[ログ開始]
シャープ研究員: こんばんは ジェファ-
???: 私はジェファーソン博士じゃない。あいつは息子だ。
シャープ研究員: …何ですって?C109会議室でジェファーソンさんと話があると聞いていたのですが…私は-
???: まずは座ってくれ 。
シャープ研究員: …はい?
???: 君の提案書がどうなった知りたいなら座ってくれ。
[シャープは机の前にある木製の椅子に腰を下ろす]
???: 私が誰かわからないか?
シャープ研究員: 申し訳ないですがわからないです。
???: まあいい。昔は私の顔が財団の至るところに知れ渡ってたが、今はそうじゃないみたいだ。君が生まれる前から自分の名前は使ってない。でもO5-7の存在は知ってるだろう。
シャープ研究員: …ええ。
O5-7: O5-7は私だ。驚いたか?
シャープ研究員: あなたが私の計画に対処してくださるだなんてまったく知らなかったです。
O5-7: いつもだったら君の提案書は半年間、秘書の机の山積みの書類に埋もれた後、彼が不機嫌な日に提案書の内容を見る間もなく不承認の印を押されるだろう。でも私は君の小さな実験に興味を持った。
シャープ研究員: あなたが?なぜ?
*O5-7: そうだ。もうどれくらい長くここで働いているんだ?
シャープ研究員: サイト-19でですか?およそ-
O5-7: いや財団に入ってからだ。
シャープ研究員: えー、今年の6月で8年目になると思います。
O5-7: んー長くはないな。
シャープ研究員: …?
O5-7: この感情は君のせいじゃない。年齢のせいだ。楽しかったあのころを思い出してくれると思ってた。以前ここが…。
[O5-7 は会議室を見渡した]
O5-7: 前はこんなんじゃなかったんだ。
シャープ研究員: …というと?
O5-7: こんな掃き溜めみたいな"クソ"官僚主義のオフィスだ。15年、20年前とはずいぶん違う。
シャープ研究員: その15年、20年前といのは?
O5-7: 俺たちは研究の先駆者だったんだ!世界を変えたんだ…アトレウス・アレイやSRSsを異常クソウナギを作る為に仕えたのに、今じゃペン1本借りるのに17項目もある書類を提出して、小便テストやらなきゃいけない。馬鹿げてる。
シャープ研究員: …それでなぜ私の計画に興味を持ったのです?
O5-7: 君ならこの状況を変えられると考えた。その計画でな。
シャープ研究員: どうやってですか?
O5-7: 君の頭の回転は良さそうだ。計画の提案書が提出される前、彼らが部署の解散を検討していたのは知ってるか?
シャープ研究員: "彼ら"?
O5-7: 他の評議会のメンバーは今の財団の状況が"良い"と思ってる。もちろんあいつらは狂ってるが、今重要なのはそれじゃない。"重要"なのは君の提案書が承認されたことなんだ。
シャープ研究員: …!えーと、その、えーありがとうございます!
O5-7: そしていくつか君への贈り物を用意した。いくつか…異常現象を利用できる権限とサイト-05の主任研究員の位だ。事務処理はじきに終わる。
シャープ研究員: 信じられない…ありがたい限りです。
O5-7: 私はこの小さな計画に賭けている事を覚えていてくれ。私が失望すれば君も私も苦しむことになる。私は自分に降りかかる災難と苦境を乗り越える強さがある。君はどうかな。
シャープ研究員: 失望させません。約束します。
O5-7: いい人だ。幸運を。
[ログ終了]
LONDON BRIDGE計画
ジャック・ブーシェ博士
身長 |
184cm |
体重 |
48.7kg |
局部的ヒューム値 |
95/102 |
体重がわずかに減少しており、身長が急激に増加しています。成長個所はほとんどが首でそれを支える鎖骨がもろく見えるので少し気になります。実際のところ、問題点は彼女のすべての骨に関してのことで、今現在カルシウム不足に悩まされているのかもしれません。カルシウム不足の可能性もありますが、死んではいませんのでそれはそれでプラスですね。体重の減少を補うために高カロリーの食事を勧めます。まだオントキネティックを使っていないので、ヒューム値は問題ないと思います ヒューム値の変動があるのは、おそらく多くの異常物体を一つの場所に保管しているからでしょう。
補遺 5549.7
D-293 精神検査対話記録 1976/6/2
[ログ開始]
[エレベータが開き、ブーシェ博士が歩き出す]
ブーシェ博士: こんにちは。
D-293: あ、こんにちは。
ブーシェ博士: 僕が話していた精神検査の話を覚えています?許可は取ってます。
D-293: あ、あー。うーんいいんじゃないのかな。
ブーシェ博士: うん、ここはどう?
