SCP-25217-JP - ミトとカエデ
評価: 0+x

アイテム番号: SCP-25217-JP

オブジェクトクラス: Euclid Keter

特別収容プロトコル: SCP-25217-JPは現在収容されていません。詳細はインシデント記録:I-25217-02を参照して下さい。以下に記載される収容プロトコル及び収容記録は2020/2/29以前のものである事に注意して下さい。当該オブジェクトの再収容計画は立案中です。

SCP-25217-JPはサイト-2434の、有刺鉄線やセキュリティロック設置などで脱走対策を施した標準型生物収容ユニットに個体毎に分けて収容されます。フルーツや木の実を主とする給餌、及び毎日のユニット清掃、カウンセリング時以外でこちらから接触ないしコミュニケーション取る必要はありませんが、後述する異常性の発現時には発現行為を直ちに停止するよう呼び掛けることが推奨されます。収容に対する非協力的な態度に対しては、標準人型オブジェクトと同様の罰則にて対応して下さい。また、同異常性のため実験以外で収容室内への可燃性物質持ち込みは禁止されています。

説明: SCP-25217-JPは自らを"ミト"と"カエデ"と名乗る実体です(以下、順にSCP-25217-JP-1、SCP-25217-JP-2と呼称)。
通常形態時の各個体の体長はSCP-25217-JP-1が70cm、SCP-25217-JP-2が40cm程度で、肉塊に目、口腔、髪、寸詰まりな手、もしくは足が生えた、人間の身体を頭部を中心として極度にデフォルメした様な外見をしています(注1)。
恒温動物であるものの現存するどの哺乳類とも身体的特徴が一致せず、レントゲン、MRIによる構造解析の結果、目と口腔が存在するものの映像処理をする脳や摂取したものを消化する臓器、及びそれらを保持するための骨格などは見当たりませんでした。
生物学的起源は不明で、その身体構造や後述する異常性から明らかにヒト(ホモサピエンス)と異なる発生、進化過程及び生命活動形態を持つにもかかわらず、DNA検査の結果はヒトとの相違を示しませんでした。
また、SCP-25217-JP-1に関しては過去に民間で行われたDNA検査録に100%合致する遺伝子構造を持つ人間が存在したことが明らかになっており、現在当該人物との関連性を調査中です。当該人物を特定しました。詳細は補遺1を参照して下さい。

SCP-25217-JPは両個体共に日本語での会話が可能であり、SCP-25217-JP-1が標準語、SCP-25217-JP-2が関西弁を用います。人類が持つ知識の獲得に積極的であり、特にSCP-25217-JP-1が獲得した知識を戯弄的に解釈し、それをSCP-25217-JP-2に教示することで双方高い学習成果を示します。

SCP-25217-JPは各個体が個別の異常性を有しており、その能力の種類は物体の把持等日常生活に使われるものから収容違反に繋がるものまで多岐に渡ります。実験以外で未知若しくは損害の大きい、攻撃性のある異常性が発現した際には直ちに停止を求めるか、機動部隊による鎮圧を行う必要があります。

以下は現在確認されている異常性の一覧となります。

番号 異常性 発現者 用途
No.1

身体の体積増減

SCP-25217-JP-1 巨大化による外敵への威嚇、攻撃、及び高所の物体取得
No.2

サイコキネシス

SCP-25217-JP-1,SCP-25217-JP-2 身に着けているリボン及び毛髪の伸縮、操作
No.3

口腔からの
火炎放射

SCP-25217-JP-1 外敵への攻撃及び調理
No.4

声帯模写

SCP-25217-JP-1 鳥類の誘致
No.5

パイロキネシス

SCP-25217-JP-2 把持した可燃性物質への着火
No.6

排泄物への執着

SCP-25217-JP-2 (注2)

