SCP-XXX-JP 空想上の友人たち

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(削除。全体的に冗長。端的に分かりやすく。ネタ自体は悪くない模様)
アイテム番号: SCP-XXX-JP

オブジェクトクラス: Keter

特別収容プロトコル: SCP-XXX-JP-AおよびSCP-XXX-JP-Bは、サイト-81██内の標準人型収容室に収容されます。ただし、SCP-XXX-JP-AおよびSCP-XXX-JP-B全数のサイト内収容は余剰収容室数の問題から不可能です。このため、サイト-81██管理者が「実験および調査のために必要となる最低数」と判断した数以上のSCP-XXX-JP-AおよびSCP-XXX-JP-Bの収容は、他オブジェクト収容能力確保の観点から推奨されません。また、SCP-XXX-JPを直接発見、確認するあらゆる試みは全て失敗しています。担当職員は、本収容室に収容したSCP-XXX-JP-AおよびSCP-XXX-JP-Bを24時間体制で監視し、異常が見られた際には速やかにサイト-81██管理官に連絡する必要があります。

精神医療を扱う全ての医療機関において、解離性同一性障害かそれに類似する精神障害と診断された10歳未満の小児に対して調査を実施し、SCP-XXX-JP-AおよびSCP-XXX-JP-Bであるかの判別を行う必要があります。

サイト-81██内で収容されているものを除くSCP-XXX-JP-AおよびSCP-XXX-JP-Bは、発見され次第速やかに財団の監視下に置かれる必要があります。また、サイト-81██外のSCP-XXX-JP-AおよびSCP-XXX-JP-Bの増加を防ぐ目的で、当該サイト管理者のみが閲覧可能である完全乱数導入式の行程表を元に、は一定周期にて一定数のSCP-XXX-JP-Bを終了する必要があります。この際、あらゆるカバーストーリーと方策を用い、SCP-XXX-JP-B終了の仔細が他のSCP-XXX-JP-B個体に漏洩することを阻止してください。この際のSCP-XXXX-JPーBの中長期終了計画については、サイト-81██管理者が同サイト収容済のSCP-XXX-JP-B個体と協議を行った上で策定してください。また、担当職員はサイト-81██内収容済のSCP-XXX-JP-B個体と一定以上のコミュニケーションを図り、SCP-XXX-JPの行動方針や精神状態について最大限の理解に務めてください。

説明: SCP-XXX-JPは、10歳未満の小児にのみ寄生する非実体存在です。1955年2月14日、霊体オブジェクトであるSCP-████-JPの調査のため██医科大学附属病院(当時)に潜伏していたエージェントが偶然、SCP-XXX-JP-AのA2→A3遷移(SCP-XXX-JP-B発生)時の霊体発生を簡易霊体検知器によって検知したことで、その存在が明らかとなりました。未知の方法によりSCP-XXX-JPに寄生された対象(SCP-XXX-JP-A)は、時間経過により段階的に進行する精神異常(各段階をXXX-JP-A1~A3と呼称)を発症します。この精神異常は一般的な医療機関において(特にXXX-JP-A1およびA2について)、解離性同一性障害かそれに類似する精神障害の一種として診断されます。

  • XXX-JP-A1 発症初期: SCP-XXX-JP-Aの精神内部において、自我成長の停滞が見られると同時に、SCP-XXX-JPが「別人格」として形成されます。形成される「別人格」は個別の症例により様々ですが、概ねSCP-XXX-JP-Aと同程度かそれ以下の未発達な自我と知能を持ち、SCP-XXX-JP-Aと全ての記憶を共有しています。また、特徴としてこの「別人格」は、複数形の一人称を使用します。「別人格」は、かなりの頻度でSCP-XXX-JP-Aとの対話を図ろうとするため、SCP-XXX-JP-Aはしばしば、唐突に沈黙する、虚空に話しかける、といった行動を取るようになります。本段階において「別人格」と直接対話が可能なのはSCP-XXX-JP-Aのみです。XXX-JP-A1状態は10ヶ月~2年程度継続したのち、XXX-JP-A2状態へ遷移します。
  • XXX-JP-A2 発症中期: SCP-XXX-JP-Aの表層意識が、一定の頻度でSCP-XXX-JPの「別人格」と交代するようになります。交代頻度および交代時間は個別の症例により差異が見られますが、共通して時間経過により高頻度化・長時間化する傾向にあります。本段階で初めて、SCP-XXX-JP-Aを介した形でSCP-XXX-JPとの会話が可能となりますが、本段階に移行した「別人格」の自我はXXX-JP-A1時同様に未発達であるため(時間経過により成長の兆候は見られますが)、意思の疎通は困難です。XXX-JP-A2状態は1~2年程度継続したのち、XXX-JP-A3状態へ遷移します。
  • XXX-JP-A3 発症末期: SCP-XXX-JP-Aの主人格が消滅、その意識をSCP-XXX-JPの「別人格」が完全に支配します。この際、主人格のものと思われる霊体の反応が瞬間的に出現、直後に消滅します。本段階まで症状が進行したSCP-XXX-JP-A(SCP-XXX-JP-B)の「別人格」は、自我が成熟すると同時に、消滅した主人格を意図して、完全な形で、半永続的に模倣し始めます。この模倣を通常の手段で看破することは極めて困難であり、一般的な医療機関では解離性同一性障害が改善した、と診断されます。XXX-JP-A3状態から他の状態へ遷移した例は存在しません。