D-293: 退屈で…無気力。ここでやることはあまりない
ブーシェ博士: わかった、何ができないか考えてみるよ。それ以外は?
D-293: 正直、良くない。
ブーシェ博士: うん、どうして?
D-293: テスト、パニックになったんだよ!
ブーシェ博士: 僕は…ま、まあそうだな。しかし、よくテストに耐えてくれた。
D-293: かなりひどかった 私は…あんなにひどいテストだとは思わなかった。
ブーシェ博士: あなたのせいじゃない、こういった…異常は予測するのが難しいのさ我々でさえも 。
D-293: 本当にこういうの理解してるの?
ブーシェ博士: 世界の誰よりも理解してるとも。
D-293: 世間は異常物のことを知らない。
ブーシェ博士: そのとおりだね。
[二人とも一瞬笑う]
D-293: でもテストが始まった時、シャープさんは本気の目だった。
[ブーシェ博士は落ち着かない様子]
ブーシェ博士: まあ、そのテストためにここに来たんでしょう。こういったことを本当に理解するためには、人間に与える影響を理解する必要があります。まだ何もわかっていませんが、確実に前に進んでいます。
D-293: 腕を金属に変えることが何の役にたつのか、よくわかりません…。
ブーシェ博士: まあ、僕たちは異なる異常が人間とどのように相互作用するかを知る必要があります。どこかの兵士が異常攻撃された時には…教えてくれた事に感謝する事になるだろうね。
D-293: うーん…それだったら筋が通ってると思う。
ブーシェ博士: 一つ一つのテストは、こういった異常性の理解を深めています。あなたはこのプロジェクトの貴重な資産なのです。
D-293: うん!ありがとう先生。
ブーシェ博士: どういたしまして。
[ログ終了]
補遺 5549.8
サイト-05 テストログ抜粋 1976/6-8
アイテム番号 |
実験 |
実験メモ |
SCP-217SCP-217は、有機組織の生化学を変化させ、有機物を"有機金属"に再構築させるウイルスです。••• |
被験者は上腕動脈からSCP-217を投入した。9時間以内に感染が左腕から胴体まで広がった。被験者は繰り返し極度の不快感を訴え、検査の中止を要求した。要求は拒否された。感染が鎖骨に広がった後、被験者はSCP-427に曝露された。 |
被験者は24時間で完全に回復しました。筋肉組織が著しく高密度で、未知の金属の堆積物で層状になっていることを確認しました。 |
SCP-212SCP-217は、目の前のあらゆる有機物を"改善"しようとする外科用ロボットです。これまでに観察された改善には、関節をグラファイトで覆うことや、生体器官を人工器官に置き換えること、骨に金属板を追加すること、新しい器官や重複する器官を追加すること、歯を小さな鋸歯状のスチールバンドに置き換えることなどが含まれます。••• |
被験者を鎮静させ、SCP-212を作動させた。SCP-212は最初、被験者の身体に対し挙動がおかしくなったが、すぐに"改善"を開始した。手術時間は9時間でした。すべての切開部は感染の兆候もなく、完全に閉じた。 |
大量の体脂肪の除去、骨の空洞化、心臓周りの金属構造物の配置、胴体内に2つの不明な有機物の塊を配置するなど、被験者の身体構造に大きな変更が加えられました。これらの塊の存在理由は不明です。 |
SCP-008SCP-008は複雑なプリオン病です。感染した生物は急速に死滅し、脳や身体の機能が制限された状態で復活します。 ••• |
被験者は上腕動脈からの異常を静脈内に投入。標準的な症状の進行が見られ、被験者は2時間以内に意識不明となる。 |
被験者は最初の感染から約2時間13分後にSCP-427に曝露した。すべての外部症状は急速に回復した。検査の結果、特定の内部症状が残っていることが明らかになった。特に筋持久力と筋力の増加、血液の粘度が高く、傷口から血が流れ出ない程だった。 |
補遺 5549.9
D-293 健康診断の記録 1976/8/9
LONDON BRIDGE計画
ジャック ブーシェ博士
身長 |
204cm |
体重 |
51.5kg |
局部的ヒューム値 |
98/101 |
今回は身長の増加に伴い体重も増加しまた。皮膚も明らかに硬くなっていて強化されているように感じます。レントゲンを撮りたいのですが、撮れるかどうか不安です。
ちなみに、検診の時に胸骨にアザがありました。どこでつけたかは聞きませんが彼女の扱いには気をつけた方がいいと思います 被験者を傷つけてはいけません。
ご心配はありがたいのですが、お願いするまでもありません。必要に応じて対応しています。また、性別の代名詞での言及はお控えください
補遺 5549.13
D-293 精神検査対話記録 1976/11-1977/1
[インタビューログ#4]
[エレベータが開き、ブーシェ博士が歩き出す]
D-293: おかえり。
ブーシェ博士: ああ、やあ。気分はどう?前回は退屈だと言っていたから新しい本を持ってきてもらったんだ。
D-293: それはもう見た物だよ。
ブーシェ博士: …彼らの事どう思う?
