デクスターブルース

携帯の着信に叩き起こされるまで、俺はシカゴのギャングになった夢を見てた。密造酒酒場ブラインドピッグの営業をマッポにチクられたのか誰かの弔い合戦だか理由は知らないが、俺は商売敵の本拠地に仲間数人と乗り込んでた。理由がなんであれ少なくとも俺たちは怒り狂ってた。
舞台はでっかめの倉庫。明かりとりの窓から陽が万遍なく差してだだっぴろい床に降り注ぐ。陰じゃない所の方が多い。こんな開放的なとこアジトにしてんなよ。窓のすぐ下に位置する2階の鉄製の足場にはなんかグラサンと黒い帽子の黒服どもが等間隔に並んでやがった。
大学の20世紀アメリカ文化史の講義で見たシカゴアウトフィットまんまの格好で笑った。黒いスーツに白い縦縞。スムースクリミナルのバックダンサーの格好だ。別に何も喋ってるわけじゃなく、倉庫の中は西部劇、あるいは昔の日本のアニメみたいな間を感じさせる静寂があるだけだ。デパッシュモードが言うみたく今はこの静けさを楽しむとしよう。

しかし、この静けさを楽しむ間もなく終わりを告げた。俺がこの手で告げたのだ。
俺は脇からなにやら懐かしみを覚える鉄製の物を持ち出した。なんともまあ、ずぶの素人が見ても分かるくらいの機関銃だった。俺は軍事オタクではないので生産国?だの年式だのは分からない。
モデルガンすら持ったことのない俺がなぜ懐かしく思えたのかも到底分かり得ないことだ。
しかし少なくとも、夢の中の俺にはなぜか懐かしく、安らぎさえも覚えたのだ。
まあ俺も含め人類は銃から発射されてそれが運良く着弾できて生まれたんだからな。ある意味では安らぎを覚えるのは当然かもしれない。はっはっは。

ともかく、俺はその時代にあったかも分からない機関銃をぶっ放した。ぶっ放し続けた。数億もの命の源を無駄にするように。ひまわりの花びらみたいな火花と一緒に、アウトフィット達の身体に彼岸花が咲き乱れた。そして俺は半端ないノックバックを脇腹に感じながら習いもしない洗練された汚い英語を喋り散らした。

「ハッハー!!!!ファックオーロビュー、ビッチェーズ!!!!ヤーオールガナダーイ!!!!」

やべー。俺夢じゃこんなトリガーハッピーなんか。若干引いてる。叫びながら自分を洞察している間も皆倒れていく。いや倒れてはない。皆立ったまんまひたすらうわーって言いながらユラユラしながらひたすら銃弾を受けてる。背泳ぎしてる。コントか?風情もクソもない。次々に命が失われていく。倒れてはないが多分皆助からんだろう。すごくあっさり。ボーンインシカゴみたいな趣きもない。

親父は言った。「あいつは逝くべくして逝ったんだ」

そんな歌詞にそぐわないほどのワンサイドゲームでひたすら無抵抗のシカゴ野郎どもを撃ちまくる。正直言って飽きてきた。事態が全然進展しないんだもん。でも撃つのはやめられない。俺だってメンツってもんがあるんだ。組しょってんだよこっちは。なに俺らの縄張り荒らしてんだ。死ね死ね。

ってところで目が覚めた。機関銃よりうるさいこのクソな呼び出し音のおかげで。現実の俺を脅かすのは機関銃でもなんでもなくて、人間の手の延長たるスマートフォンだったわけだ。着信音が普通と違うからきっとLINEからかけてんのかもしれない。画面見るとやっぱ予想的中。オーディオトークじゃなかったから速攻出た。視界がかすれて相手の名前が見えなかったけども。

「はい」

「おい栗山、お前起きてんのか?」

起きてなきゃ電話に出れてねーだろ。

「あー」

ゴッドグレイシャスヘブンズ。渡邊だ。
出なきゃよかったな。口に出さなくて偉い。

「今どこだ」「家」「寝てる場合じゃねんだよ」「俺の勝手だろ」「黙れクソ。クソうんこ」「うるせぇ、用はなんだ」「とりあえず集合だクソ。さっさとマス掻くのやめて家出ろ」「掻くか馬鹿」「早く駅向かえ」「やだよ」「あ?クソが。駅行けっつってんだろ」「なんでだよ」「とりあえず家でろって。やべーんだよ」「何が?」「知るか馬鹿」「電話かけといてキレんなこの野郎」「後でグループで連絡する」「綾部もいるのかそこに」「いないとにかく外出ろ」

