SCP-XXXX-JP 「引き抜く者は果たして勇者か」

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アイテム番号:SCP-XXXX-JP

オブジェクトクラス:Safe Euclid

特別収容プロトコル:
SCP-XXXX-JPは、サイト-81██別館の放射能対策が施された隔離収容室に保管し、24時間体制で監視してください。また、内部には遠隔操作式のタレットを設置し、監視している職員は即座に射撃が行えるように準備している必要があります。実験を含む収容室への侵入及びあらゆるSCP-XXXX-JPとの接触は、事案XXXX-JP以降許可されていません。Dクラス職員等の過去に犯罪歴を持つ人間が許可なく収容室に侵入した場合、SCP-XXXX-JPに接触される前にタレットを用いて終了してください。
改定前の収容プロトコル:
SCP-XXXX-JPは、サイト-81██別館の放射能対策が施された隔離収容室に保管してください。SCP-XXXX-JPを用いた実験を行う場合は、レベル3以上の権限を持つ職員の許可が必要です。実験時に接触するDクラスを除く職員は放射能防護服の着用など対策を徹底してください。実験終了後、接触したDクラス職員はクラスCの記憶処理を施し業務に戻してください。

説明:
SCP-XXXX-JPは日本海の底からサルベージされた、台座(SCP-XXXX-JP-1)とそれに25°程度傾いた状態で刺さっている刃渡り70cmほどの西洋剣(SCP-XXXX-JP-2)です。20██年の海上保安庁による海洋汚染調査時に、調査船の探知機に前年調査時は探知されなかったSCP-XXXX-JPが発している微量な放射能が検知されたことにより発見に至りました。調査船の乗組員たちは帰港後、同船していたフィールドエージェントにより連絡を受け待機していたエージェントによりクラスAの記憶処理を施されました。

SCP-XXXX-JP-1は驚異的な耐久性を有する不明な材質で作られた台座です。SCP-XXXX-JP-1の表面には縦15cm×横20cmの研磨された面が存在し、既知の言語と一致しない言語を用いた文字列が彫り込まれています。Dクラス職員を用いた複数回の実験により、この文字列は犯罪歴を持つ一部の人間のみが理解できるということが分かっていますが、文字列の内容を聞き出す試みは成功していません。この文字列を理解できた人物をSCP-XXXX-JP-1-Aと呼称します。

SCP-XXXX-JP-2は材質・見た目において一般的なショートソードと同様ですが、微弱な放射能とSCP-XXXX-JP-1同様の耐久性を有しています。SCP-XXXX-JP-2はSCP-XXXX-JP-1-Aが両手で柄を握った場合に限り引き抜くことができます。SCP-XXXX-JP-2を引き抜いたSCP-XXXX-JP-1-Aは例外なく「自分は剣に選ばれた」「自分は特別である」及び「自分は強い」「自分は無敵である」等の主張を繰り返しますが、それ以上の変化は見られません。なお、SCP-XXXX-JP-2この際のあらゆる問いかけに対し、SCP-XXXX-JP-1-Aは無関心です。また、レポート-02及び事案XXXX-JPよりSCP-XXXX-JP-2本体またはSCP-XXXX-JP-2を引き抜いたSCP-XXXX-JP-1-Aには軽度の深刻な認識災害を引き起こす能力があることが予想されます。

実験レポート-01:

被験者:SCP-XXXX-1の文字列を理解できないDクラス職員
補遺:Dクラス職員は放射能防護服を着用
結果:変化なし。実験後担当したDクラス職員を検査しましたが、これといった異常性は見られませんでした。

実験レポート-02:

被験者:SCP-XXXX-JP-1-Aに該当するDクラス職員
補遺:前回と同様、放射能防護服を着用
結果:変化なし。実験終了前にSCP-XXXX-1-Aに不明文字列の内容を確認したところ何らかの音声を発したようですが、その場にいた職員は音声を認識することができず、設置されていたビデオカメラには解読不明の音声だけが記録されていました。