D-293: 大丈夫だよ。
ブーシェ博士: 何かあったの?
D-293: どう思う?
ブーシェ博士: 何かがおかしい。話してくれそのために来たんだ。
D-293: 一日の大半を独房に閉じ込められていて、出てきた時には、狂ったようにテストをして、すぐにここ戻ってくるんだ。ここから永遠出られない。
ブーシェ博士: そんなことないさ。第一段階のテストを終えたんだぞ、すごい進歩だ!で、体調はどうかな?
D-293: 元気が出ない。気分が悪い。検査室から出た後、吐いて泣いた。何週間も太陽を見ていないような気がする。
[D-293はすすり泣きを堪え、ブーシェ博士は慰めようと動く]
ブーシェ博士: 大丈夫、大丈夫だよ。
D-293: ごめ-
ブーシェ博士: 謝ることは何もない。でも、このことは僕に話してくれないといけないんだ。僕はあなたを助けるためにここにいる。
D-293: ええ、そうね。
ブーシェ博士: オフィスに戻ったらすぐにどうにか出来るよう行動してみます、いいですか?
D-293: そうね。[涙を拭いて]ありがとうございます。
[インタビュー#6]
ブーシェ博士: そういえば、これもう何年も使ってないな。
D-293: どうして?
ブーシェ博士: 彼らはデタラメだ インクジェットは医療に使えない…。
D-293: せ、先生?
ブーシェ博士: なんだい?
D-293: 私は…もう気付いたんだから…正直に答えてくれない?お願いだから…。
ブーシェ博士:うんそうだね。で、どうしたの?
D-293: 自分たちがなにやってるのかわかってるの?
ブーシェ博士: どういうこと?
D-293: テスト。見当がつかない。私に何を求めているのか分からない。
ブーシェ博士: 僕は…。
D-293: 壁に物を投げつけて何が刺さるか試しているようだね。私を犠牲にして。。
D-293: 壁に物を投げつけて何が刺さるか試しているようだね。私を犠牲にして。
ブーシェ博士: いやそんな… 主よ… 僕たちは動物ではありません。僕たちには計画がある。
D-293: それは何なの?
ブーシェ博士: 僕が..あなたは僕が言えないのは分かっているだろう。
D-293: 先生も知らないと思うけど。
ブーシェ博士: こんなものが存在するはずがないんだ。世界の誰も知らないんだ!我々は安全に扱う方法を考えている 信じてくれ…誰も理解してないんだ 。
D-293: わかったわ、ただ… こんな気分は嫌だ。
ブーシェ博士: どんな?
D-293: 気分が悪くて怖くて。いつもね 。
ブーシェ博士: 何かに怯えているのか?
D-293: わかんない。次のテストが。とても。
ブーシェ博士: 怖がるのはいいんだ。でも…僕たちはあなたの味方だよ。あなたの味方よ分かってくれるよね?
D-293: うん、わかった。
[インタビューログ#7]
ブーシェ博士: 少し前に聞いたなんとかセットで買ってきたよ。
D-293: それは…インクのようなもの?
ブーシェ博士: ロールシャッハ・カードだ。疑似科学だが、面白い疑似科学だ。やるか?
D-293: 他にやることがあるとは思えない。プルースト小説は読み終えたし。
ブーシェ博士: そうか、その時は何を見た?
