わたしだけの世界
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タイトル: 私 - わたしだけの世界
著者: orangeappleorangeapple
作成年: 2022

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オブジェクトクラス:

特別収容プロトコル: すべての財団職員は「私」以外の呼称を使うようにしてください。また、情報部隊『四人称』は日本人の「私」の使用率を下げ続けるように教育機関などに潜入及び職員として「私」の使用を禁止するよう促すようにしてください。私は標準ヒト型収容コンテナに常時稼働しているスクラントン現実錨を52台設置し、予備として48台を未稼働の状態で待機させてください。インターネット、テレビ、文書等の情報媒体に一切の接触がないよう収容します。いかなる存在も私に接触しようとする試みは即時終了の対象となります。私-1は現在、半永久的に収容不可の状況下に置かれています、「私」の日本国内での使用率は30%に留めるようにします。私-1の影響下にある過去に作成された文書はすべて不自然のない内容に訂正して、再出版し、現物は財団が保管するか、またはカバーストーリー"禁書"を流布して焼却処分を行うようにしてください。
20██年に私の訓読みとして「わたし」を追加する試みを実施、成功しました。

説明: 私は██86年に事案-私-1を受けて、京都府の██市の図書館で勤務しているところを確保しました。発見時点で、日本語使用者の9█%は「私」を使用していました。私は私と私-1の二つからなります。私-1は私を一人称、二人称問わず私を指し示す用途で使われた言葉を全て「私」という単語に現実改変を用いて変化させる異常性です。私-1の効果範囲は多岐にわたり確認されるすべての言語での文章、発言、思考内の私を指す言葉を「私」に改変します。いかなる記憶処理を持ってしても、「私」を消そうとする場合、言語的能力に甚大な被害をもたらし、一人称の損失による言語化能力の消滅という結果となったため、それ以降の実験は無期限凍結されました。

補遺1 事案 私-1: ██85年に日本中の文書、映像、音声、及び発言内の5█個の呼称が「私」改変されました、これにより日本中がパニックに陥り、この現象を臨時的に私とナンバリングされました。
以下、改変された言語の一部

改変された単語 説明
男性の一人称として使われる単語
未婚の女性を指す場合に使われる単語
高齢の男性を指す場合に使われる単語
高貴な身分の人の死体を指す言葉
固有名詞 関西によく見られる名前

補遺2: 19██年に財団との強力で世界での大規模な言語の変更、記憶処理が行われました、これにより一人称以外での私という単語の排除に成功しました。以下は当時、私の担当をしていた██博士の音声記録です。

<録音開始, [19██年]>

██博士: あー、ここで私について記録しておこうと思う。二度と繰り返しちゃならねぇからな。

██博士: [深い溜め息] 上の考えはこうだ、現実改変で「私」になったのならそれを常識とし、風化させる、他の一人称を流行らせることで「私」って単語自体を財団内でのものだけにするってな。

██博士: [3秒間の沈黙] あぁ、まったく、嫌だな、後手後手だ、何一つ先に手を打てない、未知の恐怖さ、普段知ってる言葉のはずなのにな。まぁこれからどんどん以上は消えてくだろうよ。

██博士: いや。[5秒間の沈黙]そもそもいつから「私」って単語はできたんだろうな、いや、私って単語はもとから存在していたのか?

██博士: すまない、少し考える。[ライターの着火音。]

<録音終了>

補遺3 事案 私-2 20██年 4月。日本国内での「私」の使用率が1█%を下回りました、それと同時に私は瞬時に液状化。その後コンテナ内の排水溝からサイト内の別の排水口へ移動、サイト内の███人を吸収しました。私は移動中、または戦闘中に多様なかつてあった呼称を使用しました。その後機動部隊による鎮圧により、再収容されました。
この事案により日本国内での「私」使用率は4█%へ再度上昇しました。

以下この後に行われた██博士のインタビューです

私:

インタビュアー: ██博士

**<録音開始 20██年 4/██>

**<付記> 私との直接接触、及び私以外の呼称の使用は許可されません。また、インタビュー室の周りには3█機のスクラントン現実錨が設置されます。

██博士: さて、始めようか、あー名前、言えるか?

私: [6秒間の沈黙] ….私

██博士: よし、じゃあ私、今回の脱走の経緯を教えてくれ。

私: 私は、[██博士を指さして]"私達"だから。

██博士: ふむ、それは、私が人間だということかな?

私: ちがう。私は"私達"だけど人間じゃない。

██博士: それは[██博士は自分自身を指差す]私達が人間でないと?

私: それも違う、博士達は人間だけど、[私を指さして]私は人間じゃない。でも[██博士を指さして]"私達"と同じ

██博士: 私が言う"私達"とは?

私: 私達の中の私達?私達の本質、うーん、違う。あぁ、私は私だよ!だから忘れ去られるなら本気を出して抵抗するの。ね?だってだれも、忘れ去られたくないでしょ?博士も。私はみんなに知ってほしいし、覚えてほしいの。私はまさしく、[██博士を指差し]"私達"なの

██博士: なるほど、つまり私は、、、[突如慌てて護身用の拳銃を抜き出し足元に3発撃つ。]

私: 私も私達になろう?ね?

██博士: はっ、くそったれめ[██博士は自分自身の頭を撃ち抜く]

私: あら、逃げちゃった。

<録音終了>

<追記> 録音終了後、インタビュー室の遮る壁が不自然に歪曲されていました。当時のヒューム値は█.███56でした。

以降私との接触は認められません。

付与予定タグ: SCP -JP 現実改変 人間型 言語


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