切れた。俺は開きかけた口を閉じ、携帯を毛布の上に投げ捨てた。
そして、こういう面倒ごとの場合渡邊賢介単品ではなく綾部優馬もセットでついてくる。平穏な休日が音もなく崩れ去っていった心地がする。
ただ、まあさっきの無軌道な夢をおしまいにしてくれたからまだマシかもしれない。こいつは俺の大学生活を謳歌しているときに限って連絡を寄越してくる。その度に俺はゼミの飲み会を中座したり、新宿の本屋を出ていかなくてはならなくなるのだ。そして俺は聖スウィズィン並みの寛容な御心をもて、信徒のわめきを聞いてやる。やれここに来い、金を貸してくれ、女に振られて死にそうだ、とにかく適当な理由を吹っかけて俺をねぐらから引きずり出してきたりする。そして大抵の場合その行為がこうやって俺をキレさせるのだ。

俺は今誰に喋りかけているのか分からないが想像してみてほしい。
お前は今ライブ中のミュージシャンだ。俺が夢でなったみたいにマイケルジャクソンのバックダンサーになっても良いし、ウェンブリーで今からお客とコールアンドレスポンスをする間際のフレディーマーキュリーでもいい。とにかく客がお前の一挙手一投足に注目し歓声を上げる準備をしていて、お前もそれに応えようと身体を収縮させたり声を張り上げんとしている時。
そんな中突然ステージから引きずり落とされて「今から家に年末調整に必要な生命保険のはがきを取りに帰れ」と言われたらどう思う?
もしリッチーブラックモアだったらクソを袋に詰めてマネージャーに手渡しするだろう。
しかし俺はブラックモアでもライブ中に突然放り込まれた蝙蝠を食ったオジーオズボーンでもない。そうだ俺は聖スウィズィン。もしくはカトリック、プロテスタント、正教会、サンテリアやカンドンブレその他諸々のキリスト教関係の混交宗教で信奉されている守護聖人なのである。いつも寛大な御心をもって徴税人ザアカイよりも罪深い二人のくずどもを導いている。
しかしなぜ俺が小便臭いガキどもの子守りを引き受けるのか?それは断った後がひたすらに面倒だからなのだ。前にこんな感じで電話を

掛け時計を見ると9時を指している。

減点方式で

ドンドンと
壁相手にセックスしてるのか俺の隣は。

大学生が下宿に使うくらいの部屋だから、都内にしては家賃が安い。家賃に比例してご近所の質も変動するらしい。100万くらいになったら余ったフォアグラでもお裾分けしてくれるんだろか。少なくとも今はお裾分けどころか目を合わせてもくれていない。

田無駅に
大学進学を機に田無で一人暮らしを始めて2年近くになるが、俺が通う早大の最寄り駅、高田馬場に一本で行けるくらいしかここの土地にはメリットが見当たらない。西武線は埼玉から東京に行くのに便利だと埼玉出身の同級生が言うものの、俺が乗るのは西武新宿行きの電車くらいだし、下り線も本川越や新所沢に行くために使ったことはない。

だべや
うわでた道民アピール カツゲン飲んでろ
牡蠣食ってシコれ

武蔵小金井のヨーカドーのフードコートでいいじゃん
ガキがうるさい
じゃあ立川
国分寺より向こう行きたくねー
中野
中央線から離れろ西武線沿線にしろ
大泉学園
てめーの地元から離れろ
馬場は?

