ささやかな抵抗

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アイテム番号: SCP-1087-JP

オブジェクトクラス: Safe

特別収容プロトコル: サイト-81██に設置された標準的人型収容室にSCP-1087-JP-aは収容されます。SCP-1087-JP-aの収容室にはSCP-1087-JP-1特別収容室が併設され、部屋の中央には3台のSCP-1087-JP-1が設置されています。SCP-1087-JP-aにはSCP-1087-JP-1を監視する任務が与えられ、この監視はSCP-1087-JP-a以外によって行われることはありません。

SCP-1087-JP-aは毎日、日本時間の19時から翌日の3時までの間SCP-1087-JP-1の直視による監視を行います。この監視行為は警備員2名以上による監視カメラでの遠隔の監視が同時に行われています。また監視時間帯中にSCP-1087-JP-1特別収容室内の少なくとも半径5m以内にSCP-1087-JP-a以外の人間が存在してはいけません

監視は全てのSCP-1087-JP-1の電源が入れられた状態で行われ、それ以外の時間ではSCP-1087-JP-1の電源は落とされます。万が一監視中にSCP-1087-JP事象が発生した場合、備え付けの緊急連絡用装置を含むあらゆる通信機器は正常に作動しないことが予測されるので、警備員は監視役を1人残し、常駐の担当職員へ速やかに直接の連絡を行ってください。

SCP-1087-JP-aの健康状態はSCP-1087-JP-1の監視任務に支障がきたさぬよう常に管理・維持されます。SCP-1087-JP-aは基本的にSCP-1087-JP-1監視以外の任務が与えられることはなく、身体的・精神的悪影響が懸念される実験・探索任務からは例外なく除外されます。SCP-1087-JP-aにSCP-1087-JP-1監視以外の任務を与える場合はセキュリティクリアランスレベル3以上の職員2名以上と、サイト管理者の承認を得てください。

現在機動部隊さ-8(“廃品回収”) により財団が保管している3台のSCP-1087-JP-1を除いて日本全国に残存するSCP-1087-JP-1の回収・撤去・廃棄が続けられています。

追記: 201█/██/██以前の特別収容プロトコルは以下を参照してください。 また現在の特別収容プロトコルは20██年に発生が予見されている1087-JP発生イベントに伴い改定が予定されています。 - 堀井博士

説明: SCP-1087-JPは特異な超能力付与に関わる事象の総称です。SCP-1087-JP事象は1960年代前半に製造されたメーカーを問わないブラウン管テレビ(以下SCP-1087-JP-1と呼称)を通して影響を受けた人間(以下影響者と呼称)に対して発生します。SCP-1087-JPは196█年から196█年の1年間に集中して発生したとされ、影響者の年齢の9割は当時18~22歳であると判明しています。現在SCP-1087-JP事象は後述の事案1087-JPを除いて最低でも██年間発生していないことが影響者の証言より算出され、影響者に対して付与された超能力は現在まで全て消失し、能力の再現は出来ないことが実験から確認されています。以上より財団が実際に確認しているSCP-1087-JP事象は事案1087-JPの1件のみとなります。

現在判明しているSCP-1087-JP事象の発生条件は以下の通りです。

  • 影響者が自宅にいる。
  • 日本時間におけるおよそ20時~2時の間である。
  • 部屋に備え付けられているSCP-1087-JP-1の電源が入れられている。
  • SCP-1087-JP-1を中心とした少なくとも半径3m以内に影響者以外の人間が存在していない。

上記の条件が揃った状態かつ、完全に不確定な頻度でSCP-1087-JP-1に映っていた画面が暗転した後に砂嵐状態1になります。この時点でSCP-1087-JP-1の電源をOFFにする、電源コンセントを抜く等しても画面の内容に変化は現れず、SCP-1087-JP事象を回避することも不可能になります。画面が砂嵐状態に移行して10秒前後で再度画面が暗転した後に人型実体(以下SCP-1087-JP-2と呼称)が画面に映し出されます。