カント計数機による観測の結果、これらの異常性発現の際、SCP-25217-JP各個体の周囲数μmにのみ著しいヒューム値の低下が確認されました。スクラントン現実錨による阻害が不可能であったことから、SCP-25217-JPは高度に制御された現実改変能力を有していると考えられます。この現実改変能力が、SCP-25217-JPの周囲数μmの範囲を超えて影響を及ぼす可能性について、有意な結果を得られる実験計画を発案可能な職員は主任の田角博士に申し出て下さい。

SCP-25217-JP両個体は2019/3/17、日本の東京都渋谷渋谷駅ハチ公口にて、群衆に紛れて現地を観光しているところを確保され、目撃者にはカバーストーリー『AR機能の実地試験』が流布されました。彼らは自らがそこに居た理由を把握しておらず、『寝て起きたら高い四角(注3)だらけだった』と述べています。要注意団体の関与が想定されましたが、現在のところ解体済みの団体を含むあらゆる組織において本オブジェクトとの関連性は見出せていません。

インシデント記録I-25217-01: 以下は収容初日、オブジェクトを移送して数時間後に、SCP-25217-JPが初めて前述の異常性を発現した際の映像記録です。

I-25217-01


日付: 2019/3/17


[記録開始]
14:55: SCP-25217-JP-1が突如として巨大化し、仮収容室を突き破る。

14:56: 体積変化による体長増減を駆使して周囲を見回し始める。この時衝突した他の生物収容ユニットに軽度の損壊が発生。

14:58: SCP-25217-JP-2の仮収容室が突如として炎に包まれる。SCP-25217-JP-1は炎を目印に移動を開始したように見える。

15:03: 別途移送任務にて駐留中だった機動部隊"Seeds"がSCP-25217-JP-1に威嚇射撃。SCP-25217-JP-1に物怖じする様子は無い。

15:05: 田角博士が現場に到着。メガホンを用いた会話による意思疎通を図る。

15:10: 収容条件に関わる簡単な会話の末、SCP-25217-JP両個体の異常性発現が停止する。


[記録終了]

以下は当時の会話ログとなります。なお、当該時刻はオブジェクト番号が未採番であったため、彼らの自称を用いて呼びかけを行なっている点に留意して下さい。

<記録開始, [15:05]>

田角博士: ミト、カエデ、なんでこんなことをするんだ。

SCP-25217-JP-2: なんでもうんちもあるか。連れてくのは良いって言ったけど離れ離れは嫌や。

田角博士: 手続きがあるんだ。もう少し待ってくれないか。

SCP-25217-JP-1: まぁまぁ、カエデちゃん。お互い無事なのがわかって良かったじゃないですか。ただ-

田角博士: ただ?

SCP-25217-JP-1: おやつの時間(※)は守って下さいね。

SCP-25217-JP-2: お腹すいたなぁ。

<記録終了, [15:10]>

周囲に時計は置いていないにも関わらず、SCP-25217-JP-1が正確に15:00を検知出来た理由は不明です。

この後SCP-25217-JP-1及びSCP-25217-JP-2には定期的な面会の機会を設けることを約束し、それぞれに個別の収容ユニットが割り当てられました。これらの決定はオブジェクトの精神状態の著しい悪化を招き、結果としてオブジェクトの財団職員への攻撃性増加へと繋がりました。以下は収容初期、敵対行動をやめない理由を問うために実施したSCP-25217-JP-1へのインタビューログです。インタビューは収容時に面識のあるエージェント岩永が担当しました。

インタビュー記録-25217-01

<記録開始>

エージェント岩永: SCP-25217-JP-1、気分はどうかな。

SCP-25217-JP-2: (返答無し)

エージェント岩永: 無理やり閉じ込められて信用できないと思うけど、僕たちはできる範囲で君の不満を解消したいんだ。君がそう何度も逃げ出そうとするわけを教えてくれないか?

SCP-25217-JP-1: カエデちゃん。

エージェント岩永: SCP-25217-JP-2かい?

SCP-25217-JP-1: カエデちゃんに、会わせてください…お願いだから…。私、あの子がいないと…。

エージェント岩永: 検討するよ。でも、そのためには君たち2人が揃って何か悪さをしないか確かめないと、こっちも君たちが怖いんだ。協力してくれるかい?

