明闇

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アイテム番号: SCP-XXX-JP

オブジェクトクラス: Safe Euclid

特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPはサイト-81██の3.5m×2.6m×3.0mのSCP-XXX-JP-1に保管してください。また、収容室の隣に同じ寸法のSCP-XXX-JP-2にDクラス職員を1人、居住区として派遣してください。その際、SCP-XXX-JP現象について伝え、SCP-XXX-JP現象が発生した場合、新たにDクラスをSCP-XXX-JP-2に派遣してください。

説明: SCP-XXX-JPは8×22mm、倍率8倍である███████社製の市販されてある物と相違ない双眼鏡です。SCP-XXX-JP自体には異常性はなく、一般的な双眼鏡と同様に使用できます。SCP-XXX-JPは約3.5m×2.6m×3.0mの密室状態の部屋(この状態の部屋をSCP-XXX-JP-1と呼ぶ)に置かれていると、5分間1人でいた人間の意識を喪失させる現象(以下、SCP-XXX-JP現象と呼ぶ)を引き起こします。

SCP-XXX-JPは██ ██失踪事件の調査の際、発見され、同様の事件でも確認されていたことから確保、収容されました。

SCP-XXX-JP現象は、対象の人間の意識が喪失してから1時間を指します。SCP-XXX-JP現象を終えた後、対象の人間は消失します。

以下は実験ログです。

実験記録: XXX-JP-A - 日付: 20██/██/██
対象: D-490290

実施方法: 対象をSCP-XXX-JP-1内で5分間滞在させSCP-XXX-JP-1内の定点カメラで観察。

結果: 対象は意識を喪失、1時間動きを見せず、後に消失。

分析: 想定内の反応。実験毎にDクラスを消費するのは望ましくないが、完全な収容のため、これを基準に実験を続ける。
-暁博士

実験記録: XXX-JP-B - 日付: 20██/██/██
対象: D-490291

実施方法: SCP-XXX-JP現象中にSCP-XXX-JP-1内へ侵入を試みる。

結果: 侵入を試みたところ、扉が開かず、如何なる方法を用いても、扉の開放、破壊は失敗し、SCP-XXX-JP現象は遂行された。

分析: 観察は出来るが、干渉は出来ないようだ。
-暁博士

実験記録: XXX-JP-C - 日付: 20██/██/██
対象: D-490292

実施方法: 対象に通信用トランシーバー、GPSを持参させる。

結果: SCP-XXX-JP現象発生前は連絡が可能だったが、発生後、連絡が途切れた。現象終了後の消失時、トランシーバー、GPSが対象から落下。消失先の特定は不可能だった。

分析: 衣服を除いて所持品は消失しないようだ。これ以上の実験はただDクラスの浪費で終わるため、これ以降の実験はとりあえず終了することにする。
-暁博士

事案XXX-JP-α: 実験記録:XXX-JP-Cから1週間後、サイト-81██から██km離れた一般住宅にて8歳の██ ██が消失しました。██ ██の部屋からSCP-XXX-JPが発見されたため、SCP-XXX-JP現象が発生したと断定されています、これにより、SCP-XXX-JPには転移能力があると確認され、追加実験により、オブジェクトクラスの変更、特別収容プロトコルの改訂が行われました。

██ ██の保護者の██氏には記憶処理が行われました。

追加実験 - 日付: 20██/██/██
対象: D-490294

付記: 実験は事案XXX-JP-αから1日後に行われました。

実施方法: 対象をSCP-XXX-JP-1の隣にSCP-XXX-JP-1の条件を満たす部屋(これをSCP-XXX-JP-2とする)を用意し、対象を滞在させる。

結果: 実験開始から6日後(事案XXX-JP-αから1週間後)、SCP-XXX-JPがSCP-XXX-JP-2に転移、その5分後、SCP-XXX-JP-2でSCP-XXX-JP現象が発生した。

分析: どうやら現象発生から1週間以内に新たな現象が発生しないと、近くの条件を満たした部屋に転移するようだ。これを基に特別収容プロトコルの改訂を要請する。
-暁博士

補遺1: 20██/██/██
D-490310を特別収容プロトコルに従い、SCP-XXX-JP-2に滞在させた所、D-490310がSCP-XXX-JP現象から意識を取り戻し、SCP-XXX-JP-1から脱出しました。そのため、D-490310に対しインタビューを行い、その後記憶処理を施し、通常業務に復帰させました。

