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アイテム番号: SCP-XXX-JP

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPの目撃情報が報告された区域には、それぞれ2名以上のレベル2職員が担当職員として割り当てられます。担当職員は各区域に対して定められた手順に従い、民間人による区域への進入を防いでください。それぞれの手順については別添資料「隔離対象区域XXX-JP」を参照してください。

SCP-XXX-JPを目撃した人物にはインタビューを実施し、クラスA記憶処理を行った上で解放してください。SCP-XXX-JPによる被害を受けた人物に対しても同様の手順が適用されますが、追加でカバーストーリーの適用を行ってください。

説明: SCP-XXX-JPは、関東地方の各地で目撃例が報告されている未知の存在です。現在その外見や振る舞いを記録した映像や写真などは一切存在せず、調査は難航しています。しかしながら、実地調査を行った財団職員を含む、多くの人物によってその存在についての言及がされており、実際にSCP-XXX-JPによる暴行とみられる被害も発生しています。

SCP-XXX-JPに関する報告に共通する点は以下の通りです。

  • SCP-XXX-JPが目撃されたとされる時間が日本時間において19時~23時の間である
  • SCP-XXX-JPの目撃時に、その場に居合わせていた人物が存在しない
  • 目撃者によるその外見についての証言は毎回内容が一致していない
  • SCP-XXX-JPから暴行を受けたとされる被害者は、全員何らかの形で顔面/頭部に損傷を受けている

以下はSCP-XXX-JPの目撃例が存在する場所のリストの一部です。計42ヵ所が挙げられていますが、完全なリストは担当職員にのみ公開されます。

  • 東京都██区、███公園(5件)
  • 茨城県、[編集済]駅の█/█番線ホーム(12件)
  • 埼玉県███市、██████ビル12F(2件)
  • 栃木県██市[編集済]周辺(10件)
  • 神奈川県██市███、[編集済](3件)

調査記録XXX-JP: SCP-XXX-JPの目撃情報の検証として、Dクラス職員を用いた該当地域の調査が行われました。以下はその記録群からの抜粋です。

調査記録 #1

日時: 20██/07/12 - 19:10~19:18
場所: 群馬県███市[編集済]
調査員: D-32561


D-32561: あー、聞こえるか。たった今[編集済]に着いた。俺はここら辺を調べればいいんだな?

██研究員: そうですね。目撃情報によると、今あなたが写している柱の先にある自販機の下からSCP-XXX-JPが出現したそうです。

D-32561: 自販機の下ねぇ……何の変哲もないように見えるが……。まぁ取り敢えず最初にそこを調べてみることにする。

██研究員: くれぐれも注意してください。

D-32561: ああ。この自販機の下だっけか……。

[自販機の下が写される]

D-32561: ──ん?

██研究員: どうしましたか。

D-32561: いや、ただの気のせいだったみたいだ。後ろに人がいる気配を感じた気がしたんだが……。──ほら、このとおり誰もいないみたいだ。

██研究員: そうでしたか。では次に目撃情報のあった──

[カメラが大きく振られる]

D-32561: え、何だ今の。手が……。

██研究員: 手がどうしたのですか。

D-32561: 俺の右手首が後ろに引っ張られて……。

██研究員: 把握しました。周囲に人はいないんでしたよね。

D-32561: あぁ…。気持ち悪いからもうさっさと帰りたいんだが……。

██研究員: 現象については記録しました。この付近にもう1つ、SCP-XXX-JPの目撃例が存在する場所があるので、次にそちらの調査を行っていただきます。

D-32561: [溜息]……んで、その場所っていうの──[嘔吐く]

██研究員: D-32561?

D-32561: [何かを呟いているように聞こえるが内容の詳細は不明]

██研究員: 聞き取れません。どうしましたか。

D-32561: おい…なんだお前…俺を[判別不能]……。

██研究員: D-32561。状況を報告してください。

D-32561: やめろ!放せ!

[映像が乱れる]

██研究員: 今からそちらへ部隊を派遣します。

[3、4回程の足音の直後、衝撃音のような鈍い音]

D-32561: [悲鳴]

[カメラが落下し、おおよそD-32561の反対方向を映す]

D-32561: やめろ!顔が!俺の顔が!痛い!やめてくれ!

