SCP-XXX-JP - 逆転社長

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アイテム番号: SCP-XXX-JP

オブジェクトクラス: Safe

特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPが含まれる建物は財団の管理下に置かれます。当該施設は工事現場に偽装され、入り口には作業員に扮した警備員が配置されます。侵入者は直ちに追い出してください。万が一建物内に侵入した者があれば記憶処理を行います。

説明: SCP-XXX-JPは██県██市にある5階建てのビルの3階フロアです。ビルは鉄筋コンクリート製の一般的なもので、建設業者は株式会社███組です。当時の建設記録に不明な点は発見されず、株式会社███組の社員たちは建物の異常性について関与を否定しています。

SCP-XXX-JPの異常性が発露したのは当該フロアに侵入した生物が後述する行動を起こした時です。侵入しただけではその異常性は発揮されません。以下が調査にて確認された事象です。

  • シャープペンシル型の筆記用具を使用するためにペン先を出す際、注意しているにもかかわらずペン先の側を押してしまう。
  • ペットボトル等で液体を飲用しようとすると必ず内容物をあたりにまき散らしてしまう。
  • 部屋の風景を写真に収めたものが、すべて調査員の顔のアップに差し替えられている。
  • 窓から外を確認した際、外ではなく建物内部の状況が鏡映しにされている。

このことからSCP-XXX-JPは何らかの基準で行動、もしくは物の持つ属性を逆転させる効果を持っているものと考えられています。前述のとおり侵入しても行動を起こさなければSCP-XXX-JPは影響を及ぼさず、トリガーとなるのは侵入者が何らかの意思を持って行動を起こしたしたときに限られると推測されます。

また、この効果が特に現れるのはSCP-XXX-JP内部に位置するオフィスです。オフィス内部ではこの逆転効果が顕著にみられます。
オフィス内部にはの中肉中背の人型が存在します(以下SCP-XXX-JP-A)。SCP-XXX-JP-Aは男性用のスーツを着用し、首から社員証を提げています。社員証には鏡文字で「███株式会社 社長」とだけ書かれていますが、裏面は確認できていません。頭部には旧式のパーソナルコンピューター(███社製とみられる)が取り付けられており、発語機能をはじめとする意思疎通能力があることは確認されていません。画面には常に表計算ソフトと砂時計のついたマウスカーソルが表示されています。後述する実験において得られた情報から、対象は身長170~180(頭部含まず)とみられ、大抵の場合SCP-XXX-JP-Aはオフィス最奥のデスクに座っています。SCP-XXX-JP-Aはオフィスからは出ようとしません。
財団の収容以前にオフィスを使用していた███株式会社は経営難により既に倒産しています。また、元社長の平田██氏は存命していることが確認されています。

実験記録1 - 日付200█/██/██

対象: 互いに初対面であるDクラス職員3名。

実施方法: 対象をSCP-XXX-JP内部に位置するオフィスへと収容、経過を観察する。対象には小型カメラと録音機を持たせる。実験は10時より開始された。

結果: まず対象は既知の仲のように振る舞った。その後こちらからの指示を無視しオフィス内の書類を机の上に広げ、作業を開始した。時刻が17時になるまでその作業は継続された。時折SCP-XXX-JP-Aに話しかける様子も見られたが、SCP-XXX-JP-Aはそれに対し反応を示さなかった。
17時になると対象は全員オフィスの出口に向かったが、扉をくぐった対象は再びオフィスの奥に出現した。対象はオフィスの出口に向かいオフィスの奥に再出現することを4回繰り返した。時刻が17時1分になると対象は肉体的異常を見せず突然死した。遺体は廊下に出現し、財団職員によって回収されている。回収されたDクラス職員の遺体は解剖され、その死因が心臓発作であることが特定された。

分析: Dクラス職員の作業行動はごく一般的な会社事務であった。対象は自らをDクラス職員ではなく一般人だと認識していたと思われる。17時は以前このオフィスを使用していた会社の定時であり、対象は廊下に出るという行動を行ったためそれの逆、オフィスに戻るという事象に遭遇した。17時1分に起こった事象は生きて退社するという通常の事象の逆を取ったものだと推測される。
また回収した小型カメラの映像からSCP-XXX-JP-Aが首から下げている社員証の存在が明らかとなった。

補遺: 現在SCP-XXX-JP内部のオフィスのみに及ぼされている強力な効果が他所にも広がっているという報告が上がっています。収容方法を検討しなおし、より強固に収容する必要があるものと思われます。


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