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アイテム番号: SCP-XXXX-JP
オブジェクトクラス: Safe
特別収容プロトコル: SCP-XXXX-JP周辺の半径200mの範囲を高さ3mのフェンスで囲い、カバーストーリー「土砂崩れ」を流布、民間人の侵入を制限してください。フェンス内には警備員を常時3名以上配置し、侵入者を発見した際はクラスB記憶処理剤を投与した上で解放してください。
説明: SCP-XXXX-JPはアメリカ合衆国、ウィスコンシン州の山間部に存在する、所有者不明の2階建てアパートです。SCP-XXXX-JPは外観から20世紀初頭に建築されたと推察され、外壁には“怪奇アパート(Apartment of Abnormalities)”という大型の金属製プラカードが取り付けられています。また、下部には以下の文章が記された小型のプラカードが取り付けられています。
恐ろしくも偉大なる彼らのイマジネーションを此処に遺す。
SCP-XXXX-JPは破壊耐性を有しており、その為発見時まで倒木や地震などの影響により倒壊することが無かったと考えられます。
SCP-XXXX-JPには7つの部屋があり、内6部屋は金属製のドアで閉鎖されています。閉鎖された6部屋には内部に実体1が存在しますが、これらの実体はこちらからの呼びかけに対し一切の反応を示しません。SCP-XXXX-JPが持つ破壊耐性により、閉鎖された部屋への侵入は不可能となっています。また、巡回中の警備員から、廊下に人影が見えた,夜間に談笑する声が聴こえた等の報告が挙がっており、侵入者の可能性も含め調査中です。
各ドアには室内を覗くことが可能なドアスコープ2があり、ここから内部実体を観察することが出来ます。下部には部屋番号及び部屋毎に異なる文言が記された表札が付いています。
補遺.1: 閉鎖された部屋の内容物
以下は閉鎖された各階の部屋、各ドアの表札の文言、また可能な限りにおける各部屋の内部実体の外見的説明のリストです。
一階
部屋番号001
表札の文言: ジョンとフランク(John and Frank)by メアリー(Mary)
説明: 薄暗い廊下が伸びており、奥の部屋では、痩せた青年男性と位置関係的に姿が視認できないもう一人の実体が、チェスの勝負を行っています。駒を移動させる際に実体の手首から先のみが確認できますが、男性のものと比べて約2倍ほど大きく、複数の裂傷が見られます。勝敗が決まると、すぐに次の勝負が始まります。
部屋番号002
表札の文言:願望(Desire) by エドガー(Edgar)
説明: 室内はほとんど塗装が剥げ、一部は崩れています。中央には、暗褐色の棺が置かれており、不定期な間隔で棺が内部から振動します。
部屋番号003
表札の文言: 夜型(The Night owl)by アンリ(Henri)
説明: 床にゲーミングPCが置かれており、付近には小型のブランケットに包まったヒトの右手が存在します。手は太陽が沈むと活性化し、自立行動をとるようになります。実体は指を用いて体を引き摺るように前進し、太陽が昇るまでPCでシューティングゲームを行います。太陽が昇るとブランケットに包まり、活動を停止します。
部屋番号004
表札の文言: 王の祝福(The king's blessing)by ロバート(Robert)
説明: 室内は黄色の液体でほとんど満たされています。内部を覗いた職員が、液中にヒト型の実体が潜んでいる気がすると証言しましたが、そのような実体は確認されていません。
二階
部屋番号005
表札の文言: スミス(Smith)by アルジャーノン(Algernon)
説明: 室内は煙で充満しており、中央に朧げながら、燃え盛る街のミニチュアが確認できます。煙はしばしば絶叫する人間の顔面に変化することがあり、これを視認した人物は一時的な悲壮感を覚えます。
部屋番号006
表札の文言: 美食家(The Gourmet)by ロード(Lord)
説明: 部屋の中央の食卓で、男性がこちらに背を向けて食事をしています。食事の内容は、皿が実体の正面に位置しているため確認できません。実体が落としたフォークを拾うために屈んだ際に、皿の上に[編集済]のものと思われる、未調理の肝臓、大腸、及び眼球が確認されました。実体の食事は現在まで続いています。
補遺.2: 開放された部屋