[以降50秒間に渡って不規則に衝撃音が確認される]


後記: D-32561は、調査が行われた自販機付近にて意識不明の状態で発見されました。顔面には複数の痣ができており、鼻骨骨折を起こしていました。現在も入院中であり、事後インタビューは見送られています。また、調査現場では如何なる形跡も確認されませんでした。

調査記録 #3

日時: 20██/08/03 - 22:42~22:48
場所: 東京都、[編集済]駅構内に存在する男性用トイレ
調査員: D-41007


D-41007: ここだな、[編集済]駅の男子トイレ。

██研究員: はい。その内部、特に個室内での調査を行ってもらいます。

D-41007: そうか。じゃあ手前の個室から見ていくぞ。

[11秒間にわたって個室内と天井が映される]

D-41007: うわっ!なんだよ!

██研究員: どうかしましたか。

D-41007: あー、いや、いま首元を誰かに触られたような……。

██研究員: 把握しました。その他に目立った違和感などはありませんか。

D-41007: いや、特には……。しいて言うなら何か上から視線を感じるというか……いや、ただの思い込みみたいなやつだな多分。次行くぞ。

[D-41007が隣の個室へ移動。同様に個室内が映される]

D-41007: うーん。ここも特に気になるところはないな。

██研究員: そうですか。

[衝撃音]

D-41007: [舌打ち]

██研究員: どうしまし──

D-41007: [遮って]うるせぇな。ちょっとバランス崩してドアに頭をぶつけただけだ。そうだ……バランスを[判別不能]

██研究員: なんですか。何か最後に言ったように聞こえたのですが。

D-41007: いや、なんでもない。次に行く。

[直後、D-41007が身動きをとめて約5秒間沈黙]

██研究員: D-41007?

D-41007: な、なんだ……お前……。

██研究員: どうしましたか。報告をしてください。

[カメラが天井に向けられる]

D-41007: こいつだよ……なんで天井から腕と……何かの臓器──[嘔吐く]

██研究員: カメラには特にそのようなものは映っていませんが。

D-41007: なんだって?そんなはずは……うわっ、なんだこいつ!?

[カメラが激しく振られた後、映像が途切れる]


後記: D-41007は洋式便器の便座に顔をうずめている形で死亡していることが確認されました。D-41007の頭部は[削除済]状態であり、前頭骨骨折、脳挫傷を起こしていました。現場にはこれまでと同様、血痕をはじめとする一切の痕跡が残っていませんでした。

調査記録 #4

日時: 20██/08/27 - 21:02~21:16
場所: 東京都██区、███公園
調査員: D-41012


D-41012: ███公園、着いたぞ。

██研究員: では、敷地内の調査を開始してください。何か気になるものを見つけた際は必ずカメラを向け、それについての報告をしてください。

D-41012: わかった。

[65秒間、歩行音と共に敷地内の様子を映した映像が続く]

D-41012: ん、何か今通ったな。

[カメラが公園内の樹木を映す]

██研究員: どのようなものが通ったのですか?

D-41012: 一瞬だったからよく分からないな……見間違いかもしれない。

██研究員: そうですか。では引き続き調査を行ってください。

D-41012: ああ……。

[23秒間、歩行音と共に敷地内の様子を写した映像が続いた後、D-41012が立ち止まる]

██研究員: どうしましたか。

D-41012: [沈黙]

██研究員: D-41012。

D-41012: え、あぁ……すまない。そこの街頭の近くで何か白い……人間みたいなのがいるように見えたんだ。

██研究員: こちらでは特にそのようなものは確認できないのですが、今も見えていますか?

D-41012: あー……もう今は見えない。おかしいな……。

██研究員: そうですか。また何かあれば報告してください。

D-41012: うーん……さっきまで確かにいたよな……。

[D-41012が後ろへ振り返る]

D-41012: ん……?なんだあれ……。

[カメラがズームし、D-41012からおよそ50m離れた電灯を映す]

D-41012: 人……か……?にしては図体がでかすぎないか……。

██研究員: どうしましたか。こちらからはそのようなものは確認できないのですが。

D-41012: え……。[3秒沈黙]や……やめろ!こっちに来るな!

██研究員: D-41012?

[D-41012の悲鳴と共にカメラが前方へ投げ出される。落下したカメラはおよそ10m先のD-41012を写している]

D-41012: やめろ……俺の顔に[判別不能]……おい![絶叫]

[以降、D-41012が街灯に顔を繰り返し打ち付けている様子が映される]


後記: D-41012は急行した回収部隊によってその場で拘束されましたが、間もなく意識を失いました。事後インタビューは見送られています。

補遺: SCP-XXX-JPに関する目撃情報の検証のために行われた実地調査において、小型カメラを搭載したドローンを調査員に追従させ、周囲状況を記録する試みがなされました。しかしこの場合、SCP-XXX-JPや、それに関係すると思われる異常な現象が一切確認されないという結果に終わりました。


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