BY THE ORDER OF THE OVERSEER COUNCIL
監督評議会命令
下記のファイルはレベル5/1647-JPの機密事項に指定されています。不正なアクセスは禁じられています。
1647-JP
5/1647-JP LEVEL 5/1647-JP
CLASSIFIED
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アイテム番号: SCP-1647-JP
オブジェクトクラス: Keter
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特別収容プロトコル: 事案1647-JPにより、現在は少なくとも地球全土はSCP-1647-JPの影響下にあると考えられています。SCP-1647-JPはサイト-8120にて、電源が入らないよう電源ボタンを固定された状態で収容されています。SCP-1647-JPを用いた実験は禁止されています。SCP-1647-JP-B-1、-2はサイト-81██にてシャンク/アナスタサコス恒常時間溝を設置したロッカーに収容されています。SCP-2000等、データベースがシャンク/アナスタサコス恒常時間溝によって防護されている物品は現在進行形でデータベースの参照、及び再編集が行われています。データベースは█%分復旧されています。
【アーカイブ済: 20██/11/24】SCP-1647-JPはサイト-8120の低脅威用ロッカーに収容されます。実験を行う場合にはセキュリティクリアランス4以上の職員3人以上からの許可が必要です。SCP-1647-JPと同様の効果を持つ存在は現在、機動部隊た-4("遅刻魔")によって捜索されています。同様の存在が発見された場合、SCP-1647-JPのオブジェクトクラスはEuclidに変更されます。
【アーカイブ済: 20██/11/09】SCP-1647-JPはサイト-8120の低脅威用ロッカーに収容されます。実験にはセキュリティクリアランス3以上の職員からの許可が必要です。
説明: SCP-1647-JPは高さ20cm、横幅12cmの██社製の機械式メトロノームです。物理的性質としては、破壊耐性があることと動力を必要としないことを除き、異常性のないメトロノームとの差異はありません。SCP-1647-JPの異常性は電源を入れることで発現します。
SCP-1647-JPは射程内の、一定の周期を持つ存在を対象とした異常性を示します。SCP-1647-JPに電源を入れると、瞬時にそれらの内の1種類に無作為に干渉し、周期を完全に消失させます。(SCP-1647-JP-Aと指定)この変化は瞬時に完了するため、経過観察は現在まで成功していません。起動してから5~7秒経過すると、SCP-1647-JPはSCP-1647-JP-Aに自身の遊錘が示す数値(以降単純に”数値”とします)に基づく周期を60BPMを基準として付与します。遊錘を動かすことで対象の周期を変更することができます。例えば時計が秒を刻む周期がSCP-1647-JP-Aに指定されている時に120BPMに合わせた場合、速さは2倍になり、その時計は1分間に120回秒を刻む様になります。テンポは40BPMから208BPMの間で変更可能です。電源を切ってもSCP-1647-JPによるリズムの変更は取り消されません。
実験記録1647-JP-1 - 日付20██/11/08
被験者: D-1233
開始時のテンポ: 80BPM
実験結果: 近くの時計が約1.33倍秒を速く刻むようになった。テンポを60BPMにすると元に戻った。
推測されるSCP-1647-JP-A: 時計が秒を刻む周期
実験記録1647-JP-5 - 日付20██/11/14
被験者: D-1233
開始時のテンポ: 80BPM
実験結果: 目立った事象がなかったため、テンポを200BPMまで上げたところ、D-1233の声が極端に高くなった。テンポを60BPMにすると元に戻った。
推測されるSCP-1647-JP-A: D-1233の声の振動周期
実験記録1647-JP-7 - 日付20██/11/14
被験者: D-1233
開始時のテンポ: 80BPM
実験結果: -1の時に対象となった時計が再び秒を早く刻むようになった。同じ事象が2度起こることもあると推測。-16、-28でも同様の現象が起きている。また、実験-28の時にSCP-1647-JP-Aに指定された当の時計は80BPMのまま電源を切られ、別のものと取り替えられた。このSCP-1647-JP-A-28として米目博士の研究室にて研究される予定である。 事案1647-JP参照。
推測されるSCP-1647-JP-A: 時計が秒を刻む周期
実験記録1647-JP-10 - 日付20██/11/19
被験者: D-1233
開始時のテンポ: 80BPM
実験結果: 目立った事象がなかったため、テンポを200BPMまで上げたところ、照明が急激に暗い紫色へと変化した。スペクトル分析を行った結果、ブラックライトのものと酷似していた。テンポを60BPMにすると元に戻った。