以下はその時のインタビューログです。

対象: D-490310

インタビュアー: 暁博士

付記: D-490310はSCP-XXX-JP現象から脱出後ひどく狼狽し、精神状況が安定していなかったため、鎮静剤を投与しました。

<録音開始>

暁博士:「落ち着いたかね、D-490310。」

D-490310:「あ、ああ。だいぶな。」

暁博士:「ではD-490310、あなたは、SCP-XXX-JP現象中に何を見たんだ?」

D-490310:「・・・何も見てない。」

暁博士:「はぁ、何も見てないとはどう言うことですか?」

D-490310:「いや、何もないってのが正しいか・・・。俺があの部屋でボーッとしていて、気づいたら・・・。あそこに立っていた。」

暁博士:「あそことは?」

D-490310:「・・・。えーっと、なんて言えばいいかな。ほんとに何もなかったから何て言えばいいかわからねぇんだ。あたり一面真っ白で、自分の影すらない。自分が立っているかどうかすらわからねぇ、とにかく何もわからねぇんだ。」

暁博士:「わかりました。あなたはそこでどうやって戻って来たのですか?」

D-490310:「・・・。」

暁博士:「D-490310?」

D-490310:「あ、いや、思い出したらまた怖くなってな。」

暁博士:「怖い?何もない空間にいたんですよね?」

D-490310:「あぁ、そうだ。だが、あそこの怖さは行ってみないと絶対わかってもらえない。いや、怖いっていうか、もうそれ通り越して絶望感しかなかった。

考えてみな。何も持ってない状態で何もない空間に放り投げ出されたら。右も左も前も後ろもどこを向いても向こう側まではっきり見える。そして、何もない。

逃げようと思うにも、逃げ道なんて見つからない。ヒントになりそうなものも見えない。本当に何もない。

あぁ、くそ、もう俺は死ぬんだって一瞬で思わされた。これだったら暗闇の方が何倍マシだったか。逃げようと思える。探そうと思える。一応の希望を持てる。

あんなに明るいのに感じるのは闇より暗いもの、絶望そのものだった。」

暁博士:「なるほど、よくわかりました。それでD-490310、あなたはそんな絶望の中でどうやって戻ってきたのですか?」

D-490310:「それこそ希望だ。まぁ、みっともない話、足掻きだな。あそこで俺は死にたくない、消えたくないって思いながら必死に前に這ったよ。

そしたら何かにぶつかった気がした。顔を上げると、今まで見えなかった扉があったんだ。もう、頭の中真っ白になってその扉を開けたよ。その先はあんたらも知ってるだろ。」

暁博士:「なるほど、それで脱出できたわけですね。最後にあの空間で何か他に感じたものは?」

D-490310:「あの時はマジで必死だっから・・・。あぁそういえば、なんか時々視線?みたいなのは感じた気がする。」

暁博士:「視線、ですか。」

D-490310:「あぁ、なんとなくだか。」

暁博士:「わかりました。これでインタビューは終了です。」

<記録終了>

インタビューからSCP-XXX-JP現象から脱出は可能であることがわかった。今まで脱出者が出なかったのはD-490310の言う通り絶望からの諦めだろう。これからはDクラスを無駄に消費しないために、事前にSCP-XXX-JP現象について伝えることを推奨する。
-暁博士

補遺2: SCP-XXX-JPの起源の特定はSCP-XXX-JPの特性により、困難だと思われますが、調査で明らかになっている最古のSCP-XXX-JP現象が起源と関係があるとして、現在調査中です。

以下にその時のSCP-XXX-JP現象の状況を記します。

消失者: ██ ██ 10歳
対象は██/██の誕生日にプレゼントととして、母親からSCP-XXX-JPと思われる双眼鏡を購入したことが母親からの情報で明らかになっています。

対象は観察が趣味でよく鳥や、道行く人を観察していたとされています。

消失時の状況: 恐らくSCP-XXX-JP現象時にいたと推測される場所に、SCP-XXX-JP、大人の人間と思われる絵、黒の色鉛筆が床にあったとされています。


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  1. portal:7335958 (30 Mar 2021 23:44)
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