SCP-25217-JP-1: (無言で頷く)

エージェント岩永: ありがとう。インタビューを終了します。

<記録終了>

当時オブジェクトは度重なる収容違反未遂への懲罰として、定期面会の機会を削減されていました。

SCP-25217-JP-2に対するインタビューも同様の結果に終わりました。オブジェクトの精神状態及び収容コストを鑑み、数度の実験の後に同ユニットへ配置後、収容態度は大幅に改善されました。同室収容後は両個体とも収容に対して概ね協力的であり、定期的な学習の機会、日に3度の食事、間食、遊具の提供を怠らなければ収容違反を起こさないと発言していました。

インシデント記録I-25217-02: 2020/2/29の深夜、当オブジェクトに関連すると思われる2体の実体によりサイト2434が襲撃され、SCP-25217-JP両個体の収容違反が発生しました。(以降襲撃者2体をそれぞれSCP-25217-JP-3、SCP-25217-JP-4と呼称)以下は収容違反発生時のカメラ映像記録です。

I-25217-02


日付: 2020/2/29


[記録開始]
00:34: サイト2434の搬入搬出路哨戒カメラに、突如としてSCP-25217-JP-3が降下、着地する様子が映る。SCP-25217-JP-3の質量による地響きが発生し、警備員が異常を察知。

00:37: 疲弊した様子のSCP-25217-JP-4が上空から飛来。SCP-25217-JP-3の頭頂部に着地する。両個体は何事か会話する。

00:38: SCP-25217-JP-3が体当たりで搬入搬出路の隔壁を突破。向かい側で控えていた警備員2名が吹き飛ばされ重傷を負う。SCP-25217-JP-4が慌てた様子で警備員に飛び付く。

00:40: SCP-25217-JP-4の羽が緑色に発光し、光を浴びた警備員が困惑した様子で立ち上がる。この時点で傷は完治しているように見える。

00:42: 警備員との会話(※)の後、SCP-25217-JP-4が再びSCP-25217-JP-3の頭部に乗り、SCP-25217-JP-3が時速40km/h程の速さで移動を開始する。SCP-25217-JP-1、SCP-25217-JP-2収容室への最短ルートを通過している。

00:49: 機動部隊"ヘルエスタ帝国軍"と邂逅、SCP-25217-JP-3を小火器で攻撃するも効果なし。

00:55: SCP-25217-JP全個体が合流。会話の後搬入搬出路方面へ移動を開始。

00:58: 鎮圧失敗を受け、O-5権限により機動部隊Ω-910"不死の大輪"の出動が決定。現地投入され搬入搬出路へ到着。

01:01: Ω-910とSCP-25217-JP全個体が接敵。Ω-910は攻撃命令を無視しSCP-25217-JP-1と数秒見つめあった後に道を開け、脱出を傍観。

01:02: SCP-25217-JP-3に他のオブジェクトがしがみつき、驚異的な跳躍力でその場から離脱。銃撃時に取り付けていたビーコンが反応を示さなくなる。


[記録終了]

"すまーん!"と謝られたとのこと。

このインシデントの発生以降、SCP-25217-JP全個体は収容されていません。オブジェクトの攻撃能力、収容難易度、他個体の存在など未知の点が多いことから、オブジェクトクラスはEuclidからketerへ格上げされました。

補遺1: 株式会社ディー・エヌ・エーのデータベースに、月ノ美兎という名前で合致するDNA情報が登録されていました。生体サンプルの着日は2018/8/3ですが、送り主の住所等の個人情報は全て破損していました。

補遺2: 機動部隊Ω-910隊員、SCP-910-JPによる収容違反幇助について、緊急でインタビューが行われました。

インタビュー記録-25217-02

<記録開始>

エージェント岩永: インタビューを開始します。SCP-910-JP。

SCP-910-JP: はい。

エージェント岩永: 貴女はSCP-25217-JPの収容違反を幇助したためにΩ-910としての雇用条件違反を問われています。発言はすべて査問委員会に提出されますので、虚偽の報告をしないように。

SCP-910-JP: 嘘なんて言いませんよ。

エージェント岩永: 何故SCP-25217-JPの脱出に加担したのですか?

