外見が小渕恵三氏に変化した████氏(██市内のスタジオにて撮影)
アイテム番号: SCP-XXXX-JP
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: SCP-1397-JPはサイト81██の低脅威度物品保管庫内の施錠されたロッカー内で光を通さない包装紙と金属製の施錠可能なケースに包装された状態で保管されます。実験対象として指定されたDクラス職員以外がSCP-XXXX-JP及びSCP-XXXX-JPを認識可能な記録物を視認することは禁止されます。
SCP-XXXX-JP及びSCP-XXXX-JP-A以降の異常性に暴露したことが判明した人物は財団が指定する期間、財団による監視の下、日付を手書きで筆記することを禁じられます。日付を手書きにて記入する必要のある公的文書類等については財団指定のガイドラインに従うことを義務とし、ガイドラインは政府及び外交ルートを通じて通達されます。
日本国内において政府及び財団フロント企業を通じて日本国内在住者に対し、ワードプロセッサ等による電子的手段による筆記を推進し、手書きによる筆記を行う機会を可能な限り減少させてください。
説明: SCP-XXXX-JPは縦53.3cm×横45.0cmの「平成」という文字が墨書された色紙です。色紙の外観は1989年1月7日に当時の日本政府官房長官小渕恵三氏が改元を公布する記者会見で掲げたものと極めて酷似しています。国立公文書館で保管されている当時の記者会見で掲げられた色紙とSCP-XXXX-JPを日本支部所管の研究施設にて比較、分析したところ、筆跡、物質、紙の質感に至るまでほぼ同一の形状であることが判明しました。当時、色紙への墨書を行った████氏にインタビューを行ったところ、「自分が平成と書いた色紙は1枚のみである。全く同じ筆跡のものはありえない。」という証言が得られました。インタビュー後████氏にはAクラス記憶処理が施されました。記者会見の際及びその周辺で後述の異常性が発現していないことから、SCP-XXXX-JPは記者会見で掲示された色紙の精巧なレプリカであると考えられます。
SCP-XXXX-JPを視認した人物はSCP-XXXX-JP-Aに指定されます。SCP-XXXX-JP-AはSCP-XXXX-JPを視認した時点からおよそ24時間を掛けて脳を含む全身が1989年時点での小渕恵三氏のものに変化します。記憶や知識、自己認識については本人のまま変化しません。脳が変化しているにもかかわらず何故記憶が変化していないのかについては不明です。映像、静止画を通してSCP-XXXX-JPを視認した場合でも前述の異常性は発現します。肉体の変化は両足の裏から始まり、徐々に身体の上方及び末端部へ遷移する形で変化は推移し、頭頂部に生える頭髪まで到達した時点で肉体の変化は完了します。DNAは暴露前における本人のものから変化しません。SCP-XXXX-JPを継続的に視認しなかった場合、新陳代謝に伴って肉体は元に戻ります。SCP-XXXX-JP-Aが手書きした「平成」の文字はSCP-XXXX-JPと類似した異常性を持ちます。SCP-XXXX-JP-Aが手書きした「平成」の文字を視認した人物は足の裏から身長(cm)×1/2の高さまでの肉体が1989年時点の小渕恵三氏のものに変化します。SCP-XXXX-JP-A以降、手書きされた「平成」の文字に暴露した人物はそれぞれB・C・D・Eとして指定されます。B・C・D・Eと階層が繰り下がるごとに、肉体への影響範囲は1/2を掛けた値づつ小さくなります。また、新陳代謝によって肉体が暴露前のものに回復するに伴って、暴露者が手書きする「平成」の異常性は逓減します。しかしながら、SCP-XXXX-JP-Aの場合心筋の細胞など新陳代謝による細胞の入れ替わりが少ない部分まで小渕恵三氏に変化するため、「平成」に暴露した人物は外見上元の肉体に戻っている場合でも体内の細胞の数パーセントは小渕恵三氏であり、異常性はわずかに残留します。そのため、SCP-XXXX-JP-Aが持つ異常性がゼロになることはありません。
