発生させることが可能ということが報告されました。以上のことから、SCP-XXX-JP-0のSK-クラス:支配シフトシナリオを引き起こす可能性が高まっています。これを受け、SCP-XXX-JPの収容個体数を30体以下に調整することが検討されています決定されました。また、今後新たに確保したSCP-XXX-JPは調査の後、原則終了措置が取られます。
追記: 現在SCP-XXX-JP-0以外のSCP-XXX-JPによるSCP-XXX-JP発生イベントは確認されていません。プロトコル『グリンダドロップ』が再開されます。
オブジェクトの保護はその異常性の完全なる理解のために行われているものだと理解しなければならない。その点から見れば、今回のインシデントは一つの異常性の解明ともいえる。しかしその異常性が人類の危機に関わるとなれば、そしてその危機を回避する方法であるならば、SCP-XXX-JPの大規模終了も妥当である。そうでなければならない。
我々の最も重要な使命は、人類が健全で正常な世界で生きていけるようにすることだ。そこを見失ってはいけない。
彼らはどんな過程であれ、今はオブジェクトに過ぎない。
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利用ガイド
もしよろしければ批評をお願い致します。
拝読しました。
かなり伸び代がある作品だと思っているので、よりよい作品になる事を期待しています。
細かいところまでご指摘ありがとうございます。最後の一文も大変励みになります!
誤字脱字や文体については早急に手直ししたいと思います。
分かります。伝書使良作でしたよね!
最後のフレーズについては私的にはどちらでも良いと思います。指摘が他から来ればその時変えるくらいで大丈夫だと思います。
我氏も2000JPコンテストに参加したが最下位だったのは秘密
ご指摘にあった誤字脱字と空白や改行、SCiP等の単語の記述を修正しました。
説明と補遺の一部を変更しました。
最後のフレーバー「収容は始まりに過ぎず~」を追加しました。
蛇足かもと悩んでいるので意見を頂けたら嬉しいです。
一応これを完成形として投稿を予定しています。良ければ批評をお願いします。
大幅に改稿しました。
批評いただけたら嬉しいです。
いいと思います。
軽く誤字指摘
付与されたの誤字ですかね?誤字でないとしてもそう修正するのが妥当かと。
内容について
いいんじゃないでしょうか。最初の方は謎が多かったのですが段々と謎が解けていき、蒐集院だったりの絡み方も不自然でないことからなんならこのまま投稿してもいいんじゃないかというクオリティです。あくまで個人の感想にはなりますがね。O5のコメントでかっこよく締めているのもプラス評価です。もう十分UVかなという気がします。あと一つだけ気になったんですがGOCは脚注があるのに蒐集院はないんでそこは統一した方がいいかなとは思いました。
ご指摘ありがとうございます。
誤字修正しました。
蒐集院の脚注も追加しました。