D-293: うーん、シミか、いや、アザかな。
ブーシェ博士: 今は何が見える?
D-293: 骨だ。うん骨。
ブーシェ博士: これは?
D-293: うーん思い出せるのは… ヘイズのタトゥー 。
ブーシェ博士: なんだって?
D-293: え-
ブーシェ博士: 何か…言いたいことがあるの?
D-293: いや、大丈夫、大丈夫だよ。
補遺 5549.11
サイト-05 テストログ抜粋 1976/11-1977/1
アイテム番号 |
実験概要 |
実験記録 |
SCP-222SCP-222はイタリアにある洞窟で、いくつかの石棺が内部に存在します。棺の中で生物が眠ると、24時間以内にその生物のクローンが洞窟内に出現します。 ••• |
被験者は棺に入れられテストは無事に進行した。結果的ににD-293-bと指定されたクローンが洞窟から回収された |
特筆すべき点は、D-293-bは検査前のD-293と同一であり、DNAが変化していないことを示唆している。 |
SCP-610SCP-610は、感染した人間が完全死亡した後、生命機能が回復する伝染性皮膚疾患です。感染中に形成された瘢痕組織は突然変異を始め、蠢きながら感染者の肉体にしだいに浸食します。••• |
被験者とD-293を実験室に入れ、D-293-bをSCP-610のサンプルに曝露させた。 実験室の温度が上昇し、7分以内にD-293-bは完全にSCP-610覆われた。被験者はパニックに陥り実験室から出ようと、ドアを何度か叩きつけた。抑止させる為、電気ショックを与えたところ、観察ガラスを突き破ろうと暴れた。これ程被験者は暴れているにも関わらず、SCP-610の浸食は拡大し続けた。実験は中止されSCP-427が使用された。 |
SCP-610症状はすぐに緩和、現象し、4分以内に完全に消滅しました。被験者は意識不明のまま、蠢くSCP-610の塊の中から回収されました。D-293-bは回復しませんでした。被験者のは著しく変化し、体調が数センチ成長し、血管がよりはっきりと見えるようになりました。 |
SCP-682SCP-682は異常な再生能力と適応能力を持つ敵対的爬虫類生物。体の87%が破壊されても生命活動を維持しつつ、会話をしているのが観察されています。••• |
SCP-682からSCP-2207を用いて10gの肉片を採取した。この肉片を乾燥させ、低温貯蔵庫に入れ、最終的に凍結させた。被験者を強制的に鎮静し実験の準備をした。左下前腕を切開し、わずかに加熱したSCP-682の肉片サンプルを被験者の体内に入れた。傷口はは縫合され、被験者は回復期に入った。 |
SCP-682のサンプルは次第に増殖を始め、全身に広がり、被験者に大きな苦痛を与えた。手術を担当したブーシェ博士が左足の膝下を切断した際、SCP-682のサンプルが脹脛の上部にまで浸食していた。消毒の後、被験者の脚がゆっくりと再生しているのが観察された。脚の再生後も成長は止まらなかった。 |
補遺 5549.12
D-293 健康診断の記録 1976/1/12
LONDON BRIDGE計画
ジャック・ブーシェ博士
体長 |
238cm |
体重 |
50.9kg |
ヒューム値 |
70/123 |
このテスト周期は今までで最も間隔が短く、予想外の変化が起こりました。被験者の体は無茶苦茶に細く、長い。強化された皮膚の層だけが骨を覆っていて、骨も信じられない強度で軽い。辛うじて人型生物に見える。私も被験者の異常能力がますます気になってきた。ヒューム値の変動は他のSCPの影響だとするには、もう説明が出来ない状況だ。ヒューム値の影響は被験者だけではなく収容室全体にまで及んでいる。収容室にスクラントン現実錨 ("SRAs")を取り付けるよう勧告します。実験の予備対策法を考える必要がある。
ADDENDUM 5549.13
D-293 精神検査対話記録 1976/11-1977/1
[インタビュー #9]
ブーシェ博士: …こんにちわ
[咳が出る]
D-293: ここにいる。
[D-293は収容室の隅で屈んでいる]
ブーシェ博士: びっくりしたよ。あなたは-
D-293: 怖い?私が怖い?
