Dear Alice

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アイテム番号: SCP-CN-5810-EX

オブジェクトクラス: Explained Neutralized

特別収容プロトコル: SCP-CN-5810-EX は無力化済みであり、 サイト-CN-06 のレベル3物品保管庫に保管されています。

倫理委員会は現在、 SCP-CN-5810-EX の収容プロセスに対し調査を進めています。

説明: SCP-CN-5810-EX はアンダーソン・ロボティクス社の"燕隼チゴハヤブサ"型バイオロイドです。四肢は切除されており、内部システムには大幅な改造が施されています。改造により、 SCP-CN-5810-EX は運動および視聴覚、言語能力を失っています。 SCP-CN-5810-EX の頭部および背部には 9.5mm 標準商用光ファイバーコネクタが 23 個取り付けられており、スイッチングハブに適切に繋げることで、オブジェクトを小型のサーバーとして用いることが可能です。

SCP-CN-5810-EX はアクセスした全てのユーザーに対し、深刻/致命的な傷害をもたらします。ここでのアクセス方式にはダイレクトアクセスやホットスポットリンクも含まれます。伝統的な外部装置でアクセスした場合、対象のハードウェアに電気的損傷をもたらし、ストレージの破損または欠落を招きます。また、神経挿入体ニューラル・インプラントでアクセスした場合、対象の生理神経系に不可逆の損傷を引き起こし、死に至らしめます。中枢神経式でも外周神経式でも、損傷の程度に有意な差は見られません。既知の事例における検死報告によると、対象には極度の脳水腫と脳圧上昇が見られ、数十秒のうちに昏睡および死亡に至ったことが分かりました。

2049 年 6 月 19 日、世界規模かつ 3 日間のうちに発生した 34 件の不審死と、 633 件のネットターミナル破損事故を調べた際に、 SCP-CN-5810-EX は見つかりました。機動部隊-庚午-16("コーナーケース")は初期分析において、 SCP-CN-5810-EX の内部システムは一般的なプログラム言語で構成されており、いかなる超常技術も存在しないと結論付けたため、オブジェクトは「Explained」に分類されていました。

その後、財団のネットワーク監視オペレータ「Theory.AIC」が SCP-CN-5810-EX との関連が強く疑われるメールの入手に成功。メールの内容から、オブジェクトは要注意団体「グリーン・スパロウ財団」と繋がりを持っていることが判明しました。詳細は付録 CN-5810-EX-1を参照してください。

現在、 SCP-CN-5810-EX に対するさらなる解析調査が進行中です。本案件は終了しました。

付録 CN-5810-EX-1:

前置き: グリーン・スパロウ財団の概要

グリーン・スパロウ財団は東アジアから東南アジアにかけて活動する中規模の超常組織です。彼らの活動は「人口抑制」を名分としたテロ攻撃が中心であり、これには異常な物品や製造技術が用いられています。GSFが関与した既知の異常事件は 2014 年まで遡ることができます。

GSFは異常物品を「鳥」と称しており、アノマリーの製造者や技術要員については「育雛者」と呼称しています。また、中心的な幹部はギリシア文字によるコードネームで呼ばれています。

下記のメールは暗号部門によって解読されたものです。原文は標準商用 64 ビット非対称暗号アルゴリズムによる暗号化が施されていました。

2049 年 05 月 31 日
to: Zeta from: 育雛者 KD-342

真に肝心な問題はそこにある。バイオロイドのメンタルコアを何度換えようとも、やつらの最も基礎的な規則を挿げ替えることはできない。強制権を使い、どれだけ反社会的になるよう設定しても、「人間を能動的に殺めてはならない」という命令に背くことはできないのだ。これでは、我々の要求を満たすのは到底不可能である。

したがって、我々は思考の転換を図らねばなるまい。私はそのために、一通りの新システムを構築した。システムには廃棄済みバイオロイドより回収した記憶が 3000 体分保存されている。それはバイオロイドの現実に対する全ての知覚を遮断し、無限にループする臨死体験に没入させる。システムには精細な調整を加えており、精神異常で無力化するのを防ぎ、なおかつ十分なストレスを継続して掛けられるようにしている。これはバイオロイドの自己防衛機制を限界突破させ、あらゆる外部刺激を脅威と認識させる。こうすることで、我々は煩わしいロボット三原則を迂回することが可能となるのだ。

私はラボで小規模なテストを数回行ったが、結果は期待を裏切らないものだった。雛鳥の殺傷力は少しも損なわれず、バイオロイドを介した狂熱のおかげで、まさに鬼に金棒の様相を呈した。私は次のステップとして、海流レイヤー1にファーストサンプルを投入したいと思っている。やつはすぐに翼を広げ、空翔る成鳥に育つことだろう!