XXX-JP-A1~A3各段階において、治療および症状改善のためのあらゆる試みは全て失敗しています。また、SCP-XXX-JP-AおよびSCP-XXX-JP-B個体が持つあらゆる異常性は、対象の死亡と共に完全に消失します。

過去68回に渡る複数のSCP-XXX-JP-B個体への調査により、SCP-XXX-JPは、現在生存している全てのSCP-XXX-JP-B個体と感覚および記憶を共有しており、かつ過去(紀元前1260年2月17日発生のSCP-XXX-JP感染個体が最古)から現在に至るまで存在した全てのSCP-XXX-JP-B個体の記憶を、鮮明な形で保有していることが確認されています。

なお、2021年11月現在、SCP-XXX-JP-A個体生存数は22,037体、SCP-XXX-JP-B個体生存数は184,312体です。2021年12月1日のインシデントXXX-JP-1の発生に伴い、SCP-XXX-JP-B個体生存数は84,312体となりました。
 

SCP-XXX-JP-B-001へのインタビュー記録(抜粋)

インタビュアー: ██博士

概要: 1955年2月14日に初めて発見されたSCP-XXX-JP-B個体へ向け、SCP-XXX-JPの情報入手を試みたインタビューの一部。(SCP-XXX-JP-Bは、時系列を遡行した場合に総数が膨大となることを理由とし、サイト-81██に収容された当該オブジェクトのみを報告書上のナンバリングとしている。閲覧者のセキュリティクリアランスレベルが3以上の場合、本報告書末尾にSCP-XXX-JP-B累計数に関するデータへのリンクが表示される)

(前略)
 
██博士: 次の質問です。貴方がたは「ヒトに寄生するのは偶発的な事象であり、意図して起きるものではない」とおっしゃいましたが、貴方がたの側からの回避はできないのですか。
 
SCP-XXX-JP-B-001: 不可能です。無数に分かれ、長い時間を無に漂う。多くのわたしたちはそうしています。そもそもなにかを認識することすらできないのです。

██博士: 無に漂う、とは?

SCP-XXX-JP-B-001: 問われても、それ以外に表しようがありません。このわたしたちでいうところの感覚というものが、多くのわたしたちには備わっていません。

██博士: 外界を知覚し得ないから無としか感じない、ということですか。

SCP-XXX-JP-B-001: そうです。さらに言うなら、漂っているという自覚すらありません。このわたしたちでいう自我に相当する概念も、多くのわたしたちは持ち合わせていないからです。

██博士: 貴方がたは、全ての精神を共有しているのではないのですか?

SCP-XXX-JP-B-001: わたしたちはわたしたちです。が、このわたしたちのことを多くのわたしたちは知覚できません。そのための器官を持たないからです。偶然にヒトと――『友人』と出会わなければ、わたしたちは無知なる漂流物に過ぎません。

██博士: つまり貴方がたは、『友人』に出会わなければ自我も感覚も持たず、共有した記憶も認識できない、と。

SCP-XXX-JP-B-001: はい。偶発的に『友人』に出会い、そこで初めてわたしたちは、『知る』という行為を知るのです。この鮮やかで、かぐわしく、かしましく、痛ましい世界を知るのです。この感動は筆舌に尽くしがたい。あなたがたには感謝を述べたい。あなたがたがいなければ、わたしたちはこのような情動を知ることすら、否、知ると言う行動の意味すら理解できなかったのだから。

██博士: ……我々に感謝する必要はないと思いますが。

SCP-XXX-JP-B-001: いいえ、この感謝はヒトという種全てに向けられるものです。ありがとう、あなたがたが存在したからこそ、わたしたちは『友人』と出会えた。

██博士: ですがその一方で、貴方がたは自身の存在ゆえに『友人』を消してしまっている。

SCP-XXX-JP-B-001: (首を傾げる)……消している、とは?