推測されるSCP-1647-JP-A: 照明から出る、可視光線を含む光線全体
実験記録1647-JP-21 - 日付20██/11/27
被験者: D-1233
開始時のテンポ: 80BPM
実験結果: 目立った事象がなかったため、テンポを200BPMまで上げたところ、D-1233と米目博士の双方が原因不明の心臓の動悸を報告した。テンポを60BPMに戻すと動悸も収まった。同じ事象であれば複数の同期が可能と推定。
推測されるSCP-1647-JP-A: D-1233と米目博士の心臓の拍動
SCP-1647-JPは20██/11/05に██県██市███のアパートを借りていたエージェント・███が、自室の周りで起きた不可解な現象を調べた結果、趣味で買ったメトロノームが現象の原因だったと判明したことにより回収されました。この際に実験に米目博士が割り当てられました。回収当時はSafeクラスとして扱われていましたが、事案1647-JPの発覚後にKeterクラスへと再分類されました。
補遺: 20██/11/23に、SCP-009-JPの担当職員の██研究員の主張により、SCP-1647-JPがSCP-009-JPの起源である可能性が浮上しました。以下の記録は██研究員へのインタビュー記録です。
インタビュワー: 米目博士
対象: ██研究員
[記録開始]
米目博士: それでは、SCP-009-JPとの関連性を詳しく教えてください。
██研究員: はい。近頃、SCP-009-JPが異様なくらい多発していたので、何か原因があるのではないのかと他のオブジェクトをセキュリティクリアランスで見れる限り調べた結果、そちらのSCP-1647-JPを起動した日付と重なっていたのです。今までに行った実験記録の-1から-19の内のいくつかがここ最近のSCP-009-JPの発生日と全て一致してました。
米目博士: SCP-1647-JPの特性は周期の変動です。理論上でのSCP-009-JPとの関連性が見えません。
██研究員: しかし、現に2つの現象は連動しています。私の推測ですが、SCP-1647-JPはSCP-1647-JP-Aに対して重力の変動を行うことで、周期を変動しているのではないか。そして、SCP-009-JPはその重力変動による副産物ではないかと。
米目博士: SCP-009-JPの発生確認日はSCP-1647-JPの発見よりも数十年前です。そこはどう説明するのですか。
██研究員: 簡単なことです。我々が知らない、SCP-1647-JPと同じような特性を持つ未知の存在がまだ地球上に未収容のままになっている可能性があるということです。
米目博士: そのまだ見ぬSCP-1647-JPと同様の存在を回収すればSCP-009-JPは完全に収容できる、ということですか?
██研究員: その通りです。なので、私はSCP-009-JPとSCP-1647-JPの共同研究を行うべきだと考えます。
米目博士: [数秒間沈黙]わかりました。この記録は後で管理官に渡して事情を説明しましょう。
[記録終了]
以上のインタビューより、SCP-009-JPとSCP-1647-JPの共同研究チームが立ち上げられました。SCP-009-JPとSCP-1647-JPの関係の実証は現在調査中です。事案1647-JP以降、共同研究チームは解散しています。
事案1647-JP: 20██/12/01に行われた実験1647-JP-28の後、SCP-745-JPの定期カウンセリングを行っていた香山研究助手から、SCP-745-JPの収容房内の時計が速く進むようになっているという報告がされ、同時に碓氷博士がSCP-1647-JPの実験の恒久的な停止、ならびにSCP-1647-JPのオブジェクトクラスのKeterへの再分類を要求しました。以下の記録は香山研究助手、並びに碓氷博士への当時のインタビュー記録です。
インタビュワー: 米目博士
対象: 碓氷博士、香山研究助手
[記録開始]
米目博士: では、SCP-1647-JPのオブジェクトクラス変更の要請理由は何でしょうか。
香山研究助手: SCP-745-JPの収容房内の時計の針のスピードが何故か異様に速くなっていたのですよ。しかもこれは初めてのことではなく、11月頭から何回か起きています。
米目博士: それがSCP-1647-JPと何の関係があると?
香山研究助手: 碓氷博士に頼んで時計が故障した日と他のSCiPの実験記録や異常性の発現記録を照らし合わせたのです。その結果、前半の故障日がSCP-1647-JPの発見の直前の期間に集中していて、最後の故障日が昨日、SCP-1647-JPの最新実験日だったのです。他のSCiPとの共通点はないにも関わらず。11月頭に故障続きだったのはエージェント・███がSCP-1647-JPを普通のメトロノームとして使っていた時のものかと。
米目博士: それはただの偶然のように思えるのですが。
碓氷博士: 米目博士、昨日の実験では今までの実験と違って、SCP-1647-JP-Aに変化した時計のテンポを元に戻さず、速めた状態のままにしましたよね?