SCP-1087-JP-2の見た目は黒衣に黒の仮面のような被り物2をしており、流暢な日本語を話すことが出来ます。SCP-1087-JP-2は不明な手段にてSCP-1087-JP-1に映像を送り込み、影響者に語りかけます。この時のやり取りはSCP-1087-JP-2からの一方向的なものであり、影響者からの問いかけ等はSCP-1087-JP-2に対して伝わりません。SCP-1087-JP-2が語る話の内容は影響者によって若干の差異はありますが概ね同じ構成になっています。以下は影響者の証言を元にSCP-1087-JP-2が語る内容を概略としてまとめたものです。

1: SCP-1087-JP-2は自身の存在を宇宙連邦に加盟する、とある惑星の代表者である [翻訳不能。恐らくSCP-1087-JP-2の名前]と名乗る。
2: 地球はその連邦により監視対象となっており、常時情勢を見守られている。
3: 現在地球は危険因子とみなされ、武力を持って侵攻予定であると告げられる。
4: 猶予を10年与える。それ以内にSCP-1087-JP-2の指摘する問題を改善しなければ地球を滅ぼすことになる。
5: 特別に強力な超能力を付与する。超能力を活用して指摘事項を改善すること。

この時危険因子と判断された内容に関しては環境汚染・国家間の紛争・貧富の差・差別や迫害の存在等その他をいずれかもしくは複合的に指摘します。

SCP-1087-JP-2が語る内容を聞いた影響者は、それまで影響者がどのような思想・信条を持ち合わせていたとしても話の内容を真実だと認識します。これはSCP-1087-JP-2によって引き起こされる精神的強制力と考えられています。影響者は大抵の場合超能力発現の試みと指摘事項改善のため社会運動3への参画に傾倒します。影響者の精神影響は最長5年程度の一時的なものであり、時が経つにつれSCP-1087-JP-2が語った内容及びSCP-1087-JP-2そのものの存在を失念しますがインタビューにより容易に記憶は引き起こされ、Cクラス以上の記憶処理によって完全に記憶から消すことが可能です。

SCP-1087-JP-2より付与される超能力は影響者により異なる能力が付与されます。付与される能力に共通する特筆すべき特徴として、発動条件を主たる原因とするその実用性の皆無さがあります。この特性により影響者の内約7割が能力の発現が出来ない、もしくは発現出来たとしても再現することが出来なかったと判明しています。また現在までに確認されている全ての影響者に与えられた能力は再現実験において発現した事例はありません。

影響者に与えられた超能力の種類における割合には明らかな偏りが存在します。特に生命体に対して殺傷・精神影響を与える事を可能とする能力は全体の█%に留まっています。このことからSCP-1087-JP事象はSCP-1087-JP-2による愉快犯説・超能力付与の失敗による計画延期説に大別されますが、全く別の意図があるのではと唱える研究者も存在します人類の拉致・強制徴募4が目的であった事が事案1087-JPにより発覚しました。以下は現在確認された能力の一部抜粋となります。完全なリストはファイル「SCP-1087-JP超能力一覧」を参照してください。

付記: 以下に記載されている能力・発動条件・制約の内容は影響者の証言を元に作成されています。

能力概要: 念じた対象物を自在に浮遊・旋回・移動させる。

発動条件・制約:

  • 対象物が影響者を中心として半径1m以内に存在する。
  • 影響者を中心とした半径2m以内に影響者以外の人間が存在しない。
  • 対象物の重量が40g以下である。
  • 一度に動かせる対象物は1つである。
  • 約10秒以上の連続使用で聴力が完全に失われ、30秒を超えると影響者の健康状態にかかわらず意識を失う。能力の行使を止める・意識を失うことによる強制終了によって聴力は完全に回復する。

分析: 特筆事項無し。

能力概要: 影響者の視界内に存在する対象物の組成を問わず、あらゆる物質を透視する能力。

発動条件・制約:

