SCP　神██月 - SCP-JPサンドボックスⅢ

SCP　神██月

SCP-JP SB3 » K_Meganaの保管庫 » SCP　神██月

アイテム番号: SCP-XXX-JP

オブジェクトクラス: Keter

特別収容プロトコル: 毎年9月25日から12月5日まで、日本にあるすべてのサイト内のオブジェクト監視レベルはレベルⅢからレベルⅤに引き上げられます。また、日本全国のエージェントにオブジェクト回収体制を強化するよう通達が出されます。
SCP‐XXX‐JP‐1の周辺に神格存在への対応を任務とした機動部隊か‐9(神様の云うとおり)が配置されます。SCP‐XXX‐JP発生中SCP‐XXX‐JP‐1は常に監視されます。期間内10月25日から12月5日までの間に、SCP‐XXX‐JP‐1付近にいるSCP‐XXX‐JP‐2にSCP‐XXX‐JPの発生中何があったのか聞き取るためのインタビューを行ってください。なお、このインタビューの対象はSCP‐XXX‐JP‐2‐bが推奨されます。SCP‐XXX‐JP‐2‐bの提供する情報は信頼性が高いものとみなし、場合によってはインタビュー内容はO5評議会に提出されます。
SCP‐XXX‐JP‐1の過度な警備およびSCP‐XXX‐JP‐2に対するSCP‐XXX‐JP‐2自身の許可のない追跡はSCP‐XXX‐JP‐2の気分を損ねる可能性があるため禁止されています。

説明: SCP-XXX-JPは、毎年10~11月の間島根県出雲市にある神社(SCP‐XXX‐JP‐1　出雲大社の名で広く知られる)に日本国内のあらゆる神格存在(SCP‐XXX‐JP‐2)が集合する現象です。現在財団が登録している国内の神格存在114309体のうち8割以上がSCP-XXX-JPに関わっていることが確認されています。

SCP-XXX-JPは19██年11月28日、毎年10~11月に日本国内のオブジェクトが一斉に活性化する現象およびオブジェクトの収容件数が劇的に増加する現象の調査において、当該現象の原因として特定されました。分析の結果、全国のSCP‐XXX‐JP‐2がSCP‐XXX‐JP‐1に集まることでSCP‐XXX‐JP‐2に管理、またはその力によって抑制されていたオブジェクトの効果が一切の制限なく発揮されるようになることが分かっています。
また、関連してSCP‐XXX‐JP期間内に国内の要注意団体の活動が活発になる傾向があります。国内のサイトにおける10月中の対人警備の強化が協議中です。

SCP-XXX-JP発生中、SCP‐XXX‐JP‐1内のヒューム値が突然大幅に増減することがあります。コウルドマン-ジェフスキーヒューム計による測定で確認された値のうち最大値は3.2×10^██Hm、最低値は1.1×10^-██Hmです。しかし、このヒューム値の変動は最大でも0.0001秒ほどで収まるため、現在までに重大なインシデントは発生していません。SCP‐XXX‐JP‐1にスクラントン現実錨(MSRAs)を設置することが検討されています。

財団がSCP‐XXX‐JPに関連して接触したSCP‐XXX‐JP‐2は以下の四体です。

番号	説明
SCP‐XXX‐JP‐2‐a	クラスⅡ神格存在。質素な着物を着た子供の姿。自己紹介および発言から████県に祠を持つ道祖神と推定される。財団に友好的ではあるが、有している情報は重要度が低いものばかりであるため接触は調査には不適。
SCP‐XXX‐JP‐2‐b	クラスⅥ神格存在。現代風の服を着た女性の姿。自己紹介および発言から日本書紀、古事記に記述のあるアメノウズメと推定される。財団に友好的であり、有している情報も重要度の高いものが多い。
SCP‐XXX‐JP‐2‐c	クラスⅦ神格存在。鎧を着た男性の姿。自己紹介および発言から日本書紀に記述のある経津主神と推定される。会話には応じるものの、財団には非協力的。
SCP‐XXX‐JP‐2‐d	クラスⅦ神格存在。白い着物をまとい鬼を模した仮面をつけている。発言から日本書紀、古事記に記述のある禍津日神と推定される。財団に対し、積極的ではないものの敵対的。インタビューを試みたエージェント二人が呪殺された。

財団に非協力的、または敵対的なSCP‐XXX‐JP‐2と接触してしまう可能性もふまえ、新たなSCP‐XXX‐JP‐2との接触は推奨されません。もし接触する必要がある場合は、本オブジェクト研究責任者の許可のもと、財団の神格存在データベースで接触対象と推定される神格存在の情報を確認してください。

