ハンガースネーク（大幅改稿）

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クレジット

タイトル: SCP-XXX-JP - ハンガースネーク
著者: ©︎lactoice
作成年: 2018

アイテム番号: SCP-XXX-JP

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPは必要な分の個体をサイト-81██の生物収容ユニットに収容し、残りを次亜塩素酸ナトリウム水溶液を用いて殺処分してください。また██県を中心に行方不明者の情報を常に監視し、SCP-XXX-JPの関与が疑われる場合は当該人物を捜索してください。

未収容のSCP-XXX-JP個体の捕獲のため、機動部隊た-5("蛇を睨む龍")は必要に応じてプロトコル「糸撒き」を行ってください。

プロトコル「糸撒き」: SCP-XXX-JPが多く生息していると考えられる区域¹を封鎖し、カバーストーリー「害獣の駆除」を流布してください。区域内に一般人がいないことの確認が完了した後、区域内に毛糸製品を散布し、3時間後にその毛糸製品を回収してください。また、担当博士から捕獲ではなく駆除を命じられた場合、毛糸製品の回収時に特筆すべき点が無ければ捕獲したオブジェクトを殺処分してください。
また、本プロトコル実行の際に持ち込む毛糸製品は散布用の物のみとし、他の毛糸製品は一切持ち込まないでください。

SCP-XXX-JP個体

説明: SCP-XXX-JPは毛糸製品に潜伏する習性を持つヘビ型実態群です。SCP-XXX-JPは約50cmから250cmの全長及び1.0mm程度の直径を有しており、黒色の体色をしています。（20██/██/██修正、詳細は補遺を参照してください。）SCP-XXX-JPは毛糸製品を好んで食す傾向があり、現在まで毛糸以外を摂取する行為は確認されていません。SCP-XXX-JPの化学的な組成はヒトの毛髪のものと同一であることが判明しており、次亜塩素酸ナトリウム水溶液を用いて化学的に分解することによりSCP-XXX-JPの異常性を喪失させることが可能です。

SCP-XXX-JPに毛糸製品を近づけた場合、SCP-XXX-JPは即座に毛糸製品内の毛糸を食し始めます。その際、SCP-XXX-JPは食した部分に体を滑り込ませることで毛糸製品に編み込まれたような状態になります。この状態のSCP-XXX-JPは、毛糸製品から強制的に取り除かれない、または後述の条件を満たさない限り、脱力した状態でその毛糸製品内に静止し続けます。SCP-XXX-JPが潜入している毛糸製品（以下、SCP-XXX-JP-1に指定します）は、一般的な目視により通常の毛糸製品と見分けることは困難です²。

SCP-XXX-JPは、潜入しているSCP-XXX-JP-1を身に着けた人間（以下、対象と呼称します）が以下の条件を満たした際に異常性を発揮します。

1. 対象がSCP-XXX-JP-1を頸部に身に着けていること³
2. 対象の上部にSCP-XXX-JP-1をひっかけられる形状の物体（以下、フックと呼称します）が存在すること⁴
3. SCP-XXX-JP-1がフックに届く程度の長さを持っていること

これらの条件が全て満たされた場合、SCP-XXX-JPはSCP-XXX-JP-1と対象を伴ったままフックに絡み付きます。その結果、対象は██秒程度で頸動脈の圧迫により失神し、███秒以内に脳虚血または窒息により死亡します。このイベントはSCP-XXX-JP-1の端部がフックに巻き付く前に対象がしゃがむ等の行動をすることで回避することが可能ですが、SCP-XXX-JP-1がフックに巻き付いた後は対象がSCP-XXX-JPの拘束から逃れることは困難です。

このイベントで対象が絶命した場合、対象の毛髪が1日につき約1.3cmの速度⁵で成長し始めます。その後、十分な長さに到達した対象の毛髪は、他の毛髪と絡まりながら新たなSCP-XXX-JP個体へと変化します⁶。この変化では約50本の毛髪につき1体のSCP-XXX-JPが生成されます。SCP-XXX-JPへの変化が完了した部分は対象の頭部から離れ、その後は通常のSCP-XXX-JPと同様に振る舞います。SCP-XXX-JPによる毛髪の異常成長は、SCP-XXX-JP-1を切断する等の方法により対象の拘束状態を解くことで停止させることが可能です。