実験レポート-03:

被験者:実験レポート-2と同様のDクラス職員
補遺:Dクラス職員は放射能防護服を未着用
結果:SCP-XXXX-1-AはSCP-XXXX-2を引き抜くことに成功。その後「自分は選ばれた」「自分は無敵である」等の主張を、研究員が実験を終了するまでの約30分間繰り返しました。この間、職員の質問に対しSCP-XXXX-1-Aは一切の反応を示しませんでした。また、次回実験からSCP-XXXX-JP-1-Aは放射能防護服未着用とします。

実験レポート-04:

被験者:Dクラス職員1名と実験レポート-3とは別のSCP-XXXX-JP-1-A
補遺: SCP-XXXX-JPの影響を受けていないDクラス職員は剣道有段者
結果:前回同様にSCP-XXXX-JP-1-AはSCP-XXXX-JP-2を引き抜くことに成功し、「自分は選ばれた」「自分は最強だ」等の主張を繰り返しました。その状態で剣道有段者であるDクラス職員(竹刀を使用)と簡単な試合をさせたところ、SCP-XXXX-JP-1-Aは真剣であるSCP-XXXX-JP-2を持っているにも関わらず完敗しました。以上のことから、SCP-XXXX-JP-2を引き抜いたSCP-XXXX-JP-1-Aに身体的な異常性は一切ないと考えられます。

事案XXXX-JP:

20██/05/15に行われた第5回目の実験にてSCP-XXXX-JPの収容違反が発生し、同室していた職員3名(うち研究員1名)を失う事態が発生しました。
補遺:他のSCP-XXXX-1-Aと区別するため、収容違反を引き起こしたSCP-XXXX-JP-1-AをSCP-XXXX-JP-EXと表記
詳細:
SCP-XXXX-JP-EXが引き抜いたSCP-XXXX-JP-2と何らかの会話を行う素振りを見せました。会話の内容は実験レポート-02の際と同様に解読不能の言語で行われており判明していません。
実験にあたっていた職員が会話の中止を試みたところ、SCP-XXXX-JP-2の刀身からチェレンコフ放射光に酷似した青色光が放射され、同室していた研究員1名を含む職員3名が放射能防護服を着用していたにも関わらず被曝しました。また、この青色光が原因と思われる大規模な認識災害により監視カメラ等の記録媒体及びSCP-XXXX-JP-2を中心とする半径20m外の人間が、SCP-XXXX-JP-EXを認識できなくなっていたことが後の調査で判明しています。
SCP-XXXX-JP-EXはSCP-XXXX-JP-2を用いて収容室のドアを破壊しサイト-81██本館へ続く連絡通路の移動を開始しました。この時、SCP-XXXX-JP-EXには身体能力の異様な向上が見られました。事態を検知したサイト-81██の警備担当者によって自動小銃を装備した武装職員4名を連絡通路出口付近に待機させ、接近してきたSCP-XXXX-JP-EXに対し一斉射撃を行う作戦が実行されました。結果、97発の銃弾を受けSCP-XXXX-JP-EXは完全に沈黙しました。
メモ:
・事案XXXX-JP終了直後、SCP-XXXX-JP-2はSCP-XXXX-JP-1のもとへテレポートした後に発光現象及び認識災害が消失し結果的に再収容されました。
・SCP-XXXX-JP-EXは死刑判決を受けたDクラス職員でしたが、後の調査で受けていた死刑判決が冤罪によるものであった可能性が高いことが判明しています。また、事案XXXX-JPにSCP-XXXX-JP-EXとサイト-81██の延長線上約15km先に、SCP-XXXX-JP-EXに死刑判決を言い渡した裁判官の自宅がありました。
この事案XXXX-JPを受けて、SCP-XXXX-JP(特にSCP-XXXX-JP-2)に自我が存在する可能性が浮上したため、オブジェクトクラスとそれに伴う収容プロトコルの改定が申請・承認されました。


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