穢れた酒の入った瓶子

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アイテム番号: SCP-XXX-JP

オブジェクトクラス: Safe

特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPは低危険度物品収容室に収容されています。実験はレベル2以上のセキュリティクリアランスを持つ職員が2名以上で必ず1名で物理的に隔離された専用の実験室内で行ってください。その際安全のため必ず実験映像を記録してください映像、写真などによる記録は一切禁止します。取り扱いの際は必ず手袋及びマスクを着用し、SCP-XXX-JPの中の液体を直接皮膚に接触させないで下さい。もしSCP-XXX-JPに接触してしまった場合は50%以上の濃度のアルコールで消毒してください。

説明: SCP-XXX-JPは腐敗した日本酒が入った瓶子です。高さ9cm最大胴経18cm最細胴経10cmで、直径3cmの蓋が付属しています。20██/6/██に財団が要注意団体████の元エージェントを名乗る男性から押収しました。
瓶子とは日本の伝統的な酒器の1つです。日本神道においては、信仰対象に御神酒を捧げる際などに用いられます。
SCP-XXX-JPは劣化や損傷はありませんが、████での文献調査では13世紀には現在の██府に存在していたとされています。

SCP-XXX-JPの中の液体(SCP-XXX-JP-1)は日本酒と見られます。腐敗しており、とても気色悪いです。SCP-XXX-JPの最大容量はX線での検査により構造上は70ccと見られますが、SCP-XXX-JP-1はおぞましいことに明らかにそれを超える量排出されています。SCP-XXX-JPが存在する限り、残念ながらSCP-XXX-JP-1は無限に排出されると推定されます。SCP-XXX-JP-1から検出された成分は一般的な日本酒と比べてほとんど違いはありませんでした。SCP-XXX-JPの限界を調査するための実験が予定されましたが排出された大量のSCP-XXX-JP-1はどんな処理をしたとしても、すごく汚い感じがするということで中止されました。

20██/8/██追記:SCP-XXX-JP-1を直接、もしくは付着した物体(SCP-XXX-JP-2)を認識した者は、SCP-XXX-JP-1及びSCP-XXX-JP-2に対する異常な嫌悪感を感じ、接触を強く拒否し、自身から隔離しようとします。この嫌悪感を1月以上感じ続けると、これらのオブジェクトについて主観的な表現を用いて説明しようとする傾向にあります。対応策として1月ごとに担当職員を交代するという案が提出され、審議中です。この嫌悪感はSCP-XXX-JPに関する記憶を抹消することでも解消しますが、SCP-XXX-JP-2に関しては特別収容プロトコルに従って消毒したことを認識すれば対象を積極的に隔離しようとはしなくなります。

20██/9/██追記:このオブジェクトへの嫌悪感はSCP-XXX-JP-2に触れた物体に対しても生じます。SCP-XXX-JP-2に触れた物体もSCP-XXX-JP-2とみなします。SCP-XXX-JP-2となった人物を約7日間放置すると、気色悪いですが、積極的に他者に触れることでSCP-XXX-JP-2にしようとする傾向にあります。SCP-XXX-JP-2を約14日間放置すると、対象に対する嫌悪感はSCP-XXX-JPは関係なく、その者の人格自体を嫌悪するようになります。この状態になると特別収容プロトコルの消毒は無意味になり、嫌悪感が払拭されることは無くなります。SCP-XXX-JP-2を約30日間放置すると嬉しいことに対象は疎外感から勝手に自ら終了します。死亡したSCP-XXX-JP-2の遺物は焼却処分されます。大量の有用な可能性のある報告書を残していても同様です。

