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クレジット
タイトル: 美食家グルメとイバラード
著者: ©︎Redimal_mush013
作成年: 2022
http://scp-jp-sandbox3.wikidot.com/draft:redimal-mush013-1
目が覚めた。今のいままで、夢を見ていた、ということを実感する間もなく「夢」についての記憶は霞がかかったようにぼやけてしまった。自分はどんな夢を見ていたのだろうと思い出しながら、無地も糞もない真っ白な天井から目を背けて身を起こす。
ベッドに残る匂いは自分の体臭とお日様、そして汗の匂い。しかしそんな臭いものでもなくやがて二度寝を手招きする妖精が現れていた。だがそんなものに負ける自分ではない。いつもの癖で頬を思いっきり叩くのだ。
パチン。
部屋には寝起きであたたかい手のひらと何故かつめたい頬が弾ける音がした。
「朝ごはん…」
そうだ。朝ごはんを用意していなかった。今日は休日であるが、昨日の疲れが取れず着替えてシャワーを浴びてベッドに突っ伏したんだったな。 早速僕はいつもの服装、黒のジャケットとマスクをつけ、財布と袋をポケットに詰め込むと早朝の街に繰り出した。
早朝の街は、なぜか活気があった。その理由はいろいろ考えられる。
・今日は新王の即位式である。ここ片田舎では国民総出でそれを祝うのだが、都会ではいそいそと働く労働種と知能種ばかりでそんなことを気にしていられる余裕は無いそうだ。
・新しい植民地星が見つかった次の日。僕らのトルヒたちはは近年ではどんどん数が増えて飼育場が手狭になってきていると聞く。個体全てに管理が行き届かねばそれだけ不衛生な肉になるわけだから、全てを安全に育てられる場所が増えたのは国民に取って喜ぶべきことだ。
・トルヒたちの旧支配からの独立記念日。かつて私たちはトルヒという食料ごときに統治、飼育されていた過去がある。今でさえ敬意を持つべき動物だが、そういう日があっても良いだろう。
市電に乗って街をブラブラ散策する。自分が生まれ育った街なのにも関わらず、意外と知らない裏路地が存在するものだ。赤、黄、緑とカラフルな軒をところ狭しと並べる商店街では更に活気ある声が響いていた。
「えー早朝出荷!とっても新鮮、早朝に卸された新作モデルのトルヒだよーっ!」
「ねぇねぇこの骨グッズめっちゃ萌えるくない?特に肩甲骨とか!」
「やべー課題終わってねぇ。内臓わからんから俺、ガチのトルヒ買ってきて捌くわ。」
学生の声も多く聞こえる。こんな朝早くから外出とは、新しいグッズでも売り出したのだろうか。そう思いながら散策していても、足は自然にいつもの路地裏の精肉店へと向かってゆく。その正面にあるショーウィンドウにはスーパーで買うよりずっと高いのに
「大特価 純正トルヒ30000スコル」とある。いつもは見ない張り出しに余計興味を覚え、僕は重厚そうな木製ドアをゆっくりと開ける。
チリンチリン。
???:「おや、いらっしゃい。トアちゃん。久しぶりね。」
僕:「ああ、マスター。最近は仕事が忙しくてテイクアウトばっかりしてたんだ。」
マスター:「そうなの。テイクアウトと言うと、『オーガンイーツ』っていうのかしら?うちも助かってるわ。」
僕:「そうだな。まあ金はかかるが新鮮でいいサービスだよ。ところでマスター。前のショーウィンドウは何なんだい?前に派手な広告は出さないって呟いてたくせに。」
マスター:「ああ、あれはね、『特別なお肉』が手に入っちゃったから勢いで貼っちゃったのよ。剥がすのも忍びないからそのまま…」
僕:「ちょっと待て。『特別なお肉』って?気になるんだが。」
マスター:「やっぱり気になるわよねぇ。今回の目玉商品は…『原種』よ。」
僕:「!?原種だと…? 純トルヒなど、とっくの昔に絶滅してるはずだが…」
マスター:「それがね、まだ政府の冷凍庫にあるらしくて、裏の卸店会合でお偉いさんが特別にって安く仕入れてくださったのよ!やっぱりお肌のケアのおかげかしら〜!!しかもこれ、息があるのよねぇ。」
僕:「活き造りか…ワクワクしてきた、というか何言ってんだ、自分から根回ししといて。」
マスター:「あら〜バレてた?しばらく溜めてたお金を握らせたら簡単にOKしてもらえたわ。ざっと20000スコルくらい?」
僕:「握らせた額に比べて、随分とお高くなってるんだな。この原種。一体どういう風に残ってたんだ?」
マスター:「やっぱり最近裏の世界で活躍してる『ドミノゾーン』かしら?なんでも良質なトルヒ飼育場から抜け出した個体たちで、マフィアたちは次々とトルヒを解放して回る彼らを捕えようと血眼みたいよ。ま、わたしには関係ないけどね。」
僕:「それが元ハンターの言うセリフかよ。そんなことまで知ってるなんて、すごいなマスター。そしてさようなら。」
マスター:「えっ?トアちゃん何言っ」
ドン。
