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クレジット
タイトル: SCP-XXXX-JP - Multiply_Drum_Loop_140.wav
著者: rabasu
作成年: 2022
http://scp-jp-sandbox3.wikidot.com/draft:rabasu-1

SCP-XXXX-JP-Aの音声波形表示(1小節)。
SCP-XXXX-JP-Aを再現した音声。
アイテム番号: SCP-XXXX-JP
オブジェクトクラス: Safe Keter
特別収容プロトコル: SCP-XXXX-JPはデジタル化して指定のUSBメモリに保存し、サイト-81██の低危険度物品収容ロッカーに保管します。SCP-XXXX-JPの再生、実験を含むあらゆる使用にあたってはセキュリティクリアランスレベル4以上の職員の承諾が必要です。
オンライン・オフライン問わず未収容のSCP-XXXX-JPが存在する可能性があります。財団のWebクローラを運用し、インターネット上のSCP-XXXX-JPと推定される音声を検閲します。発見されたSCP-XXXX-JP-Bは収容リストと照合し、必要であればデジタル化した上でUSBメモリに保存してください。それ以外のSCP-XXXX-JPは全て削除または破棄し、カバーストーリー「著作権侵害による音源差し替え」を適用してください。
説明: SCP-XXXX-JPは約7秒間の音声(SCP-XXXX-JP-A)と、それを使用した楽曲(SCP-XXXX-JP-B)の総称です。
SCP-XXXX-JP-Aは、BPM1124のドラムの演奏が収録された音声です。収録されているのは4小節であり、一般に「ループ素材2」と呼称される形式をとっています。現在までSCP-XXXX-JP-A単体での異常性は確認されていません。
SCP-XXXX-JP-Bは、SCP-XXXX-JP-Aの一部または全部をサンプリングし、既存の楽曲(以下「原曲」)と合成して制作された楽曲群です。現在までに██曲のSCP-XXXX-JP-Bが発見されており、制作者の特定はいずれも失敗しています。SCP-XXXX-JP-Bはそれを聴取した人物の神経に作用し、精神的・身体的影響を及ぼします。具体的な影響はSCP-XXXX-JP-Bごとに異なりますが、原曲が聴取者に喚起する好意的感情反応や好意的印象との関連が指摘されています。
発見経緯: 2005/04/11、「ジャジーでメロウなトラック」として流通していた異常な音声を財団が発見しSCP-XXXX-JP-1として収容、Safeクラスに指定しました。以降「聴取者に精神的影響を与える異常な楽曲」というアノマリーが複数収容されました。
2014年7月、██県██市のクラブで参加者24名全員が死亡する事件が発生しました。遺留物のPCから異常音声であるSCP-XXXX-JP-8を発見・収容したことを契機に類似のアノマリーを再検討したところ、当時収容されていた全てのSCP-XXXX-JPにおいて「それぞれに非異常性の原曲が存在する」「同一のドラムループが使用されている」という共通点があることが判明しました。
20██年█月、財団Webクローラによって当該ドラムループを発見しました。これを収容してSCP-XXXX-JP-Aに指定、楽曲群をSCP-XXXX-JP-Bに再指定し、オブジェクトクラスをKeterに変更しました。
実験記録: 以下はSCP-XXXX-JP-Bの実験記録の抜粋です。特に明記のない場合、防音実験室内でスピーカーを用いて実施します。また、SCP-XXXX-JP-Bを再現した非異常性の音声の一部を参考として添付しています。
実験記録XXXXJP-01
SCP-XXXX-JP-B-1を再現した音声(一部)。
対象: SCP-XXXX-JP-B-1
備考: 原曲はNujadamay「LT3」。SCP-XXXX-JP-B-1を収録した7インチ3レコードが一部愛好家間で流通していた。現在までに█枚を回収。
被験者: D-80037
