SCP‐XXX-JP 「霊柩船」原案初稿

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アイテム番号: SCP-XXX-JP

オブジェクトクラス: Euclid

説明: SCP-XXX-JPは全長10m、全幅4m、全深さ2mの異常な性質を有した木製船です。

対象は20██年に██県██市██湾に面する█山の洞窟内で係留された状態で完全に停止していたところを付近に通りかかった財団フィールドエージェントによって発見されました。なお、発見された時点で周辺地域の地図にはこの洞窟が記載されず、湾とつながった状態でありながら周辺住民も対象と当洞窟の存在を認識できていなかったことに留意してください。

対象の異常性は、通常の木材を大きく上回る破壊耐性、内部で発見された物品も含めた船全体がその場から移動不可能なことが挙げられます。これらは収容後に担当研究員が実験をした上で証明されました。また、その実験の内容については実験記録EX01-XXXを参照してください。

SCP-XXX-JP-AはSCP-XXX-JPの内部に存在する木製の棺桶です。SCP-XXX-JPと同様にその場から移動が不可能で、強い破壊耐性を有しています。対象はSCP-XXX-JPの甲板部分に合計6個確認されており、材質分析を行ったところSCP-XXX-JPと同様の素材が使用されていることが判明しました。また、微量ですが蓋と本体の間から時空間を歪曲させ、対象を瞬時に移動させる効果のある未知の物質が検出されました。当物質が検出されたことにより、対象に関する更に詳しい調査、サンプルの採取が予定されていましたがその異常性から対象のサイトへの移送は現在見送られています。

補遺1: 財団エージェントによる周辺住民への聞き込みによって、SCP-XXX-JPの存在を認識している人物の発見に成功しました。以下は対象に行ったインタビューの記録です。

インタビュー記録:XXX-01

補遺2: インシデントXXX-I記録

船橋氏へのインタビューから1週間後の20██年█月█日、SCP-XXX-JPを係留していた縄が突如として解けました。同時に対象の甲板部分に外部からの干渉が観測されていなかったにも関わらず7つ目のSCP-XXX-JP-Aが出現し、時速5kmで洞窟の外に向けて移動し始めました。これを肉眼で監視していた数人の財団職員が収容保持のため対象に繋がっていた係留用のロープを引き、洞窟に引き戻そうとしましたが対象が非常に強力な推進力で引き戻しに抵抗したためこの試みは失敗し収容違反が発生しました。なお、監視カメラを通して監視していた職員にはこのインシデントの一部始終は一切認識されておらず、監視カメラには突然SCP-XXX-JPが消失したように写っていたということが確認されています。

洞窟外部に設置された監視カメラにもSCP-XXX-JPは一切写っていませんでした。また対象が洞窟入口に設置された遮蔽壁を実体のない状態ですり抜けるような挙動をしたことから外部への情報漏洩は発生していないと判断され警戒状態は一時的に解除されました。その後財団所有の航空機が発進し、積載されたカント計測器によって周辺空域や海上、陸上でのヒューム値計測が行われましたが、現実性の低下または上昇している地点は発見できず、SCP-XXX-JPは行方不明となりました。現在、SCP-XXX-JPはNeutralizedクラスへの変更が申請されています。SCP-XXX-JPのNeutralizedクラス変更は却下されました。詳しくは補遺3を参照してください。

また、収容違反が発生した同時刻に██県██市██病院にて船橋徹氏の容体が急激に悪化し死亡していたことが判明しています。その際、病院に潜入していたエージェントが船橋氏の病室を捜索したところ、船橋氏が記入したと思われるメモ用紙を発見しました。以下はそのメモの転写です。

20██年█月█日1

病院に入院してからだいぶ経つが、今日はここ最近で最も驚くべきことが起きた!あの、黒いフードを被った背の高い男が訪ねて来たのだ。なんでも、あの時の支払いについて正式な支払い契約を結びに来たらしい。