なんだこのクソ クソうんち

カミングダウントゥーベイジングみたいなやりとりを経て、結局我らが母校である早稲田大学中央図書館の自習室に集合ということになった。なんなんだよほんとにもう。不毛。

ああ早稲田。覇者覇者早稲田。先人たちの努力も虚しく、今や左翼活動家とカルト宗教の巣窟に成り果ててしまった。この大学の大半の教授は保守党を批判するレポートを出せば単位が来るという噂で持ちきりだし、教場レポートでカレーのレシピを書いて単位が来たという同級生がいたくらいだから多分事実だろう。

戸山キャンパスの食堂の真上にある大教室は特に偏差値は足りているはずなのに頭が足りていない社会不適合者ばかりだ。講義に興味がないなら喋らず寝てればいいのに。俺みたいな向学心のある学生もそれなりにいるだろうに、その蛆虫ども、いや、蛆にさえなり損ねた蠅の卵どもは、

文字読めないくせに行間読むなよクソが。

壁がガラス張りなので満席かどうかとかが分かる。最近できた代物で、同級生がマジックミラー号とか呼ぶもんだから今の俺にはそうとしか見えない。本来外からは見れないはずのマジックミラー号の中身を遠くからなんとなくうかがう。
今日はそれなりに空いている。というよりも、ドア付近を避けてつめて座っているみたいだ。
いつも空いてる時は皆バラバラ散り散りにゆとりを持って席に座ったりしているが、なぜか今日に限ってそうはなってない。自習室に近づくにつれ、俺は理由が分かってきた。薄々分かってはいたが、扉のすぐ近くの白板にマジックで殴り書きがしてあったのだ。なるべく俺はため息をこらえながら白板の文字を黙読した。

栗山に告ぐ!!!!
下の暗号をもとに集合時間と場所を割り出せ

星が終わりを告げる時
ミサの静けさにたえかねて
人は皆加州に向かう
それを止めることはできたい
もし時計を巻き戻すことができたなら
私はそこで待つことにしよう

は?ここ集合だっつったろ。なんだよ集合時間と場所って。俺はグループを開く。
おい。
既読。既読2。
それ以降返信なし。
その場では聞こえないが、せせら笑っているのが聞こえてくるようだ。

梶山基次郎の真似事でもしているつもりなんだろうか。もし俺達がこんな意味ありげな怪文書残したら後からくる奴らはどう思うだろう?そんなイキったクソどもの茶番に毎回付き合わされる身にもなってほしいものだ。

俺はゴドーを待つ浮浪者になりたくはない。

暗号解読のセオリーどおり、まずは文面そのままに文を捉えることにする。言わずもがな、ミサというとカトリックの礼拝のことだ。毎週日曜日にやってる。いや、俺が知らないだけで宗派?教派?によっては他の曜日に礼拝やってる教会もあるかもしれない。ユダヤ教はそうらしい。それにしたって貴重な休日を出かけてわざわざ自分を律するよう過ごすという神経は俺には今ひとつ分からないが。まあここは便宜上日曜日を指すことにしよう。息をするように十戒の全てに背く行いをしてるクズどものあいつらのことだから、日曜日以外に礼拝やってる教派の教会なんてそもそも暗号作成において検討なんかしてないだろう。
俺は文明の利器に頼る。
星、教会。お出た。
サレジオ碑文谷教会?最寄りどこだ。碑文谷っつったら浅見光彦シリーズで出てきた地名だ。光彦が連行された警察署の名前でもあったっけ。光彦は北区住みだからそのあたりか?赤羽?俺は教会周辺のマップを見る前にウィキでサレジオ教会についての知識を取り込む。なるほど、サレジオはカトリックの系列で紋章は星だからサジェストに出てきたのか。今得た知識を、雨がキラーニー国立公園のダンロー峡谷に流れ込むようなイメージで、俺の脳のシワに刻みつける。

しかし、答えがそれだとその後の文章が無に帰すことになる。人は皆加州に向かわずに済むことになるのだ。

俺はこのガラスの自習室でクリスタルナハトを再現してやってもいい。いや、再現しなくてはならない。それほどイラついてるのだ。

俺はこのイカれた怪文書を書いた奴らとの関わりを他の学生に悟られないために、白板の文字を消さずに

俺は完全にフーイズディスビッチエニウェイ?みたいな感じだった。誰だこいつ?なんで急に俺に話しかけてくんのよ。宗教だったら間に合ってんだわ。

ヨリーツ?外人か?フリッツ的な?フリッツってバンドあったな。俺はマーク・ファーナーの顔がちらついててそのヨリーツって男に会うまでそいつをサラッサラの金髪をなびかせてる男だと思っていたが、事実はそうじゃなかった。純日本人のすらっとした美男子のシャープドレッスドマンだった。

