高望み

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アイテム番号: SCP-XXX-JP Level 4/XXX-JP
オブジェクトクラス: Neutlalized(推定) 機密

特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPは無力化されたと考えられている為、現在の時点では収容する必要はありません。

説明: SCP-XXX-JPはレベルIX現実改変実体でした。SCP-XXX-JPは愛知県██市に住んでいた「鏡 ███」という2018年当時17歳の少女と同一の実体であり、対象は自身の能力を半年程前に手に入れたと証言していました。

対象は際限のない現実改変を起こす事が出来ました。実際の確認と証言から、

・物体、事象、過去の発生、消失、改変
・あらゆる認識の改変
・一般的に「魔法」や「超能力」と呼べる類の能力1の保持

が確認されており、対象は「自分のこの力を消す事以外ならなんでも出来る」と証言していました。

発見経緯: SCP-XXX-JPは、自身の能力を消すという目的の為に、能力を使い財団を特定し、自ら財団との接触を試み、対象はまず財団サイトの警備員と接触しました。警備員は異常を報告し、エージェントがインタビューに臨みました。以下がその記録です。

<録音開始>

インタビュアー: エージェント・ハシラ

エージェント・ハシラ: 君が異常な能力を持っていて、その能力をどうにかする為に、自ら財団に接触しようとしたっていうのは本当かい?

SCP-XXX-JP: はい。…疑っているんですね。

エージェント・ハシラ: そんな事は無いさ。

SCP-XXX-JP: 私は、あなた方の施設を攻撃する為に内部に侵入しようとしている訳でも無いですし、その、要注意団体?ワンダーテインメント博士?とも無関係です。私は、私の意思でここに来ました。

エージェント・ハシラ: …君は人の心を読む事が出来るんだね。君の言う「力」というのはそれの事かい?

SCP-XXX-JP: いえ、違います。私は、私の望むことなら何でも出来るんです。

エージェント・ハシラ: 何でも?じゃあこのペンを消して、また出現させ…

(エージェント・ハシラの持っていたペンが消失する。5秒後、ペンが机上に出現する)

SCP-XXX-JP: これで理解できましたか。

エージェント・ハシラ: …なるほど、じゃあ次は…

(この後エージェント・ハシラは数回に渡ってテストをする)

エージェント・ハシラ: …分かった。君の処分については後々決めていくが、取り敢えずもっと詳細な実験をする為に収容サイトに搬送しよう。…どうかしたかい?

SCP-XXX-JP: いえ…その…

(SCP-XXX-JPは顔を伏せて震えている)

エージェント・ハシラ: 体調が優れないかい?もしかして、能力を酷使すると身体に影響が…

SCP-XXX-JP: 違うんです…苦しいんです…自分が、自分の力が、こんなにも怖がられてるって、理解する事が…

<録音終了>

度重なる実験、調査、インタビューにより、SCP-XXX-JPの能力は明らかになりました。また、対象は過去に、自身を虐めていた同級生を殺害した事があると分かりました。SCP-XXX-JPは典型的な鬱の症状が見られます。精神の不安定は、能力の行使を招く危険があり、重大な問題として捉えられています。

インタビュー記録XXX-JP-05

<録音開始>

インタビュアー: 海博士

海博士: 調子はどう?

SCP-XXX-JP:

海博士: 大丈夫よ、私は貴方の味方。貴方の力をどうにかする為に、協力する味方だから。

SCP-XXX-JP: …私、何でここに来たのか分からなくなりました。ここの人も、みんな、私の事が嫌いなんです。

海博士: そんな事…いや、大丈夫よ!そもそも、貴方が能力を使おうとしなければ安全なんだから。それが分かれば誰も怖がったりしないわ。

SCP-XXX-JP: …もう嫌なんです。

海博士: …貴方の今までを考えれば、そうなるのも分かるわ。でも、貴方は偉いわ。自分の能力が強力過ぎることが分かってて、それを使わないでいられることが。

SCP-XXX-JP: 先生は、素晴らしい人だと思います。でも、同時に愚かだと思います。こんなにも恐ろしい力を持った私を、心の底から信用しているんですから。

海博士: 愚かでもいいわ。貴方を収容する唯一の方法は、貴方を信用する事だからね。

SCP-XXX-JP: 先生、世界は広いんです。財団も大きな組織です。誰もが私を信用する事なんて、無いんです。そしてこの恐ろしい力を使えば、それが簡単に…

海博士: でも、そんな事はしないわ。だって、貴方は優しいんだもの。

SCP-XXX-JP: …そんな事はありません。私は、こんな私が、世界に認められて良い訳が無いから、今の状態でいるだけなんです。…そして、もう限界なんです。

海博士: …私なら、幾らでも力になるわ。他のプロジェクトを後回しにしてずっと貴方の話し相手になってもいい。貴方はひとりじゃない。私が…

[こちら管理局。海博士、余り感情的になってはいけません。また今の発言は不適切です。今すぐインタビューを終了し、適切な処置を受けて下さい]

海博士: …イヤね、私ったら。それじゃ、行かないと。

SCP-XXX-JP: 先生…その、私のせいで…

海博士: 何言ってるのよ。別にちょっと説教されるだけよ。それじゃ、また会いましょう。

(海博士が部屋を出る。ドアが閉まった後、SCP-XXX-は小さく啜り泣く)

<録音終了>

上記のインタビューの後、SCP-XXX-JPが収容室で死亡しているのが見つかりました。原因は心肺停止であり、何らかの道具が使われた形跡はありませんでした。対象はNeutralizedに再認定されましたが、対象の死体は蒐集院のエージェントによる呪術的な方法で保管されており、対象が過去に住んでいた地域の再調査が行われています。

海博士のメッセージ

これは私の個人的主観による報告です。

彼女、SCP-XXX-JPは、財団に来た理由が分からなくなったと言っていました。彼女は、人殺しという間違いを二度と犯さないよう、能力を消す事を願いましたが、財団でも、彼女は受け入れてもらえず、更に悪い事には、自分の能力がどれだけ恐ろしいものかというのを、嫌という程認識する事になりました。

彼女は耐えきれず自殺しました。多くの職員が「XXX-JPはまだ生きている」と言います。ですが、彼女はきっと、この世界と自分の手に入れてしまった能力に絶望し、自ら命を絶ったのです。

確かに彼女は、恐ろしい能力を持っていました。彼女がその気になれば、自身に敵対するモノを全て消す事も、世間の自分に対する認識を変える事も出来たでしょう。自分の望む結果だけを引き出す事も、暴威と快楽の限りを尽くす事も出来たでしょう。

でも彼女はそれらをしませんでした。彼女が幸せになれる望みは、世界や財団から恐れられる彼女にとっては、能力を使う事に恐怖を抱いた彼女にとっては、何人かの人間に「死んでくれてスッキリした」などと言われた彼女にとっては、きっと、高望みだったのでしょう。


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