契約内容は、洞窟の案内料だったか。私は最初、私たち以外にも秘密の洞窟を知っている者が居て、そいつが金を巻き上げようとしているか冷やかしに来ているのだろうと思って相手にしなかった。だが、男が私と話した内容を一字一句違えずに言ったから、こいつは本当にあの時の男なのだと分かったよ。驚くことに彼はほとんど老けていないように見えたが、なぜか聞くと「それにはお答えできません」と言って相手にしてくれなかった。

男はどこからともなく請求書のような紙とペンを取り出した。請求費用が書いてあるはずの場所には何も書いてなかったから、私が書き忘れたんじゃないかと思って指摘すると、男はにっこり微笑んで、「お代は必要ありません」と言ったんだ。じゃあ何のために来たんだい、と尋ねると男はこう言った。「貴方たち7人はもうすぐあの世へ行かれるのでしょう?でしたら、私が貴方たちの門出をより幸せなものにしてあげることが出来ると思いますよ」

男は新たにもう一枚、契約書のようなものを出してきた。そこに書いてある内容によればなんと、私たち7人をあの思い出の船に乗せて天国へと送ってくれるらしい!だが、あまりに非現実的な話だ。本当にそんなことが出来るのかと思ったが、請求費用はまたしてもタダだった。たとえ嘘だとしても、あの時の仲間と共にもう一度あの船に乗れるのなら構わないか、と思った私は契約書にサインをした。
男は満面の笑みで契約書を懐に仕舞うと、「貴方の旅路に幸運を」とつぶやいて病室のドアを開けて出て行ってしまった。

何だったのかはよくわからないが、いずれにせよもうすぐ終わりを迎える私の人生は幸せに幕を閉じるだろう。結局正体は解らなかったが、彼と出会えてよかった。

このメモの内容から、「黒いフードを被った背の高い男」に関してのさらなる情報収集のため、周辺地域での防犯カメラなどを用いた簡易的な捜査が開始されました。

補遺3: ██県██市██湾近辺に存在する██海溝の調査時に発見されたSCP-XXX-JPと推定される木製船について

20██年、SCP-███-JPの調査で██海溝をパトロールしていた財団所有の調査潜水艦が沈没した状態のSCP-XXX-JPと推定される木製船を発見しました。発見当時に潜水艦の乗員がその場で材質分析をした結果、行方不明になったSCP-XXX-JPの材質分析結果と完全に一致したため発見された対象はSCP-XXX-JPであると断定されました。また、その場で撮影・録画された研究資料や動画からSCP-XXX-JPの甲板部分に存在する7つのSCP-XXX-JP-1全てが微細に振動しており、一定のパターンでモールス信号を用いて「けいやくとちがう だまされた たすけて」と繰り返していることが資料を閲覧した研究員の指摘により判明しました。

また、SCP-XXX-JPの甲板部分側面には次のような文章が彫られた銅板が取り付けられていました。

納入書
内容物: 熟れた人間の魂 7つ
仕入れ担当者: ██████2
担当者からの連絡: 全員を非常に幸せな気分で旅立たせることが出来ました。契約が違うなどと言っているようですが、請求費用の欄にはうっすらと小さな字で「貴方の魂」と書いておきましたので問題ありません。きっと皆さん老眼で見えなかったのでしょう。

ところで、7つも熟した魂を納入したのですから…そろそろ昇進の方を考えては下さいませんでしょうか。

これらの情報を元にSCP-XXX-JPの引き揚げが試行されましたが、一切の移動が不可能である異常性によって失敗しました。

現在、SCP-XXX-JPに関するさらなる研究のために██海溝へ簡易サイトを設営する計画が申請されています。
また、船橋氏へのインタビューで言及されていた「黒いフードを被った背の高い男」について未収容の異常存在もしくは物品が存在する可能性が浮上したため、本格的な捜査の開始を申請中です。


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  1. portal:7473174 (16 Sep 2021 05:32)
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