「」

馬場歩きして駅の近くにある地下の中華料理屋に入ってった。片言の店員に席を指さされて俺らは奥のテーブルに座る。ほどほどに凸凹のザラザラなブツブツがある白い壁にホワイトホースのハイボールのポスターが貼ってあって、なんか良い。いやなんか良い、じゃない。そんなこと気にしてらんねー、逃げらんねーじゃんこんなん。一番奥でしかもこのクソ野郎が入口側に座ってる。何下座座ってんの。なんでこのしみったれた居酒屋でマナーなんか気にしてんの。俺を敬わなくていーんだよ。俺を尊敬してんなら今すぐ解放しろや。
店内をさりげなく見回すが、白いピクトグラムが書かれた出口は今入ってきた所しか見当たらない。ワンウェイアウトなんだよベイビー。でも主よ、俺は出て行かれない。親指をおり混ぜながらオールマンブラザーズバンドバージョンのワンウェイアウトを演奏しつつ考えた。香港映画みたく机をひっくり返した隙に逃げ出そうか。ちょうど中華料理屋だし画になるぞ。

俺は不快感とお前の話なんざ興味ねーんだよ感を地味にしかし確実に表現するため、剣の舞を作るために徹夜してるハチャトゥリアンみたいに机を指で連打する。ツッテッテッテッテッテッテッテッテッテッテッテッテッテッテッテッテッテッテッテテレテッテッテーテレテッテッテー

親指が痛くなってきたからトントンはやめた。

「川相さんをご存知ですね?」

俺はご存知ですね?より前の単語にピンとこなかった。
かわい、かわい。川相!!!!!!!!

「川相が、どうかしたんすか」

努めて平静を装おうとしたが、多分こいつには俺の内心が見透かされているだろう。

たった数年前なのに俺の中で忘れ去られていた青春の残滓が、俺の後頭部に一撃を喰らわせにきたのだ。なんという因縁だろう!まさかこんなヤニ臭くて薄汚い地下食堂で清らなる聖歌の響きを持つその娘の名前を聴くことに夏とは。会う男全員を詩人にさせてしまうその樹里という名前を、俺は反芻した。

どっかで見たことがある気がしてた。
あ。思い出した。こいつ夢に出てきた奴だ。背泳ぎしてた方じゃなくて、俺の横にいた奴。一緒に倉庫に乗り込んだの。
クソ程びっくりして一人で納得してた。
動揺がめちゃくちゃ顔に出てると思う。やばい話の主導権握られる。

マジメ腐った顔して言ってやんの。

嘘なんか言わずに

そんなん俺がすぐ信じると思う?
まあいいか。味方だし。
俺はしばらくはこいつの妄言に付き合うことにすると決めた。

たまったま同じ東京の23区の大学に行った。

PTAの会長を率先してやっていて、いかにも将来は市議選に出ようという雰囲気を周囲に発散していた。運動会でスポドリを配りまくり折々の行事に顔を出しまくり市の教育委員会で席を確保した。

選挙を見据えてか知らないが、母親は彼に常に生徒の模範たるよう教育していた。教育の教の字は元々先生が生徒を鞭で叩いている様子を表した象形文字だと聞いたことがあるが、その様子を上回った。
モーツァルト並みの詰め込み教育で休みでも朝7時から夜10時まで母直々の
単なる勉学的なマッチョが生まれることが

遊びに行った友人宅で
横暴で、時代が時代なら信仰の擁護者を自称してもおかしくないくらいだった。最終的には行くところまで行って担任の女性教師の顔も殴ったが、閉鎖的でしかも日本国の法律が少年法以外存在しない教育現場という聖域で起こった事件だったから、無罪放免にされた。

殊勝にもずっと耐えていたが、
いい子ちゃんは九十九里浜の堤防で突然はじけた。
クラスは二列縦隊で柵のない波止場の淵を歩いていて、列の内側を歩いていた。
のちに俺の親が言うには、ちょっとパーソナリティー障害が入っていたらしい

そいつの運が良かったのは、下にテトラポッドがなかったことだった。着衣水泳を習うのは小6のころだったけど、そこそこ運動ができたそいつは沈む前になんとかあっぷあっぷして口を水面から出してた。その場にいた俺らは何があったかも分からず反射的に岸から飛び退いたが、流石は