ブーシェ博士: 何が?い、いや、そうじゃなくて…。
D-293: 責めるつもりはないよ。今の私は化け物みたいだ。
ブーシェ博士: 違う!そ、その…僕たち約束しただろう?何か実験の成果がでるなら…。
D-293: いやそうじゃない。先生はそうかもしれない。でも*シャープ*さんはそうでない。顔に出ている。
ブーシェ博士: 僕には解決策がある。彼の方が立場は上だが-
D-293: 出て行って。
[インタビュー#10]
ブーシェ博士: 失礼するよ?
D-293: 何を求めてるの?
ブーシェ博士: …こんにちは。
D-293: こんにちは。
ブーシェ博士: 僕はただ…あなたが僕と話したいと思っているかどうかを知りたい。
D-293: 先生と何を話すっていうの?
ブーシェ博士: 知らせがあるんだ。
D-293: はい?
ブーシェ博士: あなたの家族は…施設から帰る準備をしている。家族の経済的な心配する必要はない。
D-293: どうして?
ブーシェ博士: 僕は約束を守る。*シャープ*さんはあなたがこれを聞いてこれからのテストを頑張る励みになると考えている。
D-293: 先生はどう思うの?
ブーシェ博士: …これは謝罪だ。言葉では言い表せないほど申し訳ないと思っている。テストがこんなことになると僕らでもわからなかったんだ。あなたの苦痛を和らげることはで難しいと思うが…。既に*シャープ*さんを説得して次のテストを延期させてある。
D-293: 執行猶予ってとこね。
ブーシェ博士: 彼に話してみる。
D-293: 彼を説得できるの?
ブーシェ博士: やってみるしかない。すまない。
補遺 5549.14
サイト-05 主任室 音声記録 1976/2/2
[ログ開始]
シャープ主任研究員: ブーシェ博士座ってください。何か飲み物でも…コーヒー?紅茶?
ブーシェ博士: い、いえ結構です。ありがとうございます。
シャープ主任研究員: 今日は何かご用ですか?
ブーシェ博士: D-293について…気になることがあります。
シャープ主任研究員: そうだと思いました。あなたは被験体の健康診断担当ですから。
ブーシェ博士: 不穏な動きをしていた。彼女はもうほとんど人間ではない。彼女は異常な"何か"かもしれない 。
シャープ主任研究員: それは-
ブーシェ博士: なんて?
シャープ主任研究員: "それ"は被験体に過ぎない。同情しても時間の無駄でしょう。
ブーシェ博士: やってるの人体実験ですよ。主任!恐ろしいことだ…ここから更に状況を悪化させる必要はないはずです。
シャープ主任研究員: 恐ろしいことかもしれないが、必要なことなんだ。
ブーシェ博士: 一体誰が何を必要としてるんです?彼女から何を学びたいんですか?一般的な"異常性の理解を深める"とかいうくだらないことは言わないでください。常識の範疇を超えていることを知っているはずです。
シャープ主任研究員: これこそが財団が常に目指してきたものです。誰もやらない仕事をして手を汚すこと。誰もが安心して夜眠れる世界にするために。
ブーシェ博士: 答えになってない!
[シャープ主任研究員はため息をつく]
シャープ主任研究員: 全てのテストにはそれぞの目的があった。
ブーシェ博士: どんなしょうもない目的なんですか!
[部屋に静寂が流れる]
シャープ主任研究員: …はぁ、今はもう19世紀じゃないんだよ博士。敵対するカオス・エージェンシーやGOC、世界中の政府を相手にしなければならない。財団は世界最大の異常物の宝庫なのに、それを利用する度胸も考えもない。
ブーシェ博士: 僕らの仕事は使う事じゃなく!安全に収容する事だ!やっていることは上部の理解しかしてない異常物を兵器にしようとしているんだ!
