ジャムコン下書き「魔法の剣とキミだけの物語」

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sword

SCP-XXXX-JP

アイテム番号: SCP-XXXX-JP

オブジェクトクラス: Safe

特別収容プロトコル: SCP-XXXX-JPはサイト-81██の第██収容ロッカー内に補完して下さい。当オブジェクトの持ち出しや実験は許可されていません。SCP-XXXX-JPの異常性に暴露した場合、拘束の後に密室で管理されます。暴露者とのコミュニケーションは必要最低限に留まる範囲で許可されています。

説明: SCP-XXXX-JPは全長約80cmで約1kgの重量がある西洋剣の模造品です。当該オブジェクトの柄の内部には1枚の紙が隠されています。紙には「キミだけの物語で魔法の剣はキミの願いを叶るよ」という記載が有ります。

当オブジェクトは体力面や精神面、社会的地位や立場など、いずれかの観点から見た時に弱者となる人間が物理的に当該オブジェクトと接触した場合に異常性を発揮します。最初に異常性の対象になった人物はSCP-XXXX-JP-1として以下の特性と異常性を持ちます。

・SCP-XXXX-JP-1の認識は現実と異なります。この特性はSCP-XXXX-JP-1が目的を達成してから約1年程度経過した場合にのみ解消されます。
・SCP-XXXX-JP-1は自身と友人関係にある人物や血縁者など深い交流があった人間を対象に異常性を発揮します。
・異常性の対象となった人間は1週間以内に存在が消失し、SCP-XXXX-JP-2としてSCP-XXXX-JP-1の前に現れる様になります。

上記の異常性に暴露していない人間は、SCP-XXXX-JP-2となった人物に関する記憶を喪失します。これにより様々な記録事実と齟齬が生じる場合は自然な形で記憶が整理されるため、SCP-XXXX-JP-1の起こした消失現象を認知するまで時間を要する場合があります。SCP-XXXX-JP-2は以下の特性を持ちます。

・SCP-XXXX-JP-2の存在はSCP-XXXX-JP-1にとって不可思議ではありません。
・非暴露者はSCP-XXXX-JP-2を暴露以前と同一の人物だと認識出来ません。

SCP-XXXX-JPの異常性に最初に暴露した人間は、常に当該オブジェクトを携帯する様になります。SCP-XXXX-JP-1はその後、「魔女」と呼称されるSCP-XXXX-JP-2に接触する事を目的に行動します。SCP-XXXX-JP-1が目的を達成する事はSCP-XXXX-JP-1の願望を実現する起因となります。SCP-XXXX-JPに暴露した人間は瞬間移動に相当する空間跳躍など科学的に説明が困難な現象を起こします。SCP-XXXX-JP-2の多くはSCP-XXXX-1の目的を達成する為に必要な助力をします。

付録001: 暴露したSCP-XXXX-JP-1に対してのインタビュー記録。

上記のインタビューの1ヶ月に財団は申請を許可しました。SCP-XXXX-JP-1の外出にはエージェントと研究員の同伴の元に行われました。SCP-XXXX-JPはSCP-XXXX-JP-1を通して外出先となる場所の座標を財団に指定して来ました。指定された場所はいずれも無人とされている廃村跡や山等でした。外出時に不審な行動を起こす事が非常に少なかった為、この外出実験は複数回行われました。SCP-XXXX-JPは時折、鞘の中で振動する等してSCP-XXXX-JP-1が間違った道を進行していた場合に分かりやすく報せる手段を取る事が確認されています。

この外出実験中に何度かSCP-XXXX-JP-2が出現する事が有りました。SCP-XXXX-JP-1を導く様な言動をする者やSCP-XXXX-JP-1に対して妨害行為をする者等が確認されています。いずれもSCP-XXXX-JP-1との接触を充分に記録した後、財団が捕縛しています。なお、導く様な言動を行っていた者は今後の外出実験に同行する事をSCP-XXXX-JP-1は財団に申し出ています。この申し出を財団は職員の動員数と監視の厳重化を条件に許可しました。

付録002: SCP-XXXX-JP-1の認識を聴取した██研究員が外出実験の最中に記したメモと、出現したSCP-XXXX-JP-2-cとの接触記録。

memo

SCP-XXXX-JP-1が持つSCP-XXXX-JP-2への認識一覧


 

 

SCP-XXXX-JPの案内によって20██/██/██に「魔女」と呼称されるSCP-XXXX-JP-2にSCP -XXXX-1は接触する事が可能となりました。

付録003: SCP-XXXX-JP-1と「魔女」と呼称されるSCP-XXXX-JP-2の接触記録。

SCP-XXXX-JP-1が目的を果たした事でSCP-XXXX-JPの異常性が終了しました。よって、財団はSCP-XXXX-JP-2として振る舞っていた暴露者の情報を正確に認識出来る様になりました。

付録004: SCP-XXXX-JP-2となった暴露者。

SCP-XXXX-JP-2
-a SCP-XXXX-JP-1の実母。
-b SCP-XXXX-JP-1の幼少期の友人。
-c SCP-XXXX-JP-1の実父。
-d 財団が雇用しているカウンセラー。SCP-XXXX-JPが先生と呼称していた人物。

 

補遺001: SCP-XXXX-JPは██県の██郡に存在する古物商店にて財団関係者が購入した物で、D-1102を対象に異常性を発揮した事で財団が認知に至りました。

補遺002: SCP-XXXX-JPはSCP-XXXX-JP-1の願いを叶えていません。これについて██研究員は以下の見解を示しています。

SCP-XXXX-JPの異常性について

SCP-XXXX-JPの異常性でSCP-XXXX-JP-1となったD-1102は実際に願望を叶える事が出来ていません。恐らく原因は、異常性によってD-1102に関連する人物がSCP-XXXX-JP-2になった事だと考えます。つまり、元の血縁者や交流が深い人物は願いを叶えるタイミングに実在しない人物としてSCP-XXXX-JPは解釈し、SCP-XXXX-JP-1の願望を処理したと考えられます。加えて、他者がSCP-XXXX-JP-2となった人物に関係する記憶を喪失するのは、SCP-XXXX-JPが行なっている解釈を裏付ける為ではないかと考えています。

補遺003: SCP-XXXX-JP-1となっていたD-1102は、目的を終了してから1年が経過するまで認識の異常性が解消されません。その後D-1102は1年が経過する間、財団の業務に非常に協力的であり、自身の人生に対して前向きな意見を述べていました。なお、1年が経過して認識の異常性が解消されるとD-1102はSCP-XXXX-JP-1として振る舞っていた時期について多く言及するようになりました。その後、D-1102は強い精神的な疾患を発症して20██/██/██に自身の収容房で自害しました。

補遺004: 発見当初からSCP-XXXX-JPの鞘の内側に刻印されている文言。

ね、キミだけの物語になったでしょ?


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