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アイテム番号: SCP-1511-JP
脅威レベル: 赤 ●
オブジェクトクラス: Keter
特別収容プロトコル: SCP-1511-JPは、計10例のサンプルを除きミーム殺害エージェントにより終了されなければなりません。サンプルのSCP-1511-JPは、サイト-81AZの収容区画-1511-JP内の、中型収容コンテナに収容されています。コンテナ内には冷凍冬眠装置が存在し、オブジェクトはこの内部に格納されます。オブジェクトの異常性を考慮し、収容区画-1511-JP内への侵入は収容違反時を除き許可されません。
未収容のSCP-1511-JPの確保・終了のため、機動部隊つ-10("迷子センター")が毎月第2水曜日、全国の孤児院の調査に充てられます。部隊員に対しては、任務直前のレベルB抗認識災害の摂取、および簡易ミーム殺害エージェントの所持が義務づけられます。抗認識災害の副作用を考慮し、これら部隊員は半年毎に更新されます。
孤児院内の全ての視認者は例外なくミーム殺害エージェントにより終了し、サイト-81AZ管理者は、現地の機動部隊つ-10部隊長へ確保されたSCP-1511-JPの処遇を通達しなければなりません。任務の隠蔽にあたっては、任意のカバーストーリーの流布・記憶処理剤の散布を行います。
[SCP-1511-JP-2]
説明: SCP-1511-JPはヒト (Homo sapiens) の幼児を模した実体です。後述の異常性と、オブジェクト自身もフェイズ4段階の認識災害の影響を受けているという点を除き、SCP-1511-JPは非異常性のヒトと同一です。
SCP-1511-JPはクラスII認識災害実体です。この異常性はオブジェクトを中心とした半径10m以内に位置し、それを視認したヒトに対し発現します。オブジェクトの累計視認時間が高くなるにつれて、認識災害の影響は以下のフェイズの通りに深刻化します。
- フェイズ1: 視認直後に発現します。以降、被害者は機械工学・情報技術への関心、メカーニズムの教典――GoI-004C ("マクスウェリズム教会") のものに酷似しています――の一部の暗記、自身の肉体を機械へ置換することへの興味を示します。
- フェイズ2: 累計視認時間がおよそ24時間を超過した時点で発現します。以降、被害者は自身の機械化への高い意欲、身体機械化についての高度な技術の会得、教典の完全な暗記、断片的あるいは大部分の記憶の喪失を、追加で示します。
- フェイズ3: 累計視認時間がおよそ48時間を超過した時点で発現します。以降、被害者は自身の名称として、「ファーザー・タキザワ」を用いるようになります。また、このフェイズへの移行時点で、被害者は金属・工具を調達・作成し、自身の一部の機械化を実行します。この際、被害者が出血性ショックや術後の感染症などを生じず、死亡が現時点で確認されていないことには注目すべきです。
- フェイズ4: 累計視認時間がおよそ72時間を超過した時点で発現します。フェイズ移行に際して、以前までの記憶は完全に消滅し、新たな記憶に置換されます。また、被害者はSCP-1511-JPと同様の性質を持つ、クラスII認識災害実体へ変異します。
記憶処理剤によるオブジェクトの影響の除去は、フェイズ1でも成功した事例は報告されていません。
これまでの全ての事例において、SCP-1511-JPは日本国内の孤児院で発見されています。オブジェクトは全ての都道府県で発見されていますが、特に神奈川県での発見事例が最も多いです。
これらの孤児院において、SCP-1511-JPの異常性は第一に、特性上児童指導員に対し発現します。多くのこれら指導員はフェイズ4へ移行し、認識災害実体として第二に孤児院の児童へ影響を及ぼします。フェイズ移行に際し、特筆すべき支障が生じなかった場合、これら児童もまたフェイズ4へ移行し、結果的に孤児院内に教会が形成されることとなります。
SCP-1511-JP-1は、日本国内の孤児院の周辺に不定期に出現する、ヒト型実体です。SCP-1511-JP-1の人相は不定ですが、財団が確認したものでは指紋がどの例も一致していること、また監視カメラから確認された映像より、SCP-1511-JP-1は単一の変身能力者であると断定されています。
後述の振る舞いから、SCP-1511-JP-1はSCP-1511-JP・GoI-004Cの関係者であると推測されています。オブジェクトと「ファーザー・タキザワ」との関係性は、不明です。
確認された全ての例において、SCP-1511-JP-1は徒歩で孤児院周辺に出現し、入り口付近にSCP-1511-JPを配置します。SCP-1511-JP-1は頻繁に監視カメラで確認されるもの、その異常性上捜査は失敗しています。採取された指紋は既知のものと一致せず、また聞き込み調査でも十分な情報は得られませんでした。現在までのSCP-1511-JP-1の収容は失敗しており、未収容状態です。
「孤児院での不審な振る舞い」を旨とする警察機関への通報が多発したことで、SCP-1511-JPは財団に捕捉されました。翌日に機動部隊が組織され、最終的に計67体のオブジェクトが確保されました。異常性の影響を受けた孤児・指導員・近隣住民・フィールドエージェントは一度財団の管理下に置かれましたが、記憶処理剤の有効性が確認されなかったため終了措置がとられました。
補遺1: SCP-1511-JP-1、および「ファーザー・タキザワ」に関する情報の収集のため、1511-JP研究班はGoI-004Cの信奉者に対し、参考人としてインタビューを実行しました1。
以下は、当該インタビュー記録の内容の書き起こしです。
対象: PoI-151213
インタビュアー: 御坂 結衣、1511-JP研究班班員
付記: PoI-151213は、日本国内で確保されたGoI-004Cの信奉者です。インタビューは、サイト-81AZ・第3記録室で実施されました。
<録音開始>
御坂上級研究員: これよりインタビューを開始します。まず、貴方は教会において、「タキザワ」という苗字の人間と知り合ったことはありますか?