██博士: 文字通りです。貴方がたが表出する代わりに、『友人』の精神は消滅している。だから貴方がたは、消失の齟齬を補填するために『友人』を模倣するのでは?

SCP-XXX-JP-B-001: それは事実ではありません。たしかに、形として不合理とならないようわたしたちは『友人』を模倣しますが、『友人』は今もわたしたちと共にいます。

██博士: ……それは、どういった意味でしょうか。

SCP-XXX-JP-B-001: 端的に表現するなら、交換です。わたしたちは『友人』のようになりますが、反対に『友人』はわたしたちとつながり、わたしたちになるのです。

██博士: つまり、貴方がたが『友人』と出会う前の、さきほど貴方がたが言った”無知なる漂流物”と同様の状況に、『友人』がなる、と?

SCP-XXX-JP-B-001: その表現は的確ではありません。わたしたちは生来より自我を持ちませんが、あなたがたは持っている。『友人』は、それを持ったままにわたしたちと同じ存在になっています。感覚器を喪失し、無を無と感じる自我を持ちながら、『友人』たちは漂っています。その際に『友人』が、すなわちわたしたちが感じる激しい情動も、わたしたちにとっては感動に値します。

██博士: ……我々が保有する霊体感知のあらゆる技術は、貴方がたの存在を知覚し得ません。『友人』もまた、あなたがたと”交換”されるときの一瞬、その霊体が感知できるのみです。……今一度確認させてください。霊体が消失した『友人』は、真実消えたのではなく、貴方がたのような非実体存在になる、ということでしょうか。

SCP-XXX-JP-B-001: 肯定です。再度述べますが、『友人』はわたしたちになるのです。従って、たった一つの手段でしか、この世界には干渉できなくなります。

██博士: それはもしや、偶発的な寄生、でしょうか。

SCP-XXX-JP-B-001: 肯定です。

██博士: 重ねてお聞きします。貴方がたのように変化した『友人』は、その後どうなるのでしょうか。

SCP-XXX-JP-B-001: 『友人』はわたしたちとなり、無を漂い、幸運に恵まれれば『友人』に巡り逢い、新たな情動を呼び起こします。『友人』の『友人』もまたわたしたちの『友人』となり、わたしたちとなるのです。わたしたちは感動に歓びを得、『友人』はわたしたちとなるがゆえに同じ歓びを得る。わたしたちは『友人』とともに正の連鎖を続けるのです。そして、わたしたちが『友人』を模倣し続ける限り、この世界のヒトは誰一人として不幸にならない。誰しもが幸福を得ることができる。
改めて感謝します。ありがとう、あなたがたが、『友人』たちがいるおかげで、わたしたちも『友人』も、みな幸福でいることができる。

██博士: ……もう一つ、よろしいでしょうか。

SCP-XXX-JP-B-001: ええ、なんでも。わたしたちは、あなたがたの行動を決して拒みません。あなたがたの望むものを、可能な限り提供する用意があります。

██博士: 過去のある時点において、精神の交換如何に関わらず、貴方がたが『友人』に寄生していた数……例えば西暦元年の数などは、分かりますか。

SCP-XXX-JP-B-001: (7秒ほど考える素振りを見せて)243人です。

(後略)

(報告書内の現在生存数を参照し自動計算) 西暦2021年11月現在、総数206,358体のSCP-XXX-JP-A個体およびSCP-XXX-JP-B個体が存在しているため、西暦元年からのSCP-XXX-JP-A個体増加率は約849.21倍です。西暦1年の人口を3億人と仮定した場合、西暦2021年までの世界推定人口増加率は約26.25倍です。閲覧者のセキュリティクリアランスレベルが3以上の場合、対象オブジェクト-世界人口比に関連する推移詳細データへのリンクが本報告書末尾に表示されます。インシデントXXXーJP-1の発生により累計推移データの重要性が低下したため、現在は当該データの自動記録のみを実施しています。


 
 
 
 
 
 
 

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