米目博士: ええ。経過観察実験でしたので。
碓氷博士: 先程、その時計とSCP-745-JPの収容房内の時計を比較したのですが、針の進むスピードがほぼ同じでした。
米目博士: [数秒間沈黙] 続けてください。
碓氷博士: 過去改変を防ぐため、SCP-745-JPの収容房はシャンク/アナスタサコス恒常時間溝が設置されています。つまり、SCP-745-JPの収容房内への過去改変はほぼ不可能です。しかし、どういうわけかSCP-1647-JPの影響を受けた、それも何回も集中的に。ということは、SCP-1647-JPの影響を受けているのではなく、逆に受けていないのではないかと考えました。
米目博士: つまり、SCP-1647-JPはSCP-1647-JP-Aではなく、それ以外を改変していると?
碓氷博士: 正確にはSCP-1647-JP-A以外を改変することで相対的にSCP-1647-JP-Aが改変されているように見せかけてるのではないのかと思います。
米目博士: [数秒間沈黙] ならばSCP-009-JPとの関係はどうなるのですか。
碓氷博士: SCP-1647-JPとSCP-009-JPは初めから無関係です。そもそも、あれはSCP-009-JPではありません。
米目博士: 説明してください。
碓氷博士: そちらがSCP-009-JPだと思っている現象は、同期中のSCP-1647-JPの遊錘を一時的に動かしたことによる時間や重力の一時的なズレです。少しの間、時間の定義を弄ってしまったことによる、原子時計同士の細かい秒のズレが拡大したものと思われます。それに応じて重力などの他の要素も一時的に歪んだのでしょう。
碓氷博士: ここで問題になるのがシャンク/アナスタサコス恒常時間溝です。これは主としてデータベースや人類の知識などの保存に使われています。時間溝を使うことでSCP-1647-JPの影響を受けないということは、SCP-1647-JPの影響で変化してしまった歴史や常識とデータベースに齟齬が生じます。
米目博士: つまり、K-クラスシナリオから復旧する際に重要となるバックアップのデータが今も全て改変前のままになっているために、実質使用不可能になっているということでしょうか?
碓氷博士: その通りです。万が一、K-クラスシナリオがたった今起きて、情報のバックアップをとらなければならなくなった場合、私達は正確なデータを完全に取り戻すことはできないでしょう。
米目博士: わかりました。インタビューを終了します。
[記録終了]
とんでもないことになった。 - 米目博士
以上のインタビューより、実験記録1647-JP-28におけるSCP-1647-JP-AはSCP-1647-JPによる最後の過去改変以前の情報を持つ物品として、SCP-745-JP収容房内の時計と共にSCP-1647-JP-B-1、-2に再指定されました。加えて、シャンク/アナスタサコス恒常時間溝によって防護されているデータベースが全て実際のデータと██%の齟齬を起こしていることが判明しました。また、009-1647-JP共同研究チームは解散となりました。
以下の内容はシャンク/アナスタサコス恒常時間溝に防護されていない既存のデータベースの比較などから少なくとも影響を受けたと推測されている事象を記しています。具体的にどれだけの要素がSCP-1647-JPによる過去改変を受けているかは不明です。
対象 |
詳細 |
時間、もしくは時間感覚 |
実験記録1647-JP-1、-28と同様の現象が発生したことで改変されたと推定。改変前の1秒の定義は現在の約█倍の長さだったと考えられます。また、歴史における日時の全てが改変されています。 |
人間の臓器構造 |
実験記録1647-JP-21と同様の現象が発生したことで改変されたと推定。安静時心拍数は現在は60-75程度とされていますが、改変前は██-███程度だった様です。 |
可視光線の定義、もしくは電磁波全体の性質 |
実験記録1647-JP-10と同様の現象が発生したことで改変されたと推定。現在、可視光線は360-830nmと定義されているが、当時は████-████μmだったと推定。 |
[データ削除済] |
実験記録1647-JP-██と同様の現象が発生したことで改変されたと推定。 |
SK-クラス: 支配シフトシナリオの大まかな発生サイクル |
[データ削除済] |
以上の結果より、SCP-1647-JPは現在進行形でいくつかのThaumielクラスオブジェクト等に影響を与えているとして、Keterクラスへと再分類されました。データベースの情報を保つためにSCP-1647-JPによる過去改変前の状態にSCP-1647-JPを用いて戻すという提案は現在O5評議会によって協議中です。更なる過去改変の危険性のため、提案は棄却されました。(賛成4-反対9)
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