シャープ主任研究員: だからこそ異常性の奥底を理解するためにたった一人のDクラスが苦しまなければならないのなら、私はその取引をしてもいいと思っていますよ。そして、被験体や他の職員に話そうとは思わないでくださいね。相手がどう反応するか、あなたはよく知ってはずだ。
ブーシェ博士: くそ野郎が。
[ブーシェ博士は会議室を飛び出した]
[ログ終了]
補遺 5549.17
サイト-05 インシデント18 事件記録
1976/2/8
[収容室センサー 03]
07:34: 収容室内で活発的な動きが検出されました。被験者の標準的な活動と判断される。異常性なし。収容室内で徘徊し続けてます。
07:50: 収容室内の光量の急激な低下を検知しました。光量は低下し続け完全に暗くなるまで被験者は収容室内を徘徊していたのが確認されました。
[サイト-05 監視カメラ 07]
08:02: 財団機動隊員3名がエレベーターに入った。
08:03: エレベーターシャフト内の鉄骨が揺れる。
08:03: エレベーターシャフト内の一部鉄骨が寸断され地面に墜落。
08:04: 大きな二足歩行の実体が高速でエレベーターシャフトから這い出て叫び声をあげいます。
(爆発音が響く)
08:04: 監視カメラ 07 OFF
[サイト-05 内部記録]
08:05: サイト-05長官室からレベル2の収容違反警報が発令されました。
08:06: 財団機動隊"MTF"分隊がサイト-05内通路にて敵対実体と交戦。火器と弾薬、装備が制限されており、対象実体の終了は許可されてません。
08:09: "MTF"分隊隊員は敵対実体に█████。
08:09: 敵対実体がサイト-05内部に向かい進んでいます。
08:10: サイト-05長官室からレベル3の収容違反警報が発令されました。
08:11: 財団機動隊"MTF"分隊がサイト-05内研究施設にて敵対実体と交戦。火器と弾薬、装備が制限されており、対象実体の終了は許可されてません。
08:11: サイト-05長官室から航空隊支援要請が来ています。
08:12: "MTF"分隊隊員は敵対実体に█████。
08:12: 敵対実体がサイト-05内研究所施設実験室に侵入してます。
08:13: オーバーウォッチ司令部が航空隊支援要請を許可。
08:14: "アトレウス・アレイ-11"が支援要請を受け、サイト-05上空にて待機。スクラントン現実錨を起動。
08:14: 敵対実体が身元不明研究員を抱え実験室を出る。
08:14: 財団機動隊"MTF"分隊が敵対実体と交戦。対象実体の排除及び終了は許可されてます。
08:16: 敵対実体は銃撃スクラントン現実錨の支援で負傷している。エレベーターシャフトに向かい退却してます。
08:16: 敵対実体は抱えている研究員と共にエレベーターシャフトに飛び込みました。
08:17: "MTF"分隊は対象実体が飛び込んだエレベーターシャフトを爆破し崩壊。
08:20: レベル3収容違反警報が解除されました。
補遺 5549.18
サイト-05長官室 通話録音の記録 1976/3/1
[ログ開始]
シャープ主任研究員: もしもし?シャープです。
O5-7: やってくれたな馬鹿野郎。
シャープ主任研究員: 聞い-
O5-7: 黙れ!馬鹿野郎だお前は。お前の主任研究員として仕事は一つだ。たった一つの仕事だ。お前のエンドウ豆サイズの脳みそでは台無しにしないと気が済まないか?そのせいで今、死人の山ができた。
シャープ主任研究員: 私のせいではございません。ブーシェ博士が被験体に同情心を持ってしまったのです。
O5-7: ふざけるな。お前が収容違反を引き起こしたことをお前が一番よく知ってるだろ。
シャープ主任研究員: 研究員の栄光の日々を取り戻そうとしたのあなた様ですよ!
O5-7: …私はお前がたった一つの小さな計画をお前が遂行出来る思っていた。でも、どうだいまは?
シャープ主任研究員: …責められるのは私です、あなたはに罪はないです。
O5-7: 他の評議会の12人が俺の首元に銃を突き付けて次の動きを見ている。奴らとの取引がどんなものか、知らないだろうな。あいつらは1ペニーのために悪魔に魂を売る。黒服のクソ野郎どもだ 。
シャープ主任研究員が息をのむ
シャープ主任研究員: これからどうなるのですか?
O5-7: どうなるかか?事情聴取の間は口をつぐむことになる。私の秘書の言うことを聞いてうなずくんだ。情報を聞かれても黙っていろ。窮地に陥ったら「覚えていない」と言え。今、被害と責任を最小限に留めてるんだ。評議会での尋問に対処するためにサイト-01に行かなければならない。もう二度と会うことはないだろう。
シャープ主任研究員: サイト-05とD-293はどうなるんですか?