以下はSCP-XXX-JPに関する実験記録の抜粋です。

+ 実験記録の抜粋を閲覧する

実験記録XXX-1 - 日付20██/██/██

対象: SCP-XXX-JP個体及び毛糸製のマフラー

実施方法: SCP-XXX-JP個体に毛糸製マフラーを与える。

結果: SCP-XXX-JP個体は即座にマフラーを食べ進み始めた。実験開始から35分後、SCP-XXX-JP個体はマフラーに編み込まれたような状態になり静止した。

実験記録XXX-4 - 日付20██/██/██

対象: D-3512及びSCP-XXX-JP-1（マフラー）

実施方法: D-3512にSCP-XXX-JP-1を身に着けさせる。その後、上部にハンガーフックのある場所にD-3512を移動させる。

結果: D-3512がSCP-XXX-JP-1を身に着けた時点では異常性は発現されなかった。D-3512をハンガーフックのある場所に移動させたところ、即座にSCP-XXX-JP-1はD-3512を巻き込みながらハンガーフックに巻き付いた。███秒後にD-3512は脳虚血により死亡した。D-3512の死亡後、D-3512の毛髪は1日につき約1.3cm程度の速度で成長し始めた。実験開始から27日後に対象の毛髪がSCP-XXX-JPに変化し始めた。その翌日にSCP-XXX-JP-1を切断してD-3512の拘束状態を解いたところ、毛髪の異常成長が停止した。

実験記録XXX-5 - 日付20██/██/██

対象: D-4261及びSCP-XXX-JP-1（手袋、ニット帽、腹巻）

実施方法: D-4261にSCP-XXX-JP-1を身に着けさせる。その後、上部にハンガーフックのある場所にD-4261を移動させる。

結果: D-4261がハンガーフック下に移動した時点までは異常性は発現されなかった。実験監督がSCP-XXX-JP-1を脱ぐよう指示を行ったところ、D-4261が腹巻を頸部あたりまで持ち上げたところで異常性が発現した。以降は実験記録XXX-4と同様であるため割愛する。

　

新たに発見されたSCP-XXX-JP個体

補遺: 20██/██/██以降、体色が黒色でないSCP-XXX-JP個体が複数発見されるようになりました。当該のSCP-XXX-JP個体は全て金色の体色をしています。これを受けて行った実験の結果、SCP-XXX-JPの体色はSCP-XXX-JPに変化する前の毛髪の色に依存することが判明しました。しかしながら、研究チームで作成したSCP-XXX-JPの被害者リストに金色の毛髪を持つ人物は記録されておらず、また行方不明届の提出されている人物にも該当者は存在しませんでした。これを受け、未確認のSCP-XXX-JP被害があるとして██県付近の捜索を行っています。また、当該のSCP-XXX-JP個体の中には体長が200cmを超えるものが多く含まれているため、被害者の毛髪はほぼ全てSCP-XXX-JPに変化済みであると推測されています。

以下は研究主任の██博士からのコメントです。

金色のSCP-XXX-JPが見つかった。
その報告を聞いたとき、悪い予感が私の脳をよぎった。
その真偽を確かめるべく実験を行ったが、やはり予感は的中していたようだ。

諸君、人間が持つ毛髪の平均本数を知っているかね。
日本人で約10万本だ。
そして、SCP-XXX-JPは約50本の毛髪につき1体生成される。
あとはただの算数だ。

我々は、何千体ものSCP-XXX-JPがこの世に解き放たれたという結果だけを知ってしまったのだ。
私は残念でならないよ、諸君。
せめて見つかったのが白い個体だったなら、「なんて縁起がいいんだ！」という冗談が言えたというのに。

— ██博士

Footnotes

1. 未収容のSCP-XXX-JPの多くは ██県の山中にいると推測されています。

2. 近距離で注視した場合においてはこの限りではありません。

3. この条件に当てはまるSCP-XXX-JP-1の種類はマフラーであることが多いです。

4. フックとなり得るものの例として、木の枝、電柱の梯子部、歩行者用信号機などが挙げられます。

5. これは健康な人間の平均的な毛髪の成長速度の約40倍です。

6. 対象の毛髪がSCP-XXX-JPに変化するときの毛髪の長さは約50cmから250cmの間で変動します。

予定しているタグ：BBC18 scp-jp euclid ヘビ 動物 擬態 群れ

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  批評コメント批評コメント

  
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  lactoice 23 Dec 2018 11:19