SCP-910-JP: 脱出に加担はしてません。

エージェント岩永: 詭弁ですね。ではなぜ鎮圧を行わなかったのでしょうか。

SCP-910-JP: 古巣の先輩に手をあげたくなかった。それだけですよ。

エージェント岩永: 古巣…?どういうことですか?

SCP-910-JP: 貴方も先輩は敬ったほうが良いですよ。

以降SCP-910-JPの非協力的な態度による重要度の低い会話が続き、インタビューは打ち切られました。

上記インタビュー結果より、SCP-25217-JPとSCP-910-JPは出自が同じである可能性が浮上しました。SCP-910-JPのいう"古巣"については現在調査中です。

補遺3: 田角博士が収容違反後にユニット内を検査したところ、SCP-25217-JP-2収容室の地面に以下の文章が焼き付けられていることが確認できました。文章内容よりSCP-25217-JPがメディアを通して一般人に認知される可能性があるとして、特別メディア監視プロトコルの策定が予定されています。

はいしんするからかえるわ またな

注1: それぞれ以下創作物のキャラクターに酷似しているとされます。
SCP-25217-JP-1-漫画あずまんが大王、ちよの父

SCP-25217-JP-2-任堂発売家庭用ゲーム、星のビィ

注2: 一般的な男子児童と同程度の執着を見せます。
―こんなくだらない事を正式な文書に記載しちゃダメだぞぉ。(エージェント岩永)

注3: ビル群のことと思われる


ページコンソール

批評ステータス

カテゴリ

SCP-JP

本投稿の際にscpタグを付与するJPでのオリジナル作品の下書きが該当します。

GoIF-JP

本投稿の際にgoi-formatタグを付与するJPでのオリジナル作品の下書きが該当します。

Tale-JP

本投稿の際にtaleタグを付与するJPでのオリジナル作品の下書きが該当します。

翻訳

翻訳作品の下書きが該当します。

その他

他のカテゴリタグのいずれにも当て嵌まらない下書きが該当します。

コンテンツマーカー

ジョーク

本投稿の際にジョークタグを付与する下書きが該当します。

アダルト

本投稿の際にアダルトタグを付与する下書きが該当します。

既存記事改稿

本投稿済みの下書きが該当します。

イベント

イベント参加予定の下書きが該当します。

フィーチャー

短編

構文を除き数千字以下の短編・掌編の下書きが該当します。

中編

短編にも長編にも満たない中編の下書きが該当します。

長編

構文を除き数万字以上の長編の下書きが該当します。

事前知識不要

特定の事前知識を求めない下書きが該当します。

フォーマットスクリュー

SCPやGoIFなどのフォーマットが一定の記事種でフォーマットを崩している下書きが該当します。


シリーズ-JP所属

JPのカノンや連作に所属しているか、JPの特定記事の続編の下書きが該当します。

シリーズ-Other所属

JPではないカノンや連作に所属しているか、JPではない特定記事の続編の下書きが該当します。

世界観用語-JP登場

JPのGoIやLoIなどの世界観用語が登場する下書きが該当します。

世界観用語-Other登場

JPではないGoIやLoIなどの世界観用語が登場する下書きが該当します。

ジャンル

アクションSFオカルト/都市伝説感動系ギャグ/コミカルシリアスシュールダーク人間ドラマ/恋愛ホラー/サスペンスメタフィクション歴史

任意

任意A任意B任意C

ERROR

The OY_Strayed's portal does not exist.


エラー: OY_Strayedのportalページが存在しません。利用ガイドを参照し、portalページを作成してください。


利用ガイド

  1. portal:6513744 (30 May 2020 18:14)
特に明記しない限り、このページのコンテンツは次のライセンスの下にあります: Creative Commons Attribution-ShareAlike 3.0 License