SCP-XXXX-JP 明晰夢？/白昼夢

クレジット

タイトル: SCP-XXXX-JP - 明晰夢？/白昼夢
著者: Tsugumi Akeha
作成年: 2022

アイテム番号: SCP-XXXX-JP
オブジェクトクラス: Euclid Safe
特別収容プロトコル: SCP-XXXX-JPは主任研究員である八咫やた博士のもと，サイト81██の耐現実改変設備を備えた標準型人型オブジェクト収容室に収容され，希望した物品は八咫博士による許可の下で与えられます。低脅威度物品ロッカーに保管し，実験を行う際はレベル2セキュリティクリアランスを持つ職員2人に許可を取る必要があります。

説明: SCP-XXXX-JPは(株)████によって製作された縦297mm,横420mmの枕です。この枕を用いて睡眠を行った場合，60％ 75％ ほぼ100％の確率で夢を見ます。また多くの場合，それは明晰夢¹となります。
その場合，夢の中で記述した事柄，または記述を消去した事柄について，現実でも同様の作用が起こります。
なお，同一の部屋にノートなど文字が筆記できるもの，またはパソコンなどの文字を出力できる機械など(実験内では，「用具」と記載する)が無い場合，現実改変は起こりません。

実験: この枕の影響を調査するため，D-115█5を用いて実験を行い，室内に設置したカメラで様子の監視を行った。なお，夢の内容については，起床後本人に行ったインタビューから記載した。

+ 実験結果を表示

実験1
対象: D-115█5
用具: 新品のノート
夢の内容: 中学校の教室の窓側の席で英語を学んでいた。
結果: シャープペンシルで書かれた中学生レベルの文法や語彙の記載。部分的に語彙や語法の誤りが散見された。筆跡は本人のものと同一。
コメント: ―懐かしい。

実験2
対象: D-115█5
用具: 実験1で記入されたノートのページ
夢の内容: 実験1の続き。文法の誤りに気付いて訂正を行った。
結果: 訂正がなされていた。また，消え残りがあったことより，消しゴムを用いて消した跡ではないかと推測される。
コメント: どの程度までの訂正が可能なのか？

実験3
対象: D-115█5
用具: 一単語もスペルミスをしていないものがない英語長文が書かれたノートのページ。
夢の内容: 英語教師と居残り授業を行った。
結果: 全てのスペルミスが訂正された。
コメント: 余程正確でマメな先生らしい。

実験5
対象: D-115█5
用具: タイプライター
夢の内容: 会社で重要書類を打ち込む
結果: タイプライターの活字で打たれた書類が出現した。内容は夢の中で打たされていたものと同一である。
コメント: 手書きだけが対応しているという訳でもないらしい。

実験9
対象: D-115█5
用具: 周期表200番元素(█████,元素記号██)の発見レポート
夢の内容: レポートを誤ってシュレッダーにかけ，激怒される
結果: すべての用紙が細断され，かつ白紙となった。
コメント: 周期表200番元素？そんなもの存在していたか？

実験12
対象: D-115█5
用具: なし
夢の内容: なし。夢を見なかったと証言した。
結果: なし
コメント: 用具が無い場合，ただの安眠枕となるのか？

　以下に示すのは用具があり，夢を見たにもかかわらず，効果が現れなかった例である。

+ 実験結果15を表示

実験15
対象: D-115█5
用具: SCP-████-JPの報告書のコピー A4白紙の束。左上がクリップで留められている。
夢の内容: 報告書を書き上げた直後，ウイルスによって報告書が改ざんされる。
結果: 変化なし
コメント: 映像記録を確認したところ，用具は白紙だった。

補遺: SCP-XXXX-JPは20██年██月██日に██県███町の交番に「朝，目覚めたらノートに書いた記憶の無い記述があった。誰かが落書きしたのかもしれない。」という通報があり，当該交番に勤務していたエージェントによって発見されました。通報人は当時一人暮らしであり，施錠もされていたため，事情聴取という形で，警察職員に身分を偽装した八咫博士がインタビューを行いました。

+ インタビューを表示

八咫博士:
多娥たが ██氏(以降「多娥氏」):

このインタビューから，当初は交番に届出を行った多娥 ██氏が現実改変を行ったものと推測され，当人をSCP-XXXX-JP，就寝時に用いていた枕がSCP-XXXX-JP-αとして登録が行われましたが，実験を行ったところ，通報内容に沿った影響が見られなかったため，用いていた枕がSCP-XXXX-JPとして登録されました。なお，同氏はその後，記憶処理を行い通常の生活を送っているものの，暫定的にPoI-115█5-JPとして財団の監視下にあります。

補遺2: 低危険度物品ロッカー周辺に研究室を持っている研究員数名より，「研究手順を記入した書類が白紙になった」との証言が複数ありました。このオブジェクトが未知の影響を持っていると推測し，その証明のための研究手順及び結果の如何によって，オブジェクトクラスのKeter格上げも検討されています。

――もし報告書の上で寝てしまったら…考えたくもないな。―八咫博士

Footnotes

1. 夢の中で夢であると自覚できる夢のこと。

付与予定タグ: 物体 現実改変 Safe SCP-JP

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