SCP‐2164‐JP 花のある人生

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アイテム番号: SCP‐2164‐JP

オブジェクトクラス: Safe

特別収容プロトコル: SCP‐2164‐JPはサイト‐96█にある標準のセキュリティロッカーに収容されます。SCP‐2164‐JPを用いた実験にはレベル3以上の職員による承認が必要です。

説明: SCP‐2164‐JPは一般的なデザインの黒みがかった青色の花瓶です。外観に異常はなく、内部の底には”Life with flowers”と印字されています。

人が直接SCP‐2164‐JP内部に切り花を挿し入れた時、切り花に異常性が付与されます。(以下、この植物被験体をSCP‐2164‐JP‐1と呼称。)SCP‐2164‐JP‐1はその植物種の生態に関係なく異常に長い寿命を獲得します。細胞の劣化速度から推測されるSCP‐2164‐JP‐1の寿命は約30〜60年です。また同時に極度の乾燥や病原菌に対し高い耐性を示すなど、生命維持に関わる能力が飛躍的に向上します。SCP‐2164‐JP‐1は生命活動の停止まで開花し続けると考えられていますが現時点で寿命を迎えた個体は存在せず、推測の域を出ません。特筆すべきことに人が切り花をSCP‐2164‐JPに挿し入れて異常性を付与できるのは一人につき一度だけのようです。

SCP‐2164‐JPは██県██市のアパートで自殺した20代男性の部屋から遺留品として警察に押収されていました。発見時SCP‐2164‐JPには2本の花が飾られていたようです。遺体発見までの数日間、炎天下の室内で放置されていたにも関わらず花瓶の花には一切劣化が見られず、この事が警察関係者の間で局所的な噂となっており、警察内部に潜入していたエージェントの興味を引きました。その結果オブジェクトの異常性が発覚し、現在の収容に至ります。

補遺: SCP‐2164‐JPの発見時、部屋からは自殺していた男性のものと思われる「日記」も回収されていました。以下はその手記からSCP‐2164‐JPについての言及ないし重要だと考えられる記述の抜粋です。

20██/6/██
██(交際関係にあったことが窺える女性。)が今朝、旅行から帰ってきた。彼女がどこか遊びに行く度よく分からないお土産を買ってくるのはいつものことだが今回はこの青い花瓶がそうらしい。なんでも旅行先の街中で迷子になった際、偶然見つけたアンティークショップで一目惚れしたらしく、値段もそれなりにしたそうだ。どうかしている。まあせっかくだし部屋に花を生けてみるのもいいかもしれない。気が向いたらだが。

20██/8/█
あれから無為な日々を過ごしている。あまりにも急な██の死から一ヶ月以上経ったが、未だに夜は眠れないことが多いし、必要最低限の食事が精一杯だ。立ち直ろうとも思えない。
ここ最近、忙しいことを言い訳に、彼女が大好きだった旅行にも付き添わず、寂しい思いをさせてしまっていた。
後悔だけが残る。

20██/8/██
花瓶の花は彼女がいた時と変わらず咲いている。随分と日持ちするものだ。そう、結局面倒がって空の花瓶を放置していたのだが、見かねた彼女が一輪の花を買ってきて飾ってくれたのだった。あの事故の数日前、だったか。
この花が枯れるのは忍びない。水換えくらいするか。そろそろ重い腰を上げ、前を向く頃合いなのかもしれない。こんな生活、もし██に見られたら叱られそうだ。

20██/8/██
今日は新しくひとつ、花を買ってきた。既に██が飾ってくれたのと同じ、色違いのやつだ。一輪挿しとはこういうものなのだろうが、一本だけというのがどうしても寂しく感じられたのだ。
寄り添うように並んだ二つの花を見ていると、今度はこちらが寂しくなってくる。██のいない人生に、意味を見いだせずにいる。
彼女に会いたい。

捕遺2: SCP‐2164‐JPの実験において異常性の付与に成功した5名のDクラス職員はその後数日の間に例外なく死亡していることが判明しました。これらDクラス職員の死因は急病による発作、別の実験中の事故など規則性はありませんが、SCP‐2164‐JPの未知の異常性により「極めて近い未来に死亡する事」が決定付けられていた可能性があります。


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