Tusaki 1

クレジット

タイトル: SCP-XXXX-JP - メタタイトル
著者: Tusaki
作成年: 2022
☆[[include credit:end]]

0:

死にたい、と思ったことがある。

───しらないひととおかあさんをまちがえた

死にたい、と思ったことがある。

───ばかばかしい漢字まちがいで100点をとれなかった

死にたい、と思ったことがある。
───生きていてはいけない、とさえ

1:和山 令が編入してきたこと

９月５日、月曜日。最高気温は35度。遮る雲、吹く風もひとつとしてない。
さらに前日の雨で外はサウナ状態。家を出てから10分足らずで制服はびっしょりと汗を吸い込んでいた。
この自体を想定していなかったわけではない。だからタオルだってずっと手に持っていたし汗をかいたと思ったら拭くようにしていた。事前に制汗剤も塗っておいたし、接触冷感のバンダナもハンディ扇風機だってある。
ではなぜこのような事態になってしまったか。
単純明快。『現実があらゆる想定、対策を超えていた』ただのそれだけである。
いつだってそうなのだ。どんなに待ちかまえようがどんなに覚悟を決めようが最後には全部ひょいと超えられる。

頭の良さげな男はそれを私の『特異性』だと言った。ふざけたメガネだ、割れてしまえと思った。
優しげな白衣の女はそれを私の『才能』だと診断した。馬鹿げたやつだ、あかぎれしてしまえと思った。
偉そうなはヒトたちは私を『歓迎する』と手を差し伸べた。…………一生ささくれに悩まされてしまえと思った。

そんな風に思いつつも、そんないやなひとたちのおかげで私は高校に通えていた。
条件は月一の病院通い。ただのそれだけで学費は免除され、逆にお金が払われたりもした。
あいかわらず

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1. portal:7286907 (29 Sep 2022 08:34)