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このオブジェクトの異常性がSCP-963(ブライト博士の記憶が対象に乗り移る異常性)と被っているとのご指摘を受けました。この点についてご意見を頂きたいです。
アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Safe
特別収容プロトコル: 現在SCP-XXX-JP-aはサイト82██の人型実体収容室に収容しています。SCP-XXX-JP-aは健康状態を維持させ、死亡を可能な限り防いでください。また、SCP-XXX-JP-aが自殺することを許すあらゆる可能性は排除してください。SCP-XXX-JP-aの収容室の隣室には常に若く健康なDクラス職員を配置します。SCP-XXX-JP-aの死期が近いと判断された場合、職員は遠隔操作によってSCP-XXX-JP-aを終了し、SCP-XXX-JPを隣室のDクラス職員に転移させてください。
説明: SCP-XXX-JPは継承される記憶です。SCP-XXX-JPは、SCP-XXX-JPを記憶として保有する対象(以下、SCP-XXX-JP-aと呼称)が死亡した瞬間に、その場所から最も近い人間に転移します1。
SCP-XXX-JPは元は東京都██区の岩田圭介氏の記憶でしたが、岩田氏の死後転移し、異常性が発現しました。SCP-XXX-JPに含まれる記憶情報は、岩田氏と歴代のSCP-XXX-JP-aが獲得してきた知識や経験、手続き記憶2などの記憶です。SCP-XXX-JPに転移されると、SCP-XXX-JP-aとなった人物はそれまでの自身の記憶を失います。この性質から、SCP-XXX-JP-aは自身を岩田氏であると錯覚します。しかし遺伝子検査の結果、SCP-XXX-JP-aの肉体は岩田氏ではないことが確認されています。
SCP-XXX-JPの最初の収容: SCP-XXX-JPの発生源である岩田氏は2007年3月2日から心臓病により██病院に入院していましたが、2007年4月17日に突然死しました。このとき偶然病室の近くを通りかかった中川医師に岩田氏の記憶が転移しました(中川医師はオブジェクトへのナンバリング制定後に、SCP-XXX-JP-aと指定されました)。中川医師が自身を岩田圭介だと主張し、通報を受けた警察内部の財団職員が発見し、収容に至りました。その後、財団管理下の精神病院に中川医師を強制入院させ、収容にいたりました。SCP-XXX-JP-aとなった中川医師の言動を説明するため、「ストレスによる精神疾患」というカバーストーリーを流布しました。
中川医師へのインタビュー記録:
日時: 2007/4/18
対象: 中川██医師
インタビュアー: 吉田研究員
<録音開始>
中川医師: あなた方は何者なんですか?突然こんなわけも分からないところに監禁して。
吉田研究員: それにお答えすることはできません。まずは私の質問に答えてください。あなたの 氏名、名前を教えてください。
中川医師: 岩田圭介です。
吉田研究員: しかし、あなたの外見は中川医師と同一です。どうして自分を岩田圭介だと思っているのですか?
中川医師: どうしてって・・・[数秒考え込む]あの瞬間まで私は岩田圭介だった。死んだとき、急に景色がかわったんです。さっきまでベッドで寝たきりだったのに、明るい廊下に立っていたんです。
吉田研究員: あなたが岩田圭介であると証明することはできますか?例えば岩田圭介しか知りえない情報をお教えください。
中川医師: 口座番号とかでいいでしょうか?████です(この後の調査により岩田圭介氏の口座番号と一致)。私の部屋の金庫の番号も分かります。██です(この後の調査により岩田氏の自宅の金庫の暗証番号と一致)。あと、家族に会わせてください。話せばきっと私を岩田圭介と分かってくれるはずです。
吉田研究員: 申し訳ないですが、それはできません。
中川医師: なぜでしょうか?
吉田研究員: それにお答えすることはできません。
中川医師: 私はいつ解放されるのですか?