O5-7: あの厄災を地中にそのまま埋めるつもりだ。誰かが"アレ"の存在に気づくのは、ロシア人どもが我々を核攻撃した後だろう。
[ログ終了]
補遺 5549.19
サイト-01 補助事務室の音声録音 1976/3/15
[ログ開始]
[ドアが閉まる音]
シャープ主任研究員: …あの。
[██████]: よく来ましたね。シャープ主任研究員。どうぞおかけください。飲み物は?
シャープ主任研究員: では水でお願いします。
[██████]: わかりました。
シャープ主任研究員: あの…すみません、メモにはあなたの名前が書いてなかったのですが、どちら様ですか?
[██████]: 君の権限で私の名前を知る必要はないよ、シャープさん。曖昧な表現を許してくれ。ここ数ヶ月忙しかったでしょうね?
シャープ主任研究員: えぇ、まぁ。
[██████]: では最初から聞こう。LONDON BRIDGE計画の元になる提案書を作り、計画を提案したのはあなたですか?
シャープ主任研究員: そうです。でも-
[██████]: では、その計画の結果、財団の職員に重大な被害が出たことを知っていたのですか?
シャープ主任研究員: 彼らはDクラスですよ。
[██████]: 良くも悪くも彼らも財団の大切な職員だ。
シャープ主任研究員: え、えぇ。
[██████]: シャープ主任研究員さん、この小さなプロジェクトのために莫大な資源を要求したんですね。この計画の成果はありましたか?
シャープ主任研究員はため息をつく
シャープ主任研究員: 人間を用いた異常現象の相互作用に関する貴重な科学的知-
[██████]: 報告書は読みました。それが真実ではないことを知っている。もしそれが真実だとしても認めれないでしょう。SCP財団の理念は確保、収容、保護。これらには正当な理由がある。研究は我々のやるべき事ではない。
シャープ主任研究員: しかしSCiPのクロステストは許可されています。
[██████]: …あなたの提案が議会で押し通されたとき、私たちはクロステストの計画を段階的に廃止しようとしていた。SCiPのクロステストは何の利益がないだけでなく、関係者全員に危険をもたらす。君はこの財団の”暗黒時代"を象徴している。O5-7のような人間は、間違いなく喜んでこの時代を取り戻そうとするだろう。
[沈黙]
シャープ主任研究員: どう言う…?
[██████]: シャープさん、彼はね、あなたが生きている間よりも長くここで働いています。O5-7は骨の髄まで研究者だ。彼は我々がもっと小さくて組織的でなかった時代を覚えている。こういう厄介ごとから容易に逃げられた時代のことをね。彼はオリンピア・プロジェクトとΩ-7の事を懐かしく思い出すだろう。
シャープ主任研究員: O5-7は間違っているのですか?私たちがこれらのSCiPを使えば、より良い世界にすることができます!でも今は、ただ座って何も行動してない!行動さえすれば簡単に世界に秩序を作り、こんな些細な争いを終わらせることができるんですよ!
[██████]: この組織はね、世界をより安全な場所にすることに尽力しているが、決してそんな簡単なものじゃない。あなたの小さな好奇心で今回何があったかのかはわかると思うが、研究は財団の理念とは程遠い。こんな盲目的な試みはこういったSCiPを兵器化することに他ならないのだ。
[沈黙]
[██████]: ともあれシャープさん、ご苦労様だったね。いろいろと考えさせられるよ。君のこれからに期待してるよ。
[ログ終了]
補遺 5549.20
財団監督者命令 "LONDON BRIDGE計画" 1976/3/30日
オーバーウォッチ司令部
監督室
これよりSCiPクロステスト部門は直ちに解散。部門全職員は配属先の人事担当者に報告し、再配属または解任すること。
さらに、厳密な道徳的決議と初動第一指令の遵守のためにO5評議会によって選ばれた個人で構成される倫理委員会を結成する。この委員会の委員は、すべての財団の収容プロトコル、プロジェクト、管理データベースに関する執行権限を持ち、オーバーウォッチ司令部の決定に対する拒否権と申し立ての権利をもつ。またこれら権利及び委員会はO5評議会の全権限により許可、補佐される。この委員会の最初の行動は、LONDON BRIDGE計画 収容違反事故に関する判断である。
補遺 5549.21
音声抜粋 倫理委員会特別議会#01 1976/4/20
[ログ開始]
[話す声]
テジャニ委員長: 静粛に、静粛に!