結果: 再生開始直後より筋肉が弛緩。0分25秒後より心拍と呼吸が減少、α波4が増加。4分44秒後に再生を終了。被験者にはコルチゾール値の低下、集中力と記憶力の向上が確認された。
分析: 原曲は "Jazzy Hiphop" または "Lo-fi Hiphop" というジャンルに分類されます。このジャンルの楽曲は「落ち着いて集中できるBGM」として知られており、SCP-XXXX-JP-B-1が被験者に与えた影響は原曲の機能を増幅したものだと解釈することが可能です。
実験記録XXXXJP-08
SCP-XXXX-JP-B-8を再現した音声(一部)。
対象: SCP-XXXX-JP-B-8
備考: 原曲はKRKRM 「RAMAYANA」。██県██市の事件以外でSCP-XXXX-JP-B-8は発見されていない。
被験者: D-81211
結果: 再生開始直後よりα波とθ波5が増加、何らかの発声を繰り返す。0分31秒後より痙攣等の不随意運動と脳波の乱れを確認。以降δ波6が増加。1分15秒後より昏睡。2分11秒後に被験者の脳波と心拍の停止を確認し、実験を終了。
分析: 原曲は擬似的なトランス状態と高揚感を楽しむ "Psychedelic Trance" というジャンルに分類されます。被験者が実験中に死亡したため確証はできませんが、変性意識状態(ASC)の一種であるトランス状態にあったと考えられます。
実験記録XXXXJP-10
SCP-XXXX-JP-B-10を再現した音声(一部)。
対象: SCP-XXXX-JP-B-10
備考: 原曲はフレデリック・ショパン「幻想即興曲」。「IKD」を名乗る人物により、SCP-XXXX-JP-B-11~15と共にインターネット上で販売されていた。現在まで同氏の身元は特定されていない。SCP-XXXX-JP-B-10は最大で██件購入された可能性があり、現在までに██件が収容・削除済み。
被験者: D-85300
結果: 再生開始0分15秒後より血圧が上昇。0分32秒後より動悸と脳波の乱れを確認。3分30秒後に再生を終了。被験者は複数の幻覚と多幸感、及び「筆舌に尽くし難い神聖な体験」を得たと主張した。被験者の脳には軽度の後遺症が確認されたほか、SCP-XXXX-JP-B-10に対する精神依存が認められた。
分析: 被験者に及ぼした幻覚作用は原曲名に関連しています。作用はシロシビン(Psilocybin)のそれに類似していますが、本来のシロシビンには存在しない依存性が確認されており、SCP-XXXX-JP-B-11の販売は一定の利益を生んだと推定されます。
実験記録XXXXJP-15
SCP-XXXX-JP-B-15を再現した音声(一部)。
対象: SCP-XXXX-JP-B-15
備考: 原曲は、「池田 欧」を名乗るアカウントが動画投稿サイトにアップロードした楽曲「Rabbit BGM」7。「IKD」氏が販売していたSCP-XXXX-JP-Bの1つだが、収容した1件を除いて購入された形跡は確認されていない。
被験者: D-82144
結果: 再生開始後1分04秒後よりα波とθ波が増加。1分35秒後より断続的なマイクロスリープを確認。2分13秒後よりδ波が増加。2分59秒後に入眠。5分32秒後に再生を終了。被験者に睡眠障害等の持病はなく、後遺症も確認されなかった。
分析: その題名から、原曲はBGMとして制作されたと考えられます。被験者に与えた影響はSCP-XXXX-JP-B-8に部分的に類似していますが、昏睡せずに一般的な睡眠に留まり、実験後に後遺症も見られない点で異なります。SCP-XXXX-JP-B-15の異常性と原曲の関係は不明瞭であり、追加で実験を行う必要があると考えます。
20██/██/██追記: 追加で実験を行った結果、SCP-XXXX-JP-B-15には一切の異常性が確認されませんでした。現在、SCP-XXXX-JP-B-15に限り実際の音声を公開することが検討されています。
