蒼桜 - SCP-JPサンドボックスⅢ

蒼桜

アイテム番号: SCP-XXXX-JP

オブジェクトクラス: Anomalus Safe Neutralized

特別収容プロトコル:

SCP-XXXX-JPは､2011/3/11の地震により異常性の消失が確認されています。異常性の確認は4/1に行ってください。

+ 2003/3/21以前の特別収容プロトコル：Anomalus

+ 2007/4/1以前の特別収容プロトコル：Safe

説明: SCP-XXXX-JPは､樹齢500年近く経った､花の青いヤマザクラ(学名： Cerasus jamasakura)の異常物体です｡オブジェクトの表皮に傷は見受けられませんが､幹の内側の損傷が酷いため280㎏以上の負荷を掛けないで下さい。
SCP-XXXX-JPは､一般的に｢ラブレター｣と呼称される手紙を把持した人物がオブジェクトの下に存在した場合に活性化します。活性化した場合､SCP-XXXX-JP-1はSCP-XXXX-JPの周囲5㎞に類似した別空間(以下､SCP-XXXX-JP-Aと呼称)に転送され､手紙の送り相手(以下､SCP-XXXX-JP-1と呼称)が出現します。出現後は1時間以内のSCP-XXXX-JP-1との対話が可能です。対話後にSCP-XXXX-JP-1にラブレターを渡すと､恋愛的感情を拒否され､SCP-XXXX-JP-1は消失します。

+ 補遺-1:

- 補遺-1:

以下は､民間人の青年により新たな異常性が発見された際のインタビューです｡

対象:鮫山 ██氏

インタビュアー: 山本研究員

付記: 鮫山 ██氏はインタビュー直前に癲癇の発作が発生しています。また､鮫山氏は終始啜り泣いていました。

<録音開始, (2007/4/1)>

インタビュアー: 鮫山さん、てんかんは大丈夫ですか？

鮫山氏: [3秒沈黙]……てんかん起こってました？

インタビュアー: えぇ、起こってましたよ。

鮫山氏: あぁ、すみません……日誌に書いておきます。

インタビュアー: はい、それでですね。今回貴方にここまで足を運んで頂いたのは、あの青い桜の事についてお話を聞きたいなと思いまして｡

鮫山氏: [10秒沈黙]……はい、分かりました。

インタビュアー: ではまず、ラブレターを持ってあのサクラの下に行った経緯からお願いします。

鮫山氏: 話すほどの事ではないんですけどね……まず、ラブレターを渡す予定だった女子が居たんです。彼女は僕の幼馴染で、僕の癲癇の事情を分かってくれて、本当に優しくて、僕は彼女が好きだったんです。それで、彼女の誕生日である4月1日に待ち合わせしてて、告白しようと計画したんですよ。地元の名所の青い桜の下で、ラブレターと花束で告白しようって。

インタビュアー: そうですか。ですが、渡す予定だった██さんは既に交通事故で死去していたんですよね？

鮫山氏: らしいですね、彼女の地元の██県で家族全員。流石に██㎞以上離れてたら訃報もすぐには届きませんでした。

インタビュアー: 訃報が届かなかったから、貴方は来るものだと信じてサクラの下に行ったんですね？

鮫山氏: はい、そうです。

インタビュアー: それで、彼女が来た、と。

鮫山氏: 今思うと頭が可笑しくなりそうですけど…

インタビュアー: 彼女と会話した内容と、その時の様子はどうでしたか？

鮫山氏: 至って普通でした。普段と同じラフな格好で僕をからかって、[無関係の情報のため削除]…それで、思いきって告白しました。返事は……まぁ、いい結果ではありませんでした。でも、早く言ってくれれば良かったのにって言われましたね。それが違和感でした。

インタビュアー: それで返事を聞いてから､どうしたんです？

鮫山氏: その後､やりきれなくて彼女の前から逃げたんです｡それで家に帰ったら電話が掛かってきて、彼女の訃報がその時に……

インタビュアー:そうでしたか､他に何か…

鮫山氏:[癲癇の痙攣]

<録音終了>

終了報告書: [██氏は民間人の為､てんかんの治療の後にAクラス記憶処理を施し､自宅へ帰しました。]