SCP-XXX-JP - 船葬

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クレジット

タイトル: SCP-1226-JP - 船葬
著者: ©︎pictogram_man
作成年: 2018

アイテム番号: SCP-1226-JP

オブジェクトクラス: Keter

特別収容プロトコル: SCP-1226-JPが出現する可能性があると判断された全ての港湾とその周辺海域を常時監視するため、臨海サイト81A~83Dが各所に設置されています¹。監視対象の港湾を往来する船舶も全て監視対象となります。

SCP-1226-JPの出現が確認された場合は、タグボート部隊が出動します。当該部隊はSCP-1226-JPに索を取り付け、SCP-1226-JPを進行方向とは反対の向きに引っ張ることで、港湾への侵入を可能な限り遅延にしてください。SCP-XXX-JPが港湾に侵入するまでに、その港湾を閉鎖し民間人の出入りを禁止する必要があります。この作業を容易にするために、船舶、および港湾業務の知識を有する全ての職員は、監視対象の港湾に潜伏するべきです。

SCP-1226-JPが出入りした港湾の清掃作業は、その港湾内の職員によって秘密裡に、かつ迅速に執り行われなければなりません。清掃作業は少なくとも、SCP-1226-JPが出現してから12時間以内に完了するようにしてください。

SCP-1226-JPの隠蔽が職員のみでは困難であると判断される場合は、特別任用職員²の臨時雇用が許可されます。

SCP-1226-JP-1との接触は現在禁止されています。

名古屋港。監視対象の港湾の1つで、現在までに2回、SCP-1226-JPが出入りしている。

説明: SCP-1226-JPは全長290ｍ、全幅35mのクルーズ客船です。船体は白を基調としており、最初の発見から現在までの間、一切の老朽化を見せていません。SCP-1226-JP内の探索は現在までに6回行われていますが、燃料が存在せずエンジンも稼働していなかった点を除けば、異常な点は認められていません。

SCP-1226-JPの出現は瞬間的かつ不規則であるため、出現地点の予測は不可能です。SCP-1226-JPの出現地点から約9000ｍ以内には、SCP-1226-JPが十分に出入り可能な規模の港湾が存在します。SCP-1226-JPは港湾に入ると接舷し、約3時間停泊します。その後SCP-1226-JPは再び動き出し、港湾から脱すると1時間以内に消失します。GPS装置を船体に取り付けSCP-1226-JPの動向を探る試みは、GPS装置のみを残しSCP-1226-JPが消失する結果に終わりました。

SCP-1226-JPの喫水線下の船体には複数³の人間の水死体が固着しています。これら死体は海水に長時間曝されたことが原因と思われる腐敗を示しています。また複数の死体同士が積み重なって層を形成しているため、正確な死体の数の特定は困難です。死体の一部には焼却、切断、打撃、刺突、人間による捕食を被った形跡が認められています。死体の状態が極めて劣悪であるため、個人を特定する作業は難航しています。

SCP-1226-JP-1はSCP-1226-JPの停泊地点付近の海底から複数体出現する、起源不明の人型実体です。SCP-1226-JP-1はゴム引き帆布製の潜水服を身につけた人間に見えますが、内部は海水で満たされています。SCP-1226-JP-1への接触は、SCP-1226-JP-1の即時的な無力化という結果になります。

全てのSCP-1226-JP-1は箆へらを所持しています。出現したSCP-1226-JP-1は直ちにSCP-1226-JPへ向かい、船底に固着している死体を箆で掻き落とします。この行動は約2時間かけて行われ、その後SCP-1226-JPが動き出すと同時に全てのSCP-1226-JP-1が一斉に無力化します。結果的に、SCP-1226-JPが出入りした港湾内には複数の死体と無力化したSCP-1226-JP-1が残されます。

無力化したSCP-1226-JP-1。ホースの用途は不明。

SCP-1226-JPは、19██年██月██日に全乗組員と共に行方不明になっているクルーズ客船「███・██████」との外装などの類似点が多く見られています。この客船の行方不明事件は、未解決海難事故の1つとして一般に広く認知されています。

補遺: 20██年██月██日、清掃担当チームの提言により、SCP-1226-JP-1の行動を妨害し続けることによって清掃作業を時短化させる旨の計画が実行されました。結果、清掃作業にかかる時間は大幅に短縮され、計画は成功したと判断されました。

6回目の計画実行後、計画に参加した職員から、SCP-1226-JPに固着している死体の量が資料と比べて明らかに多いという報告が成されました。その後情報監視チームは、海岸で発見される身元不明の人間の水死体の数が世界的に増加傾向であることを報告しました。また、同チームはそれら死体の一部に焼却、切断、打撃、刺突、人間による捕食を被った形跡を認めました。これらの報告の関連性を確かめるために調査が行われ、増加した死体の一部がSCP-1226-JPの移動に伴って発生する海水の抵抗に耐えきれず、船体から離脱していることが判明しました。海洋研究チームは漂流予測の結果、離脱した死体が海流にのり最終的に陸地に漂着する可能性が十分にあることを示しました。この結果を受け、計画の中断と再考が決定しました。