SCP-XXXX-JP収容チームで統計部門を担当する██研究員によれば、199█年時点で財団職員を含めて日本に在住する人物は視覚障害等により「平成」の文字を視認できない者を除いてほぼ全員がSCP-XXXX-JPの持つ異常性に暴露しており、肉体の数パーセントは小渕恵三氏の物であった過去を持つと結論付けられました。これを受け、サイト81██情報統制チームは財団職員を含む日本全国の在住者に対しAクラス記憶処理及びカバーストーリー「環境ホルモン」を発布しました。
SCP-XXXX-JPは199█年6月25日に██県██市に所在する████氏の住宅から発見されました。発見当時SCP-XXXX-JPは額縁に入れられ████氏の私室内部にある鍵付きクローゼットの内壁に掛けられた状態で発見されました。SCP-XXXX-JPを所有していた████氏はSCP-XXXX-JP入手以前から「小渕恵三氏によく似た外見の人物」として周辺人物からよく知られており、SCP-XXXX-JPの発見を遅らせる要因となりました。
SCP-XXXX-JPは199█年6月に██市役所で職員を務めていた数人の女性職員が「体の臍周辺から下が男性の肉体に変化した」という症状を病院に訴えたことをきっかけに発見されました。暴露したであろう部署で働いていた市役所職員は全員財団が財団所管の病院に収容、経過を観察し外見上元の肉体に回復したことを確認した後にAクラス記憶処理を施して退院させました。200█年までに全員の退院が完了しています。199█年6月に██市役所を訪れた人物とその周辺を捜索したところ、事件の数日前に████氏が古物商から「平成」と書かれた色紙を購入したことが財団エージェントの目に止まり、████氏の自宅を捜索したところ前述の状態のSCP-XXXX-JPが発見されました。エージェントからの報告の後サイト81-██のサイト管理者によって当該オブジェクトにSCP-XXXX-JPのオブジェクトナンバーが割り当てられました。SCP-XXXX-JPを売却した古物商とされる人物の正体は判明していません。発見したエージェント・██はその後が肉体が小渕恵三氏に変化、及びSCP-XXXX-JP-Aに指定されたため財団所管の病院に収容されました。エージェント・██本人の希望により、迅速な現場復帰のために整形外科処置が実施されました。処置は成功し、容姿は暴露前のエージェント・██に近い印象のものに回復しました。減量・筋肉トレーニングも同時に行われ、エージェント・██は暴露の半年後、現場に復帰しました。新陳代謝による顔貌の変化はわずかであり、暴露から数年が経過した20██年現在も後遺症等は見られません。
以下は実験記録の抜粋です。
実験記録01 - 日付199█/6/30
対象: D-XXXX-01 男性 日本人 31歳 175cm
責任者: サイト81-██ ██研究主任
実施方法: SCP-XXXX-JPへの暴露
結果: D-XXXX-01の全身が小渕恵三氏へ変化。D-XXXX-01はSCP-XXXX-JP-Aに指定された。D-XXXX-01は経過観察が行われた後に定例解雇。
実験記録03 - 日付199█/7/6
対象: D-XXXX-03 男性 30歳 日本人 身長170cm
責任者: サイト81-██ ██研究主任
実施方法: SCP-XXXX-JP-Bが筆記した「平成」の文字をD-XXXX-03に暴露させる
結果: D-XXXX-03の足の裏から42.5cmまでの肉体が小渕恵三氏へ変化。D-XXXX-03はSCP-XXXX-JP-Cに指定された。D-XXXX-03は経過観察が行われた後に定例解雇。
実験記録07 - 日付199█/7/18
対象: D-XXXX-07 女性 日本人 28歳 150cm
責任者: サイト81-██ ██研究主任
実施方法: SCP-XXXX-JPに暴露させる
結果: D-XXXX-06は暴露24時間後全身が小渕恵三氏に変化。全身が小渕恵三氏に変化したことを認識した直後強く取り乱したため、警備スタッフが制止したが暴力的手段で抵抗。その後警備スタッフによって終了された。
実験記録 ██- 日付199█/█/██
対象: D-XXXX-██ 男性 日本人 75歳 160cm
責任者: サイト81-██ ██研究主任
実施方法: SCP-XXXX-JPをD-XXXX-██に暴露させる。暴露は毎日1時間に1度実施される。
