死と転生を運ぶトラック

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クレジット

タイトル: SCP-XXXX-JP - (死と転生を運ぶトラック)
著者: ©sabaku
作成年: 令和4年12月12日から令和5年3月10日

アイテム番号: xxxx-jp

レベル1

収容クラス:

esoteric

副次クラス:

ogiel

撹乱クラス:

dark

リスククラス:

danger

link to memo

特別収容プロトコル: SCP-XXXX-JPの特異性から対象の完全な収容は不可能です¹。担当職員は一般社会からの隠蔽に専心してください。SCP-XXXX-JPが発生した際には目撃者に対しクラスA記憶処理を施してください。消失したSCP-XXXX-JP-Cは行方不明として処理してください。SCP-XXXX-JP-C出現に際しては機動部隊を-7("脚本破り")を出動させ、武力鎮圧の後事情聴取を行ってください。
トラック及びその運転手はそれ以上の異常性を所持せず、異常性の関係上、自動車の運転上必要な注意を怠りよって人を死傷させる行為に該当するため過失運転致死傷罪違反として処理されます。

説明: SCP-XXXX-JPは、日本国内の交通量の多い幹線道路で発生する交通事故に起因する一連の異常現象の総称です。
SCP-XXXX-JPは以下の三つの要素から成り立ちます。

SCP-XXXX-JP-A

日本国内の幹線道路に出現する不定形の貨物自動車

SCP-XXXX-JP-B

SCP-XXXX-JP-Aに付随する時空間異常

SCP-XXXX-JP-C

SCP-XXXX-JP-Aに追突された人間

SCP-XXXX-JP-Aは時間帯にかかわらず、交通量が約4,000台/日以上である場合に限り出現します²。
出現したSCP-XXXX-JP-Aは、10km/hから150km/hほどの速度で走行し、その場を「偶然」通行していた人物に衝突します³。
衝突の瞬間、接触点を中心に半径3mほどの球状の時空間異常が生じ、SCP-XXXX-JP-Cのみが基底世界から消失します。
SCP-XXXX-JP-Cが平行世界に向かったのか、そのまま消滅したのかは現在不明です。
SCP-XXXX-JP-Cは「異世界」と呼ばれる平行世界に転移したことが明らかになりました⁴。

補遺: 20██年5月16日、山梨県██市内にて奇妙な装束を身にまとった男女4人組⁵を地域住民が発見、駆けつけた警官が銃刀法違反により現行犯逮捕を試みたところ「魔法」により応戦され、警察組織に潜伏していた財団職員を通じて財団は収容対象だと判断、機動部隊を-7("脚本破り")の出動により鎮圧されました⁶。
以下は鎮圧された四人組に対する聴取です。

対象: 四人組の内、20代に見える男性。

担当: 松本研究員

付記: 四人のリーダーである、と名乗った人物です。

<録音開始, 20██/05/18>

担当: はじめまして、私はSCP財団研究員の松本です。お名前をお伺いしても？
対象: 火神零月。
担当: すみません。もう一度お願いします。
対象: ひがみ、れいげつだって。
担当: 火神さんですね。単刀直入にお伺いしますが、二日前、あの場所で何をしていらしたのですか？
対象: 知らん。こっちの世界に戻ってきたらあそこにいただけだ。
担当: 「こっちの世界」と申しますと。
対象: もともとはこっちの世界の住人さ。ある日、オレは不運にもトラックに轢かれたんだが、どうやらオレは本来死ぬはずじゃなかったらしい。女神様はその詫びとして異世界に転生させてもらったんだよ。
担当: （メモを取る）
対象: そんで、そこの王様に魔王を倒すように言われてさあ、（直接的に関係がないので割愛）…そんで、討伐の礼としてこっちの世界に戻るための次元間転移呪文を組んでもらってこっちに戻ってきたの。そしたらなんだ、いきなり警察に襲われるわ、こんなわけのわからんところに連れてこられるわ、散々も散々。あーあ、あん時の制止聞いときゃよかった。
担当: （数秒沈黙）…なるほど。本日の聴取は一旦ここで切り上げさせていただきます。
対象: ああ？なんだよ、そっちから呼び出しておいて。
担当: すみません。

