ワルコン用:SCP-XXX-JP こどくなるもの

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アイテム番号: SCP-XXX-JP

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPはサイト-81██内の標準人型オブジェクト収容ユニットに収容されています。収容ユニット内は高気密シャッターによって2つに区切り、どちらか一方の区画にSCP-XXX-JPを収容します。SCP-XXX-JPには毎日1.5~2L程度の水を5回に分けて与えてください。それ以外に食事等を与える必要はありません。SCP-XXX-JPに対しては、財部たからべ博士によるカウンセリングとインタビュー、幼児~児童を対象とした対話教育プログラムを週に2回実施します。

SCP-XXX-JPを負傷させるおそれがある行為、及びSCP-XXX-JPの頭髪や爪を切る行為は、SCP-XXX-JPのもつ特性上禁止されています。違反者はサイト管理者及びO5評議会に通報され厳重処分を受けることとなり、違反の重大さによっては終了処分が下される場合もありますので、十分に留意してください。

収容ユニットの天井にはリモートコントロール式スプリンクラーを4台と、防水機能が強化された監視カメラを8台設置します。2日に一度スプリンクラーを起動し、SCP-XXX-JPがいた区画の清掃を行ってください。清掃の際には、京都府██市の███神社に一昼夜供え、神道で定められている手段を用いて清めた日本酒(純米酒1)を███L程度と、すすぎ洗いで使用するための水(水道水で構いません)の両方を用意してください。スプリンクラーの起動は、高気密シャッターを開放した上で清掃済の区画へSCP-XXX-JPを移動させた後、シャッターを完全に閉鎖してから行うものとします。清掃終了後はすすぎ残しやSCP-XXX-JP-1等の落下物がないか確認するようにしてください。

説明: SCP-XXX-JPは10代の日本人男性に見える人型実体です。20██年現在で収容から██年経過しているにも関わらず、SCP-XXX-JPには身長・体重の変動や老化の兆候等の身体的変化がみられません。SCP-XXX-JPはBMIが14.5程度と痩せ衰えた体型をしており、右前腕部が欠損しているほか、残る手足の末梢部(手指、足指)が全て壊死しています。また、過去に受けたと思われる暴行の後遺症が原因で自力での起立や二足歩行が不可能であるため、移動する際は左手のひらと両膝・つま先を地面につけ、這うようにして移動します。収容当初のSCP-XXX-JPは言語による意思の疎通がほとんど不可能な状態でしたが、財部博士による対話教育プログラムを受けたことにより、日本語による簡単な内容の発言をある程度理解し、ごく単純な単語や文章であれば自ら発話することが可能になりました。

SCP-XXX-JPの抜け落ちた頭髪、切った(または剥がれたり、折れたりした)爪、皮膚片、負傷時に出血する血液、汗や唾液等の体液、排泄物等、SCP-XXX-JPに由来する老廃物や分泌物はSCP-XXX-JPの体表面から離れた時点で全て、異常な物質へと変化します(以下、SCP-XXX-JP-1)。調査の結果、SCP-XXX-JP-1にはアクロメリン酸A2に酷似した構造と毒性をもつ未知のタンパク質が含まれていること、またその物質は京都府███神社に奉納した後、神道で定められている手順によって清めた日本酒(純米酒)に浸されると毒性を失うことが判明しています。前述の調査結果から、SCP-XXX-JP-1を用いれば多量の劇物を容易に生成可能であると判断されたため、2005年、特別収容プロトコルに「清掃」に関する項目が追加されました。

SCP-XXX-JPは200█年、京都府██市にある平安時代中期頃の遺跡から出土した、1m×1m×1m程度の石灰岩製の棺の中で発見されました。石棺を発掘した作業員が蓋を開けたところ、膝を抱え込むような姿勢で棺に収まっていたSCP-XXX-JPが突然動き出して石棺を破壊し、その場で大声をあげて暴れ始めたため、作業員からの通報を受けて駆け付けたエージェント・██3がSCP-XXX-JPに鎮静剤を打ち確保、そのまま最寄りの財団セキュリティ施設・サイト-81██へと護送しました。発見現場にいた発掘作業員や現場監督、警察関係者及び近隣住民にはクラスA/クラスB記憶処理を実施し、カバーストーリー「遺跡盗掘犯の確保」を流布しました。サイト-81██に護送された当初、SCP-XXX-JPは周囲の状況が変化したことに酷く怯えており、職員による接触を拒絶していましたが、SCP-XXX-JPの担当職員に立候補した財部博士が心理カウンセリングの実施や積極的な対話を試み続けた結果、SCP-XXX-JPの精神は現在の状態まで回復していきました。