漂着した死体の多くは民間人によって発見されました。それら死体のうち一部は、SCP-1226-JPと関連のない水難事故によって行方不明となっていた民間人であるとして処理されました。現在、既存の行方不明者のうち3名にこの処理が適応されています。

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使用予定タグメモ
BBC18 scp-jp keter 船舶 乗り物

Footnotes

1. 監視対象の港湾の一覧は、「監視対象施設一覧9-臨海施設編」を参照してください。

2. 財団がその技能を高く評価し、計画遂行に適任であると判断されたため、限定的な期間のみ財団に雇用された非正規職員です。詳細は「職員雇用のガイドライン」を参照してください。

3. 正確な数は不明です。

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  使用画像

  pictogram_man 21 Dec 2018 08:01

  一枚目 - 名古屋港
  ライセンス: CC BY 2.5
  作成者: 663highland
  作成日: 2013年5月2日
  転載元URL: https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Nagoya_Port_Aichi_pref_Japan01s8.jpg

  二枚目 - 潜水服
  ライセンス: CC0
  転載元URL: https://pixabay.com/photo-1118605/

  Fennecist 21 Dec 2018 08:31

  拝読しました。

  SCP-XXX-JPの船内へ入る試みは、船体の異常な耐性のため失敗しています。

  これがよく分からないです。船内が異常な「何」耐性を持っているのかもわからないうえ、なんでその耐性を持っているから船内に侵入できないのかも現状ではわかりません。書き換えたほうがいいかもしれません。

  そのため、SCP-XXX-JP内がどのようになっているのかは分かっていません。

  「そのため、SCP-XXX-JP内の様子は判明していません。」

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  SCP-XXX-JPの出現は瞬間的、かつ不規則的であるため、その動向の監視、予測は困難です。

  読点が多いです。「SCP-XXX-JPの出現は瞬間的かつ不規則であるため、その動向の観測および予測は困難です。」とすると読みやすくなると思います。

  GPS装置を船体に取り付けSCP-XXX-JPの動向を探ろうとする試みは、海上からGPS装置のみを残してSCP-XXX-JPが消失したことで失敗に終わりました。

  「GPS装置を船体に取り付けSCP-XXX-JPの動向を探る試みは、GPS装置のみを残しSCP-XXX-JPが消失する結果となり失敗に終わっています。」としてみるのはどうでしょうか。

  およそ3時間は停泊します。

  「は」は要らないです。

  時間が経つとSCP-XXX-JPは再び動き出し、港湾から脱すると、1時間以内に消失します。

  「その後SCP-XXX-JPは再び動き出し、港湾から脱すると1時間以内に消失します。」で問題ないと思います。

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  喫水線下の船体に複数4の人体が付着している点が挙げられます。

  上手い互換語が思いつきませんが、「人体」と言う表現はちょっと微妙な気がします。

  人体の一部には焼却、切断、打撃、刺突、捕食を被った形跡が認められています。

  捕食なら何による捕食の痕かまでくらいはわかるのではないでしょうか。海洋生物ではないものによるのか、海洋生物によるものなのか気になってしまいました。

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  SCP-XXX-JP-1はSCP-XXX-JPの停泊中に海底から出現する人型実体です。SCP-XXX-JP-1の起源は不明です。

  「SCP-XXX-JP-1はSCP-XXX-JPの停泊中にその付近の海底から出現する、起源不明の人型実体です。」のようにするとコンパクトになります。また、上記のようにどこの海底から出てくるのかも書いておいた方がいいかもしれません。

  箆

  読めませんでした。へらとかしゃもじと読むようなので、ひらがなか、あるいは一度だけルビを振って表示するといいかもしれません。

  この作業はおよそ2時間をかけて行われ、以降は全てのSCP-XXX-JP-1が同時に消失します。

  オブジェクトを人してみている節が見られます。ここは「この行動はおよそ2時間を掛けて行われ、その後全てのSCP-XXX-JP-1は同時に消失します。」

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  SCP-XXX-JPは元々クルーズ客船「███・██████」として運用されていましたが、20██年██月██日に全乗組員と共に行方不明となっていました。この行方不明事件は一般にクルーズ客船の未解決海難事故として広く認知されています。

  このオブジェクトが「███・██████」であると確定しているような書き方が気になります。こう書き換えてみるのはいかがでしょうか:
  「SCP-XXX-JPは、20██/██/██に全乗組員と共に行方不明になっているクルーズ客船「███・██████」との外装などの類似点が多くみられています。この客船の行方不明事件は、1つの未解決海難事故として一般に広く認知されています。」