結果: D-XXXX-██の全身が1989年時点の小渕恵三氏へ変化。経過を観察する
補遺(日付20██/█/██追記): 20██年現在、D-XXXX-██は健在。D-XXXX-██は███歳となったが肉体は1989年時点の小渕恵三氏のままで変化していない。肉体の若さが必要とされないセクションで勤務する優秀な職員に対し延命処置としてSCP-XXXX-JPを利用する試みは日本支部理事会によって保留中。
SCP-XXXX-JPの収容手法は日本国内で「平成」の文字が可能な限り手書きで筆記されることを防止することを基本方針とすることがSCP-XXXX-JP収容チームによって決定されました。収容手段として「文書の電子化を推進」「手書きの書類は予め『平成』の文字を印字しておく」「手書きの場合は元号ではなく西暦を用いた記入を推奨」といったガイドラインが制定され公的機関に通達されました。また、日本政府、日本国皇室、財団日本支部サイト81██管理者████による会談の結果、2019年をもって「平成」から別の元号へ改元することによってSCP-████-JPによる影響を抑制する試みを行うことが決定されました。
SCP-XXXX-JPの特性とこれらの収容フローにより、██研究主任のチームによる試算によれば20██年にはSCP-XXXX-JPの完全な封じ込めが完了すると考えられています。SCP-XXXX-JP収容チームは20██年に日本国内における大規模調査を実施し、SCP-XXXX-JP影響の残留が微小と考えられる場合はオブジェクトクラスをSafeへと再分類します。
SCP-XXX-JP出現を抑制するため██駅構内に設置されたオブジェ
アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPを継続して収容する試みは現在に至るまで成功していません。
財団職員がSCP-XXX-JPを目撃した場合、SCP-XXX-JP収容サイト81██のサイト管理者SCP-XXX-JPに申し出てください。SCP-XXX-JPに暴露したと思われる財団職員は財団所管の病院で検査・治療を受ける義務が生じます。
SCP-XXX-JP出現範囲は24時間、常にカメラによって監視されます。カメラは防犯カメラに偽装してください。監視はDクラス職員が担当し、Dクラス職員以外がSCP-XXX-JPが記録されたデータを視認することは認められません。SCP-XXX-JP出現が観測された場合、ホームレス支援団体に偽装したDクラス職員がSCP-XXX-JPを一時的に収容します。収容の初期段階でSCP-XXX-JPの全身は専用拘束衣で完全に覆ってください。包装されたSCP-XXX-JPは財団所有の施設で保管されます。保管する施設は収容作業の際に指示されます。収容に当たるDクラス職員には詳細なマニュアルが提供されます。必要な場合は収容責任者である指宿博士に要求してください。
SCP-XXX-JPの出現範囲を限定するため、SCP-XXX-JPが出現するであろう箇所は人間の横臥が困難になるようにオブジェ、横臥不可能なベンチ等を設置してください。
説明: SCP-XXX-JPは都市部に出現する、特異性を持つ人型実体です。SCP-XXX-JPは身長160センチ、体重60キロの男性で、外見上の年齢は50代後半と見られていますSCP-XXX-JPの最も古い目撃例は19██年ですが、外見上から見られる加齢は現在まで確認されていません。目撃者によって描かれた似顔絵ではすべての例で面相は概ね共通しているため、出現するSCP-XXX-JPは全て同一人物、または極めて近い関連性のある人物群であると考えられます。
服装及び風貌はその季節、年代によって様々ですが、その時点において高価であろう衣服や、清潔が保たれた衣服を纏った状態で出現することはなく、目撃者からは何らかの汚れが全身に付着している、悪臭のする、手入れのされていない風貌であったと証言されています。SCP-XXX-JPの所持品として新聞紙や空のビール瓶などが同時に出現した例も報告されています。所持品はSCP-XXX-JPと同時に消失しています。現在までSCP-XXX-JP及び所持品の消失・転移先を追跡する試みは成功していません。SCP-XXX-JPは、出現範囲区域内に屋根で覆われており且つ人間が横臥可能な空間があった場合に、睡眠を取っていると思われる状態で出現します。出現・消失する時間は0.█████秒と見られ、出現・消失する過程をカメラで捉える試みは成功していません。出現地域は、日本の東京都23区内及び地方中枢都市中心部に存在する鉄道駅の半径1キロ以内に集中しています。観測された限りでの出現頻度はおよそ1ヶ月に3回程度です。