マスターが全てを言い終わる前に、俺はマスターの額に鉛玉を1発、打ち込んだ。明かしていなかったが僕の本当の仕事は、「特別肉用種保安管理官」と言うのだ。
その実態は複数のロックと立ち会人変更により秘匿されており、やっとのことで代理人に会えるくらいだという。が、僕は実際ここで暮らしているのだ。実はあの店のマスターは「世界維持型多様生物保護法」により指名手配されている不法なトルヒの取引を行う店長だ。店舗は巧妙に不定期変更されて国でさえ尻尾を少しも掴めない。
「圧力をかければかけるほど、ウイルスはすり抜けやすくなる」
僕の座右の銘。その通り、国には一旦手をひいてもらい、僕が客として潜入する。いくら勘のいい奴だって自分の利益しか考えていない。分かっていても保身のために密告などしないのだ。
そうこうしているうちに、朝食と昼飯も調達
出来た。管理官の押収品には誰も手出し出来ず、処分しようが懐にしまおうが勝手なのだ。
「さて、原種のオスメスとドス黒いマスター。どっちから料理するかな。こんなかさばるもんは持ち帰るのに一苦労しそうだ、車を呼ぼう。傷をつけたらそいつも晩御飯にしようかな。楽しみ。」
しばらく運転させて5分ほど。配達業者はひきつった笑顔を貼り付けて消えた。残念ながら、晩ごはんは自分で作るしかないようだ。
早速朝ごはんを作ろう。だいぶ遅めになってしまったが、誰も咎めるものはいない。上の棚から2メートル弱の血抜きの器具を用意した。
まずはオスから。まだ生きているので慎重に扱わなければいけない。彼は大型の牛刀を研ぐ僕を見て、恐怖心にまみれているようだ。おっと、少し興奮してきた。早めに終わらせよう。頭を下にして足首をベルトで血抜き台に吊るす。そして首の両側の血管にメスを入れる!!!クゥ〜ッ!!!!気持ちいい〜。
トルヒはあらかじめ打っておいた薬でしばらく死ねないのだが、痛みは感じる。喉が張り裂けんばかりの絶叫とともに、血受け皿に大量の血を流す。ああ、なんて快感なのだろう。おっと、額の方に液体が流れてきた。これは旧文化でいう…ナミダ、かな?これがまた自然の調味料になるんだ、舐め取ってあげよう。額や鼻筋、目を丹念に舐めてあげる僕を見て、彼はもう恐怖を超えて絶望しているようだ。声も出さず淡々と自身に行われる行為を目視している。喜んでいるようだ。また、「ナミダ」を流した。しかし絶叫なきところに、解体なし。叫んでくれないと始まらないので仕方なく指を2本捻り取る。気絶も出来ないから、彼はグリッ、ボキッ。グリッ、ボキッ。という気持ちのいい音を聞きながら顎が外れるくらいまた叫んでくれた。
ファイルページ: 空
ソース: http://scp-jp-storage.wikidot.com/file:7962164-1-c8z4
ライセンス: CC BY-SA 3.0
タイトル: 空
著作権者: Redimal_mush013
公開年: 2022/6/24
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ジャンル
アクションSFオカルト/都市伝説感動系ギャグ/コミカルシリアスシュールダーク人間ドラマ/恋愛ホラー/サスペンスメタフィクション歴史任意
任意A任意B任意C- portal:7962164 (08 Apr 2022 22:04)
こんにちは。このtaleのテーマは「怪奇」です。もしも人間が支配され、食べられ、それを専門としてコメントを残すブロガーがいたら。実は私たちは気づいていないだけで本当は既に支配されていたら。そういう日常に潜む怪奇というものをテーマとして執筆しました。 できるだけ批評してくださるとありがたい点としては、「本当のブログに近づけているか」「わかばコンのエントリー条件を満たしているか」「構文の使い方を増やした方が良いか」などなど。実は処女作なので批評よろしくお願いします。
わかばコンテスト作品として下書き批評に出す上で、条件を満たしていない部分があるようです。
批評して下さってありがとうございました。やはり私はtaleというものを何でもありのジャンルだと勘違いしていたようです。ポップな雰囲気の本文に移るにあたって、まず読者を誘導するために調査記録001、報告書001を作りましたが、後の文章への整合性が低いのでしょうか。makigenekoさんの言う通り並行世界で人間が支配されている、SK-クラスシナリオが起こっている世界線でこのブログは展開されています。しかしそこへ繋がる情報が前の2つの記録には欠如してつながりが見いだせない内容でした。
提示してくださったtaleを読んで、まだまだ勉強します。めちゃくちゃな文章でごめんなさい。
全体的に