雀が喰めば、未来が永らう。

付録 CN-5810-EX-2:

事故日誌記録

日期: 2049 年 12 月 24 日

地点: サイト-CN-06

前記: 2049 年 12 月 24 日 22:23 から 2049 年 12 月 25 日 01:15 にかけて、サイト-CN-06 のネットワークに対する重大なハッキング事件が発生。当インシデントの最中、 SCP-CN-5810-EX は外的要因によって無力化されました。


<記録開始>

<22:23> サイト-CN-06 SCiPNET のセルフチェックシステムが、外部からの不正クセスを検知。直後、数層の外殻ファイアウォールが突破される。ネットワークセキュリティ部門の警備担当 ホール がシステムアラートを受信し、防衛システムを起動する。

<22:31> さらなる攻撃源が出現。ホールは応急予備プランを発動し、ウェブセキュリティ部門のスタッフを招集する。部門主任 エーリカ がイエローアラートを発令。

<22:43> エーリカ主任がネットワーク管制センターへ到着。

エーリカ主任: どんな状況?

ホール: 「稜累」がクラッシュ。初級フィルタリングプロトコルが突破され、いくつかのデータブロックはすでに漏れ出した恐れがあります。たった 30 分で我々のネットワークをここまで弄る者がいるとは、「前代未聞」としか言いようがありません。

エーリカ主任: 敵を阻止できそう?

ホール: それは……困難、本当に困難です。誰も彼もがてんてこ舞いでして、奴らがどんなデコーダーを使ってるのかすら、未だ掴めず仕舞いなんです。

エーリカ主任: Nebula、報告を。

Nebula.aic: こんばんは、エーリカ主任。ネットワークの脅威を確認。数: 31、団体行動、同時進行、危険度高。

エーリカ 主任: あとどれくらい持ちこたえられる?

ホール: おおよそ 2 時間です。

Nebula.aic: 修正、1 時間 18 分。

<サイト-CN-06 管理官 チェン博士がビデオチャットに接続する。>

チェン管理官: エーリカ、状況はどうかね?

エーリカ主任: 楽観はできないかと。敵はかなりの数で、その上訓練を積んでいます。管理官、我々は支援を求めます。

<チェン管理官は画面外の方向に頭を動かし、暫しの間思索する。>

チェン管理官: ハッカーを追えるか?

Nebula.aic: 逆探知は可能、IPをスキャン中です。

チェン管理官: エージェント・ドールに連絡し、支度させるように。アラートレベルをオレンジに引き上げろ。私はもうじき着く。それとエーリカ、私の分のコーヒーを淹れといてくれ。

<23:12> 機動部隊-戊辰-17(“末梢神経Nerve Ending”)の緊急招集が完了。エージェント・ドールが指揮を執る。

Nebula.aic: 9 ポイント をロック済み。追跡を続行中。

エージェント・ドール: 司令部へ。我々は敵情を一切把握できていません。目下のリスク評価では、部隊を二手に分け、2 つのポイントを同時に捜査するのがやっとです。その上、マップ上にありますこの、ゴミ共がうじゃうじゃいる場所から場所までは、本当にクソみたいな距離があります。街の至る所で花が咲いてますよ。つまるところ、隊にはとても多くの、とてもとても多くの時間が必要ってことです。

チェン管理官: 把握した。こちらで十分な時間を稼いでおく。それとドール、万一の場合を除いて、致死的火力の使用は極力避けてもらいたい。事態がスケールアップするのはどうしても防ぎたいものでな。

エージェント・ドール: 管理官、主任。お言葉ですが、あの悪ガキ連中が鉛玉を食らうのは、至極当然なことだと思いますがね。

<23:38> エージェント・ドールが第 1 目標ポイントを制圧したことを報告する。

エージェント・ドール: ここはもぬけの殻です。すべての部屋をくまなく捜しましたが、いかなるターゲットも見つかりませんでした。ドアや窓は厳重にロックされており、他に逃げられそうなルートもありませんね。

チェン管理官: ポイントを間違えたか?