発見時、2階の007号室のみ閉鎖されておらず、入室が可能でした。以下は扉に取り付けられていた表札の文言です。
若きもの(Young one)by ハワード(Howard)
部屋の内部は、リビング、シャワールーム、寝室で構成された簡素なものですが、天井が約5mと高く、粘着質の液体が床の大部分を覆っています。3以下は室内で発見された物品のリストです。
- 古びた映画チケット。題名は文字が擦り切れており確認できません。
- 一部にフジツボが付着した灰皿。
- 折り畳まれた無地のTシャツ3枚。いずれも一般的なTシャツの最大サイズの2倍以上の大きさがあり、背面には等間隔に20個の穴が開けられています。
- 本棚の裏側にて発見された、“狂気の遭遇”と題された本。表紙以外はほとんど小動物や虫、及び前述の液体の影響で汚損しており、内容は判読できません。装着された帯には、「必ず返すこと。M」と書かれています。
追記: 007号室正面の廊下の隅に、以下の文章が記されたメモが発見されました。一部粘着力を失ったセロハンテープが付着しており、ドアに貼り付いていた状態から剥がれ落ちたと思われます。
此の度当アパートを引き払うことと致しました。
理由はアンタらが一番ご存知の筈だよな。毎月毎月我の部屋に押し掛けては意味不明な呪文唱えたり落書きしやがって。なんだよあの黄色いベタベタ!落とすのマジで時間かかったんだぜ!あれ絶対ペンキじゃないだろ。
そんなアンタらの馬鹿騒ぎに耐えまくって半年が経った。するとアンタら今度は我のことをえらく持ち上げ始めただろ。最初は気分が良かったさ。命令したらすぐ従うし、こっちが申し訳ない気分になるくらいだったよ。
だが、段々アンタらが気持ち悪くなってきた。やたら纏わりついてくるし、なんか家畜の革とか頭とかが大量に送り付けられるし、(隣室の野郎が送ってきた物については……思い出したくもないね。アレのせいで一週間ポークチャップが食べられなかった。)極めつけは、散歩に行って戻ってきたら我の部屋いっぱいに魔法陣もどきが描かれてた時だ。
ようやく我は気づいた。ここはカルト教団の拠点なんだと。そう思えばアンタらの奇行の説明もつくしな。ということで、バフォメットの生贄にされちまう前に退散するぜ。
追伸.今度はエリア51ぐらいセキュリティ厳重な場所に住むよ。隣人トラブルは、もう沢山だしね。
現在、退居した実体を捜索中です。
付与予定タグ scp safe jp 建造物 怪奇部門 知性 自我 人間型 液体 精神影響 わかばコン
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JPではないGoIやLoIなどの世界観用語が登場する下書きが該当します。
ジャンル
アクションSFオカルト/都市伝説感動系ギャグ/コミカルシリアスシュールダーク人間ドラマ/恋愛ホラー/サスペンスメタフィクション歴史任意
任意A任意B任意C- portal:7863290 (28 Jan 2022 12:18)
こちらの都合上、返信が夕方以降になってしまうことがあります。申し訳ありません。
拝読しました。
コンセプトは個人的には好みですが、パロディとしては評価が分かれそうだなとも感じました。
スポイラーの内容について、私は怪奇作家に詳しくないので具体的なパロディ元はよく分かりませんでしたが、「怪奇小説をネタにした怪奇部門のパロディ」であるということは問題なく伝わりました。ただ、現状、私のように知識のない読者は各部屋の説明を読んでも内容から元ネタを連想出来ないので、説明部分が「怪奇部門パロディのためのフレーバー」でしかなくなってしまっているのは勿体なく感じました。ただ元ネタの小説をそれっぽくまとめるだけでなく、何かアパートの情報を示唆できると良いかなと思います。
SCP-2662の要素について、パロディのみで終わらせず一捻りされているのは良いと思います。ただ、整合性の面では違和感がありました。具体的には、
・アパートの部屋にいる存在のうちクトゥルフだけが逃げ出した理由が分からないこと
・「クトゥルフそのものの性質を持つが人格はめちゃくちゃ俗っぽい」というSCP-2662の性質が活かされていないこと
の2点が気になりました。この2点をうまいこと繋げつつ解決するような描写を1つ入れられれば、納得感が増してぐっと面白くなるように思います。
申し訳ありません。
リプライとして送ることができていませんでした。
ご批評大変ありがとうございます。