  追記: 書いているうちに編集されたようですね。食い違う部分があるかもしれないので取捨選択して下さい。

  最後の編集 21 Dec 2018 08:33 by Fennecist さらに表示

  pictogram_man 21 Dec 2018 09:54

  Fennecist さん、非常に多くのご指摘ありがとうございます。助かります。

  + 長くなったので修正点は纏めました。

  SCP-XXX-JPの船内へ入る試みは、船体の異常な耐性のため失敗しています。

  色々考えましたが、最終的に「船内には問題なく潜入可能」ということにしました。

  そのため、SCP-XXX-JP内がどのようになっているのかは分かっていません。

  ご提案の文に変更しました。

  SCP-XXX-JPの出現は瞬間的、かつ不規則的であるため、その動向の監視、予測は困難です。

  「SCP-XXX-JPの出現は瞬間的かつ不規則であるため、その出現地点の予測は不可能です。」としました。また同パラグラフの文章の順番を一部入れ替えました。

  GPS装置を船体に取り付けSCP-XXX-JPの動向を探ろうとする試みは、海上からGPS装置のみを残してSCP-XXX-JPが消失したことで失敗に終わりました。

  ご提案を採用しました。

  およそ3時間は停泊します。

  「は」を削りました。

  時間が経つとSCP-XXX-JPは再び動き出し、港湾から脱すると、1時間以内に消失します。

  ご提案を採用しました。

  喫水線下の船体に複数4の人体が付着している点が挙げられます。

  「人体」を「人間の水死体」としました。これ以降の「人体」は「死体」としました。

  人体の一部には焼却、切断、打撃、刺突、捕食を被った形跡が認められています。

  何による捕食痕(歯形)かを明確にしました。

  SCP-XXX-JP-1はSCP-XXX-JPの停泊中に海底から出現する人型実体です。SCP-XXX-JP-1の起源は不明です。

  ご提案の文をそのまま採用させて頂きました。

  箆

  読み仮名を付けました。

  この作業はおよそ2時間をかけて行われ、以降は全てのSCP-XXX-JP-1が同時に消失します。

  「作業」を「行動」としました。また、前パラグラフの「活動」も「行動」に統一しました。

  SCP-XXX-JPは元々クルーズ客船「███・██████」として運用されていましたが、20██年██月██日に全乗組員と共に行方不明となっていました。この行方不明事件は一般にクルーズ客船の未解決海難事故として広く認知されています。

  ご提案の文をそのまま採用させて頂きました。

  
  以上になります。改定案をご丁寧に考えてくださったことに関しては感謝に堪えません。ありがとうございました。

  Fennecist 21 Dec 2018 10:06

  すみません、微改稿案です。最後の文:

  外装などの類似点が多くみられています。この客船の行方不明事件は、1つの未解決海難事故として一般に広く認知されています。

  「外装などの類似点が多く見られています。この客船の行方不明事件は、未解決海難事故の1つとして一般に広く認知されています。」としてみてください。

  内容については、あと一押し何かホラーが欲しいと言ったところです。現状では一時投票はどうにかなると思いますが、二次で差を付けられそうな気がします。

  追記: クルーズ客船でタイトルに「舟」の字を使われると、なんだか内容とタイトルのイメージがかみ合ってないように感じてしまいました。余計なお世話かもしれませんが、「舶葬」などとしてみるのはいかがでしょうか。

  最後の編集 21 Dec 2018 10:15 by Fennecist さらに表示

  pictogram_man 21 Dec 2018 10:15

  重ね重ね、本当にありがとうございます。

  未解決海難事故の1つ

  修正しました。

  あと一押し何かホラーが欲しい

  たしかにホラー要素は薄いかもしれません。何か案を思いつき次第、改稿をしてみようと思います。

  タイトル

  少し悩みましたが「船葬」とすることにしました。本来の意味は当記事の内容とは真逆ですが、問題ないと判断しました。

  最後の編集 21 Dec 2018 10:22 by pictogram_man さらに表示

  pictogram_man 22 Dec 2018 16:40

  補遺を追加しました。ホラー要素が増したかどうかは微妙ですが、個人的にこういう記録はあったほうが報告書らしくなるかと思い追加した次第です。引き続き、ご意見ご感想をよろしくお願いします。

  (account deleted) 23 Dec 2018 04:30

  ＞監視対象の港湾を往来する船舶は全て監視対象です。
  監視対象としてください　としたほうがいいかもしれません

  ＞5海里
  9260m　としたほうがいいかもしれません

  pictogram_man 24 Dec 2018 06:30

  to2to2 さん、査読ありがとうございました。

  ＞監視対象の港湾を往来する船舶は全て監視対象です。
  監視対象としてください　としたほうがいいかもしれません

  「監視対象の港湾を往来する船舶も全て監視対象となります。」としました。

  ＞5海里
  9260m　としたほうがいいかもしれません

  「約9000ｍ」としました。

  その他、修正中に気になった部分(SCP-XXX-JP-1の説明、主に第4パラグラフ)を改稿し、コンパクトにしました。

  pictogram_man 25 Dec 2018 02:41

  特別収容プロトコルに中規模程度の改稿を施しました。問題なければ近日中に投稿しようと思っております。よろしくお願いします。

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