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付与予定タグ: scp jp keter 音楽 記憶媒体 聴覚 音声添付 わかばコンテスト _イベント1
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ジャンル
アクションSFオカルト/都市伝説感動系ギャグ/コミカルシリアスシュールダーク人間ドラマ/恋愛ホラー/サスペンスメタフィクション歴史任意
任意A任意B任意C- portal:3057574 (13 May 2022 15:34)
現状ではNVです。
良い点としては、冒頭で出てくる波形画像と音声のパンチが強く、読者を引き込むフックの力が感じられます。また、オチの音声からもやりたいことはきちんと伝わってきます。改善点として、異常性そのものがありきたりである点、またオチのパンチが弱い点が挙げられます。総じていえば、異常性や内容が「予想の範疇に収まっている」ように感じます。
このオブジェクトは、「原曲の良いところを強化する」という“特定の事をする物”タイプのオブジェクトです。この類型の記事では、読者の予想の範疇内に話が収まってしまうと途端に興が削がれてしまう傾向があります。逆に言えば、どこか一点でも予想を裏切る、あるいは想像できる範疇の外まで発想をぶっ飛ばせると、一気に面白さが膨らむということでもあります。
その意味で言えば、特にオチであるB-11の音声はもっともっと馬鹿らしくあるべきではないかと思います。記事が短めですので、山場を作るとしたらラストだけです。ここで破壊力をもっと出さなければ尻切れトンボに捉えられかねません。この記事のオチはさきほどのリンク先のページで言えば、『4: “論理的やり過ぎ”』に当たると思いますので、ここのキレをもっと磨くべきです。
異常性がありきたりとは言いましたが、少なくともそれが大きなマイナスにはなっていません。ただ、オチはもちろん実験ログについても、もう少し視覚的面白さや意外性を詰めることが出来るかと思います。前述のガイドを参考に推敲してみてください。
批評ありがとうございます。波形画像と音声での掴みは意識していたところですのである程度効果があったようで嬉しいです。
恥ずかしながらこちらのエッセイは見落としてしまっていました。大変勉強になります。異常性が想像の範囲内に収まってしまうというのはまさにその通りですね……。
オチの音声はもう少しふざけられると思うので思い切ってやってみようと思います。道中や実験ログについても、現状どうしてもオチまでの誘導にしかなっていないので何とか強化できないか考えてみたいと思います。
貴重なご意見ありがとうございました!
音楽として成立させつつ、かつ誰が聞いても馬鹿らしいというラインは非常に難しいと思います。突き抜けてふざけてほしい一方、いきすぎて悪ふざけになると途端にDVに振れてしまいますので、その点は十分ご注意ください。
そうですね……ユーモアの枠を出て悪ふざけにならないように気を付けます。
繰り返しありがとうございます。
オチ自体は文章で読むとあまり目新しい物ではありませんが、実際の音楽を使うと言う点で新規性があるのではないかと思います。ただ、オチに唐突感があり、そこに至るまでの説得力や前振りが不足しているように感じました。
いきなり微妙な音楽を出すよりも、良さげな権利が切れた別の音楽を前に出しておいた方がいいです。加工して異常性を除去した物とかならこの設定でも出せるかと思います。時間的な制約もあると思うので可能であればで良いと思いますが。
また、何故この微妙な音楽が出てきたのか展開に説得力を出せるような軽いバックストーリーがあった方が良いです。
例えば、名曲にしょうもないリミックスをして俺は天才だと増長した奴がオリジナル楽曲をやったら異常性の力だけでこいつには何の才能もありませんでしたみたいな滑稽な話をほのめかす位に入れると良くなるのでは無いかと思います。
批評ありがとうございます。
前振りを強化して説得力を上げるのはすごく良い気がします! 追加の音源は用意できるかわかりませんが、オチの唐突感を解消できるよう考えてみたいと思います。