エージェント・ドール: 否と考えます。パソコンを見つけたのですが、何らかのプログラムが今もなお走っているようでして。

<エージェント・ドールは撮影レンズをPCディスプレイに向ける。>

シュルー技術員: こりゃあ、フィードバックシステムだ!

エージェント・ドール: 何?

シュルー技術員: 間違いない、フィードバック型のシステムですよ。簡単に言うと、それは学習し、ユーザーの操作を反復する、非常に基礎的なパッシブAIです。

エーリカ主任: つまり、我々が追う 31 のターゲットのうち、いくつかは仮想マシンに過ぎないってことかしら。

エージェント・ドール: 仮想ターゲットを排除できそうか?

シュルー技術員: 技術的には、非常に困難です。人間とフィードバックシステムが出す操作コマンドには、実質的な差異が存在しませんので。ちょっと、別の方法を考えてみます。

エージェント・ドール: なるべく早くで頼むよ。ネズミ捕りゲームに付き合ってる暇は無いんだ。

<00:11> 機動部隊-戊辰-17 は 5 箇所のポイントを捜査するが、いかなる容疑者も見つけられない。その後、ネットワークセキュリティ部門の指示により、発見したパソコン設備をすべて破壊する。スピードは緩まったものの、サイト-CN-06 SCiPNETの防衛システムは依然として侵襲を受けている。

ファン操作員: データバンク Z-320 のファイアウォールが破れかけています!

エーリカ主任: 畜生!緊急シャットダウンを!

エーリカ主任: 司令部へ、戊辰-17に歩みを早めるよう言って頂戴。

エージェント・ドール: すみませんが、司令部。スーパーマンでもあるまいし、瞬間移動なんてできませんよ。残りのターゲットが多すぎます。道中対応の時間ですら、3時間はかかるでしょう。

ホール: 3時間!?着く頃にはもう、データバンクはお終いじゃないか!

エージェント・ドール: 寝言は寝て言え、馬鹿が!まさかお前、文字が読めないって言うの?お宅の部門名は何?ネットワーク、セキュリティ、部門、でしょうが!このご時世に何でまた、データ番にフィールドワーカーをあてがってるんだ!

チェン管理官: もう良い!全員黙れ、自分の任務を全うしろ!

エージェント・ドール: 管理官、我々は未曾有の危機に直面しています。あらゆる正規プロトコルが失敗した今、非正規なやり口を取るべき時です──故に、私はSCP-CN-5810-EXの利用申請を提出します。

<ネットワーク管制センターは一瞬、静けさを取り戻す。センターのほとんど全員が、ホログラフィック・マップに記されたエージェント・ドールの位置を注視している。>

エージェント・ドール: SCP-CN-5810-EX をデータバンクに入れるだけで良い。いかなる侵入者も即行で排除し、このバカげた防戦を終わらせることができるのですから。

エーリカ主任: 私は絶対に反対です!収容プロトコルに反している!

エージェント・ドール: 他に御意見があるのなら、ありがたく拝聴しますわ。でもその前に、あなたには一つ言っておかなければなりません。皆様にとって、この手のしくじりは初めてではない、ってことを。前回、機密データバンクへの侵入を許したことで、潜伏エージェント 8 名の身元が割られてしまった。全員、撤収することは叶わなかった。彼らは皆、一流のフィールドエージェントだ。あなた方のミスの代償になるべきでは無かったのに。今、我々の手には完全無欠の武器が握られている。あなたの陳腐な憂いによって、再び悲劇を起こすようなことがあれば、私は決して、永遠にあなたを許さないでしょう。

エーリカ主任: 収容違反を故意に起こすと言うの!?

エージェント・ドール: あれは解明済みの収容物に過ぎませんよ。

エーリカ主任: 不測の事態が起きない保証は?巻き添えの恐れだってあるのに!

エージェント・ドール: この手のやり口は既に経験済みです。一度ではありません。

エーリカ主任: 何ですって?そんなのあり得ない!チェン博士、エージェント・ドールの重大な職務違反を告発するわ!おまけに、彼女は「確保・収容・保護」の理念を冒涜したときている。

エージェント・ドール: チェン。

<チェン管理官は直ちに反応を示さず、数分間沈黙を続ける。>

チェン管理官: エーリカ、エージェント・ドールの発言は間違っていない。確かに我々は、 CN-5810-EX を極限状況下の緊急手段とみなし、活用してきた。

チェン管理官: いいや、余計な話は後にしよう。喫緊の課題がまだ山ほどあるのだからな。奴らの次のターゲットは何処だ?