<録音終了>

補遺2:財団は上記の記録を含め、4人組それぞれへの聴取を行い、彼らがSCP-XXXX-JP-Cであると結論付けました。
現在、記録にて言及がなされた魔王、魔法、女神などについて研究を行っています。

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  批評コメント批評コメント

  
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  Kigoremon 21 Mar 2023 07:31

  拝読しました。

  全体の印象として「異世界転生(転移)という現象を財団の視点から描写しようとしている」のか、「ラノベ的(なろう的)なイベントと現実世界の混在」を描こうとしているのか不明瞭な印象を受けました。この曖昧な印象はおそらく、-Cの名前や行動が異常性に曝露した一般人としてはやや現実味に乏しいためだと思われます。

  前者の場合、トラックによる異世界転生を財団視点で書いただけでは記事として弱いと思います。財団(作中世界的にもサイト的にも)では異世界との行き来それ自体はそこまで珍しいものではなく、SCP-014-JP-EXやSCP-1760-JPでも王道からズラした上で奥行きを持たせ、より読者の感情に訴えかける内容にしています。

  後者の内容ではSCP-1989-JPが近い方向性の記事になるでしょうか。この方向性で行くのであれば、より明確にその要素を示唆する展開が欲しいところです。

  どちらの場合でも内容が薄く感じられるので、さらに一歩踏み込んでこの記事独自の面白みを出す必要があるでしょう。せっかくの財団創作なのですから、異世界とのコミュニケーション目的で確実な異世界転移のための事故方法を模索するぐらいはやらせても良いかもしれません。

  + 細かい点

  トラックと運転手について

  特別収容プロトコルでは一般人が結果的にトリガーになってしまっているように読み取れますが、説明段階では-A自体も異常存在のように読み取れます。異世界転移自体を現象として扱うのであれば-Aに異常性はなくても良いかもしれません。

  SCP-XXXX-JP-B

  以降この小分類が用いられることはないようなのでなくて良いでしょう。

  基底世界から消失します。

  結果的には確かに異世界に行っているのですが、調査段階では異世界転移よりは同世界での別の場所への転移の方を疑うと思います。その後の一文も含め、「現場から消失します」程度のシンプルな表現で良いでしょう。

  魔法

  -Cがそう呼称していたとしても報告書としては具体的に何をしたのか記述した方が良いでしょう。

  -C

  既に述べた部分とも重複しますが、元こちらの世界の人間なのであれば変な服を着て魔法を使えば捕まったりすることぐらいは想像できるのではないでしょうか。

  以上となります。
  執筆の一助となれば幸いです。

  最後の編集 21 Mar 2023 08:28 by Kigoremon さらに表示

  sabaku 25 Mar 2023 09:57

  批評に感謝します。推敲の参考にさせていただきます。

  最後の編集 25 Mar 2023 10:11 by sabaku さらに表示

  shelted 22 Mar 2023 10:04

  インタビューログで「SCP財団研究員の松本です」と名乗っているのが気になります。

  多くの場合、財団は正体を明かさず「警察（初動担当、再捜査担当）」だとか「医者（カウンセリング担当）」だとかを名乗ります。

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1. portal:7494882 (12 Dec 2021 08:08)

脚注

1. 交通量を制限する試みが提言されましたが、費用及び経済活動の自由という観点から退けられました。

2. 条件を満たしていれば必ず出現するということではありません。東京都、大阪府、愛知県にて多く発生が確認されています。

3. SCP-XXXX-JP-Cには、一般的に「美男美女」と呼ばれる15歳から25歳ほどの人物が多く選ばれています。

4. 補遺参照

5. 騎士、魔術師など風貌自体は様々であるものの、一見していずれも中世ヨーロッパ風の衣装でした。

6. 事件に関与した一般人については全員に対して適切な治療及びクラスA記憶処理を施した後開放しました。