  • 30秒以上瞬きをしない状況で対象物を視認し続ける。
  • 影響者の鼻先と対象物を接触させる。
  • 1度透視を行うと36~126時間以上経過しないと能力の再発動が出来ない。
  • 能力使用から15秒前後で誰かに見つめられている感覚に陥り、30秒を超えた時点で見つめている何者かが視界に入る。対象物から顔を離すことで消失する。

分析: 視界に入ってくる存在は人のようには見えたが、人間とは思えなかったと証言しています。 - 幸山研究員

能力概要: 特定の生物の視界と同期する。

発動条件・制約:

  • 一般的に座禅と呼ばれる姿勢をとる。
  • 目を閉じ、常に何かしらの独り言を呟く。
  • 影響者を中心とした半径50m以内に存在する、ランダムに選ばれた人間以外の哺乳類及び鳥類の視界と同期する。
  • 対象が範囲内から離れると別の生物の視界へ自動で移る。

分析: 特筆事項無し。

能力概要: 瞬間移動。

発動条件・制約:

  • 1日以上食物を摂取していない。
  • 最低2つ以上の衣服・装飾物を身に着けている。
  • 目を閉じ、移動を希望する場所を念じる。
  • 一度でも影響者が足を運んだことがある場所でなければならない。
  • 一度能力で移動した場所は、再度能力によって移動することは出来ない。
  • 移動した場合、身に着けているものを1つ残して全て消失する。

分析: 特筆事項無し。

SCP-1087-JPは1970年代後半から定期的に発生するブラウン管テレビに映る謎の宇宙人の噂話の調査にあたっていたエージェント中根が、一般人及び財団職員に対して聞き込み調査行った結果その存在が示唆されました。現在確認されている影響者の数は███人であり、財団内部においても██人確認されています。影響者の存在が日本全国各地にて存在し、証言の統一性からも偶然とは片付けられない規模である点から異常性が認められました。現在予備を含めた3台のSCP-1087-JP-1を残しそれ以外を廃棄して回ることで現在の収容手順に至りました。また証言より確認されている全てのSCP-1087-JP事象は日本国内でのみの発生とされ、判明した影響者には調査の後Cクラス記憶処理が施されました。

補遺1: 200█/█/██時点での堀井博士の考察

現在証言の取れているSCP-1087-JP事象に関して懸念がある。それはSCP-1087-JP事象がSCP-1087-JP-2にとって想定外の事態だったとする場合だ。これは影響者に与えられた超能力がまるで使い物にならなかったことから推測される。結局これも結果論でしかないが、本当にSCP-1087-JP-2が地球に侵攻するつもりであればとっくに実行しているだろう。

要するに脅威が去っているわけではない。例えば望む結果を得られなかった研究者は、そのたった一度の試行で満足するだろうか?その結果を踏まえフィードバックをかけないだろうか?これはSCP-1087-JP事象にも同じことが言えると考える。このままSCP-1087-JP-2は引き下がるのだろうか?より完璧な方法をもってして、目的の遂行に移る可能性は?SCP-1087-JP-2の言う「強大な」超能力が世に蔓延した時、今の我々に対処し得るだけの準備が出来ているのだろうか?

いずれにせよ、我々には影響者による更なる証言を収集し、我々財団の下でのみSCP-1087-JP事象を発生させられる環境を整え続けなければならない。

しかし、SCP-1087-JP-2は能力を与えた時期も影響者の年齢も作為的に選んで増やしている割にはどこか見境ない。しかも直接危害を加える能力が極端に少ないことも疑問だ。SCP-1087-JP-2は果たして、本当に我々に対して脅威を与えたかったのだろうか? もしSCP-1087-JP-2の目的が愉快犯でもなく、地球に対する侵攻ですらなかったとしたら……SCP-1087-JP-2は我々に何を求めていたというのだ? -堀井博士


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