Tale案「原告」

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 僕たちはあの時まで何事もなく生活していた。でも、あいつらに全てを奪われた。


 ████年█月██日、その日のことだった。僕は下界の監視をする仕事に就いていた。毎日大して変わらない世界を監視するのは退屈だと思いながら、いつもの通り下界を観察していた。どうせ昨日と変わらないだろうと、そう思っていたのだが、その日は違った。そこには、昨日まではいなかったはずの人間が下の世界に存在していた。何故だ。人間はこの天界以外に存在していいはずがない。そう思い、下の世界をよく観察してみた。そして、ある事実に気付いてしまった。あの人間どもは、僕らの姿によく似ていたのだ。僕に似ている人も見つけた。

 これはどういうことか。僕は、あいつらが僕たちの体を真似たに違いない、と考えた。特に理由はないが、僕はこの推論は間違いなく正しいと確信した。しかもたちが悪いことに、下界のあいつらは僕たちに似ているだけで同じではない。どこかが違った。僕たちオリジナルの、粗悪なコピーなのだ。あいつらが生きているだけで不快になった。そもそも僕が2人いる時点で不愉快なのだ。それが劣悪なコピーと分かってしまった以上、あいつらに命など与える必要はない。

 あいつらは僕たちの同一性保持権を踏みにじっている。僕たちの肉体を雑に真似て堂々と生活している。あれは僕たちではないのに、まるで僕たちのように振る舞っている。僕たちがオリジナルで、僕たちを尊重すべきなのに、僕たちのコピーが世の中に出回っている。そんなことがあっていいはずがない。あんな奴らは消滅してしまえばいいんだ。


 ████年██月█日、僕は、肉体の同一性保持権を侵害しているという名目で、やつらを訴えた。やつらの肉体は消滅して然るべきだとそう考えていた。でも裁判官の頭がおかしかった。裁判官どもはあちらの味方をしているに違いないと確信した。裁判官ども(あんなクソ野郎どもを裁判官などと呼びたくはないが)は、しきりに、

「ただ単に似ているだけではない、という証拠はありますか?」
「あなたがオリジナルである証拠はありますか?」

と証拠を求めてくる。証拠など見ればわかるだろう!目の前に立っている被告は僕の劣悪なコピーにしか見えないではないか!そう主張したが、見た目は証拠にならないの一点張りだった。

結果は散々だった。権利を侵害している事実はないという判決を受けた。でもこれは真似しかできないクソ野郎どもと癒着しかできないクソ野郎どもが決めた結果だ。こんなことは本来であればありえないのだ。今度はもっとまともな裁判所に当たるよう祈りつつ控訴することにした。


████年█月█日、1人の裁判官が、僕の出した控訴状を持って僕の家に訪問した。彼は言った。

「君の控訴状は非常に合理的であり、なぜこの内容で第一審が通らなかったのか不可解だ。これが通らないということは、被告側からの圧力がかかっている可能性が高い。しかし、私は能力者だ。君の敵である被告どもから体を根こそぎ奪うことだって私には可能だ。わたしにほんの少しの賄賂を渡すだけでこれを実行することを約束しよう。」

 これは渡りに舟だ。幸い、僕の資金は使いきれないほどある。僕はこの提案に乗った。乗ってしまった。賄賂は裁判の前日に渡すことに決まった。


████年█月██日、賄賂を渡すと決めた日だ。私は決められた場所に███万円を持って行った。すると、そこで待っていた裁判官は、突然僕の肩を掴み、傍にあった電柱に僕を縛り付けた。僕は抵抗したが、裁判官の能力とやらを行使されて身動きを取ることができなかった。そして、裁判官(だと思っていた人物)は言った。

「本当にこんな怪しい人の提案に乗る人がいるとは思わなかった。しかし、君は素晴らしい。こんな杜撰な内容の洗脳が効いてしまうとは実に素晴らしい。肉体の同一性保持権?そんなものが存在するわけがないではないか。そこに疑問を覚えないあたりが非常に素晴らしい。君がお膳立てしてくれたおかげで、私も動きやすくなったよ。私は君たちや彼らの肉体を回収したいんだ。肉体というものは有用だからね。手始めに君を私たちの神に捧げるとしよう。それから次に彼ら、そして上告されたら君たちの残りを、全て回収しよう。それで君の望みは全て叶うだろう?私たちの神に、君も、彼らも、統合されるのだから。」

「待ってくれ、話が違


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