SCP-XXX-JPの身体・衣服・所持品に接触するか、または画像・映像を通した場合を含めて顔面を視認した人物は、その後中長期的視野に立った行動及び思考を行うことが困難になります。例として、予定を立てて計画して行動すること、計画的な金銭使用、感情・生理的欲求の抑制、論理的思考が行えなくなるという症状が報告されています。影響を記憶処理等によって取り除く試みは成功していません。多くの場合、SCP-XXX-JPの異常性に暴露した人物は暴露以前の社会生活を行うことが困難になります。日本国内で継続的な宿泊場所を持たない人々に対して財団が聞き取り調査を行ったところ、██%がSCP-XXX-JPに接触した事があるという証言が得られました。また、そのうちの██%はSCP-XXX-JP接触以降から生活が悪化し始めたという証言でした。
SCP-XXX-JPが出現する時間のうち、平均して55%はうつ伏せの状態で、32.5%は仰向けでかつ、顔を腕や手、新聞紙等で覆っています。そのため、1度の出現時間の内、外部からSCP-XXX-JPの顔面を視認できるであろう時間は平均で12.5%です。現在までSCP-XXX-JPと意思疎通を行う試みは成功していません。SCP-XXX-JPが同時に2箇所以上で目撃された報告は現在までありません。観測された中ではSCP-XXX-JPが8時間以上連続して出現した例はなく、また、消失から次の出現までの間隔の最も短い例は12時間35分です。
事件記録XXXJP-5
収容作業にあたっていたDクラス職員D-225625が作業中にSCP-XXX-JPに暴露しました。しかしながら暴露後に行われた検査では人格・思考が暴露前と変化がみられなかった。D-225625に聞き取り調査を行ったところ「収容作業にあたった際、道に落ちていた缶チューハイを拾った。封が空いていなかったので飲んだ後に作業をした。」と証言しました。D-225625は継続的な検査を受けた後に定例解雇されました。
事件記録XXXJP-5以降、血中のアルコール濃度の上昇によって認識能力が一定値以下に低下している人物がSCP-XXX-JPの特異性に暴露した際、受ける精神影響に対し強い抵抗力を示すことが発見されました。これを特別収容プロトコルに組み込み、都市部における巡回監視を行うDクラス職員に予めアルコールの投与を行うことで前述の精神影響を回避することが議論されています。しかし、「正常な認識能力を失ったDクラス職員に都市部を巡回させることは治安・保安上のリスクが伴う」「酩酊したDクラス職員では適切にSCP-XXX-JPを収容する能力が疑われる」「SCP-XXX-JPに影響を受けたDクラス職員がSCP-XXX-JPの異常性を解明する実験に必要」という理由から計画は保留となっています。
指宿博士の提言
SCP-XXX-JPに暴露すると自制心を失うという特性上、財団職員や政治家、官僚、大企業の役員などがSCP-XXX-JPに暴露した場合に起きる影響は予測不可能である。その上、SCP-XXX-JPは都市部に現れ、継続的な収容は困難である。これを踏まえると社会システムや人類社会の崩壊につながる可能性すらある。SCP-XXX-JPをketerに再分類することを提言する。
SCP-XXX-JPをketerに再分類することはサイト81██のサイト管理者により保留されています。
クレジット
タイトル: SCP-XXX-JP - タイトル
著者: ©︎
tenko
作成年: 20XX
アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Safe
特別収容プロトコル:SCPXXXJPはサイト-81██にある動物学的収容室に収容されます。予測されうる収容違反の試みを防ぐため、ドア・エアダクトに用いる鉄格子は規格品の中で目が最も細かいものを設置してください。収容室の清掃はDクラス職員が担当します。