ご指摘の箇所を改稿していきたいと思います。
ご指摘の部分を自分なりに改稿致しました。
考察に楽しみ方を委託しない怪奇部門として独立した面白さがあると思います。
ただ、クトゥルフを始めとする再解釈されたキャラクターを上手く使えていないように思いました。アパートをモチーフとしているのに共同での生活痕跡がなく、アパートを舞台にした醍醐味的要素を活用できていません。007号室に一応平時は上手くやっていたことを示すような痕跡があればギャップになるでしょう。例えばユニバーサルの映画チケットがジョンから送られてきたり、部屋の隅に002号室から借りたらしき『狂気の遭遇』が置いてあったり、006号室から余った食事の鍋が渡されていたり、小ネタとアパート生活あるあるを混ぜた物品の痕跡を箇条書き形式で残せば小市民感も出ます。生活の様子を想像させて面白いと思わせるような仕掛けを配置しておくと分かりやすい面白さに繋がるでしょう。
また、リンク以外にクトゥルフを示すヒントがないのも厳しいです。自身の異常性で住人たちがおかしくなったというのがメモから伝わらないのもありますが、クトゥルフの要素である「触手」「崇拝」が出てこないのが勿体ないです。(触手はそれなりに触れられると思いますが、)崇拝についてはSCP-2662にある「六か月日常的に相互作用すると崇拝が発生」が使えるでしょう。むしろ元記事でも上手く使えていない要素なので丁度いいかもしれません。月一の暴走については上手く受け流しながらも仲良くやってきたが半年経つと妙に自分を持ち上げるようになった、自分はただ仲良くしたいだけだったのに……のようなアイロニーを持たせると要素を綺麗に使って物語を成立させられるでしょう。
この他、オチとして「次はセーフティロック付のコンクリマンションに住むよ。隣人トラブルはもう沢山だしね」みたいな文言で締めればSCP-2662との繋がりも生み出せると思います。
·補遺1のリストの内容の折りたたみも無くしたほうがよろしいでしょうか。
·オチの例として挙げられたものがとても良いと思ったのですが、やはり他著者の方から頂いた例をまるまる使用するのは、ルール的に/マナー的によろしくないものなのでしょうか。
お忙しい中このような幼稚な質問をしてしまい申し訳ありません。
痕跡の箇条書きについて補足ですが、「住人間の生活が見える」と面白さに繋がると思います。
また、「*」に半角スペースで箇条書き構文が使えます。
お答えいただきありがとうございます!
参考にさせてもらい、改稿していきたいと思います。
ご批評大変ありがとうございます。
確かにアパートという設定を上手く活用できていませんでした。怪奇部門に寄せようとしすぎるあまりこの記事のオリジナリティを出せていなかったと思います。具体的な改善案まで示して頂いて大変助かります。
補遺.2及び追記の内容も焦った改稿で雑な内容になってしまったと思います。オチまで具体的に書いていただき本当にありがとうございます。
また、前半でご指摘頂いた箇所は早急に改稿したいと思います。
拝読しました。
改稿により良くなっており、現状で投稿しても残ると思います。
最後の手紙を含め、それぞれのパートの文量も問題ないと思うので、(コンテスト期限も迫っていますし)ここから大規模な改稿をする必要は無いでしょう。
以下、細かい気になった点です。(どれもそこまで重大な点ではないので、処理に悩むようなら変えないままでも良いと思います。適宜取捨選択お願いします。)
>恐ろしくも偉大なる彼らのイマジネーションを此処に遺す。
この1文はアパートの彼らが誰かの被造物であることを示唆していると思われますが、その情報は敢えて言わない方が読者に自由に想像させられるような気がしました。
>以下は室内で発見された物品のリストです。
現状、ここのリストは割と俗っぽい(クトゥルフ神話のクトゥルフっぽくはない)アイテムが集められています。それはそれでいいと思うのですが、その他の住人と性質が違い過ぎるのも違和感があるので、ここにクトゥルフ神話のクトゥルフっぽいアイテムを1つか2つ置いておいた方がバランスがとれるかなあと思います。壁にフジツボが貼り付いてるとか、床が触手の粘液でベタついているとか……
>その他
説明の序盤のどこかで、「アパートの中に誰も居ないときだけ、たまに騒ぎ声が聴こえたり廊下に人影が見えたりする」みたいな描写を入れておくと、少しアパートの生活感を出せるかもしれません。
再びのご批評誠にありがとうございます!!