20██/6/██追記:SCP-XXX-JPの危険性が低いことが判明したため収容プロトコルは縮小されていましたが、現在まで大きな問題は発生していません。

補遺XXX-JP:担当職員の覚書
 

私は一人の部下と共にSCP-XXX-JPの二代目の担当に任命され、その実験をした。実験時、彼女にはサポートに徹して貰った。私が蓋を開けても特に異変は無かったが、鼻に近づけると異臭がした。私がSCP-XXX-JPから彼女の用意したシャーレに垂らした液体は澄んでいたがマスクをしていても腐敗臭が私の鼻腔を刺激した。私はその液体に嫌悪感を感じた。当然の感覚だ。人は腐敗臭のする物体に対して嫌悪するものだ。彼女も同じだったようで、一度シャーレを手にしたが、手早く離そうとした。そしてシャーレをひっくり返してしまい彼女の右腕にSCP-XXX-JP-1がかかってしまった。それを見た私は思わず「うわ」と声を上げ実験室から出た。そしてそのまま私はすれ違う職員全員に彼女にSCP-XXX-JP-1が付着したことを流布して回った。何故かと言われれば危険性の排除のためである。私の行動は間違っていない….と今も思っている。そして彼女は自然と孤立し私の部屋で気色悪い遺体となっていた。私が発見した2時間前に事切れたらしい。
 私は科学者だ。この報告書を書く際幾分かの思考を働かせ、当然客観的に書こうとした。すると違和感は無いのに答えられない疑問が次々に浮かんだ。まず最初に気づいたのはSCP-XXX-JP-1が腐敗していると認識した理由は何か、ということであった。科学的見地から作成された成分表によれば一般的な正常な日本酒と同様であった。正常な日本酒と同様なら腐っていない。だが、この疑問すらも違和感を感じないのである。SCP-XXX-JP-1だから、と答えそうになる。あるいは「けがれている」から、とも。すると私の疑問は止まらなくなった。私は何故彼女にすぐに消毒を指示しなかったのか?何故すぐに実験室から逃げたのか?そもそも彼女は消毒したかを確認していないのにSCP-XXX-JP-2であると断定していたのか?何故実験後彼女がコミュニケーションを取ろうとしても拒絶したのか?何故彼女が誰とも交流できずに孤立しているのを見て見ぬふりしていたのか?何故彼女は私の部屋で冷たくなっていたのか?疑問は尽きない、しかし解答を探しても、結局私はこれらを当然の行動に感じてしまう。全ての顛末が客観的に見て普遍的な選択であると思ってしまう。だがおかしい。明らかにあの実験の前後で私や周りの者の言動に整合性が無い。私は彼女と親しかったのか?本当に?あんな汚らわしい女と?汚らわしい?何が?腐った酒に触れたから?私と彼女はどういう関係だった?私にはわからない。わからないことが当たり前に思える。理由がわからないことすらも間違っていないように思える。
 これらの要件から、私は一つの仮説を打ち出した。しかし、そもそもこの仮説が正しいということは、この仮説が正しいかどうかは誰にも判断ができないのである。ただひとり彼女を除いては。しかし彼女の残した報告書は全て焼却されてしまった。SCP-XXX-JP-1はSCP-XXX-JP-2を孤立させることで社会的に抹殺するミーム災害なのではないか。だとすれば我々はSCPとして認定する対象を間違えている。財団職員としての発言とは言えないが、無限に近い量の腐った日本酒を排出する小瓶の異常性など、人を社会的に殺害する液体に比べれば微々たるものではないか。
 以下仮説が全て正しかった場合の、最大の被害を想定する。
財団のトップ達は優秀である。仮説が証明できないとしても状況を認識すればなんらかの効果的な措置を執るだろう。私よりも優れた研究員はたくさんいる。しかし、私が恐れているのはSCP-XXX-JP-2となった彼女による被害が拡大することである。SCP-XXX-JP-1及びSCP-XXX-JP-2は認識によって拡大すると思われる。もしこのオブジェクトに関する認識が更に広まると、彼女が使用していた物品、施設その他の研究にまで影響を受ける可能性がある。我々にとって報告書は命より重要なものである。それすら焼却することに当然のようにやってのけてしまった。実験室も施設も廃棄するのが当然になってしまうかもしれない。はたまた空気や水、大地、地球….拡大するとしたら限界は不明である。
 報告できないならば、SCP-XXX-JPの実験を停止することもオブジェクトクラスの変更もできない。ならば、私にできるのは、私ができる最大の封じ込めをすることだ。まず、1ヶ月に一度担当職員を交代させるという案は取り下げ、時間と財団が許す限り私が担当をする。また、SCP-XXX-JPの実験を複数人で行うことを禁じ、一切の映像や写真での記録を禁じる。これでもし実験中に粗相があってSCP-XXX-JP-2が発生しても誰も認識できない。誰かがこれを認識しない限り、孤独な殉職者を生み出すことはない。


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