不要な発話を防ぐため実験時を除いてSCPXXXJPと接触するDクラス職員は猿轡を着用します。女性Dクラス及び女性職員は実験時を除いてSCPXXXJPとの接触は許可されません。
SCPXXXJPを用いた実験にはセキュリティクリアランスレベル3以上の職員2名による許可が必要です。
説明: SCPXXXJPはオスのウマ(Equus caballus)です。種類は栗毛のサラブレッドであり、年齢は3歳、体長2.0m、体高165cm、体重475kgです。
SCPXXXJPは人間から褒められた際、体の一部を極度に伸長させるという特異性を持っています。人間の声援の録音など電子的手段を用いた場合でも上記の特異性は発現しますが、伸びる長さ、割合は大きく劣ります。声援・褒め言葉の内容、褒める人物によって伸びるスピード、長さ・箇所が変化するため、ある程度の知性を持っていると思われますが、SCPXXXJPとコミュニケーションを取る試みはすべて失敗しています。
SCPXXXJPはかつて日本国内において競走馬として登録されていました。SCPXXXJPがとあるレースに出場した際、上記の特異性を発揮したことが財団の注意を惹き、収容に至りました。SCPXXXJPはレース終盤、4番手としてゴール前のストレートに進入してから鼻先を1m程度伸長させました。財団の研究者は観客の声援に反応したものだと考えています。SCPXXXJPはその効果により1位でゴールしましたが、審判チームの判断によりレースの結果は要審議とされました。エージェント・██は休暇中、訪れていた競馬場で偶然事件を目撃したため即座に初期収容にあたりました。エージェント・██は審判室に侵入して審判員と関係者を無力化、競馬場内全域に「コメディ映画のゲリラ撮影が行われた。そのまま席で待機して欲しい」という旨の放送を行った後財団に報告しました。到着した回収部隊い-3("白足猫")及び隠蔽部隊う-7("茗荷料理")がオブジェクト確保、目撃者へのAクラス記憶処理を実施しました。画像と映像記録はすべて消去され、生放送中継視聴者に対してはカバーストーリー「コメディ映画のゲリラ撮影」の適用が続行されました。
以下は実験記録の抜粋です。
実験記録01 - 日付20██/██/██
対象: SCPXXXJP
実施方法: 実験責任者を含む財団職員3名がSCPXXXJPに対して声援を送る。声援の文言は「君の能力は才能だ」「素敵な毛並み」「足が速い」など。
結果: 鼻先を2cm伸長させた。変化には3分42秒を要した。
分析:あまり嬉しくなかったのだろうか -██博士
実験記録██ - 日付20██/██/██
対象: SCPXXXJP
実施方法: 招集可能なDクラス職員全員で声援を送る。Dクラス職員に対してはSCPXXXJPが伸長した長さに応じて全員に嗜好品を与えると通達する。また、太鼓やトランペット等の鳴り物も配布する。文言はDクラス職員それぞれに考えさせる。
結果: Dクラス職員は楽器の演奏と共に「俺たちはいつも一緒だ」「自分に自信を持て」「期待してるぞ」といった声援を送った。その後SCPXXXJPは首が1m伸長させた。変化には20秒を要した。それを受けたDクラス職員の歓声により更に1m伸長した。その後10分間、一切変化しなかったが最終的に、Dクラス職員の一人が発した「お前が伸びれば俺たちが得するんだ」という声援によって25秒を掛け、脚を2.5mに伸長させて変化は停止した。
分析:最後の変化は元競走馬としての性だろうか?しかし、これ見た目はほとんどキリンだな -██博士
補遺: 事件記録XXX-01を受けてDクラス職員のSCPXXXJP取扱規程は改訂されました。規定については特別収容プロトコルを参照してください。
事件記録XXX-01 - 日付20██/██/██
女性Dクラス職員がSCPXXXJPの定期放牧に馬糞拾いとして従事していた際、SCPXXXJPに対し「可愛い馬」「乗ってみたい」といった言葉を投げかけました。その後、SCPXXXJPは生殖器の長さを極めて短時間で1.5m程度にまで伸長させました。
特異性を不意に発現させることを防ぐため、以後SCPXXXJPに接触するDクラスは猿轡の着用が義務付けられます。
全ての財団スタッフへ通達:
この文書は現在、事件記録-SCP-3963-1(添付)を経て改訂されています。 |
アイテム番号: SCP-3963
オブジェクトクラス: Safe
特別収容プロトコル: このオブジェクトは、サイト-5 サイト-11 内の収容ロッカーに保管され、実験以外では機械のみを使用して取り扱います。Dクラス職員のみがSCP-3963を直接取り扱います。
説明: SCP-3963は、現在同定されていない植物繊維から作られた2重に撚られたロープと半透明のエメラルドグリーンの玉虫色の螺旋片で構成されたペンダントあり、装飾品だと考えられています。SCP-3963と接触した人間は、防護服や装備を身に着けていたとしても瞬時に消失します。
消失した人間はSCP-3963-Aに出現しますが、彼らはまだSCP-3963の周辺にいると認識できます。SCP-3963接触の直後を除いて、接触以降の通信は成功していません。
SCP-3963-Aは超常的なものと推定される、有機物で構成された空間です。被験者は様々な環境を報告しており、地域の地図を作成することは困難と考えられます。被験者は概してSCP-3963-Aに出現した際、ランダムな体の部分に鋭い痛みを訴えます。
このオブジェクトは、メキシコのユカタン半島にあるクルカン寺院の30メートル南から、民間の考古学者によって発見されました。発掘隊のメンバー2人は、新たに発見された空間を探索中に行方不明となり、残りのメンバーは行方不明者が出たことを地元当局へ通報しました。それを受けエージェント・ウェントとエージェント・カスティーヨが調査のために派遣されました。エージェント・カスティーヨがSCP-3963と接触し、オブジェクトの異常性が発見されました。オブジェクトは爆薬処分が予定されているロボットを用いて回収されました。生き残った調査隊のメンバーはオブジェクトについて公言しないことを定めた契約に署名し、調査隊の一員であったディアス教授は本人の希望によりレベル1クリアランスの財団職員に就任しました。その後オブジェクトが発見された洞穴についての情報を含め、本事件について適切なカバーストーリーが流布されました。
エージェント・カスティーヨは、SCP-3963-Aについて悪臭と湿気のある場所だったと証言しました。また、彼は呼吸困難も訴えていました。エージェントは本部から捜索を待つように指示を受けてから、不明な物体に拘束されており、身動きが取れないと返答しました。初期の実験ではSCP-3963の性質を解明し、エージェント・カスティーヨと失われた民間人を帰還させる可能性を判断するために行われました。
実験記録:
実験ログ1:
対象: D-963-Z
概要: 被験者のハーネスに3mのケーブルで接続された、すべての録音録画機器およびGPS装置は被験者の消失時に信号をロストしました。被験者はSCP-3963-A内では腹痛を訴えました。被験者は大規模な 「肉厚の卵形の部屋」に現れたと報告しました。装備品のフラッシュライトでは天井まで光は届きませんでした。部屋の壁は触ると柔らかいと説明されました。被験者は、部屋が周期的に拡張・収縮するために歩いて移動することが困難だと発現しました。また、被験者は単独では出口を見つけることができないと主張しました。
D-963-Zは、脱出手段を見つけるために部屋の壁を登るように指示されました。被験者が登り始めて30分後、被験者は叫び声を叫び始め、壁から手が離れたことをチームに伝えました。被験者からの通信は12秒間絶叫してから途絶しました。この時点以降、通信からは時折くぐもった声が聞こえました。
注記: D-963-ZによるSCP-3963の報告ではエージェント・カスティーヨとの対話は確認されませんでした。
実験ログ2:
対象: D-963-Y
概要: 被験者は出現以降、数分間吐き気や嘔吐を訴えました。被験者はわずかに身動きが取れる、濡れた柱の中にいると証言しました。彼女は懐中電灯に手に取ることに失敗した後、周辺に悪臭が漂っていると描写しました。実験は努力の甲斐無く、被験者が数分間もがき続けた後に終了しました。
注記: 前の実験と同じく、前の被験者の声は、現在の被験者が消えた際に消失しました。概要を改訂します。
実験ログ3:
対象: D-963-X
