SCP-XXX-JP 「邂逅からそれは始まる」

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アイテム番号: SCP-XXX-JP

オブジェクトクラス: Safe

特別収容プロトコル: 現在SCPXXXはその活性化の条件を満たす時間帯においては財団職員2名により進入禁止措置がとられています。その際、措置を行う職員自身もSCPXXXの3m半径内に立ち入ることは禁止されます。それ以外の時間帯ではいかなる条件下でも活性化することはないため、一般通路として開放されます。
周辺住民がSCPXXXに侵入しようとした際には、シナリオ「電話線、電線のメンテナンス」および「区画整理のための調査」を適用してください。住宅区画の整理による根本的な特別収容プロトコルの計画が財団当該部署により進行中です。
現在SCPXXX異常性の特徴上、不可能であると判断されているため、Dクラス職員他全ての人材を消費しての実験は許可されていません。区域内の立ち入り検証には、SCPXXXへの侵入経路を封鎖した上で、クリアランスレベル2以上の財団職員1名以上の立会いのもと、行ってください。

またSCPXXX-2~██については現在 サイト█の低脅威度個人住居房に収容されています。
各住居房出入口には外部への扉は外からのみ解除が可能な電気錠が設けられています。住居房の出入口前に調整室が存在し、調整室内で外部に通じる無線にてクリアランスレベル4以上のサイト██の統括スタッフに要件を伝えます。
基本的には室内での収容された人物の行動に制限はなく、必要な要望は良識の範囲を大きく逸脱したものでなければ受諾されます。しかし、外出に関しては、2名以上の機動装備を行った財団職員の監視下でなければならず、2名の職員は、SCPXXX-2~██に該当する人物が口頭による制止に従わなかった場合、殺害を含めた対処をとることが許可されています。

説明: SCPXXXは、██県██市██区の██町内に存在する「曲がり角」に相当する見通しのよくない通路です。通路は日本交通法における4種道路に相当し、道幅6.2mです。曲がり角に相当する建築物は一般住居であり、この住居がSCPXXXの異常性に寄与している可能性は低いと結論づけられています。(SCP〇〇はこの住居の外塀に面しています)歩行者通行帯は存在せず、またSCP〇〇には道路標識、カーブミラーは含まれません。
SCPXXXは以下に述べる条件を満たした場合に、活性化します。

1. 日本標準時間の8:15-8:30の間
2. SCPXXXの3m半径内に同時に2名の人物が侵入する。
3. その2名の人物はお互いに初対面である。
4. SCPXXXに侵入した一連の動作の連続性を保った状態で、2名の人物が意図せずに身体的接触を行う。この際の身体的接触の程度はある程度の勢いでなければならない(以下、「衝突」と記す)。

条件を満たした場合、2名の人物(SCPXXX-α、およびSCPXXX-βと仮定します)に以下の異常が即座に生じます。
SCPXXX-αは自らを、SCPXXX-βであると認識し、全く同時にSCPXXX-βは自らを、SCPXXX-αであると認識します。2名ともにSCPXXX内での身体的接触の直前、直後の主観的な記憶の連続性は保たれたままです(以後この状態を「入れ替わり」と称します。)
 後の調査の結果、互いが主張する主観上における全ての過去の記憶は各々が主張する人物の過去の記憶と寸分の差異もありませんでした。また、「入れ替わり」後の思想、嗜好などは短期的には各々が主張する人格と一致しています。(長期的には年齢、体格、性別などの差異に応じて変化する可能性が指摘されています)。
また、SCP-αを名乗るSCP-βはSCP-βのいかなる記憶も持ち合わせていません。

SCPXXXの異常性に暴露した人物は、多くは鬱、統合失調症といった精神的症状を比較的早期から発症します。また、「衝突」イベントが異性間で生じた場合のこれらの症状は非常に重篤となることが多く、早期の段階で〔削除済〕。一方、「衝突」イベントがある程度の年齢差の2人物の間に生じた場合、一方の人物がこれを隠匿するというケースが発生しています。SCPXXXの異常性の発現は非常に偶発的なものであり、「入れ替わり」が生じたケースは非常に少なく、これにより、財団はケースの発見に非常な人的、時間的資源を消費しました。

SCPXXXは最初(と思われる)の異常性の発現よりやや期間をあけて発見されました。199█年██月██日に██大学病院精神科に重度の認知症に併発した妄想性障害で入院していた██████氏(当時71歳男性 身寄りなし 以後SCP〇〇-1)が収容病院内にて服薬自殺しているのを発見された際、残された遺留物(文書SCPXXX-1-A)のあまりの異常性が精神科を定期巡回していた財団エージェントの目に止まったことが発端でした
財団エージェントは文書を手掛かりにSCP〇〇-2に数度のコンタクトを行った後、最終的にSCPXXXの発見に至りました。SCXXX-2はその後財団の財団併設の医療部門施設に収容されました。

その後の追跡調査で、SCPXXX発見が発見されるまでの間、SCPXXXの特異性に暴露した人物は調査し得た範囲内で██名であり、財団によるいかなるクラスの記憶処理でも、異常性からの回復は認められませんでした。
うち█名は異常の消失が確認されています。現在はSCPXXXの異常性は以下の条件でのみ消失することがわかっています。

1 SCPXXXの異常性に暴露した2名が、「偶然に」
2 ある程度の強度をもって身体的接触をおこなうこと。
3 この身体的接触が発生する場所、時間はがSCP○○の活性化の条件下の範囲内である必要はない。
4 1の項目による「偶然性」はいかなる人的介入要素も介入してはならない。

追記:事件SCPXXX-5-Aにより上記1-4の条件は、厳密には異常消失の条件とは言い難いという結論に達しました。

異常性の消失後にSCPXXXに暴露して異常性を発現していた間の主観的な記憶は異常性が消失した際も失われないことが分かっています。
異常性が消失した█名については、本人達の同意を得たうえで、財団職員として就職するか、あるいは記憶処理を強制的に受けるかの選択を与えますが、これまでのところ、█名全員が自らの意思で前者を選択しています。(実験では異常性が消失した後、Cクラスの記憶処理で、異常が消失して以降の記憶のみ処理が可能であることが分かっています。)
追記:事件 SCPXXX-5-Aにより、SCPXXXの異常性に曝露した現存しているSCPXXX-2~██の特別収容プロトコルが更新されました。

財団により、SCPXXXの「曲がり角」を構成する一般住宅の住民全員にCクラスの記憶処理を施した上で、外壁の撤去を行いましたが、その後財団の管理によりSCPXXXの異常性に曝露したケースが存在しないため、異常性の発現が収束しているかどうかの確認はとれていません。また、同区域内での「曲がり角」は2█箇所に及びますが、現在のところ、この2█箇所が原因と思われるSCPXXXと同様のケースは発見されていません。

現在、財団の追跡チームにより、過去から現在にいたるまでの歴史資料を調査し、SCPXXX-5を含むSCPXXXの異常性により死亡が確認された人物の痕跡を追跡中であるが、未だに成果はあがっていません。資料は膨大であるため、今後も調査は継続されます。


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