拝読しました。あまり面白くなかったです。まず、飛躍が大きすぎて、かつ論理とストーリーが破綻しているところがあり、話についていくことが出来ませんでした。次に、人を食べるアイデア自体にあまり怖さを感じませんでした。最後に、ざっと見た時にブログの部分がそれ以外とあまり視覚的な区別がされていないので、そこがブログであるとすぐに理解できませんでした。わたしは怪奇部門に詳しくないので、その部分は省いて批評をします。
話の飛躍と破綻
このtaleは、まず最初に「公開ブログの抜粋」というフレーズが出てきます。このフレーズを見た時に、読者はそのブログの文章があとに続くことを期待します。しかし、このtaleでは直後に[調査記録001]というセクションが現れます。そこでは「後世へ必ず伝えなければいけない重要事項」として怪異とはなんたるかと説かれています。
このセクションでは、tale全体のテーマを提示されたかったのかと推察します。しかし、この部分が文章全体と比較してあまりにも長く、そしていわゆるパンチラインとなるような効果的な文章もないうえに、提示されているテーマが自明かつ大部分の人が気づいているものなので、読んだとしても驚きなどの感情を得ることが出来ません。
テーマを効果的に提示したい場合、そのテーマが「自明でない」または「大部分の人が気づいていない」ことが必要で、かつ短くパワフルな一文で提示することが必要です。
例: 「人間だけが神を持つ。今を超える力、可能性という内なる神を」1
しかし、テーマを事前に提示した上で、それを中心に文章を組み立てる構造は、説教臭くなりやすいのであまりおすすめできません。
財団という巨大組織の研究職についている人間がこれを「後世へ必ず伝えなければいけない重要事項」として取り扱うこと自体にも違和感があります。
研究員が「アレに飲まれて消えてしまう」と書いていますが、「アレ」の描写が一切ないため、唐突にこの描写を差し込まれてもおそらく困惑をしてしまうだけになるかと思います。
先にも述べた通り、[調査記録001]そのものおよび最終段落で書いてあることと冒頭に書いてあることが矛盾しています。冒頭では「この文書はブログの抜粋です」とありますが、[調査記録001]自体はブログではなく、その後にブログが続く形となっています。そして、最終段落には唐突にパラレルワールドの存在が提示されます。
一般に、taleの冒頭には何を書いても許されます。この前提条件の提示をセットアップと呼びます。この作品では、セットアップが全体的に上手く機能していません。冒頭でパラレルワールドの存在を提示すれば、多少はこの唐突な感じがなくなるかと思います。実際に2021年の映画『モータルコンバット』では、冒頭で17世紀日本の因縁を提示し、そして現代に飛ぶ際に「魔界」という存在が提示されます。これら全ての前提条件の提示が冒頭15分程度で終わるので、観客はそれを認めざるを得ません。
人を食べる
もし人を食べる存在が現実にいたら一般には怖いですが、創作物の中で人を食べる存在は比較的にありふれています。それはSCP-JPにおいても例外ではなく、ご存知かもしれませんが、石榴倶楽部がすでに存在しています。高評価のtaleを読んでいただけたらわかるかと思いますが、人を食べる行為を裏打ちされた文章力で美しく、かつ不気味に表現している作品が非常に多いです。これらと真正面にぶつかり合うためには、それ相応の地力が必要になってきます。地力を鍛えるには、大量の文章を読んで、真似をして書いてみる事が必要です。
ブログを視覚的に区別する
構文を使って区別したほうがいいと思います。単純な引用構文でも区別をするという目的は達成できますし、その上でより視覚効果を求めるならば、ブログのようなテーマを調べ、それを使うことも手段としてあります。しかし、これはあくまでもしっかりとした内容の上に更にプラスアルファされるものであり、視覚効果に頼れば良い評価が得られるというわけではありません。
以上、取捨選択していただければよいかと思います。
This is 2MeterScale, the one makes you pale and writes tale
批評ありがとうございました。やはり自分でもパラレルワールドという突飛で身近で世界観に読者を引き込むための導入がうまくいっていないと感じました。食人について、人間の肉を調理してレビューをする。つまりまんま石榴倶楽部のような反応を想定していましたが、比べずとも私の文章力が劣っていることが明確ですね。アドバイスの通り、もっと記事を読み込んで段々と書き方を覚えていけたらいいと思っています。
構文について、僕は恥ずかしながら構文というものがあまり理解できていません。footnoteという小さい説明欄はリストをコピペして作ることができましたが、まだ自分が財団の中でもちっぽけな存在だということを理解しています。 最後に、素敵な名言をありがとうございました。僕自体ガンダムも好きですが、そんな言葉があるとは知りませんでした。複雑な説明をするよりインパクトのある言葉で一括りにしてしまうのが良さそうですね。