Suzuran 1
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アイテム番号: SCP-2000-JP

オブジェクトクラス:Safe Explained

2046年6月30日 本オブジェクトはExplainedにクラス変更され、財団の管理を外れました。本オブジェクトは現在収容されておらず、再収容の予定はありません。以下に収容当時のアーカイブを残します。

特別収容プロトコル: SCP-2000-jpは内部に土を十分量入れたガラスケースに収容してください。
また、SCP-2000-jpが排出したSCP-2000-jp-aは数週間毎に取り除き、代わりに十分量の土を加えてください。

説明: SCP-2000-jpは体長約15cm(測定時期により多少変動)の環形動物様実体です。
その姿はフトミミズに酷似していますが、生殖機能は見られません。
以後、SCP-2000-jpの身体的特徴を形容する際にはミミズのそれに倣うこととします。

SCP-2000-jpは鉱物を摂取した時にその異常性を発揮します。SCP-2000-jpは口腔から鉱物を摂取したのち、数分後に肛門からSCP-2000-jp-aを排出します。摂取する鉱物はSiO2を一定割合含む必要がありますが、多少の不純物は体内で処理されずに排出されます。
SCP-2000-jp-aは白色の粉末です。毒性はありませんが、これを摂取した人間はこの粉末を非常に美味であると認識し、また他のいかなる食物を摂取する際にもその上に振りかけようと欲するなど、ある程度の依存性が確認されています。

SCP-2000-jpは1907年、日本の██県██郡の村落北部に位置する祠で発見されました。
当時周辺の治水工事に伴う立ち退きに住民が反対しており、住民の一部が「我々は神秘の塩に守られている」といった発言をしていたことから、財団職員である山城只助博士が調査に踏み切りました。
祠からはSCP-2000-jpおよび多量のSCP-2000-jp-aが発見されました。住民に対する聞き取り調査および実験からSCP-2000-jp、SCP-2000-jp-aの異常性が確認され、収容に至りました。
住民はSCP-2000-jp-aを日常的に摂取しており、この存在をもって近隣の村に対する優位性を確保していたと考えられます。
村落および近隣の住民には、周辺の工事が完了したのちに財団による記憶処理が行われました。

科学分析の結果、SCP-2000-jp-aは高純度のL-グルタミン酸ナトリウムであることが判明しました。加えてSCP-2000-jpの生態がフトミミズとほぼ同一であり、収容を妨げるような異常性を示さないことから1907年2月をもってSafeクラスのオブジェクトとして認定されました。

1908年、池田菊苗氏が上記のL-グルタミン酸ナトリウムの単離に成功しました。このことからSCP-2000-jp-aの持つ特性はあくまで化学的なものであることが確認されました。
これによってSCP-2000-jpの持つ異常性を疑問視する声が上がり、クラス変更について小規模な会議が開かれました。会議では山城博士の
「SCP-2000-jpには依然として現代科学で説明不能な性質が存在し、未検証の性質が存在する可能性も高い。一つ一つは軽度であるが、それらが共存することによって複合的な異常性を発揮していると考えられるため、SCP-2000-jpの持つ異常性及び異常可能性の大部分が損なわれない限り、取り扱いを改めるべきではない」
との発言が尊重されることになり、クラスの変更は見送られました。

この時山城博士が提起したSCP-2000-jpの異常可能性は以下の通りです。
1.SCP-2000-jp-aの生成は熱力学を超越した反応である可能性がある。
2.SCP-2000-jp-aの生成は常温核融合反応に該当する可能性がある。
3.SCP-2000-jpは起源を現行生物と異にする生命体である可能性がある。
4.SCP-2000-jpの寿命は不明であり、不死性を有する可能性がある。

これらを確認する実験は度々計画されましたが、実験コストに対して優先度の低い案件であるため延期ないしは中止されました。

補遺: 2046年3月14日、近年の科学の発達から財団日本支部が保有するオブジェクトの扱いを見直すことが一部サイト内で提案されました。SCP-2000-jpもその対象となりましたが、職員の山城真弥博士がこのオブジェクトの異常性を確認する実験を強く志願したため、数人の助手をつけての実験が行われました。

実験1:SCP-2000-jp-a生成に伴うエントロピー変化
実験日:2046年3月20日
実験責任者:山城真弥博士
手順:SCP-2000-jpを熱的に隔離されたケースに収容し、SiO2を与えてSCP-2000-jp-aを生成させる。与えた試料と得られた物体の質量と熱の発生を確認する。
結果:実験系のエントロピーは問題なく増加した。
これにより、当該反応は一般に知られる熱力学において十分説明できるものであることが確かめられた。

実験2:SCP-2000-jp-a生成の詳細
実験日:2046年3月27日
実験責任者:山城真弥博士
手順(概ね実験1に同じ):試料となるSiO2に反応探知素子を混入させ、体内でのSCP-2000-jp-a生成反応を直接観察する。
また外部から放射線測定を行う。
結果:反応は体組織を広義触媒とした常温での原子核変換であることが確認された。
原子核変換は2038年にBrunerらによって確認されており、それが生体および準生命体において行われることも2042年に開かれた遺伝子ポテンシャル研究会議(GPRC)において大型計算機「Trillion」を用いて予測されている。

実験3:SCP-2000-jpの起源の調査
実験日:2046年5月15日
実験責任者:山城真弥博士
手順:外部からの非破壊観測によってSCP-2000-jpの構造を解析する。
結果:SCP-2000-jp-aは上記のGPRCにおいて存在が予測された「自然絶滅型準生命体(安定した生活環境からかつて有していた生殖機能が損なわれた生物の総称)」に分類されることがわかった。また、類似の例が一般の学会においても数件発表されている。

追加実験3-1:SCP-2000-jpの複製可能性の確認
実験日:2046年6月12日
実験責任者:山城真弥博士
手順:実験3で得られたSCP-2000-jpの体組織構造をもとに、同一の構造を無機材料から合成する。
結果:問題なく複製に成功。SCP-2000-jp-aの生成も確認された。
この実験は2041年にKlaudiusらが発表した「非生物のみによる生物の創造」をもとに、その後確立された生命複製の手順に従って行われた。
SCP-2000-jpには生殖機能が存在しないものの細胞内に遺伝子が存在し、これを用いてクローン式の複製も可能であると考えられる。

以上の実験から、かつて提起されたSCP-2000-jpの異常性のうち3つは現代において一般に流布した科学をもって十分に説明可能であると判断されました。
これを受け2046年6月30日、SCP-2000-jpはクラスがExplainedに変更され、財団の管轄から外れました。オブジェクトは山城博士の希望に沿って、博士が個人的に飼育することとなりました。なおSCP-2000-jp-EXの一般学会への発表は、財団の秘匿性保持およびこの生物に対する学術的価値の低さから無期限に見送られています。

2046年12月20日、山城博士からSCP-2000-jp-EXの死亡が報告されました。死因は不明ですが、発見時の様子から老衰であろうとの報告を受けています。


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