PoI-151213: ……ああ、一人だけ。
御坂上級研究員: では、この中にタキザワ氏はいますか?
[御坂上級研究員が、PoI-151213へ1枚の書類を提示する。書類の内容は、監視カメラより抽出された、これまでに確認された全てのSCP-1511-JP-1の人相である。]
PoI-151213: [数秒沈黙] ……16番だ。間違いない。
御坂上級研究員: ……ありがとうございます。
御坂上級研究員: 本題に入りましょう。まず、貴方はタキザワ氏とどのような関係を持っていたのですか?
PoI-151213: 我々は日本語話者の間でネットワークを構築し、互いへ接触を図っていた。奴もその1人だった。
御坂上級研究員: 知り合い程度の関係だったと?
PoI-151213: ああ。
御坂上級研究員: ……どうやら彼は「ファーザー」2を名乗っているようですが、彼は神父だったのですか?
PoI-151213: ……奴が神父だと?
御坂上級研究員: 貴方の所属時点ではまだ神父ではなかったと。
PoI-151213: いや、奴はとっくのとうに破門されている。まだ活動を続けていたのか。
御坂上級研究員: 何故彼は破門されたのですか?
PoI-151213: 奴は戒律を破り、禁忌に触れた。肉に手を出し、それを用いて御神体の修復を試みたのだ。
御坂上級研究員: ……サーキシズムに?
PoI-151213: いや、奴はそこまでは落ちてはいない。奴は入会中に民営の研究機関に所属していた。我々の間では奴にまつわる噂が流れていたが、……まさか現実に起こりうるとは思わなかった。
御坂上級研究員: 具体的に、彼は何を?
PoI-151213: 子を攫い、顔を変え、脳に自分の記憶を植え込んだ。神父から授かった、あらゆる技術を駆使してだ。それでも……奴の悪行は止まらなかった。奴の記憶は、子に近しい者にも感染るようだった。
御坂上級研究員: ……なるほど。その後、タキザワ氏とその子供は?
PoI-151213: 2人とも山林へ追放した。奴のネットワークへのアクセス権も剥奪した。子に触れた奴らは……再構築しても記憶が消えなかった。結局介錯することになったよ。
御坂上級研究員: ……すみません、最後に1つ。
PoI-151213: 何だ?
御坂上級研究員: タキザワ氏が所属していた研究所の名前を教えて頂けませんか?
PoI-151213: いや……申し訳ないが、あまり覚えていない。名前が長くてな。
御坂上級研究員: そうですか……ありがとうございます。
PoI-151213: ……ああ、でも、研究所のシンボルマークは覚えているよ。単純な形だったし、配色も覚えている。
御坂上級研究員: そのマークを教えていただけませんか?
PoI-151213: ああ。……ちょっと紙を1枚持ってきてくれ。
[PoI-151213の機械化された右腕がコンパスに変形し、真円の描画を開始する。]
<録音終了>
終了報告書: PoI-151213の証言を踏まえ、SCP-1511-JP-1と「ファーザー・タキザワ」が同一人物であること、被害者に発生する記憶が「ファーザー・タキザワ」のものであると推測されました。後日調査班が指揮され、ネットワークの解析を試み事実性を確認する予定です。
ですが、今回のインタビューで得られた最も重要な情報はSCP-1511-JP-1との関連性などではなく、「ファーザー・タキザワ」の過去の所属機関です。これまでに収容された関連アノマリーの特性上、「ファーザー・タキザワ」は高い脅威レベルを有するものと考えられます。 ―― 御坂上級研究員
補遺2: SCP-1511-JP-1のGoI-8101 ("日本生類創研") 所属時の活動内容の調査のため、収容下にある元研究員へのインタビューが実施されました。
以下は、当該インタビュー記録の内容の書き起こしです。
対象: PoI-839102
インタビュアー: 伊佐田 勇吾、1511-JP研究班班員
付記: PoI-839102は、GoI-8101の所有研究施設の1つを制圧した際に、確保された研究員の1人です。インタビューは、サイト-81AZ・第3記録室で実施されました。
<録音開始>
伊佐田博士: PoI-839102、貴方は「タキザワ」姓の研究員をご存知ですか?
PoI-839102: 何人かいるんですが……誰ですか?
伊佐田博士: 男性で、ヒト関連のアノマリーの作成を得意分野としています。
PoI-839102: ……ああ。タキザワ君か。知ってますよ。
伊佐田博士: 彼はどこの研究所で働いていたのですか?
PoI-839102: 確か……B区の第3研究所で、ヒトの研究3をやってたと思います。
伊佐田博士: そこの所在地は?
PoI-839102: いやー、噂話でしか聞いたことがないんで、そこまでは分からないです。
伊佐田博士: ……噂とは?
PoI-839102: 「ロボット人間が来た」って話題になりましてね。顔も自由自在ですし。上からはいつもの顔で過ごせとか言われてたそうですが。
伊佐田博士: なるほど。
<録音終了>
終了報告書:
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任意A任意B任意C- portal:3017567 (01 Jun 2018 11:27)
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