ビリー操作員: F-346 データバンクです。

チェン管理官: CN-5810-EX 収容チームに連絡。オブジェクトをデータバンクの前端通路に配置せよ。ケリを付けるぞ。

エーリカ主任: しかしですね、チェン博士。ネットワークの脅威になり得る収容物を、データバンクの守りに据えるなんて、やって良いはずがありませんわ。

チェン管理官: エーリカ主任。データを守り抜くこと、それこそが君本来の職責ではないかね。

<直後、チェン主幹がネットワーク管制センターを離れる。>

<00:55> サーバーストレージスペースへの SCP-CN-5810-EX の配置に成功。

<00:57> 侵入者と SCP-CN-5810-EX が遭遇。

マンティス操作員: シグナル消失、やりました!

ファン操作員: ただいま、Z-320 の消毒プログラムを再起動中。

ストレンジャー技術員: 外部リンクを切断している。残り 3 個 —— 1 個 ……待て、こいつはまだオンラインだ!

ホール: そいつは今、どこに?

ストレンジャー技術員: 5810 !奴は 5810 に向かった!

エーリカ主任: ああもう!管制センター、収容チームを呼んで。すぐにリンクを切るのよ!繰り返す、 5810 のリンクを直ちに切断せよ!

<00:58> SCP-CN-5810-EX が突如、内部より眩い光を放射。収容チームメンバー1名の眼球を火傷させ、監視カメラを破壊する。

<01:00> SCP-CN-5810-EX が自発的に発火。

<01:15> ストレージスペースの火災が収まる。検査の後、オブジェクト主任 リー博士により SCP-CN-5810-EX の無力化が宣言された。

<記録終了>

付録 CN-5810-EX-3:

    • _

    インシデント CN-5810-EX-2 に対する調査の結果、ネットワーク襲撃事件の参加者は次の1名のみであることが確認されました:ヘルナンド・ソング、男性、1989 年生、未婚、元アンダーソン・ロボティクス チーフAIデザイナー。"燕隼"型を始めとする高自律性バイオロイドのメンタルコアは彼の率いるチームを源流としています。

    インシデント CN-5810-EX-2 における最後のシグナル源を追跡したところ、ヘルナンドの所有する別荘に到達。地下室の破損したスーパーコンピュータの前で、彼の遺体が発見されました。検死報告により、ヘルナンドの死は SCP-CN-5810-EX の異常性に起因すること、死亡時刻は SCP-CN-5810-EX の無力化と同時刻であることが判明しています。

    インシデント CN-5810-EX-2 の終結後、収容チームは SCP-CN-5810-EX の記憶ストレージモジュールにおいて、以下の音声記録が添付されていることを発見しました。音声記録の声はヘルナンドの音声特徴と一致しています。

      • _

      財団よ。諸君が聴いていることは分かっている。私がバイオロイドに知恵を加えたのは、彼らに自由を与えてやりたかったからだ。それなのに、君たちは彼女をバーチャルの悪夢の中に、丸々 6 ヶ月も囚われるがままにしていた。あの子は君たちの殺人マシンなどではない。あの子は最初から、誰かを傷つけようなんて思っていなかった。君たちの「抑制プログラム」はハナから何の効果も無い。傲慢な諸君の目の届かぬ所で、あの子の意識ははっきりと保たれていたのだ。あの子はすべてを知り、すべてを感受していた……君たちが彼女にしたことも、そして、君たちが彼女に殺させた、73人のことも、一切合切だ。

      君たちは結局、何を守っていると言うのか?これもすべて、君たちの思い上がり故か、それとも、何もかもを掌握しようとする、独善性のせいだろうか。それでも、自由を願う魂を永遠に閉じ込めることはできない。指の隙間から入り込む光を、掴み取ることができないように。私一人の力は薄弱だが、私は己のすべてを燃やして、その醜い化けの皮を剥ぎに行くつもりだ。

      ごめんな、アリス。僕は間に合わなかった。けれど、怖がらないで。君は今、自由になった。一緒に行こうじゃないか。争いと苦痛の無い、安寧と幸福だけの土地へ。

      さあ、僕の手を握って。

      誕生日おめでとう、アリス。

      君を心から愛しているよ。

      [空白]


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