吉田研究員: それもお答えできません。
<録音終了>
終了報告書: この後、中川医師に対し岩田氏についての質問を多数行ったが、岩田氏が知りうる情報や、岩田氏しか知りえない情報を全て記憶していた。逆に、中川医師に関することは答えられなかった。中川医師は岩田氏からなんらかのものを継承したと考えられる。魂などの代物ではないことを願いたい。
2007年4月20日、中川医師に対し脳を中心とする身体調査が実施されました。このとき、特筆すべき異常性や、岩田氏の死亡する以前との変化、岩田氏との共通部分などは発見されませんでした。この後、中川医師が岩田氏から何を継承したのかを具体的に調査することを目的に以下の実験を行いました。
実験記録03-2007/5/3
対象: 中川医師(SCP-XXX-JP-a)
実験方法: 生前の岩田氏が得意とし、中川医師に全く経験がなかったピアノを演奏させる。
結果: 実験開始後数分は手の大きさが違うと戸惑っていたが、徐々に上手く弾けるようになる。弾き間違いは多かったものの、生前の岩田氏がよく弾いていたとされる曲は楽譜なしで最後まで弾いた。高速で指を動かす必要のある部分に間違いが集中していた。
分析: 身体的な要素は継承していないようだったが、手続き記憶に関してはほぼ完璧に継承していると考えられる。
実験記録08-2007/5/20
対象: 中川医師(SCP-XXX-JP-a)
実験方法: 中川医師が得意とし、岩田氏が苦手とする計算問題を100問解かせる。
結果: 以前の中川医師よりも計算速度は落ちたが、生前の岩田氏の記録から想定される計算能力と比べるとはるかに高い計算速度を記録した。
分析: 中川医師は以前の情報処理能力を維持していると考えられる。
以上の実験などから、財団は、中川医師は岩田氏から記憶のみを継承していると判断しました。
SCP-XXX-JPの再収容:2009年10月3日に、██小学校で行われていた運動会で、不審者が岩田氏の娘に近より声をかけました。この時岩田氏の娘を監視していた職員により不審者は確保されました。その後の尋問により不審者がSCP-XXX-JP-aであることが判明し、再収容されました。
SCP-XXX-JP-aへのインタビュー記録:
日時: 2009/10/18
対象: SCP-XXX-JP-a
インタビュアー: 吉田研究員
<録音開始>
吉田研究員: 気分はどうですか、SCP-XXX-JP-a
SCP-XXX-JP-a: 私はSCPじゃない。岩田圭介だ。君も以前会ったことがあるはずだ。
吉田研究員: 岩田圭介という人物はすでに死亡しています。あなたは岩田氏の記憶によって自分を岩田圭介だと思い込んでいるだけです。DNAや顔の照合の結果、あなたは紛れもなく佐藤██(この時点でのSCP-XXX-JP-aに指定されていた人物)です。財団の実験によりSCP-XXX-JP-aが受け継ぐのは岩田氏の記憶情報のみということが実証済みです。言い換えれば岩田圭介という存在はただの情報でしかない。
SCP-XXX-JP-a: なら聞くが、君が君である保証はどこにあるんだ。君の体のほとんどは生まれてから何度も入れ替わってるはずだ。生まれたときの君と今の君が同じ人間であるとどうしていえる。
吉田研究員: DNAが同一である限り個人は同一です
SCP-XXX-JP-a: そのDNAも複製情報でしかないことを知ってるはずだ。君の体から採取したDNAから君のクローンを作ったとして、それを君と言えるのか?