以下はSCP‐XXX‐JP‐2‐bに行われたインタビュー記録の抜粋です。

+ インタビュー記録XXX-JP-2-b　No.1 - 日付19██/11/26

- 閲覧を終了

対象: SCP‐XXX‐JP‐2‐b

インタビュアー: エージェント・天津

付記: SCP‐XXX‐JP‐2‐bに対する初めての接触。SCP‐XXX‐JP‐2‐bの希望によりインタビューはSCP‐XXX‐JP‐1付近のカフェで行われた。なお、インタビューではSCP‐XXX‐JP‐2のことをSCP‐XXX‐JP‐2が名乗る名前(アメノウズメ)で呼称している。

<録音開始>

エージェント・天津: 本日はご協力感謝します。

SCP‐XXX‐JP‐2‐b: いえいえ、人間さんもお疲れ様です。私にわかることだったらなんでもお答えしますよ。

エージェント・天津: ありがとうございます。まず、お名前をお伺いしてもよろしいでしょうか。

SCP‐XXX‐JP‐2‐b: アメノウズメといいます。もしかしたらあなたも私の名前聞いたことあるんじゃないかしら。

エージェント・天津: よく存じております。我々は毎年10月、11月に神々が出雲大社(SCP‐XXX‐JP‐1)にお集まりになる理由を調査しているのですが、そのことについてお教えいただいてもよろしいですか？

SCP‐XXX‐JP‐2‐b: 昔からの慣習なんです。ええと……確か天照様の岩戸隠れのときにみんなで集まったのが始まりで、それから今までずっと続いていますね。

エージェント・天津: 岩戸隠れの際に神々の会議の舞台となったのは高天原の天安河原(あまのやすがわら)とある伝承が我々の知るものとしては多いですが……

SCP‐XXX‐JP‐2‐b: しばらく前……1000年くらい前の神議りから大国主が主催するようになったんです。彼が拠点にしているのが出雲ですから、そこへ。彼、結構なパーティー好きなんですよ。

エージェント・天津: 神議りですか。どんなことをしているんですか？

SCP‐XXX‐JP‐2‐b: ただのおしゃべり会になることもあれば、神々の今後の方針や人間さんたちとの付き合い方を真剣に議論することもあります。今年は一発芸大会でした。私のダンスが建御雷の居合芸に負けたのにはまだ納得いっていませんね。あ、あなたも見てみますか？私のダンス。結構評判いいんですよ。

エージェント・天津: 後で拝見させていただきます。ええと、もしあなた方の集会が一般的に知られている神無月、もしくは神在月と同一のものであるとするなら、神議りは一か月行われるというのが通説ですが、二か月間お集まりになられているのはなぜなのでしょうか？

SCP‐XXX‐JP‐2‐b: 最初は10月の一か月だったんです。でも旧暦が改められて今の暦になったとき、新暦に合わせたほうがいいって神とそんなものに合わせる必要なんかないって神とでいつ神議りをするのか意見が割れちゃって。議論がずっと平行線だったので、結局二か月やることになったんです。確かに旧暦のほうがいろいろと都合がよかったのは事実なんですけど、私はどっちかというと新暦派です。

エージェント・天津: なるほど。最後にお聞きさせていただきますが、勝手ながら新暦派、つまり人間に合わせてくださるという風に解釈させていただくと、今回のインタビューにご協力していただいていることも含め、アメノウズメ様は我々人間に近い立場を取られているように思われます。差し支えなければ理由をお教えしていただいてもよろしいでしょうか。

SCP‐XXX‐JP‐2‐b: 確かに私は神の中でも比較的人間さん側ですかね。人間さんの文化の移り変わりを見るのが好きなんですよ。私から始まった芸能という文化が広く親しまれているのは、見ていて気持ちがいいものです。それに、あなたたちは私たちが神議りで留守にしている間、代わりに神器や穢れなどを管理してくれているのでしょう？インタビューに答えているのはそのお礼みたいなものですよ。

エージェント・天津: 本日のインタビューはこれで終了です。ありがとうございました。もしかしたら来年以降もアメノウズメ様にお話をお伺いするかもしれません。(エージェント・天津はインカムで今後もSCP‐XXX‐JP‐2‐bとの接触を可能にするよう指示を受けている)

SCP‐XXX‐JP‐2‐b: こちらこそありがとうございました。楽しかったですよ。あ、最後に私からも一つ。もし神議りで世界を作り直すことや人間さんを処分することが決まったら、人間さんにそれを通告するの私の係なので、そのときは大変だと思いますけどよろしくお願いしますね。

<録音終了>