そいつが泣いてたかは分からない。全身ずぶ濡れだったから。
もちろん、そいつはあいつを犯人呼ばわりした。しかし、水兵が港で片足を乗っけてかっこつけるみたいなので使われる船の紐用の出っ張りが現場の近くにあり、

超えたら社会的に終わる線がどこか分かって一線を超えない聞き分けの良い馬鹿だった。そういうのが往々にして一番厄介なもんだ。

ここまできたらもう笑い話のレベルだ。暗躍して小学4年からタバコを吸ってるような連中をけしかけ、
保健の授業で習っただろうにタバコをこんな若いうちから吸うんだから、そいつらは馬鹿だったのだろう。そんなやつらを煽動するのはお手のものだった。結局自らの手を汚さず

そいつは
結局そいつはグレて窃盗教唆や覗きをやらかし自分で破滅していったのに対し、

母親が自分にやったように、そいつの人生を掌握してしまったのだ。

噂?噂なんてフリートウッドマックだけで充分だ。

長くて黒い列車が
俺のベイビーを拐って行っちまった

クソ。良い冗談だ。冗談みたいな陽射しが古ぼけた学生ローンの看板を照らし散らかしてる。この世はジョークだ。ミキが誘拐されたのも冗談に決まってる。

俺らは同じ二人組でも、サイモンアンドガーファンクルやトキシックツインズのような名曲を生み出すコンビでもなく単なるダブルダッチなのだ。そしてそんな俺たちが追うのは二人組の馬鹿ども、これもティアーズフォーフィアーズのようないかしたデュオではなく、劣性遺伝子の劣化版コンビなのだ。泣けてくる。

俺はロバートジョンソンよろしく交差点でひざまずいた。どこからも車なんか来なかった。ヤハウェだろうがブッダだろうがヴードゥー教の神でもどうでもいい。お前が望むなら俺を連れ去ってくれ。

「これじゃ全弾装填のロシアンルーレットだ」

頼逸はため息にも似た笑みを一瞬浮かべた後に言った。

「相手を撃つには充分すぎる」

俺の自我を保つには、絶えず他の人間と比べていなきゃいけないのか?

ホテルカリフォルニアに潜んでいるような男が忠告する。

俺はこのままチェックアウトできても二度と出られないかもしれない。

同じブルースのコード進行でも奏者によってだいぶ個性が出る。バディ・ガイが弾くと1音半のベンドが頻繁に出てくるし、マイク・ブルームフィールドが弾くと滑らかで豪快なスライドや気が狂った怪音波みたいなビブラートが頻出する。

たった三つのコードというモード様式の中で自由に自らのスタイルを発揮するというのが

大学の音楽系同好会はなんでか聴くのと演奏するのがワンセットになってる。俺はただ聴きたいだけで弾きたくはないんだ。別に

やりたいことよりもやりなおしたいことが増えたら大人だ。

俺の知ってるロシア語はというと、スパシーバ、アジト、イクラ、コンビナート、スペツナズしか即興でひねり出せない。

キエフの大門だ。

私の命に終わりはない
私の死に始まりはない
死とは即ち生なり

落とし前をつけろ。落とし所を考えろ。前に冷やかしのつもりで受けたカルチャースクールの小説講座でなんか聞いたような気がする。その時の白髪ハゲ眼鏡講師は補足する。要はオチ、落語でいうところのサゲにあたる部分を作れ。そういうことだ。まさか小説作法の金科玉条が現実に活きるとは思わなんだ。そうだ、俺は落とし前をつけなくてはならない。

セイント・スウィズィンズ!俺は幼馴染が全身全霊で助けを求めているのを壁セックスと一蹴してしまっていたのだ。俺にミキを救う資格などない。そう自分に審判を下すのを聞き流しながら、俺は駆け出した。

「目も合わせてなかったんだ。なんでそいつの勤め先が分かる」「なんでもいいんです。何か心当たりはありませんか」「ないのにひねり出そうとしてんだこっちは!」「賭けるしかない」「は?」「駆けるしかない」

馬場のちょっと住宅街にそれた所にある、非福岡県民を相手に値段の割に微妙なクオリティーのもつ鍋を出すもつ鍋屋に入ってった。

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  1. portal:4440715 ( 17 Dec 2019 13:00 )
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