悪は遺した

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我々は滅びる。闇の彼方へ消え去る。
もう崩壊のカウントは止まらない。
だから我々は宝石を作る。
もうこの地下施設がどのくらい持つのかわからない。
ストップウォッチが叩かれてから今どのくらいたったんだ?

あとこの世界に残された時間は数日だ。
残りの数日で我々は最後にこの暗闇に光を灯す。 

なぜ我々は必ず最後には滅びてしまうのだろうか。
宇宙とは残酷だ。なぜ死という方向に全てが向かって行ってしまうのだろうか? なぜあらゆる全ての物事が最終的に辿りつくのは死なのだろうか? なぜ我々に生存権は残されてないんだ? そんなことを考えていても作業は進まない。
早く完成させてしまおう。早く休みたい。

我々は滅びる。でもこの膨大な世界には多くの知的文明があるはずだ。我々の生きた証を遺すのは悪いことではないだろう?

この宝石ももうすぐ完成する。
世界が壊れる前までに完成できればいいけど。
いや完成させなければこの宝石は孤独を味わうことなんてないのか。
コーヒーを飲もう。 少し疲れた。
全てが夢であればいいのに。 早く目を覚ましたい。
暖かいベッドで目が覚めてあいつが作った少し米が硬い朝食を食べる。そんな平凡な朝に戻らせてくれ。

あらゆる知的生命体の未来のために。
我々は作らなくてはならない。

気付いたら寝てしまっていた。
それともここはすでにあの世なのか?
また生きてることを信じよう。
いや我々が死ねば彼女が孤独になることはないのか。
もういいやとにかく作ろう。
空の色がいつもと違う 。いつもより綺麗だ。
戻ってくれよ。何もかも…

あのメッセージを再び未来につなぐんだ。
かつて来たりし者がいるのなら、後に来たる者もいるかもしれない。

やった終わったやったよ。
おーい終わったぞ!やったんだぞー
聞いてないのかー田仲博士ー!山本博士ー!
おーい何処にいるんだ…おーい…
おーい……おーい……やっぱりもういないんだな俺しか… とりあえず落ち着こう。うん、落ち着こう。

ついに完成したんだ…我々と誰かの世界の知能を集結させたこの宝石が。
彼女には一人で何光年も旅をして貰うことになるだろう…
たった一人で孤独に宇宙を何周もするのだろう…
やはりそんなことをする我々は悪なのだろうか?
誰にも会えぬまま壊れてしまうかもしれない。
我々の身勝手な考えのせいで永遠に孤独を続けるのだろうか?
我々のせいで彼女は孤独になる。
我々は何のために… 

自分達を救う時間はありません。
我々には意を決し、メッセージを送る余裕しかないのです。

この崩壊を受け入れるだけで良かったのかもしれない。
もういいや 彼女を…宝石を…早く起動してしまおう
初めて あなたがマスターですか?
ああそうだよ。これから頑張れよ。

ここにいる”という声が響く宇宙は、静寂なる宇宙などよりもずっと尊い。1つの声は小さくとも、“0と1”の間にある隔たりは“1と∞”と同じほどに大きいのです。頑張ってください!あなたが作るしかない[データ破損]博士!

彼女は…我々が遺してしまった彼女は宇宙へ飛んでいった。
孤独になることがわかっているのに…彼女は拒絶しなかった…いや俺がそうプログラムしたんだよ…だから彼女は拒絶できなかった!こんなの作る意味あったのかよ…

いってらっしゃい 二度と帰らない旅へ…
我々はやはり悪だ さようなら…

我々の"さきがけ"。


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  1. portal:tt-de-su ( 14 Jun 2018 06:57 )
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