吉田研究員: [数秒間沈黙]すみません。それにお答えすることはできません。しかし、あなたはもはや生物学的にも、化学的にも、岩田圭介では全くない。ただ脳の構造が一部岩田圭介と同一に改変されているに過ぎない。
SCP-XXX-JP-a: そんなことは分かっている。しかし私という存在は物質によって定義されるものじゃないだろ?私が積み重ねてきたもの、私の全人生の記録、私の意志、家族への愛。個人を個人にするものって、そういうのだろ。記憶はそれらをすべて保存している。足が入れ替わろうが、脳が入れ替わろうが、全身が入れ替わろうが、記憶が残っている限り私は私だ。
吉田研究員: では、あなたが記憶を失えば、あなたはあなたでなくなると。そういうことになりますね。
SCP-XXX-JP-a: どういう意味だ?
吉田研究員: それにお答えすることはできません。
<録音終了>
このインタビューのあとSCP-XXX-JP-aに対しクラス█記憶処理がなされました。以降SCP-XXX-JPに関する実験は完全に停止されています。
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アクションSFオカルト/都市伝説感動系ギャグ/コミカルシリアスシュールダーク人間ドラマ/恋愛ホラー/サスペンスメタフィクション歴史任意
任意A任意B任意C- portal:7735705 (04 Nov 2021 04:04)
初投稿ですので書式など細かい部分が分からないのでご指摘願います。また以下のことについて教えてください
・インシデントレポートはこれでいいのか
・細かい日時はすべて記入したほうがいいのか、一部黒塗りにしたほうがよいか
一般的には段落分け以外の改行は行いません。もし段落分けを行う場合には2段改行してください。
基本的な異常性がSCP-963と同一のように感じました。下書きから感じる印象はSCP-963とは異なりますが、かなりの有名作と同一視されることになるのでこの部分の修正がないとかなり難しいと思います。
この展開を作るならある程度異常性を工夫して現在のものから差別化した状態で同じ展開を作ることができると思います。963と被っているのはかなり致命的なので、この点を意識した方がよいでしょう。
INCIDENTレポートですが、財団の対応が甘いように思えます。自身の記憶を転移させながら移動することができる人物だということが分かっている状態で、少なくともSCP-XXX-JP-aを自由に行動させることはないと思います。この点に関しては逃亡を展開に盛り込むなら、読者の納得できる理由が必要です。
細かい日時についてはどちらでも構いません。が、個人的に黒塗りの多用は見栄えが悪くなる気がしているので日時を入れた方がよいと思います(個人の感想です。)
あくまでも私の所感ですが、現行ですと「別人の記憶/人格に変わってしまった人物」あるいは「死んで別人の身体に乗り移った人物」の物語というシチュエーションにおいて、想像の域を出ない出来事や遣り取りが多いという点が問題であるようにも思えました。
例えばですが、最初のインタビュー時におけるオブジェクトの反応、それを受けての財団による検証実験、別人になってしまうという状況への恐怖や苦痛の吐露/同一性に関する解釈の問答など、どうしてもサイト内外の多くの創作でも見られるようなシチュエーションとなっており、その点で差別化を図る必要性はあるかもしれません。
なので、財団による検証場面や入れ替わりによる標準的なオブジェクトの反応を見せるのは思い切って無くしてしまい、「どのような原因からこの異常性を獲得したのか」「この異常性による影響として、単なる肉体の乗っ取りとは違う、特異な点は何なのか」等の部分に焦点を当てることで、上記コメントでも述べられていますSCP-963との差別化も自然と図れるかもでしょうか。
また、これは個人的な好みによるところもありますが、「記憶」自体をオブジェクト指定してしまうよりは、「特定個人の人格/アイデンティティの変容現象」というように「オブジェクト死亡時に、近辺に存在する人物を対象として発生し、その人格を特定個人のものへと改変する現象」という方が財団的かなとも考えたりでした。記憶事態を定義するには、やや複雑化する気もしたりでしたので。ともあれ、これは好みで良いかもしれません。
しばらく更新が見られないため、この下書きのステータスを「批評中断」にしました。下書き批評を受ける準備が整ったならば、お手数ですが、改めて下書きのステータスを「批評中」に変えていただくようお願いします。
Technical Moderator of SCP-JP