インタビュー記録XXX-JP-05 - 200█/06/13

対象: SCP-XXX-JP

インタビュアー: 財部博士

付記: SCP-XXX-JPへのインタビューを円滑に進めるため、財部博士はSCP-XXX-JPに対して用いる二人称を意図的に「君」としています。

<録音開始>

財部博士: やあ。今日もよろしく頼むね。

SCP-XXX-JP: あ。たからべ、今日も、きたのか。

財部博士: うん、色々と聞きたいことがあってね。君に昔、どんなことがあったのか、詳しく聞かせてほしいんだ。

SCP-XXX-JP: [沈黙]むかし、あまり、おぼえてない。

財部博士: そうか。覚えてることだけでいいから、話してくれると助かるよ。

SCP-XXX-JP: うん、じゃあ、話す。おぼえてること。[15秒ほどの沈黙]

SCP-XXX-JP: むかし。おれのおや、弟、みんなしんだ、はやりやまいで。それからおれ、ずっとひとり。いつも、はら、へっていた。

SCP-XXX-JP: おれ、はらへって、たおれた、しぬ、思った。おきたら、大きいやしき、いた。やしきの人たち、おれに、世話、してくれた。いつも、ごはん、食べられるし、着ものも、新しいの、くれた。毎日、みやこ、いって、みやこの話、きいて、やしきの人に、みやこの話、うわさ、話す。それ、おれの、しごとだった。

SCP-XXX-JP: ある日、みやこ、いたら、こわいかおの、おんようじ4、おれのところに、きた。次に気づいたら、山の中、いた。知らないところ。

財部博士: ふむ……それからどうなったんだい?

SCP-XXX-JP: うん……[沈黙]山の中、おれみたいな、子ども、たくさんいた。みんな、見たことあるかお。むかしの、友だちも、いた。たくさん。おんようじ、言った。「お前ら、もう、ここから、出られない。みんなたたかって、生きのこれば、そいつたすける」。こわい奴、こっちきて、おれたち、何か、飲まされた。そして、おんようじ、こわい奴、みんな、かえった。

SCP-XXX-JP: おれ、こわい、にげよう、思った。みんなも、同じ。でも、見えないかべ、たくさん、にげられなかった。みんな、泣いたり、おこったりしていた。……みんな、はらへって、ころしあった、友だち、食べた。おれも、友だち、たくさん、ころした、食べた。友だち、数へった……。

財部博士: そのあとは、“おんようじ”や“こわい奴”は来なかったのかい。

SCP-XXX-JP: ぜんぜん、こなかった。おれが、ひとり、なるまで。

SCP-XXX-JP: ……少しして、みんな「いたいいたい」言いだした。おれも、からだ、いたくなった。手も足も、真っ赤で、火のように、いたかった。いたいの、ずっと、つづいた。

SCP-XXX-JP: いたくて苦しくて、舌、かんで、しのうとした友だち、しねなくて、苦しんでいた。おれ、首、しめた、友だち、しんだ。そいつ、おれの、一番、友だち。苦しい、言うの、見たくなかった。だから、ころした、食べた。

財部博士: それは……とても苦しかっただろうね。

SCP-XXX-JP: [沈黙]みんな、ころしあって、ずっと、あと。おれ、山にひとり、のこった。おんようじ、きて、おれを、やしき、つれていった。おんようじ、おれに、きれいな着もの、着せて、おれに、みき5、かみさまへの、そなえ物、たくさんそなえた。何日も、同じ、つづいた。おれ、みきで清められて、からだ、いたいの、きえた。でも、ゆび、くさっていた。

SCP-XXX-JP: [7秒ほどの沈黙]それから、おんようじ、おれの、右うで、切った。とても、いたかった。血、たくさん出た、おんようじ、血、全部、とった。おんようじ、「お前のうで、血、使って、どくのくすり、つくる」言った。「お前のからだ、使って、どくのくすり、つくる。じゃまな奴、みんな飲ませて、ころす。われら、世の中、しはいする」と、言った。

財部博士: “われら”?“おんようじ”と“こわい奴”らのこと?

SCP-XXX-JP: そう。おんようじと、こわい奴たくさん。あいつら、色んなもの、あつめて、ぎしきして、力、手に入れようと、していた。世の中、しはいできる、強い、強い力。じゃまな奴、ころす、強い力。

財部博士: それで君も、“おんようじ”たちに使われようとしていた訳だね。

SCP-XXX-JP: たぶん……でも、おんようじ、しんだ。大きな力、手に、入る前に。みかど、強い人、たくさん、たくさん呼んで、おんようじ、こわい奴、みんな、ころした。そのとき、何人か、べつのおんようじ、きていた、そいつら、おれに、言った、「おまえ、役立たない。もののけは、もう、いらない」。

SCP-XXX-JP: そのあと、強いじゅつで、おれ、ふうじられた。それから、ずっと、ずっと、ひつぎで、ねむっていた……もういちど、たいよう、見た、あの日まで。ずっと。

財部博士: 話してくれてありがとうね。……今日はもう大丈夫だから、またお話を聞かせて欲しい。

<録音終了>

終了報告書: インタビュー終了後、SCP-XXX-JPの精神状態が急激に悪化したため、SCP-XXX-JPに対しクラスA記憶処理を施した上で、財部博士による心理セラピーを実施しました。

補遺1: 蒐集院の前身組織「蒐集寮」の資料から、SCP-XXX-JPと思われるオブジェクトに関連する記録が発見されました。


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