概要: 記載すべき事項なし。被験者は何かを話そうとしていましたが支離滅裂な発言をした後発声を停止しました。
実験ログ4:
対象: D-963-W
説明: 被験者はSCP-3963-Aに入ると叫びながら繰り返し救助を求めました。被験者は完全に身動きが取れない小さな空洞に横たわっていると証言しました。被験者は呼吸困難を訴えた後2分後には発声を停止し、おそらく窒息により終了しました。
実験ログ5:
対象: D-963-V
概要: 記載すべき事項無し。
注記: 予算上の懸念やDクラス職員の浪費という観点から、実験は終了しました。
事件記録:
SCP-3963の輸送中に荷掛け紐が破断し、オブジェクトが地面に落下しました。衝撃によって砕けた後、瞬時に、中年の男性が現れました。彼は非常に様式化されたパティとマヤのロイヤリティの典型的な羽毛の飾りを身に着けていました。その男は混乱しているように見え、およそ30秒間、周囲を見ながら狼狽えました。その後、彼は叫びながら自信の衣服を裂き破りました。
彼の胸から大きな膨らみが生じ始めたのを見て、パテール研究員は介抱を申し出ました。次の瞬間、膨らみは急激に膨張し、破裂しました。爆発は中年男性の上半身を破壊して死に至らしめ、パテール研究員を地面に叩きつけました。
傷口から胆汁と血液に全身を覆われた若い女性が排出されました。彼女は、スペイン語で繰り返し感謝を述べながらパテール研究員の助けを借りて立ち上がりました。パテール研究員が医療従事者と連絡を取ると、女性はうずくまりました。直後、彼女の胃が急激に破裂しました。その結果、爆発によって彼女は死亡し、内臓をパテール研究員に吹き付けながらパテール研究員を地面に倒しました。この爆発により、身体全体に腐食性の火傷を呈した身元不明の男性の死体が生み出されました。
死体が地面に横たわると、その背中の背中が腫れて爆発し、揺れ動くような動きをするエージェント・カスティーヨが生まれました。彼の下半身は糞便で固まっていたと指摘されました。エージェント・カスティーヨはパテール研究員を視認し、彼に援助を求めました。エージェント・カスティーヨは、エージェントから離れようとしているパテール研究員に向かって、四つん這いで這って掴みかかりました。エージェントは、呼吸困難になりはじめ胸を掴み、その直後D-963-Zが生まれました。
D-963-Zは倒れたパテール研究員の上に落下しました。D-963-Zの腹部が二人の間で爆発し、D-963-Yを生成しました。D-963-Yがパテール研究員の顔を不意に蹴り飛ばすまでパテール研究員は身動きが取れませんでした。パテール研究員は立って、Dクラス職員たちから距離を取りました。Dクラス職員はSCP-3963のテストのために職員が自分たちを消費したことについて猥雑な言葉で罵っていました。Dクラス職員は装備品だった懐中電灯を武器として崇めながらパテール研究員を脅しました。D-963-Xの死体は突然、彼女の性器のあたりから爆発し、彼女は死亡しました。
D-963-Xの頭部は急速に腫脹し、D-963-Wの死体を生成しました。
その時点でセキュリティと医療関係者が到着しました。D-963-WはSCP-3963に曝露された最後の被験者であり、スタッフ達ははD-963-Wの死体から距離を取った後に危険が沈静化したことを無線を通してアデレード長官に報告しました。清掃作業が始まると、D-963-Wの死体は前任者と同様の変化を起こしました。被験者の体が爆発し、人間型の生物を生成しました。およそ身長5mであり、漆黒色のケラチン質が全身を構成していました。また、爪、大きく湾曲した1対の角、そして網状の翼を備えていました。
この生物は出現時した直後スタッフに対し吠え、襲いかかりました。まず、部屋に居たパテール研究員を襲撃し、彼の肋骨を2本折りました。その後SCP-3963の破片のそばにひざまずいて、破片をかき集めながらパニックに陥りました。12秒後にSCP-3963をつなぎ合わせると、実体は大声で持続的に叫び声を発した後自発的に燃焼し、床に灰を撒き散らしました。
燃焼する実体がパテール研究員に接近した事により、パテール研究員は眉毛を失いました。 |
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