[静まる]
テジャニ委員長: これより倫理委員会第一回特別議会を開始します。厳密な審議の結果…本委員会は審議された事件についての判断を発表する準備が出来ております。サイト-05 管理者 シャープ主任研究員どうぞ。
シャープ主任研究員: はい。
テジャニ委員長: あなたの無謀な計画、行動が財団の職員を危険に晒し、死亡させた。今のところ、あなたの計画の結果は地の底にある。何も成果を出してないどころか、負の財産を残した。この実りのない事業は一切の価値がないにも関わらず 莫大な資源と人員を必要とした。そしてこの計画を許可したのは、あなたの共謀者であるO5-7のお節介なお陰だ。
O5-7: ここに。
テジャニ委員長: あなたの好奇心の結果、この計画は多数の財団職員の死と重要な資源の枯渇をもたらした。この組織をより原始的な存在に変えようとするあなたの試みは今日の財団においては通用しません。我々委員会はあなたに対する審議はすでに終了しています。"O5-7は無期限無給の休職とする。この判決は即時発効とである。"
O5-7: …くそっ。
テジャニ委員長: - 一方、シャープ主任研究員の雇用期間の継続は05評議会の内部投票の結果に委ねられます。シャープ主任研究員はSCP財団研究員資格を剥奪と-
シャープ主任研究員: [叫び声] そんな!!!
テジャニ委員長: …静粛に。"シャープ主任研究員はSCP財団研究員資格を剥奪し-
シャープ主任研究員: [震える声] い、いや、そ、そんな!いやだ!
テジャニ委員長: 財団憲章に則り罰則を科し、Dクラス職員に降格とし、関連する研究任務と職務に対する権限を与えます。"この倫理委員会は、これらの手法が今もなお、財団憲章に残されている理由の裏付けとなることを期待してます。
シャープ主任研究員: ぃ…。[シャープは声も出ない様子]
O5-7: それで5549はどうするんだ。どうやってあの時限爆弾を取り除くつもりなんだ?
テジャニ委員長: 決めるのは我々ではない。
O5-7: じゃあどうすんだ?
テジャニ委員長: D-293は研究員によるクロステストの虐待と搾取を受けていただけだ 。収容を維持するための警備前哨地をサイト-05に設置する。だがわざわざ寝ている熊を突いて起こすつもりはない。特に1年かけて石を投げてきた熊にはね。我々はそれだけの罪がある。
O5-7: それならもう手遅れだ。あなたは認めたくないかもしれないが、これで私の"正しさ"が証明された。
テジャニ委員長: なんですと?
O5-7: 財団は、軍国主義的な軍隊と現代武器を使って異常事態を封じ込めたに過ぎない。問題を砂の中に埋めてるだけで、解決しているわけではないのだ。これが私が望んでいたことだ。"爆弾"は今、サイト-05の地の底に眠っている。"アレ"を財団が使うかどうかは時間の問題だ。
テジャニ委員長: 発言に気をつけなさい。君にはもうO5-7としての権限と保護はない。二人ともこれ以上質疑なければこれにて倫理委員会第一回特別議会を終わりとする。
[ログ終了]
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O5評議会 機密投票の詳細:
賛成 |
反対 |
棄権 |
O5-01 |
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O5-02 |
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O5-03 |
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O5-04 |
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O5-05 |
O5-06 |
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X |
X |
X |
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O5-08 |
O5-09 |
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O5-10 |
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O5-11 |
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O5-12 |
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O5-13 |
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投票が受理されました。O5-7はO5としての監督権限を剥奪の上、終了されます。後任者はO5評議会審議の元、投票で選ばれます。なお、就任前に他の全ての地位的権限を破棄することを要求とする。
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ten.reesrevo.pcs|1-5o#ten.reesrevo.pcs|1-5o "この度は私を選出して頂き光栄です。ですが、O5となることでこの世で最も強い権力を持つ人物の一人となると同時に、この世で最も危険に晒される人物の一人となります。RAISA管理者兼、倫理委員会委員としての私の役目は、O5評議会が財団憲章の原則に忠実であるかを精査する事です。悪気はないのですが、この立場としてはO5の一員になることは出来かねます。財団の状況は常に変化しますし、SCiPとの闘いの最中に自分達を見失わないよう、常に第三者が*そこ*にいなければなりません。O5評議会のこの申し出には深く感謝しておりますが、辞退させて頂きます。"
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