  先程までSCP-1243-JPとして投稿されていたものです。（低評価により自主削除済み）

  結構な量のdvを頂いた（さらに言えばuvを一つも貰えなかった）ので、この案の改稿を行うか全く別の案を考えるか迷っています。
  正直な話、dvを頂いた主な理由が自分でもよくわからない状態なので、改稿を行うにしてもどのようなアプローチをすればいいのか分かりません。（理由の一つはSCP-429-JPとの差別化の失敗だと予想しています）

  今後の参考のため、この報告書においてどの点がdvに繋がったか、またuvを遠ざけたかをどんな点でもいいので教えていただけるととても嬉しいです。

  自分なりによく練った案なので大事にしたいと考えています。
  よろしくお願いします。

  home-watch 23 Dec 2018 19:16

  私見なのですが、こういう不気味で異常な生物の記事の大きな武器は、異常な生態の興味深さと、読者に「自分の近くにいるかもしれない」と思わせる点だと考えています。

  それを踏まえてこの記事を読むと、まず気になるのはその生態の必然性のなさです。毛糸製品に擬態するだとか、使用者を絞め殺すだとか、わざわざ断頭してから縫合するとか光に向けて歩かせるだとか、この蛇はいろいろ奇妙な習性を持っていますが、そこに何故そのようなことをするのか、何故そのような習性を獲得するに至ったのか、筋が通る十分な理屈がありません。そのため恐怖的な状況/情景を発生させるため誂えられた都合の良い生態だと感じてしまい、読者は没入できません。
  そしてこの蛇、未知の能力が多すぎて生物っぽくないです。ある程度なら許容できるのですが、絶食擬態怪力止血統率と荒唐無稽な能力が多すぎて、生物としてのリアリティを欠いてしまっています。こうした問題から、先に述べたアドバンテージを発揮できていないように思います。

  コンセプトを崩さない範囲で出来る限り荒唐無稽な部分は排除し、リアルに寄せた方が良いです。そしてその異常な生態に多少無理やりでもいいので理屈をつけて、筋が通る形にするべきでしょう。

  lactoice 24 Dec 2018 03:39

  ご意見ありがとうございます。
  とても参考になります。

  異常性を詰め込み過ぎてリアリティが薄れていたんですね。
  確かに、生息域の拡大という目的のためにこれらの異常性は二度手間三度手間な気もします。

  現在の改稿案としては、

  • 首切断以降の異常性を削除する
  • SCP-XXX-JPの組成がヒトの毛髪と同等である旨を追加（そのため殺蛇剤ではなく次亜塩素酸ナトリウム水溶液で分解するよう変更）
  • SCP-XXX-JPによって殺された人間の髪の毛が束になり、複数のSCP-XXX-JPに変化する（生息域の拡大ではなく個体数の増加の方に方向転換しました）
  • それに伴う発見経緯、実験記録、事件記録の変更

  を考えています。

  また、1mm程度の太さなので擬態を行わずとも毛糸製品に潜伏することは可能かもしれないと考え始めているので、擬態能力も削除するかもしれません。

  (account deleted) 27 Dec 2018 12:34

  ＞プロトコル「糸撒き」:
  SCP-XXX-JPが多く生息している

  プロトコル「糸撒き」: SCP-XXX-JPが多く生息している
  こうしたほうがいいかもしれません

  ＞暗室内の1つのランプを点灯させたところ
  ランプを1つ～　としたほうがいいかもしれません

  lactoice 28 Dec 2018 15:51

  参考になる意見をありがとうございます。
  該当箇所を修正しました。

  lactoice 28 Dec 2018 16:05

  大幅改稿を行いました。

  擬態、頸部切断、縫合、自律歩行の異常性を削除し、被害者の毛髪から新たなSCP-XXX-JPが生成されるようになりました。
  これにより、SCP-429-JPとの差別化は少なくとも上手くいったと考えています。
  オブジェクトの持つ生態の必然性についても分かりやすい形でまとめたつもりです。
  また、補遺を追加することにより報告書のオチも大きく変化しています。

  この案でもう一度批評を募りたいと思います。
  よろしくお願いします。

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